概要
本編魔法少女まどか☆マギカの主人公である鹿目まどかと、外伝マギアレコードの脇役夏目かこのコンビ。
メインストーリーなどでは、まどかは環いろはとの関係が深く描かれているが、一人で神浜市を訪れるときは、夏目かこと一緒に行動することが多い。いろはが表の友達なら、かこは裏の友達と言ったところか。
出会いの経緯
鹿目まどかの魔法少女エピソード2話「神浜で出会った友達」より。
水名神社の帰り道、通り雨に遭い、びしょ濡れになってしまったまどか。その時、一人の少女が声をかける。
かこ「あの…良かったら…このハンカチ…。」
これが、二人の最初の出会いだった。
次のバスが来るまで、バス停で待つことになった二人。そんな時、まどかはかこが自分の愛読本と同じ本を持っている事に気付く。それをきっかけにお喋りがはずみ、二人はすっかり仲良くなった。
お喋りはバスの中でも続いたが、まどかはバスを乗り換えなくてはならず、ここで二人は別れる事になる。
数日後、神浜の本屋を訪れたまどか。そこで何とかこと再会する。
まどか「ホントに偶然だね!」
再会を喜ぶまどかに対し、かこは突破的な質問をする。
かこ「あの…まどかさんは…もしかして…魔法少女…ですか…?」
実はかこはハンカチを返してくれた際にまどかのソウルジェムの指輪を見ていたのだ。
まどか「偶然会えただけじゃなくて同じ魔法少女だったなんて、すごいよ、かこちゃん!」
たまたま好きな本が同じだった相手が、自分と同じ魔法少女だという事に嬉しくなったまどか。
本の話をしているかこの楽しそうな表情に、まどかもまた楽しくて溜まらなかった。そんな時、まどかはかこからある誘いを受ける。
かこ「…あの、まどかさん。来週の日曜日は…お暇ですか? 一緒に…小さな冒険、してみませんか?」
二人で夜の学校に忍び込む事になったまどかとかこ。何ともアグレッシブな二人である。
そして約束の日曜日。まどかはかこが通う学校で待ち合わせをする。流石に夜の学校が怖いと言うまどか。しかし、それでもかこはまどかにどうしても見せたいものがあるのだという。
かこ「ふふっ、そのご様子だと…学校の中だなんてもっと無理そうですね。」
やむを得ず、魔法少女に変身して外から屋上へショートカットすることに。
まどか「あ、かこちゃんの魔法少女姿すっごくかわいい。」
かこ「まどかさんもすごく似合ってます。」
そして無事に学校の屋上へと着いた二人。
まどか「それでかこちゃん。わたしに見せたいものって?」
かこ「まどかさん、上を見てみてください。」
まどか「わあっ!すごい星空!きれい…。」
そこには、満点の星空が光り輝く夜空。天然のプラネタリウムであった。
実はこの日は1年の中で星が一番綺麗に見える日であり、かこは愛読本からそれを知ったのだ。そしてここ神浜市の中で最も星をよく見られるのが、二人がいるこの屋上だった。
かこ「私…本当は引っ込み思案で…人と話すのも苦手で…上手くお喋りできなくて、悲しい気持ちになることも多くて…。でも、まどかさんとは…まどかさんとだったら、…私、ちゃんとお喋りができて…、楽しく、お喋りできたから…だから…その『ありがとう』の気持ちを伝えたくて…。」
かつてとある悪質な魔法少女が起こした悪行により、大切な店を失い、深い心の傷を負った挙句、魔法少女という過酷な運命を背負う事になったかこ。
それ故に過去を引きずって弱者に厳しくあたるベテランや思った事が言えず、他者にきつく当たるツンデレ、更には自らを天才と自称し、凡人を容赦なく見下す悪ガキや芸術と称して神浜市を破滅に追い込むイカれたアーティストを始めとした癖のあり過ぎる人物との関りを余儀なくされ、かこにとっては生き辛い環境だったに違いない。現にその様な人物達に苦しめられた魔法少女も少なくなく、かこのその一人として、さぞかし苦悩していた事だろう。
しかし、そんな中でまどかの様に、他者の心に本気で向きあい、癒してくれる心優しき人物もいた。
そして、前述の様な曲者揃いの環境の中で、かこ自身も人間として、一人の魔法少女として大きく成長できたのもまた事実である。
まどか「かこちゃん…わたしも同じだよ?」
「みんなとお友達になりたいけど誰もがそうとは限らないし、邪険にされちゃうこともあって落ち込んじゃうこともある…。」
「だけどね、わたし思うの。誰かと仲良くするってそこで怖がってちゃダメだって。ちゃんと気持ちを伝えれば、それは必ず伝わるんだよ。」
「わたしは伝わってきたよ。かこちゃんの真っすぐな気持ちが。」
かこ「まどかさん…ありがとうございます。まどかさんは…本当に優しい方ですね…。」
