概要だなも
どうぶつの森シリーズに登場するキャラクター。
タヌキ(ホンドタヌキ)がモチーフとなっている。英語版ではアライグマとなっている(詳細は後述を参照)。
初代『どうぶつの森』から最新作『あつまれどうぶつの森』まで皆勤賞である。
口癖は「だなも」(あるいは「だも」に変化する)。
初代『どうぶつの森』から村にあるタヌキ商店の店主として登場していたが、『とびだせどうぶつの森』以降ではまめきち・つぶきちに店を譲り、不動産業を営んでいる。
尚、容姿がかなり似ているせいで、2人が息子だとよく勘違いされるが、実際は弟子(部下)である。
『どうぶつの森』〜『街へいこうよどうぶつの森』までは〈タヌキ商店〉の店主として登場する。
『とびだせどうぶつの森』では〈たぬきハウジング〉を設立し、不動産業に専念している。
『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』では〈たぬきハウジング〉に入社した主人公の上司となる。また、『とびだせ どうぶつの森』〜『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』の間で〈ハッピーホームアカデミー〉を買収している。
『あつまれどうぶつの森』では「無人島移住プラン」を手掛ける〈たぬき開発〉の代表者として、移住プランに参加した主人公を弟子達と共に色々と手助けしてくれる。
初登場時は青い前掛けを付けた姿だが、商店からデパートへと店がアップグレードされていくに連れてシャツ(コンビニ)→エプロン(スーパー)と服装が変わっていき、最終段階になるといかにも支配人な感じのスーツ姿となる。
『とびだせ どうぶつの森』以降は緑のベストにスラックス姿と、ちょっとおじさんっぽいファッションになっている(外出時はジャケットを羽織る)。
『あつまれ どうぶつの森』では季節ごとに服装が変わり、夏は南国のイメージに合わせて木の葉柄のアロハシャツ姿、冬は黄色いセーターの上に緑色のジャケットを着ており、アウトドアなイメージの服装となっている。
ゲーム上ではあまりプライベートな面を見せないものの、『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』でゴルフに行っていたり、いくつかの作品で私物と思われるゴルフクラブセットが登場している様子から、趣味はゴルフであると思われる。運動不足を気にする等、ファッション以外にもおじさんっぽい一面があるようだ。
一文無しで引っ越してきたプレイヤーの面倒を見てくれるなど親切なところもあるが、商売人なのもあって金にはうるさい。
尚、現在ではたぬきち=右下に虫食いのある木の葉マークがシンボルとなっているが、実は初代の前掛けには漢字で「店」と書かれていたのはあまり知られていなかったりする。
『どうぶつの森+』『どうぶつの森e+』では左半分に虫食いがある図柄だったが、『おいでよ どうぶつの森』以降は右下に統一された。
ゲーム中の役割だなも
全作品に共通して、「家を決めずに引っ越してきたプレイヤーに家を売ってくれる」キャラクターとして登場する。
『とびだせ どうぶつの森』以外では、お金を持っていないプレイヤーにアルバイト(=事実上のチュートリアル)をさせてくれる(ちなみに『とびだせ どうぶつの森』では経営を譲った敬意もあってか「アルバイトなんかするより自分で稼いだ方が早い」と、旧作のアルバイトを否定するかのような発言をしている)。
その後アルバイト代で払いきれなかった分の家の代金については、ローンとして自分で稼いで返済していくことになる。返済期限はなく利子もつかない為、世間で酷評されているほど悪徳なわけではない。
因みにゲーム開始直後のたぬきちの店でのアルバイトはあくまでもチュートリアルなので、旧作などからのデータ引っ越しでのゲーム開始の場合は「今は丁度やってもらう仕事が無い」などの理由でアルバイトが免除される。
家の代金を払い終わると増築が可能になり、こちらも同様に代金をローンで返済していく。ある意味、どうぶつの森の第一目標は「たぬきちに借金返済」と断言しても過言ではない。
『どうぶつの森』〜『街へいこうよ どうぶつの森』では商店でプレイヤーの持ち物を買い取ってくれるほか、つりざお・あみ等の道具や家具を売ってくれる。特にエイブルシスターズ等が登場していなかった『どうぶつの森』では、洋服や植木も販売しており、まさに村の経済を一手に担っていた。
『どうぶつの森』ではほぼ全ての種類の商品を扱わなければならなかったり、『どうぶつの森e+』では閉店後の夜中に叩き起こされたりと、どうぶつの森シリーズに於いてはかなりの苦労人である。
……が、『とびだせ どうぶつの森』ではプレイヤーが苦労して作り上げた花壇や果樹園等を「新たな住人の『引っ越し予定地』」として潰してしまう場面があった。後述のローンの件も相まって基本的には憎まれ役である。
悪徳商法だなも?
