曖昧さ回避
- 『ゾイド』の一種。本稿で記述。
- アメリカで発見された恐竜「ウルトラサウロス」。当初は「ウルトラサウルス」の愛称で呼ばれたが、以下の発見により改名せざるを得なくなった。更に、スーパーサウルスとブラキオサウルスの化石が混ざったものである事がわかり、無効名となった。
- 韓国で発見された恐竜「ウルトラサウルス」。当初の予想と比べると小さいらしい上、2019年現在は未だ独立した種とは認められていないらしい。
スペック
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概要
ウルトラザウルスはヘリック共和国が開発した竜脚類型超大型ゾイドである。
中央大陸戦争中期に共和国の科学者、チェスター教授によって水陸両用型の前線指揮のための旗艦ゾイドとして開発された。
全長50メートル、重量500トン超という超巨大ゾイドであり、やや動きこそ鈍重であるが、それを補って余りある凄まじい火力と、それまで最強のパワーを誇ったゾイドであるゴジュラス二機がかりでも抑えきれないパワー、そして生半可な火力ではビクともしない頑丈なフレームを持つ。
単純な戦力比ではサーベルタイガーと1:5、アイアンコングと1:4、レッドホーンと1:10の優位性を誇り、登場当初は共和国軍最強のゾイドとして無敵を誇った。
36cm高速キャノン砲4門を主兵装に40mm連装対空砲・8連装ミサイルランチャー等といった重兵装を全身に装備しており、圧倒的火力を持って敵を粉砕する戦法を用いる。
また、背部と腹部に1人乗りの小型機を格納したカタパルトを備えており、小型ゾイドを搭載することも可能。
初登場時に帝国にあわや奪取されそうになったこともあり、その際帝国側はウルトラザウルスの恐るべき性能と、この性能の超巨大ゾイドを作り上げた共和国の国力に震撼していた。
実在の竜脚類とは異なり尻尾は武器にならないが、バイトファングによる噛みつきと踏みつけができる上、デスザウラーに匹敵するパワーを持つため、仮に格闘戦に持ち込まれてもまったくの無力になるわけでもない。
デスザウラーと比べ装甲や敏捷性凶暴性で劣るためトータルでの格闘能力は劣り、デスザウラーの登場と同時に無敵時代を終えた。
しかし水中戦や海上戦に対応し、むしろ海上戦の方が得意なので、海での戦いでは優位性は崩されていない。
また陸上での直接戦闘においても、デスザウラーのパイロットが至近距離からのウルトラザウルスの攻撃の衝撃に気絶しそうになる描写もあり、ゴジュラスほどデスザウラーに大きく差をつけられているわけではない。
その他、切り札として、機体を光り輝かせ、全武装を全方位に一斉射撃する必殺技を持ち、その破壊力は包囲していた帝国大型ゾイド部隊を一瞬で壊滅させ、地形をクレーター状に抉るほどの破壊力を持つ。
詳しくは後述するが、超巨大ゾイドとしては最も人気があり、分かりやすい大艦巨砲主義的な強そうな見た目も相まってとくに昭和ゾイドファンからは非常に評価が高かった。
平成バトルストーリーやアニメではデスザウラープッシュが凄まじく、デスザウラー人気に隠れている感は否めないが、実はかなり優遇もされている。
平成バトルストーリーにおいてもアニメにおいても、最高戦力として大活躍し、ウルトラザウルスがいなければ負けていた場面も多い。
後年ウルトラザウルスより強いゾイドは頻発するが、いずれも単機では戦局を左右できておらず、単純な戦闘力だけでなく指揮能力の高さと火力を両立した本機がいかに画期的なゾイドであったかは疑いようがなかった。
バトルストーリー
その活躍は目覚しく、一時はゼネバス帝国を中央大陸から追い出したほどである。
その後も無敵のゾイドとして君臨するが、帝国が開発した恐怖の恐竜型ゾイドデスザウラーに破れ、その座を引きずり下ろされる。しかしながらデスザウラーの苦手とする水上戦ではその優位は崩されておらず、制海権確保の立役者となっている。
無敵時代を終えた後も共和国最強の海軍力や運搬力として存在感は最後まで揺るがなかった。その他、帝国の超小型ゾイドに爆破されたり、戦力的には劣るはずのアイアンコングに撃破されかけたり、逆に海上戦でデスザウラーを集中放火して葬ったり、デスザウラーの弱点付近に攻撃をかすめて撤退させたりもしており、性能差がゾイドの全てではない事が本機によって度々示されている。
