解説
怪獣を打倒するために、人類の英知を結集して世界各国で開発、建造された全長約80mという超巨大な人型ロボット。名前の由来はドイツ語で狩人を示す Jäger からきている。
イェーガーが格納される基地はシャッタードームと呼ばれる。
これを発明した科学者のジャスパー・ショーンフィールド博士は、シドニーに怪獣(四体目の怪獣、通称シザー)が襲来したニュースをテレビで視聴していた時に、傍らで自分の幼い息子が怪獣とロボットのフィギュアで遊んでいるのを見て、対怪獣用の革新的なカウンターとして「巨大ロボット兵器」の構想が閃いた。あまりにも突飛なアイディアであったものの、核兵器を使わずには倒せず、出現頻度も上がっている怪獣たちの侵攻を考慮すると、他に有効打がなかったのも事実であり、「核兵器を使わず、怪獣ブルーの流出を最小限に抑えながら倒せる」手段として開発が検討された。
ブロウラー・ユーコンが最初の機体。
マークは製造年の違いを表していて、皆一年違い。
姿や性能が一機ごとに大幅に違うのは、同じく大幅に違う怪獣に対するカウンター。
サイズも、主要な迎撃作戦の展開位置である、沖合い 2マイル程度の海上でも、風波や水の質量などにも左右されず、自壊しないで接合部が耐えられるレベルになっている。
また、初期に出現した怪獣の大きさやパイロットへの負荷、運搬能力の限界、生産性や経済的な理由なども考えられる。機体に使用されている合金も特注であり、機体の表面のコーティングや形状も、機能性に優れた生物的な滑らかさ、怪獣の攻撃の滑りやすさを重視している。
パイロットの操作性とリンク性を考慮して、極力人間的な装備・プロポーションになっている。また、肉弾戦を重視したデザインになっているのも特徴。
- 故に、飛び道具や武器は装備していても、ハッタリが利く、少弾数かつ一撃で抜群の破壊力を持つ、プラズマや液体窒素、麻痺弾頭など怪獣ブルーの流出を防止可能な性質である、肉弾戦に支障がなく破壊されないために武装は胸や腕などの身体部に内蔵されている、役に立たないような小型兵装はない、などの特徴がある。
「ロボットというよりは特大のパワードスーツ」だという意見もある。
また、国家予算レベルのバジェットが注ぎ込まれているため、戦闘以外の用途もないと割には合わないので、一部の戦闘特化型を除き、細かな作業ができるマニピュレーターを装備している。また、建造物を利用したり、怪獣の身体の部位を狙って引きちぎるなど戦闘にも有用。「命の壁」は、主にイェーガーの予算面での問題から出た代案であったが、飛行可能な怪獣や突破可能な怪獣の出現により存在意義が危うくなった。一応、雇用は増えたが、作業員は死亡事故と隣り合わせである(参照)。
プラズマ砲や液体窒素砲、エア・ミサイルなどの小型化や量産化、移動可能化を推し進めて港や航空機、「命の壁」や「裂け目」の付近などに装備すればよかったのでは・・・と思ってはいけない。
- プラズマ砲やエア・ミサイルはイエーガーよりも後年に開発されており、初期の時点では現在よりも有用な兵器が限られていたのも無関係ではないだろうか。さらに、これらの装備を下手に量産してテロにでもされたら堪ったもんじゃない。
PPDCのシャッター・ドームで管理されている。
操縦には戦闘機の操縦システムとして開発されていた神経とマシンを接続する「ドリフト」という方法を行い、パイロットスーツに組み込まれた伝達回路と内部に注入される特殊なジェルによってパイロットの動作をイェーガーに伝達させるが、イェーガーはパイロットの動きをそのままトレースするため、パイロットの持つ格闘技術などがイェーガーの戦闘力を大きく左右する。
開発当初はパイロット1名だけで操縦を行う構成だったが脳神経への負荷が大きすぎた為、パイロット2名がそれぞれ右脳と左脳の役割を分担する構成となった。イェーガーの起動の際、パイロット2名の意識を同調させる「ニューラル・ハンドシェイク」という工程が必要であり、これによってパイロット2名はお互いの意識と記憶を共有するが、この際、不慣れなパイロットは、相方または自身の過去の記憶を無意識のうちに追体験してしまう「ウサギ追い」というトラブルを引き起こしがちである。これによって動作不良や暴走を引き起こすことがあるため、パイロット同士はそれを互いにフォローしあうことが求められる。このことからパイロット候補となる2名は、戦闘技術はもちろんのことだが、互いの親密度が重要視されるため、パイロット2名が兄弟、親子、夫婦など親族であることが多いのはこれが理由である。
