カジッチュ
かじっちゅ
基礎データ
全国図鑑 | No.840→No.0840(第9世代から) |
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ガラル図鑑 | No.205 |
ヨロイ島図鑑 | No.019 |
パルデア図鑑 | No.108 |
キタカミ図鑑 | No.033 |
ローマ字表記 | Kajicchu |
分類 | りんごぐらしポケモン |
高さ | 0.2m |
重さ | 0.5kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
タイプ | くさ / ドラゴン |
特性 | じゅくせい / くいしんぼう / ぼうだん(隠れ特性) |
タマゴグループ | しょくぶつ / ドラゴン |
各言語版での名称
ドイツ語 | Knapfel |
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英語・スペイン語・イタリア語 | Applin |
フランス語 | Verpom |
韓国語 | 과사삭벌레 |
中国語(簡体字) | 啃果虫 |
中国語(繁体字) | 啃果蟲 |
概要
初登場は『ポケットモンスター ソード・シールド』。
リンゴとそれに巣食っている青虫が合体した様なポケモンで、名前の由来も「果実+齧る+虫」。
見た目が見た目なのでむしタイプに見えるが、れっきとしたドラゴンタイプのポケモンで、本体は本当に青虫の如く小さい。移動は尻尾を引っ込めてコロコロと転がるように移動する。
生まれるとすぐに住処兼主食となるりんごに潜り込み、その中で進化するまでの間果肉を食べながら過ごしている。りんご自体もそういう品種なのか、鋭い牙を生やしたような模様があるのが特徴的。
ヘタについた葉のような形状の大きな目を飛び出させて周囲を視認し、天敵の鳥ポケモンを見つけるとただのりんごのふりをすることで身を守る。
自らを包む果汁から水分も得ている為、外に出たままだと身体が乾き弱ってしまう模様。更に身体から分泌する特殊な体液で皮の強度を高めつつ腐らないようにするなど、徹底してりんごへ籠る事に特化した生態を持つ。
それ故りんごを食べ尽くしてしまった場合は、即、他のものに移り棲むようだ。
そして、そうやって食べ続けたリンゴの味によって、細胞が影響を受け進化先が変わるという変わった生態を持つ。
具体的には、熟していない酸っぱいものを主に食べていた個体はアップリューに、よく熟した甘いものを主に食べていた個体はタルップルに、果密を豊富に含むものを主に食べていた個体はカミッチュに進化する。
剣盾では一貫してリンゴと一体化した姿しか見られないが、『Newポケモンスナップ』では樹にぶらさがるカジッチュを落とすと、落ちた衝撃でリンゴからすっぽ抜ける本体を一瞬見ることができる。
またガラル地方では、「好きな子に告白する時カジッチュをプレゼントすると結ばれる」という甘酸っぱい噂話があるらしく(この逸話はプレイヤーからもよくネタにされる)、ゲーム内でもこの噂に関するイベントをこなす事で進化アイテムが入手できる。
このイベントの際に自分のカジッチュを譲る事になるが、イベントが完了すると返してもらえるので安心して手渡そう。
剣盾DLC『鎧の孤島』ではウーラオスをキョダイマックスさせる為に必要な「ダイミツ」を探すイベント内にて、カジッチュのミツを舐めてみたホップは「りんごジュースみたいな味」と語った。
ゲーム上における特徴
ポケモン剣盾
とくせいの一つに今作で初登場となる「じゅくせい」がある。
持たせたきのみを使った時にその効果を2倍にする効果を持っている。
タイプはメガジュカインやアローラナッシーと同じだが、完全新規のポケモンはこのカジッチュ系統が初となる。
進化前であることを鑑みても、かなり貧弱なポケモン。ぼうぎょ以外のステータスが非常に低く、レベルアップで覚える技は「からにこもる」と「おどろかす」しかない。
一応わざマシンで「メロメロ」を覚える他、タマゴ技もあるのでコイキングなどよりはマシだが、やはり早めに進化させてやった方が活躍できることは間違いないだろう。
なお、第3世代以外のポケモンでは唯一の経験値60万グループの系列となっている。
アイテムとして専用の「すっぱいりんご」か「あまーいりんご」を入手でき、それを使う事で対応したポケモンに進化できる。通信進化ではなく、石と同じ様に与えれば良い。
イベントで貰った進化用のりんごを消費しても、ワイルドエリアの中洲「キバ湖の瞳」の木陰に落ちている場合があるので、毎日通えば複数手に入れることも可能。なおキバ湖の瞳はキテルグマやオノノクスが闊歩する危険地帯なので向かう時は注意したい。