ガイロス帝国との大陸間戦争時に訪れた惑星Ziの「大異変」によってそのほとんどが絶滅したが、奇跡的に大統領専用機である一機のみが生き残り、後の共和国軍の旗艦として活躍している。
とりわけ、後述のバリエーション機ザ・デストロイヤーはその攻撃で戦争を勝利に導いたバトルストーリー歴代全ゾイドトップクラスの破滅的超弩級火力を誇る。
一方で平成時代においても最旧式小型ゾイドであるシンカーの大軍勢によって窮地に立たされており、やはり最強でありながら性能差は覆されうることも描かれていた。
アニメ
ゾイド-ZOIDS-
ヘリック共和国軍が、万が一の国難に備えて用意していた超巨大な最終決戦兵器として登場。
アニメ版の他の超大型ゾイドの例に漏れず、本機も設定を遥かに凌ぐサイズに巨大化しており、内部には大型ゾイド数十機分を格納可能なスペースを備える移動基地とでも呼ぶべき威容を誇る。機動性も見かけの割に悪くなく、回避運動で甲板にいたゾイドが転落しそうになるほど。
ウィンディーヌレイクという偽装湖の中に秘匿され、ヒルツの操るデススティンガーの侵攻で首都を壊滅させられた共和国軍の臨時拠点として起動が決定される。しかしそれまでは一度も起動した事がなかった事もあってか、一部の火器を除きほぼ丸腰状態で護衛は必須であった(CGモデルは劇中未装備の36cm高速キャノン砲も作成され、資料で公開されている)。
操縦はムンベイが担当。
起動した直後にデススティンガーの荷電粒子砲による攻撃を受けるも何とか回避、その後もデススティンガーやヒルツの部下たちに何度も襲撃されながら何とか海を渡ってガイロス帝国の基地へ到着し、内部重力を持つ「超重金属プラネタルサイト」を砲弾として使う「グラビティカノン」を受領した。
グラビティカノンの搭載後は、バンのブレードライガー、アーバインのライトニングサイクス、トーマのディバイソンとの連携も合わせて、グラビティカノンでデススティンガーを一時的に戦闘不能に追い込んでいる。
最終回では破滅の魔獣と化したデスザウラーの荷電粒子砲で行動不能になりながらも、ムンベイの必死の操縦センスによる姿勢制御で持ちこたえバンのブレードライガーをグラビティカノンの砲塔で撃ち出し、デスザウラーを撃破するという大金星の活躍を見せている。
超巨大移動要塞として常に活躍しつつ、デススティンガーやデスザウラー相手に奮戦する様は平成アニメゾイドファンに強く印象づけられている。なお、ウルトラザウルスといえば超弩級移動要塞というイメージでプラモデルを買うと、バトルストーリーでは意外に小さく衝撃を受けた平成ファンも多いとか……
ゾイド新世紀/ZERO
二機のウルトラザウルスが登場。
一機は「ゾイドバトル連盟」の移動施設としてバトルを取り仕切っており、元のウルトラザウルスには無かった全方位展開式の超大型Eシールドを装備している。バックドラフト団が復活または培養させた上尾部だけの不完全な個体とはいえ、デススティンガーの荷電粒子砲を完全に防ぎ切る程の出力を持つ。
さらにもう一機、グラビティカノンの砲塔を装備した前作に登場したものと同一と思しき機体も存在している(よく見ると前作で姿勢制御時にムンベイが目一杯倒したスロットルレバーがそのままになっているという小ネタがある)。終盤におけるロイヤルカップ大会のゴール地点がここであり、かつて活躍したという“伝説のゾイド乗り”の記録が残されている。
コンセプトアート版ウルトラザウルス
共和国の旗艦であり、重武装型ゴジュラスに代わる切り札。共和国最大級の大きさの砲を持ち凄まじい火力を誇るが、アイアンコングには攻撃を躱されデスザウラーには攻撃が通用せず、そのまま荷電粒子砲で大破させられた。役目としてはデスザウラーやアイアンコングの強さを演出するための噛ませ犬になってしまったが、設定上プロトタイプ機であり、武装を最適化すればもっと強くなることが仄めかされている。
バリエーション
ウルトラザウルス大統領専用機