動力は原子力を応用した専用のエネルギーコアを使用するが、初期のイェーガーはこのエネルギーコアの放射線対策が完璧とは言えず、長期の戦闘によって被爆し、重病を患うパイロットも出ている。「セルナ・スキャナー」という装置が映画にも登場する予定だった(参照)。
動力は胸部、コックピットは頭部という基本構成だが、チェルノ・アルファのような例外も存在する。
ちなみに、欧米の計算形式を用いているため、全機女性である。
最盛期には少なくとも30機以上が存在し、2019年までは舐めプもOKなレベルの空気があったものの、その年のマニラのカテゴリー4の襲撃を皮切りに怪獣側の猛攻があり、2024年には8機も失った。劇中の時点では最強の4機を残すのみになってしまっている。
また、国家予算レベルの金額が余裕でぶっ飛んでいってしまう程の建造費がかかるので、近年はイェーガー計画の存続に難色を示す国家が非常に多い。また、一応は国連やEUROなど他圏の支援もあるが環太平洋国家への負担が半端ないのも考え物だとされる。パイロットの適性が非常に厳しいのも欠点であり、プライバシーの観点からしても適性を持つ者々は限られている。
『パシフィック・リム:アップライジング』にはマーク6も登場する。
余談
未登場のイェーガーも参照。
この機体を含め、「運んでるヘリの方がすごい」と言われているが、裏設定ではKAIJUを解剖したことによって得られた「反重力システム」を搭載しているので問題ないらしい。怪獣やイェーガーがあれだけの大きさと重量を持ちながらも崩壊しないのもこのためだとされ、怪獣の体重が少なくて済んでいるのもこのおかげである。また、初期の機体と後の機体では、機体重量に大きな差があるのはそのため。
また、当初は大きさが100m~120m程度になる予定だったのだが、後に80m程度になっていたのでガッカリするファンが多かったとか。30m~150mの間を想定して金門橋と比較してちょうどよいのが75mだったらしい。
なお、例えば「チェルノ・アルファのモデルはザク」などのアレがあったが、アレは所詮リップサービスであり、基本的には「モデルを用いてはいけない」という制作体制であったことが後に明かされている。
ちなみに、オブリビオン・ベイに破棄された、映画未公開機を含めたイェーガーのいくつかはこちら。ただし、左の機体はロミオ・ブルーではなく、真ん中の「Mirida Robot」についても監督が否定したという話もある。
また、何と動物型のイェーガーも考案されていたらしい。
最近、タシット・ローニンの活躍を描いたコミックスにて、マーク不明の日本製イェーガー「ビクトリー・アルファ」の存在が明かされた。エネルギー性の格闘武器を得物としている。
『地球防衛軍』シリーズの歩行要塞バラムとバルガは、おそらくイェーガーに対するオマージュである。
関連イラスト
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パシフィック・リム/ジプシー・デンジャー/チェルノ・アルファ/ストライカー・エウレカ/クリムゾン・タイフーン/ロミオ・ブルー/コヨーテ・タンゴ/タシット・ローニン/ホライゾン・ブレイブ/ブロウラー・ユーコン/ジプシー・アベンジャー/ブレーサー・フェニックス/セイバー・アテナ/ガーディアン・ブラーボ/未登場のイェーガー/オブシディアン・フューリー/ドローン・イェーガー
ゴジュラスギガ - ガミーの操縦していた個体は理念がイェーガーに近いと言える。より「怪物」的な見た目もポイント。
「GEAR戦士電童」…「2人の操縦者が」「左右に並んで」「動きを同調させる必要がある」つながり。