概要
放送当時の流行ホビーであるトレーディングカードゲームを題材とした、アニメオリジナルエピソード。
話の流れ
放課後の5-3教室。タカシ達は『ポケコロカードゲーム』で遊んでいた。ユタカに勝ち、きょう子からは「タカシくん強い」とおだてられ鼻息荒いタカシだったが、どういうわけか手元には何者かの目がいっぱいに描かれたカードが。そこへジェームズが教室に入り、タカシからその目カードを失敬すると、集めていたカードと一緒に床に敷き詰めた。果たして全部敷き詰めるとそれは等身大の太郎になり、そのカードの中から本物の太郎が現れる。…が、ジェームズは間違えて左手と左足を逆に配置してしまい、それが本物の太郎に反映される。
改めて手足を正しい位置に直された太郎だったが、自分の身体がカードから出てきてペラペラなのをいいことにあることを思いつく。それは自分がジェームズに凧糸を付けてもらい、凧になり揚がることだった。しかし太郎凧が笑いながら揚がっているうち、ジェームズが持っていた糸が切れてどこかへ飛ばされる(が、直後何事もなく教室に戻っていた)。
今度はきょう子と対戦するタカシ、そこへユウジが「ボクと君達じゃ勝負になるわけない」と「キバゴラス」のカードを見せ自慢する。曰く戸成町公会堂で『ポケコロカード大会』が開催されるらしく、優勝者はカードキングへの挑戦権を得るとのこと。ユウジは「キバゴラス」で優勝を狙っているらしく、タカシもユタカも決勝進出を目指す決意をするがそんな2人に対し「今の君達じゃ無理だろうね」と一蹴し教室を出ようとする。とその時戸が開き、メイドらしき格好をした女性が現れるやユウジを軽く投げ飛ばしてしまう。
続いてレッドカーペットがタカシの足元まで敷かれると、桜吹雪と共に高級な服装をした美少女が教室に入って来る。彼女は「このクラスで一番ポケコロカードが強いのはどなたかしら?」と問うと、頭にデカいたんこぶをこしらえたユウジが「当然ボクだろうね」と「キバゴラス」を手に前に出る。すると彼女は同じカードを5枚出し、ユウジは開いた口が塞がらないばかりか顎が着地するほど愕然とする。その横で冷静に「そんなバカな」と通訳するタカシ。そのまま彼女は高笑いしながら教室を去る(途中大きすぎる髪型がつっかえていたが)。マサミ曰く、彼女は理事長の孫娘・ゴージャスあいこと言い、どんなレアアイテムでも日本中を探し回って手に入れるそうで、これまでのカードバトル大会でもそうして入手した強いカードを使い優勝を総なめにしているとのこと。その話を聞き、尚更あいこに負けられないとタカシとユタカは闘志を燃やす。そのユタカの目の中で太郎とジェームズが焚火をしており、太郎は目から出て焼き芋をタカシに差し出す。一方、廊下では地球征服が上手くいかないメチャワル星人が今の話を盗み聞きしていたことなど、タカシ達は知る由もなかった…。
そして、太郎とタカシは下校一番「おもちゃの大将」にポケコロカードを買いに行く。店先でタカシはカード選びに悩んでいたが、すかさず太郎が腕を伸ばして横取りし、それを口に入れるや(※犯罪です)目から中身を投影した。強いレアカードが映し出されタカシは感心するが、途中で全裸のタカシのカードが映り、街行く人々が悲鳴を上げ後ずさりする。そこへリムジンが停車し、レッドカーペットが敷かれる。降車して来たのはあのゴージャスあいこで、彼女は「このお店のカード全部いただきますわ」と「おもちゃの大将」の在庫カードをメイドを通じて全部買い占め去ろうとする。タカシは「全部買い占めるなんて汚いぞ」と憤慨するが、既にその横をメイド達がポケコロカードの箱を抱えて往復しており、それはトランクが閉まらないほどに詰め込まれる。