ゾイドバトルストーリーに登場。背中にバックパックを装備しており、ヘリック大統領が搭乗する旗艦として位置付けられている。もっとも、作中では影武者がこれを使用しており、大統領本人は搭乗しなかった。
同一仕様が2機存在した。
ビッグマザー
バトルストーリーに登場。ニカイドス島最終決戦で使用された改造型ウルトラザウルスで、お腹にマッドサンダーを格納して運べる。ウルトラザウルスがまだたくさん暮らしていた頃の改造機なので200機も動員された。
その圧倒的な物量によって帝国軍を圧倒した。
ケンタウロス
バトルストーリーに登場。ウルトラザウルス、ゴルドス、ゴジュラス、サラマンダーといった中央大陸戦争当時の共和国軍主力大型ゾイドを合体させた強力な改造ゾイド。
ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤー
バトルストーリーの西方大陸戦争時に登場した大艦巨砲主義の権化とも言えるバリエーション。
火砲としては規格外の大きさを持ち、一撃で都市を壊滅させる超兵器「1200mmウルトラキャノン」を搭載した決戦仕様である。発射時の反動軽減や弾薬の運搬と側面の防衛を兼ねた2機のデストロイドゴジュラスを随伴させた。
反動や機動力、メンテナンス性に問題があるウルトラキャノンなのだが、最大射程はなんと100kmで破壊力も有無を言わさぬレベルであり、事実、ウルトラザウルスの迎撃の為に100km先に布陣していた5000機の帝国軍先陣部隊のど真ん中にウルトラキャノンの砲弾をぶち込んだ結果、着弾地点から半径3キロ以内にいた300機が消滅、その外3キロの700機は爆発炎上、更に3キロ外では800機が大破、1500機が中破、1200機が小破すると言う全滅同然の損害を与えた。
そして、帝国軍ニクシー基地にも砲身が燃え尽きるまで10回近く砲撃して基地を壊滅状態に追い込み、帝国軍を西方大陸から追い出す事に成功、西方大陸戦争を終結へ導いた。
しかし、砲撃の反動がウルトラにダメージを与え、キャノンも砲身が燃え尽きたので撤去された。
この時代ではウルトラザウルスは絶滅寸前で1匹しか配備していないので、RZタイプの同機をこのデストロイヤーやザ・キャリアに更新しながら使い続けた。
特別仕様機体なので当然と言えば当然だが、ここまでの説明を読めば誇張抜きで新バトルストーリーにおける最大最強の超弩級火力を誇っているのがわかる。どんな弾頭を使ったかは不明だが、威力からは核弾頭に匹敵するとしか思えない描写がされており、このような踏み込んだ描写がされたのはこのゾイドだけである。短所の目白押しではあるものの、たった一機のゾイドの攻撃で西方戦争を決着させたまさに戦略兵器であった。
新バトルストーリーの超巨大ゾイドにおいてこのようなたった一機で戦局を一気に動かしたゾイドはウルトラザウルスのみであり、新デスザウラーでさえこのようなポジションで出てくることはなかった。ある意味では、全ゾイド史上最も出世したゾイドである。
※なお、ウルトラザウルスが凄いのではなくウルトラキャノンが凄いのでは?という意地悪な批判もあるが、そもそもこんな特大武装を装備できるパワーと巨体を持つのはウルトラのみであるし、ゾイド核の出力で火砲の威力は上がるという設定も考察されているので、やはりウルトラザウルスの強さとみていいだろう。
ウルトラザウルス・ザ・キャリア
バトルストーリーの暗黒大陸戦争時に登場。こちらはゴジュラスキャノンを連装砲にしたり、アングルド・デッキを積載して飛行ゾイドの母艦としたタイプ。搭載可能な飛行ゾイドの数は10機ほど。占拠したニクシー基地でこれに改装している最中にザバット大部隊の襲撃を受けたがどうにか改装出来た。アンダー海海戦では当初こそ砲撃力で帝国海軍にダメージを与えたが空の守りが手薄になった隙を付かれてシンカー大部隊の奇襲による反撃で敗走、トライアングルダラスに逃げ込むが、そこは強電磁波で全てのゾイドを狂わせて死に追いやると言う超が付くほどの危険エリアなのでそれで暴走しかけたが突如出現したマッカーチスの誘導でトライアングルダラス内部の安全な回廊にたどり着き生還、そして暗黒大陸に到達した。その後の暗黒大陸戦でもエントランス湾橋頭保に接近した敵への砲撃を行ったりした。その後、鉄竜騎兵団に占拠された中央大陸を取り戻すべく残存部隊と共に暗黒大陸を出港している姿が見られた。
