解説
元々ドラゴンクエストシリーズを中心とするRPGのゲームでは主人公の名前を自分で決めるものがあった。
ある者は自分の名前を入れ、そしてまたある者は自分のお気に入りのキャラクターの名前を入れ、そしてまたある者はデフォルトネームを入れるなどで、主人公の名前を決めていった。
ところがものぐさなプレイヤーもいるもので、名前を決めるのすら億劫で、早くプレイしたいと考えたとしよう。
この時プレイヤーは名前入力画面で名前を入れるのが面倒であり、そのままボタンを連打していく。
すると最初にカーソルが合っていた「あ」を四つ並べ、名前が決定された。
そう、勇者「ああああ」の誕生である。
その為、『ドラゴンクエストⅢ』のように自分でキャラクターをメイクする作品では、勇者「ああああ」だけでなく戦士「ああああ」や魔法使い「ああああ」、僧侶「ああああ」etc……と、名前「ああああ」のキャラクターが氾濫するようになってしまった。
TASやRTA動画ではスピードアップのために、文字数を少なくするのを狙って「あ」の1文字だけの名前が多い。
ただしワンボタンの決定コマンドがなく、自分で決定までカーソルを動かすよりも連打して文字数を埋めることで決定までカーソルをジャンプさせる方が早い作品の場合はやはり「ああああ」になる。
いずれにせよ勇者「あ」とか「ああああ」が速攻で世界を救うのである。
ちなみにファイナルファンタジーシリーズなどでは6文字まで名前を入力できるため、こちらでは「ああああああ」となる(ちなみにドラゴンクエストシリーズでも、最新作の『ドラゴンクエストⅪ』では6文字まで入力できる)。
HD-2D版『ドラゴンクエストⅢ』に至っては8文字まで名前を入力できるようになった。そう、お察しの通り「ああああああああ」ができるのである。ついにああああも2倍の時代になってしまった。
無論、デフォルトの名前が存在する作品では敢えてネタで「ああああ」などという名前にしない限りこういった現象は起きないが。
命名神の怒り
ところがこの事態が作中のキャラクターの怒りに触れた。
ドラゴンクエストシリーズでは『ドラゴンクエストⅥ』などで「命名神マリナン」なるキャラクターが登場するのだが、当人いわく「最初から『ああああ』という名前の奴は仕方ないとしてもそれに変える奴は許さん」としている。
「同じ文字を4連続で入れる」あるいは「下ネタの名前にする」と、次に名前変更をする際に命名神の怒りを静めるために5,000Gを請求される。ちなみに最初の名前入力でこれらを入れていても同様。
最近のシリーズでは同じ文字だけ入れてもペナルティは無いが、代わりに下ネタや差別用語が付けられなくなっている。
『真・女神転生if...』では同じ文字を3個以上使った名前を命名しようとすると「その名前ではないですね。ふざけないでください。」と叱られてしまう(他にもユミ・レイコ・チャーリー・アキラもNG)。
でもそれってこの苗字とかこういう名前の人が実名で遊びたい時に引っかかってしまう可能性があると言う事でもある?
また、『UNDERTALE』でも、おちてきたニンゲンの名前を決める際に「ああああああ」と入力すると、「ほんとに これでいいの…?」と心配されてしまう。
下ネタワードを入れても「こんな なまえで いいんですか?」と突っ込まれる。ごもっともである。
使い捨てられる勇者
『ウィザードリィ』が有名である。
- スタート時の能力値にランダム要素があるため、高い能力値が出るまでひたすらキャラを作り直す。当然名前は簡単に済まされる。所謂リセマラの元祖であろう。
- 新キャラを作りメインキャラで所持金を巻き上げては消去を繰り返す。どうせ消すキャラなので当然名前は簡単に済まされる。
余談
『魔法陣グルグル』で途中天使が主人公のニケの記録を残すと伝えた際、名前を聞かれたニケが「あ……あ……あ~~~」と緊張して答えた所「勇者ああああ」と記録されてしまう話があった。
こちらは二度と変更出来ないそうな……無情なり。
『勇者のくせになまいきだ』シリーズでは「ああああ」「あああい」「あああう」と名乗る、三人組のなまいきな勇者が登場する。
ひたすら「なまえをいれてください」と叫んでおり、敵として出てくると物悲しいものがある。
連れの二人は同じ名前を登録しようとしたが拒否されたため、面倒くさいから最後の一文字だけ変えたものと思われる。1〜3においてはラスボスクラスの立ち位置で登場することが多く、基本的には最強の勇者である。解説文から察するに恐らく「周回を重ね、最も得する選択肢を熟知した上で最速最適の育成の果てに辿り着いた理論上最強の勇者」こそが彼等である。しかし、彼等より更に強力な勇者が存在し…
最新作『V!勇者のくせになまいきだR』では征服期限(要するに制限時間)を過ぎると登場する。本作では圧倒的なステータスを持つチートレベルの勇者として登場。仲間として「あああい」「あああう」に加え、新たに「あああえ」を引き連れている。一度登場するとクリアは絶望的なので、もし出現してしまったら一刻も早く城を落とすのを推奨する。
『メタルマックスシリーズ』(1・2・R)では、主人公の名前によって仲間のメカニック・ソルジャーの名前が決まるのだが、主人公を「ああああ」にすると、ご丁寧にもメカニックは「いいいい」、ソルジャーは「うううう」になる。
『pop'n music 20 Fantasia』では、登場キャラクターの1人に本当に「勇者ああああ」が登場する。
その姿はまさに勇者だがコンビニ「ゆうマート」で働いていると、外見にそぐわない設定を持つ。
また、テレビ東京系に『勇者ああああ 〜ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組〜』という名前の番組も存在した。テーマはもちろんゲーム。ゲーム知識がなくても楽しめることがコンセプトだった。「勇者ああああ(番組)」を参照。
『魔界塔士Sa・Ga』のように、名前0文字でもスタート可能な作品も中には存在する。
漫画『勇者くん』には「アアアア・ド・ユーシャIII世」という名前の勇者が登場する。
2019年7月末にサービス終了している、元DMMで提供されていた『X-Overd~羅針盤の導き~』に登場するキャラクターの名前にも使われている。ダンジョンとドラゴンが溢れる異世界からやってきた元勇者の少女「ああああ」。異世界の風習が抜けきらず、人の家のタンスを開け壺を壊しまくる困った性癖アリ。ちっちゃなメダルを見つけると興奮する。もちろんDMMで提供されていたということで予想できるだろうが、エッチなシーンもあるヒロインのひとりであるが、そういうシーンもあるゲームのヒロインの名前としてここまでふざけた名前がつけられることも滅多に無いことだろう。流石に不憫だったためか主人公により「アコ」と言う通称が(わりと適当に)つけられた。
ちなみに誕生日は1月1日で血液型はA型と、名前以外もAボタン連打で決められたような設定になっている。
サービス終了後も『ふるーつふるきゅーと!』の方にコラボ参戦したため、そちらで持っている人は異世界からさらに異世界にやってきた彼女の雄姿を見ることができたが、現在はこちらもサービス終了している。
また、似て非なるモノとして、リザルトなどのスコアによるネーム記入の『AAA』or『AAAA』も該当するかも知れない。