「その神秘なる力が我の力となるよう」
「我と我が敵を、聖なる刻印の庭で囲め!」
「オレイカルコスの結界発動!」
概要
オレイカルコスの結界とは、アニメ『遊戯王DM』のアニメオリジナルストーリーであるドーマ編においてストーリーの中心となるフィールド魔法。ドーマのメンバーが所有、使用している。みんなのトラウマ。
そのカードテキストはエノク語と呼ばれる言語で書かれており、判読はできないが作中の描写から推測されるデュエル中における効果は、OCGでいうと以下のような効果になる。
アニメ版テキスト
フィールド魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターは攻撃力が500ポイントアップする。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードはこのカード以外の魔法・罠・効果モンスターの効果を受けない。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する時、お互いのプレイヤーは「オレイカルコス」と名の付くフィールド魔法以外のフィールド魔法を発動することができず、自分フィールド上に存在する「ティマイオスの眼」「クリティウスの牙」「ヘルモスの爪」は効果が無効となり破壊される。
自分はモンスターカードを魔法・罠カードゾーンに置くことができる。
自分のモンスターカードゾーンにモンスターカードが存在する時、相手はこのカードのコントローラーの魔法・罠カードゾーンに存在するモンスターを攻撃対象とすることはできない。
自分フィールド上に存在するモンスターはそれぞれ1ターンに1度だけ、モンスターカードゾーンに置かれている場合は魔法・罠カードゾーンに、魔法・罠カードゾーンに置かれている場合はモンスターカードゾーンに移動することができる。
解説
全体強化に10体までモンスターを展開することができる効果、そして強力な耐性を持つ。
さらにはこのカードが発動しているときには、結界そのものばかりかソリッドビジョンやプレイヤーがデュエルで受けるダメージが実体化していたり、千年アイテムの力を封じることや、本来千年アイテム所有者もしくはそれに準ずる力のある者でなければ使用できない三幻神のカードを使用することを可能としたりといった、本来ありえない現象が実現する。
特にこのカードが発動している状態でデュエルに敗北したプレイヤーは魂を封印され昏睡状態になり、魂を戻されない限り目を覚ますことはないため実質的には死亡したものとかわらない状態になる(引き分けの場合はどちらも封印されない)など、デュエル外にまで影響を与えていた。
このようにチートとしか言いようのないかなり強力な効果を持つカードなのだが、アニメではその点が逆に負けフラグとなっており、アニメでこのカードを使用したデュエルの経過が一部でも描かれてその上で発動した側が勝利したのは、明らかになっているなかで孔雀舞がペガサス・J・クロフォードや城之内克也に対して発動した時の2回のみ。
ただし、城之内は直前にヴァロンとのデュエルでリアルファイトを融合させたスタイルの開祖で、ヴァロンとのデュエルで体がボロボロとなり、戦えない状況まで追い込まれていた。
闇遊戯に至っては、ラフェールとのデュエルにおいてエクスチェンジでこのカードを押し付けられた上で発動を余儀なくされて敗北している。しかも表遊戯に励まされて動揺したのか、放心状態となりつつこのカードを破り捨てることもせず、直後にラフェールに返却された。
ただし、前述のデュエルはすべて相手が真の決闘者のときの決闘であり、アニメの演出上デュエルの経過が最初から最後までカットされている(あるいはこのカードを発動したことだけが示されている)ケースを含めれば、ラフェールが孔雀舞に対して発動したときやヴァロンが他の囚人たちに勝利したときなどのように、発動した側が勝利したケースも描かれている。他にもラフェールの回想シーンで舞が「ドーマの力もオレイカルコスの力ももう必要ない」と言って、ラフェールとデュエルしてラフェールが勝利していることからラフェールがオレイカルコスの結界を使用して勝利している。
つまり、相手が真の決闘者でない者に使用した場合及びこのカードを使用したデュエルが演出の都合などでカットされた場合は、逆に相手にとって致命的な負けフラグとなっており、使用者側が敗北した事例は一つもない。設定上はそちらのケースのほうが圧倒的に多いであろうことを考えると、このカードがいかに強力だったかがわかるだろう。
ドーマの総帥であるダーツはこのカードを発動条件とする上位のフィールド魔法オレイカルコス・デウテロス、オレイカルコス・トリトスによる三重結界を使用している。
