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年問題の編集履歴

2024-09-11 10:44:25 バージョン

年問題

ねんもんだい

年問題とは、ある年やある日付が来ると、社会や生活に影響を及ぼすと懸念される諸問題である。

概要

上のあるが到来することで噴出するとされる様々な社会問題。といっても必ずしもその年の1月1日から発生するわけではなく「〇年〇月〇日問題」と呼んだ方がよいようなものもある。


2000年Y2K)を前にコンピューターシステムにおける2000年問題が騒がれたのを発端に、制度の変更による問題などについても「〇〇年問題」と呼ぶようになった。


年問題は次のようなものがある。


コンピューターの時刻処理に関わる問題

コンピューターは有限の数字で日付や時間を表現しているため、桁溢れに伴う問題が発生する。近年のメモリ容量の潤沢なシステムでは十分な桁数で日付や時間経過を管理しているため問題は生じない(近年のシステムで多用される符号付き64ビット整数型の場合、1970年を起点としたUNIX時間を西暦3000億年ごろまで秒単位でカウントできる。ナノ秒単位でも2262年4月11日まで大丈夫とされる)が、過去のシステムでは桁数が十分ではないので2038年問題などが発生する。あらかじめ懸念されていた年問題のほかにも、プログラマー閏年の処理を忘れていたことによる予期しない問題が時々発生している。


人口動態の変化による問題

特定の世代が一斉に加齢することにより発生する様々な問題。日本の場合は団塊の世代の人数が極端に多いため、その加齢に従って、定年退職による労働力不足(2007年問題)や、年金財源の問題(2012年問題)、医療介護資源の不足(2025年問題)などが次々に発生する。


法制度による問題

適用が猶予されていた法律条約規制の発効、すでに予定されていた制度インフラ廃止などに伴い、関係者が適応できるか危ぶまれる問題。2011年問題、2024年問題など。


暦の構造による問題

の不備により、ある時点で不都合が生じる問題。日本の場合は旧暦2033年問題がある。


主な年問題

2000年問題

Y2K問題とも。20世紀には多くのコンピューターが年を二桁の十進数でカウントしていたため、1900年と2000年が区別できなくなり、様々なシステムでエラーが発生すると危ぶまれた。多くのシステムが(膨大な労力を費やして)修正されたためか、2000年1月1日時点では深刻な問題は起こらなかったが、郵政省気象庁などではこの年を閏年として処理していなかったシステムが残っていたため、2月29日には全国の郵便貯金のATMが動作しない、気象観測装置のアメダスが3月1日と誤認識するなどのトラブルが発生。また、一部のシステムではウィンドウ関数を使った雑な対処を行ったため20年後の2020年になってトラブルが発生している。


2007年問題

団塊の世代(1947年生まれ~1949年生まれ)が2007年から60歳定年を迎えはじめることにより、人材が不足するとされた問題。これにより、長く続いた就職氷河期はいったん終わりを告げた...が、翌年発生したリーマンショックにより新卒者の就活はしばらく苦戦を強いられた。定年退職者の再雇用人手不足を補う事業者も多く(国もそれを見込んで年金支給時期の延長を行なった)、就活が本格的に売り手市場になるのは下記の2012年以降であった。


2009年問題

2007年の労働者派遣法の改正により膨れ上がった派遣社員(特に製造業分野)が、2009年度中に契約期間の上限である3年目を迎えることに伴う問題。企業は派遣社員を直接雇用に切り替える義務を避けるため、前年のリーマンショックを口実に契約解除(いわゆる「派遣切り」)に踏み切った。職を失った派遣労働者の一部は社宅や寮から追われてホームレス化し、労働組合などが炊き出しなどを行なった。


2011年問題

地上デジタル放送への移行によりアナログ放送が停波することに伴う諸問題。この年の東日本大震災により、被災3県(岩手宮城福島)だけアナログ 停波が1年遅れの2012年3月末になった。


2012年問題

団塊の世代が高齢者の年金受給年齢である65歳を迎えはじめることによる諸問題。この頃から再雇用で働いていた団塊世代の人々も退職していったため、若い新卒者や第二新卒者は引く手数多となった。一方で、長らく非正規雇用・無職として不遇の時を過ごしてきた氷河期世代の救済にも期待がかかったが、既に卒業後相当の年数が経っていたため使いにくいと見なされ、結果として見捨てられてしまった。とはいえ、この時期に非正規から足を洗い中小企業社員や公務員などの定職にありついた氷河期世代の人もそれなりに多い。


2015年問題

複数の意味があり、一つは2012年問題の派生で、全ての団塊の世代が65歳を超えたことによる諸問題。もう一つはこの年のマイナンバー制度の施行により、システムエンジニアなどIT業界の人材が不足するとされた問題である。


2017年問題

この年に中小企業経営者であった団塊の世代が70歳を迎えはじめることにより、事業承継問題が深刻化、この前後から後継者がいない中小・零細事業者の廃業が相次ぐようになったこと。同時期には、技術立国・日本を現場で支えた「町工場のオヤジ」の引退も増え、彼らの職人技の多くがロストテクノロジーと化していった。「匠の技」をもてはやしながら、担い手に経済的な報いを与えず後継者を育てなかった当然の帰結である。


2023年問題

インボイス制度の導入により、アニメーターや個人商店などの個人事業主の負担が重くなり、廃業が続出すると懸念された問題。


2024年問題

働き方改革関連法の時間外労働時間の上限規制適用により、物流医療建設の各業界で、それまで当たり前だった長時間過重労働が違法状態となったり、人手不足が危ぶまれる問題。


2025年問題

団塊の世代がこの年までに後期高齢者(75歳以上)に達することにより、医療・介護といった社会保障コストが激増する問題。


2030年問題

日本の国民の3人に1人が65歳以上になり、超高齢化社会への対応が迫られる問題。


旧暦2033年問題

江戸時代後期に決められた太陰太陽暦である天保暦の不備により、閏月の置き方に不都合が生じる問題。天保暦は、明治期には既に将来破綻が生じることが明らかになっていたが、日本では公式の暦法が太陽暦に移行したため放置されてきた。国立天文台OBなどが非公式に対応を模索している。なお、中華圏や韓国で使われている太陰太陽暦である時憲暦ではこのような問題は生じない。


2038年問題

1970年1月1日を起点とした32ビット整数型のUNIX時間が2038年1月19日午前3時14分7秒(UTC±0)を過ぎると内部でオーバーフローを起こすことにより正常に動作しなくなるとされる問題。1970年と3038年の中間点に当たる2004年1月10日にもKDDIの課金システムなどでトラブルが発生した。


2045年問題

技術的特異点、いわゆるシンギュラリティの到来に伴い、文明を根底から変革するインパクトが起こるとされるもの。上記の3類型のどれにも当てはまらないが、人工知能の急激な発達により、そう遠くない将来のシンギュラリティが現実味を帯びてきたことで真剣に論じられることになった。シンギュラリティ後の世界像は人間には予測不可能なので、論点は「その時をどう迎えるべきか」に集中することになる。


2047年問題

香港一国二制度終了に伴う問題。しかし、一国二制度は次第に形骸化し、2020年の国家安全維持法施行によりほぼ有名無実となった。


2053年問題

2053年ごろに日本の人口が1億人を切るとされるもの。日本社会にとって「人口1億人」は一つの通過点でしかなく、この年の前にも後にも人口減少に伴う様々な問題が噴出すると考えられる。


関連タグ

社会問題 高齢化社会 2000年問題 2024年問題 2038年問題


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