ヒロイン
ひろいん
…もしかして ⇒ ヒーローインタビュー
🦸♀️概要
ヒロイン(英:heroine)とは、ヒーロー(hero)の女性形であり、女性の英雄(女傑)や女性の主人公(女主人公)を指す。
女主人公は、古くは『リボンの騎士』のサファイア、『魔法使いサリー』の夢野サリーなど女性向け作品に多かったが、1970年代の『キューティーハニー』の如月ハニーを皮切りに、男性向け作品でもバトルヒロイン作品が定着するようになった。
ただし、男主人公の物語におけるヒロインという用語は「男主人公のロマンスの相手役」という扱いが多く、英雄的な活躍をする女主人公を指す場合は、ヒロインの他に「ヒーロー」と呼ぶことも多い(英文法的には誤りである)。
ヒロインの定義
古典的なヒロイン像は、男主人公の相手役の準主人公である。マリオシリーズのピーチ姫などのように悪役に狙われる、もしくはさらわれる等の境遇に置かれ、それを騎士的役割の男主人公(ヒーロー)が救う、常に主人公と行動を共にし、理解者・精神的支柱となる...などといった役割を担うキャラクターである。
ただし、これが極端になった結果がヒロインに「囚われの姫」「救われる存在」の意味合いを強めてしまい、本来の「女性の主人公」としての意味が薄まる要因にもなっている。
また、「囚われの姫」「救われる存在」で連想される「大人しい、か弱い女性」「ドレスアップする前のシンデレラ」は汚れの一切ない美少女ではなく、『ドラえもん』の野比のび太を女にしたような垢抜けない少女であるはずだが、そこを無視した結果、周りを醜く見せて自分を美しく見せる『悲劇のヒロイン症候群』という二次被害を生み出してしまっている。
後述の『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎなどはそこを逆手に取ったヒロインである。
魔法少女もの、男性向けの萌え絵、公式のぶりっ子キャラ(ライバルヒロイン)は「見た目を作るジャンル」というメタな知識が読者にあるため、「不要不急の装飾」という問題からは除外されることが多い。
ヒロインに(垢抜けない少女や、不要不急の装飾を施した美少女という理由で)注意をする脇役は、嫉妬心や女嫌いと結び付けられがちであるが、ヒロイン単独にする嫉妬は相手を優れていると認めないとできない疑似同性愛と結び付けられやすく、男女の恋愛の副次的な嫉妬なら「最愛の男性を自分以外の誰とも会話させたくない」という男性の理想の性格と結び付けられやすく、クズモブにいがちな性格からは外れている。
否定的に描かれた脇役は脇役という鏡に映ったヒロイン自身の心の闇だと解釈されやすく、設定と構図に矛盾があるヒロインは傍観者(もう一人のヒロインで、男性ヒロインの可能性もある)がヒロインという鏡に映した心の闇だという解釈がされやすく、設定が具体的なクズモブや悪役はこれに限らない。
少年漫画などの男性向け作品では、主要な女性キャラクターを総称してヒロインと呼ぶ事もある。作品において最も重要な地位に立つ女性を「メインヒロイン」と呼び、それ以外の女性を「サブヒロイン」と呼んで区別する。また、中には敵役としてのヒロインも存在し、悪の女幹部の女性のことを「ダークヒロイン」と呼んだりする。ラブコメ作品では、最終的に主人公と結ばれる女性を「正ヒロイン」と呼び、その正ヒロインと争う女性を「準ヒロイン」と呼んだりする。
作品の要となる女性を決めるヒロイン論争と、男性主人公の正妻役を競う正妻戦争は大なり小なり重なる部分もあるが、正確には別物である。
メインヒロインが血の繋がった姉もしくは妹の場合、近親相姦がメインテーマの作品でない限りくっつく事はめったにない。
少女漫画などの女性向け作品では、上記の古典的ヒロイン像に近い男性キャラクターも存在し、例えば『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面こと地場衛などは「立ち位置的にはヒロイン」と言われている。元を辿ればヒーローとヒロインは男女の違いのみなので、かなり正しい用法である。
似た概念にBLがあり、男性キャラの受けの扱いはヒロインと同じである。しかし、中には従来のヒーロー的な要素を持つ男性キャラもいるため、逆カプ・リバという概念が存在している。また、この概念はBLだけでなく様々な書き手/描き手の考え方や多様性がある現代では男性キャラだけでなく女性キャラや性別不明・不詳キャラにも存在している。
ヒロインはミラーリングと関連付けられる特徴も持っている。
男と女、女同士などの相対する属性で比較するものの他、シチュエーションがそっくりなジャンル同士(萌え系と少女漫画、NLとBL・百合、恋愛漫画の不細工とギャグ漫画の不細工のどちらかが好かれていてどちらかが嫌われている現象、現代ものと異世界もの、アニメと実写、全年齢向けとR-18など)で比較を行われることもあり、印象の違いについて議論されやすい。
派生的な用法として、立ち位置に加えて外見やキャラクター属性が女性的な男性キャラクターに対し半ば揶揄を込めてヒロインと称されるケースも見られる(→男子力(ヒロイン)、男性ヒロイン)。
ヒロイン詐欺
稀に男性主人公のギャルゲー、エロゲのメインヒロインをパッケージに描いた「パッケージヒロイン」を女性主人公と見間違って漫画やゲームを買ってしまうケースがあり、それについて批判があったりするが「萌えキャラ、お色気担当」と「女主人公、ヒロイン」はイコールとは限らない。