上記の通りクリティウス・ティマイオス・ヘルモスの3体のドラゴンとは相反する力を持っており、竜騎士ブラック・マジシャン・ガールが自分フィールド上に存在する状態で闇遊戯がこのカードを発動した際にはティマイオスが消滅してブラックマジシャンガールに戻ってしまったが、レジェンド・オブ・ハートの効果で3体のドラゴンが伝説の騎士となったときには、逆に三重結界の耐性を無視してその効果を無効にしている。
発動した者が持つ心の闇を原動力としており、ラフェールが持つ心の闇が消えた際には闇遊戯とのデュエルに敗北して魂を封印されかけていたにもかかわらず、一時的に結界が消滅した。
その後、ダーツがアイアンハートとクリスの魂と共に眠りについたのと同時におそらくドーマの三銃士や舞や羽蛾や竜崎が使用したこのカードも消滅したと思われる。
アニメ『遊戯王DM』では後に、このカードと同様の耐性を持つフィールド魔法としてシュトロームベルクの金の城が登場している。
プロモーションカード
海外のOCGでは、2005年にこのカードが公式戦では使用できないプロモーションカードとして配布されている。そのカードテキストを日本語に直すと以下のようになる。
テキスト
フィールド魔法
このカードはいかなる場合にも無効にならず、破壊および除外することもできない。
自分フィールド上に存在するモンスターは攻撃力が500ポイントアップする。
自分フィールド上に前衛モンスターが存在する限り、後衛モンスターを攻撃することはできない。
このカードを手札から墓地に送ることで、あらゆるカードを無効にし破壊する。
このデュエルに敗北したデュエリストは勝者に魂を奪われる。
(遊戯王カードWikiより引用。)
そしてOCGへ
その後、公式のデュエルで使用できるカードとしてこのカードはOCG化されている。そのカードテキストは以下のようになる。
テキスト
フィールド魔法
このカード名のカードはデュエル中に1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
自分フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在する場合、
そのモンスターを全て破壊する。
(2):自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(3):自分フィールドのモンスターの攻撃力は500アップする。
(4):自分フィールドに表側攻撃表示モンスターが2体以上存在する場合、
自分フィールドの攻撃力が一番低いモンスターを相手は攻撃対象に選択できない。
(5):このカードは1ターンに1度だけ効果では破壊されない。
OCG版の解説
発動時に自分フィールド上の特殊召喚されたモンスターをすべて破壊し、さらにはエクストラデッキからカードを出せなくなるという大きな制約が付けられた。これは自分の他のカードと融合する効果を持つ3体の竜と併用できない制約を再現したものと思われる。
ちなみに、アニメではこのカードを発動した状態で融合モンスターを場に出したのはダイナソー竜崎のみであり、エクシーズモンスターやシンクロモンスター、ペンデュラムモンスター、リンクモンスターに至っては当時まだ存在していなかった。
強力な全体攻撃能力や相手の攻撃対象を制限する能力を持っているが、今や多くのデッキにおいて戦術の中心となっているリンクモンスターの召喚不可や、そこから出てくるエクシーズモンスターやシンクロモンスターが出せなくなったり、ペンデュラムモンスターの再利用が難しくなるというのは非常に痛い。
このカードを使用する場合には、それらのモンスターを出さなくても戦えるデッキやメインデッキに投入される特殊召喚モンスターを使用するデッキに投入することになるだろう。
また、耐性に関しても破壊に対してのみである上に1ターンに1度だけであり、1度除去されるとたとえ2枚目以降が手札にあったとしても再び発動することができないというこれまた非常に痛い制約が付いている。
だが、攻撃抑制効果を持つ魔法・罠としては比較的場持ちがよく、同じ攻撃力のモンスターを複数投入されることが多い炎王、コアキメイル・結界像などと併せて使われることもある。
耐性を付加させると同時に装備魔法などによる強化を受けづらくしてしまう進撃の帝王のデメリットもある程度補えるため、意外と活躍の場の多いカード。
特殊な使い方として盆回しで送り付けることで(2)のデメリット効果を相手に強要するというものがある。
デュエルリンクスにもなんとランクマ戦のチケットで選べるカードとして実装されている。
...決して闇遊戯はおろか、城之内克也や海馬瀬人には使わせないように。