ただ、手に入るりんごはバージョンによって異なっており、「すっぱいりんご」は『ソード』、「あまーいりんご」は『シールド』でしか入手出来ないので、通信で他のソフトから貰わなければ、ゲットできるのはどちら一方のみ。
どうぐを使う分岐進化を持つポケモンは多くいたが、バージョンによって異なるのは珍しい。
どちらに進化させるかはプレイヤーの判断に委ねられるだろう。
しかし、20年3月中旬のピックアップレイドで登場するダイマックスバトルでバージョン違いを相手にしたクリア報酬にりんごを入手出来る。どちらかのダイマックス形態とも戦えないが、図鑑埋めには必須である。
カジッチュ自体は5ばんどうろの草むらでランダムエンカウントする。細かく捜さないとなかなか出会えず、途中ヌイコグマやチラーミィなどが大量に群がってくるので気をつけよう。
ポケモンSV
出現確率、さらには色違いのゲットしやすさが格段に上がっている。
本作では出現ポイントに立ちさえすれば勝手に木から落ちて継続的に出現するため、レッツゴーで連れ歩いたポケモンを出現ポイントに立たせれば勝手に戦闘してくれて、いつかは色違いが出る。しかもレッツゴーの仕様上、色違いポケモンとの自動戦闘は連れ歩いているポケモンに拒否される。要するに(木から落ちるポケモン全般に言えるが)色違い厳選を自動化できるという事である。
また、本作では1つのバージョンであまいりんごとすっぱいりんごの両方が手に入るようになったことから、進化形であるタルップルとアップリューがバージョンを問わず入手できるようになった。ちなみに、★5テラレイドバトルでも両方が出現することがあるが、『スカーレット』ではアップリュー、『バイオレット』ではタルップルのレイドがそれぞれ出現しやすい傾向にある。
更に、DLC『碧の仮面』では新たな進化系であるカミッチュが追加された。こちらは専用アイテム「みついりりんご」を使用することで進化できる。これにより、数少ない分岐進化が3つ以上あるポケモンとなった。他に該当するのは、進化先全てが完全な別種という意味ではイーブイとバルキーのみ(同種の姿違いでは♀のミノムッチやイワンコもいる)。
使用トレーナー
ゲーム版
『ポケモンマスターズ』のイベントにて既にタルップルへと進化しているが、マサルから貰ったカジッチュを育てたという言及がある。ただ、渡した理由は上述の噂話ではなくマサル曰く「大事に育ててくれそうだから託した」との事(なおスイレンは噂を知ってたがマオは知らなかった模様)。
『ポケモンSV』のDLC『碧の仮面』にて既にカミッチュに進化しているが、カジッチュの頃から育てた相棒、と言及している。また、『ゼロの秘宝・番外編』クリア後、ブルーベリー学園リーグ部にスグリが出現するようになり、3回目の訪問でカジッチュを交換してもらうことができる。
アニメ版
余談
青虫っぽいモチーフなのにドラゴンはおかしく無いか?というツッコミがあるが、古代中国では龍、並びにその眷属たる蛇を「虫」と表現していたり(虹という字も龍が空を駆けた後に出来る、または龍の一種だと考えられていた事に由来する)、西洋の伝承におけるドラゴンの一種にワームが存在する為だと思われる。
関係ないがトンボは英語でDragonflyとよばれるため西洋においても虫=竜というイメージはそこそこあるようだ。
アダムとイブを騙してりんごを食べさせた蛇が竜のリヴァイアサンと同一視されていたり、多頭竜であるラードーンが「黄金のりんご」を守っているという話もあったりと、りんごと竜を扱った神話は少なくない。
竜に関するヨーロッパの伝承の中でも、リンドブルムというワームの一種は一対の腕と蛇のような体を持つドラゴンであるとされ、アップリューと共通点が多い。
ワームの伝承にもリントンヒルなる丘の地下に巣食う大食いの竜の伝承、木の実の中の虫が竜に成長する物語などカジッチュの生態に似た話もいくつかある。
りんごである理由には、進化系のアップリューがGのちからを覚え、舞台がイギリスをモチーフにしたガラル地方であることから、ニュートンのりんごの要素もあると思われる。
きのみの存在から、ポケモン世界にリンゴは存在しないのではないかと思われたリンゴがポケモン世界に存在すると確定づける決め手となった存在である。
リンゴは不思議のダンジョンシリーズでこそ存在していたが、本家世界で存在の今日まで不明だったのである…とはいうものの、今までにリンゴをモデルとしたきのみは一度として登場していない。
なお、カジッチュのモチーフであるリンゴの花言葉は「選択」であり、使ったりんごによって進化先が異なるのはこれが理由かもしれない。