『どうぶつの森』~『街へいこうよ どうぶつの森』までは、家の増築工事のローンを組む際の段取りが、有無を言わさず強制的に増築した後から値段を言う方式であった為に、ユーザーからは「まるで悪徳リフォーム業者のようだ」 と酷評された。
更に、お金の話になると露骨に口調が刺々しくなる一面もあり、初期作品のたぬきちはかなり銭ゲバな印象の強いキャラクターになっていた。
特に『どうぶつの森』では、列車を降りた主人公を呼び止めたたぬきちが親切に家を用意してくれる……かと思いきや、案内された家の内部はトタン板が打ち付けられただけの廃墟かと思うようなものであったり、主人公がベル袋を渡すと「足りなすぎて笑っちゃうんだなも!」と爆笑されたりと中々の飛ばしっぷり。
『劇場版 どうぶつの森』では新居の鍵を取りに来たあいの事情を知るや否や、家の代金が足りなかった訳でもないのに「村の生活に慣れるため」を名目にアルバイトをやらせる始末。ただし、尺の都合もあるのでその点は留意すべき。
『とびだせ どうぶつの森』で不動産業に鞍替えしてからは、家の増改築やリフォームが任意になった他、口調もだいぶ丸くなっており、強引な印象は薄れた。
最初に売ってくれる家も、小さいながら小綺麗な新築な印象の部屋になっている。
当時は「店を増築する為、お金がとにかく欲しかったから」 と思いきや、最新作『あつまれ どうぶつの森』でも、お金の話は一切しないでチュートリアルを進め、終了してから請求書(しかも、内訳には支給されるスマホの分もしっかり入っている)を渡してきたり、更に独自通貨のタヌキマイルによる返済を求めるなど、相変わらずの後出しが見られるのもあり「本質的には変わっていないのでは……?」とも怪しまれている。
ただし、このマイルはプレイしていれば勝手に溜まっていく上、必要額も少ない。また、家の増築も初期作品のように勝手に工事されて料金を請求されるのではなく、『とびだせ どうぶつの森』同様こちらから相談を持ちかけてはじめて工事が行われ、ローンが組まれるようになっている。
尚、強引にサービスを提供してローンを組ませる部分に関してはブラックな感があるが、毎作品でこのローンに利子・手数料等は発生せず、最初に提示された金額を払えればそれで終わりである。
担保や差し押さえ等も存在しない為、正確には『ローン』よりは実質的に「たぬきちが全面的にリスクを負った無期限ツケ払い」となっており、実際が非常に良心的である。特に初回は定職も収入も信用もない、つい先刻知り会ったばかりのホームレスに対してこの好条件で貸しているので尚更である。
いきなり(そのゲーム段階では)莫大な額の借金を負わせてくる姿から、プレイヤーに絶大なインパクトを与える反面、シリーズ作品はたぬきちが居ないと成り立たない面もあり、良い面も悪い面も含めて看板キャラクター的な存在である。
彼がここまでお金に執着するようになった理由は幼なじみ曰く「若い頃に情熱を持って都会に出たものの、よその資金力によって打ちのめされ挫折した経験がトラウマとなり、客よりもお金を重視する性格になってしまったから…」との弁である。
だが、上記の経験もあるからこそか、つねきちのように高額で偽物を売りつけず、ローンの返済を急かしもしない為、節度は弁えている模様。
海外での扱いだなも
英語版での名前はTom Nook。「Nook」は「隅っこ」を意味する。
タヌキ商店は〈Nook’s Cranny〉の店名になっているが、これは熟語の『Every nook and cranny=隅から隅まで』の意味から。
尚、実はタヌキは元々極東地域にしか生息していない生物だった為、海外(特にアメリカ)ではあまり詳しく知られていなかった他、日本の童話や作品に登場する架空の生き物だと思われている節があった(実際、戯画化されたタヌキやキツネと本物はかけ離れているのもあるが)。
その為か、たぬきちもタヌキではなくraccoon(アライグマ)とされており、作中でたぬきちが自身をそう呼ぶシーンもあったりする。
※ちなみに英語でタヌキは「raccoon dog(=直訳すればアライグマ犬)」。アライグマと見た目が似ているのでこんな風に呼ばれているが、実際は科のレベルで異なる。タヌキはおおまかに犬の仲間、アライグマもパンダ(レッサーパンダ)の仲間である。
海外でも同じく銭ゲバな面は様々ネタにされており、他作品の銭ゲバなキャラクターと関連付けて語られたり、善悪両面がある実業家やマフィアのボス等に喩えられもする。
一方で、企業の機能を1人のキャラクターに集約している仕様から、消費者と企業の関係を子供でもわかりやすいように表現している点など、経済学的な視点から評価されもする。
また、海外特有のネタとして「税金」ネタがある。
元々はヨッシーに関連する雑コラを発祥とするネットミーム(ヨッシーなど、明らかに税金の存在しない世界に住んでいるキャラクターが脱税をしていると難癖を付けるネタ)だったが、『あつまれ どうぶつの森』の情報公開時に公開されたたぬきちからのメッセージ画像を雑コラし、「脱税をする事にしたんですね・・・」と喋っている風にした画像がこれまた謎のブームを呼び、最終的に米任天堂公式Twitterが「たぬきちがあなたの確定申告をお手伝いします!・・・その還付金がどうなるかも決まっています」と税金に絡めたネタを逆輸入して投稿するに至っている。
外部出演だなも
星のカービィ ロボボプラネット
コピー能力「ストーン」の石ころへんしんのバリエーションの1つに黄金のたぬきち像が登場する。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』からフィギュアとして登場。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』ではフィギュアのほかシールも登場している。出典は『おいでよ どうぶつの森』。
また、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』からファイターとして参戦しているむらびとが発動する最後の切りふだ「ゆめのマイハウス」にもまめきち、つぶきちと共に登場。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』ではスピリットとして登場し、前掛け姿→超化してスーツ姿となる。ランクはHOPE→ACE。
二次創作での扱いだなも
二次創作ではたぬきちに悪徳業者じみたキャラ付けがなされていたり、酷い目に遭っている等動画等で散見されている。
でも不快に思っている人もいるからほどほどにしてほしいだも。
関連イラストなんだも
関連タグなんだも
つねきち(どうぶつの森):どうぶつの森の商人の一人。レアな家具や美術品を売ってくれるが、たぬきちと違って胡散臭い。(よく贋作が混じっており、騙されたプレイヤーも少なくないはず)