まどか「大丈夫だよ!だって、かこちゃんはこんなにすごい星空をわたしにプレゼントしてくれたんだから!」
まどか「ありがとう、かこちゃん!」
こうして美しい星空の下、夏目かこという素敵な友達ができたまどか。
そしてかこもまた、鹿目まどかという一人の優しさに触れたことで、これからも絶望に負けずに前へ進んで生きていく事ができるだろう。
補足
二人が出会った詳しい時間軸はいつ頃なのかはわかっていないが、アラカルトバレンタインの時間軸を考えると、少なくとも第一部(メインストーリー1部第4章より前)の頃にはすでに出会っていると思われ、もしかするといろはよりも先に出会っていたかもしれない(あまり知られていないが、実際まどかが神浜市で最初にできた友達はいろはではなく、かこである)。
しかし、当時はまどかもかこも、マギウスとの戦いや魔法少女の末路に悪戦苦闘している時期であり(しかも、一部のイベントストーリーやアナザーストーリーではまどかと同じ場にいたにもかかわらず、会話シーンが一切ないというおかしな場面もある)、「そんな頃に二人が呑気に交流してる暇なんてあったのか?」と疑問を感じさせる(一部と二部の間ならまだわかるが)。
しかし、いずれにせよ、この出会いが二人に大きな意味を与えたのは間違いない。
アナザーストーリーにおいて、まどかはとある先輩の闇落ち、魔法少女の末路を知ったことで亀裂が生じた仲間との関係(アニメ版も含む)、マギウスの翼という煮え切れない敵との戦いで身心と共に大きな傷を負い、かこもまた、とある悪質な魔法少女による悪行に苦しめられ、その矢先に心の傷を癒す間もなく、マギウスとの戦いを強いられてしまう。
それでも二人は絶望せず、他人から邪険にされても優しさを最後まで失わなかった。他人を思いやる心を忘れなかった芯の強さを併せ持つそんな二人だからこそ、過酷な戦いを乗り越えられたのかもしれない。
そして同様に、本作をプレイしてストーリーにトラウマを負った数多くのマギレコプレイヤー達もまた、この二人の交流によって癒された事だろう。
ちなみにアラカルトバレンタインでは、まどかが瀕死の状態のかこを助けるために自身の因果を与えるという、またしてもアグレッシブな行動を起こしている。
余談
- かこがハロウィンストーリーで着ている衣装は、映画「叛逆の物語」の劇場グッズでまどかが来ていたハロウィン衣装と全く同じものであり、当時劇場へ足を運んだファンならニヤリときた人もいるのではないだろうか。
かこが衣装を大切にしている点や、まどかが共にハロウィンを楽しめるよう考えた点などから、二人の仲の良さを大きく表現しており、まさに友情の証とも言っても過言ではないだろう(ちなみに空穂夏希が着ているハロウィン衣装は、ほむらと同じものである)。
- 一応まどかの方が年上なので、当然ながらかこはまどかに敬語を使っているのだが、かえでやこのみの様に、仲のいい相手ならば敬語を使わずに話す事もできるため、「いつかは彼女達の様にまどかとも敬語を使わずに話せる日が来るのでは」と憶測する人もいるだろう。もしかしたら、「ちゃん」付けもできる様になるかもしれない。
もっとも、まどかがそれを許可してくれるかは不明だが…。
他作品の関係について
マギレポではそれほど二人の関係は描かれておらず、強いてあげればカミハ☆マギカでアイドルとマネージャーとしての関係程度である(もっともこちらのまどかはアレなので、やや取っつきにくいかもしれないが)。
また、アニメ版では残念ながら出会っていない。そして、最終話のエピローグを見るからに、これからも出会う事はないだろう…。
見滝原組の関係について
実はかこはまどかに限らず、他の見滝原組とも縁が深い。
巴マミに至っては、カミハ☆マギカのグループメイトであり、劇中でも一緒にいる事が多い。
また、美樹さやかに至っては、マミほどではないが、交友関係がある。ナハトメルヒェンにおいて、フェリシアとあやめに振り回される様子を心配された他(しかも何故か、かこの年齢まで知っていた)、エツコやミサ、ポン太の件でかこに調査を依頼するなど、意外にも彼女に信頼されている模様。
どちらも、優しくて思いやりのあるまどかと重ねていたのだろうか?
ちなみに暁美ほむらに至っては、まどかと仲良くしていることから彼女に嫉妬されているのではないかとネタにするプレイヤーも少なくない。
果たして…。
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ナハトメルヒェン ~水際に君がいた~…いずれもまどかとかこが共演するイベント。ただしナハトメルヒェンだけはどちらかというと、まどかよりもさやかと関わりが深い。