ウルトラデビルス
漫画『ゾイドバトラー雷牙』に登場。首が真っ二つになってそこから斧が振り下ろされるというヤバすぎる魔改造機。
ウルトラザウルスMoS(ムンベイスペシャル)
アニメ『ゾイド-ZOIDS-』に登場したウルトラザウルスをこう記述する事もある。媒体によっては「ウルトラザウルスMS」とも呼ばれる。
ただし、ムンベイは「私の」と自称しているだけで彼女の所有物ではない。
当時発売されたトレーディングカードゲームに記載されたスペックによると全長555m・全高333mとバトルストーリーの約十倍とかなり桁違いに大きく、ブレードライガーなどの大型ゾイドも多数格納可能な母艦としても機能する。
そのあまりの巨大さゆえ、7つの動力ブロックを稼働させて起動させねばならない。当初、これらの動力ブロックはそれぞれ独立したものと思われていたが、実際は中枢部ですべてのブロックを繋げる必要があった。
上記の通り、超兵器「グラビティカノン」を搭載したことでも有名。
指揮官はハーマン大佐、操舵手はムンベイ、グラビティカノンの射撃管制はシュバルツ大佐がそれぞれ担当。
活躍の方はアニメの項目を参照。
最初の超大型、超巨大ゾイドとしての人気
実はウルトラザウルスは、全ゾイド史上トップクラスに売れた一体である。
2004年の『ゾイドコンセプトブック』によると
1位サーベルタイガー 105万9000個
2位シールドライガー 100万3000個
3位コマンドウルフ 98万6000個
4位ゴジュラス 92万8000個
5位レッドホーン 80万個
6位アイアンコング 69万7000個
7位ウルトラザウルス 66万7000個
8位ガイサック 65万個
9位ゴドス 59万6000個
10位プテラス 59万3000個
である。
上位が小型、中型、高速ゾイドが多くを占める中で、高額商品である超巨大ゾイドとしてはウルトラザウルスは最も売れた機体である。(アイアンコングやゴジュラスは巨大クラス)
最初の超巨大ゾイドとして注目度が高かった点は鑑みるべきではあるが、それでも子供が中々手が出せない高額アイテムの中で唯一ランキングに乗っている点は評価すべきである。
実はかのデスザウラーは後年の人気ぶりの割に売上ランキングトップテン入りしていない。強さと売り上げを両方考慮すれば、ウルトラザウルスは実は最も売れた最強ゾイドといえるのだ。
余談
- モチーフは同名の恐竜だが、ウルトラサウルス(Ultrasaurus)ではなくウルトラサウロス(Ultrasauros)である。
- バンのブレードライガーをグラビティカノンで撃ち出す描写は、後のホバーカーゴのマグレブ式のカタパルトとどこか似ている。
- 『ゾイドバーサス』では、他の多くのアニメ由来のゾイドが再現された一方で、「MoS」も「ザ・デストロイヤー」も登場しなかった。流石に無理があったのだろうか。
- おそらく偶然だろうが、アニメのウィンディーヌレイクの呼称は、タイアップ作品である『機獣新世紀ZOIDS』に登場した超大型ゾイドのウェンディーヌと語感が似ている。
- カードゲームではアニメ版ウルトラザウルスは全長555mと記載されているが、劇中の他ゾイドと比較すると推定1000mぐらいはある。
関連イラスト
関連タグ
ブラキオス・・・同じく竜脚類型のゾイド。サイズは中型ゾイドクラス。
セイスモサウルス(ゾイド)・・・竜脚類型の超巨大ゾイド。ウルトラザウルスと同様に、モチーフとなった「種」が消失する可能性がある。アニメ『ゾイドフューザーズ』では、ウルトラザウルスとは逆にラスボスを務めた。また、ウルトラザウルスと異なり、キャノピーを持たず、より後年の恐竜の復元図に近い姿をしており、外付けの大型武装を持たない代わりに口の中に荷電粒子砲を装備している。これらの点では、デスザウラーとゴジュラスの機体コンセプトの対比にも類似している。
ライジングライガー・・・令和のゾイドシリーズの主人公機で、「グラビティキャノン」という似た名前の兵器を搭載しオメガレックスを湖に沈めた。形と大きさこそ違えど、惑星Ziのそれを再現したものらしい。