タカシが悲しむのをよそにあいこは車まで引き返すが、いつの間にかレッドカーペットが落とし穴やトラばさみ等がある迷路のようになっており迷う。太郎の仕業だった。
あいこ「迷路にすなーっ!」
タカシ「こんなんで迷うよな!」
ともかくあいこを乗せたリムジンは去って行き、太郎は悔しがるタカシに背中のハンドルを回してもらい、「最強カード」を出す。しかしその最強カードとは手足の生えたカード自体がプロレス技で戦うというもので、技を食らったタカシは失神。太郎はその横で角に付いたゴングを鳴らしていた。「意味が違う~!」
最強カードの技を食らいぐったりし、「もうこの辺におもちゃ屋さんはない」と諦めかけるタカシに、太郎は「秘密の店知ってる」と森に囲まれたその店まで案内する。タカシは意気揚々と戸を開けるがそこはUFOラーメンであり、太郎に掴みかかる。
ぶつくさ文句を言いながら「ポケコロカードラーメン」をすするタカシだったが、スープまで飲み干すと丼の底には「当たり!!」とあり、おじさんからポケコロカードのデッキを貰う。ここで太郎が「もっと凄いのある」と「超レアカードラーメン」の御品書きを指さし勧めて来る。タカシはそれも注文するが、出て来たのは担々麺に白菜キムチが乗ったような見るからに辛いラーメンだった。タカシは「カードのため」と意を決して口にし、案の定辛さで悶絶する。この間太郎は虫取り網を持って動き回ったり、ビニールプールを広げて行水したりしていた。唇を火傷しながらもタカシは完食するが丼の底には「はずれ」とあり、諦めずに「超レアカードラーメン」をまとめて5杯注文する。辛さを我慢しつつも平らげ、遂に6杯目を完食。
するとその6杯目が当たりの丼で、タカシはおじさんから超レアカードを貰い、太郎はその横で自分の頭をお手玉にして祝う。超レアカード入手にしみじみするタカシだったが、さっき飲んだ水一杯の代金としてレアカード10枚を支払うことになり号泣する。
苦労が水の泡だと落ち込むタカシがとぼとぼ歩いていると、立ち止まっている太郎とぶつかる。太郎が立っているのは「カード仙人」の家の前であり、立派な門の奥には高い山が聳えていた。とりあえず2人で門をくぐり、タカシが息を切らす一方で太郎は脚を伸ばして易々と山を登る。ようやく頂上の庵までたどり着き、扉を開けるとそこには老人のコスプレをしたジェームズが。あっさり弟子入りしようとする太郎に対し呆れて帰ろうとするタカシが引き返そうとすると、「あなたをカード仙人と認めます」という賞状が目に入る。それを見てタカシもカード仙人に入門を志願し、その日からタカシは修行に明け暮れる(その割には、床拭きなどの修行僧的なものばかりだったが)。カード仙人はタカシを対面の座布団に座らせると、彼の膝を枕にして昼寝する。
改めて太郎とタカシは仙人のカード技を見学する…いや、仙人が披露したのはマジックであり、太郎は拍手して喜ぶ一方でタカシは怒って門まで引き返す。本当は「カードマジック仙人」と書いてあった。
そして迎えたポケコロカード大会当日。
実況はマサミ、解説は校長・教頭両先生、審判は5-3担任の先生が担当。
結局、前日まで何の準備も出来なかったタカシだが、最強のカードを手に入れたと自信ありげなユウジに対し気合で勝ち進むと意気込む。
1回戦第1試合(堀町タカシVSメチャワル星人)で早速タカシの対戦相手となったメチャワルは「いきなり俺様に当たるなんて不幸な奴だメチャ」と余裕を見せていたが、今日のために集めてきたカードとして「電車の定期券」を出す。その後も「名刺」「ハンバーガーの割引券」「牛丼屋のスタンプカード」「ラジオ体操カード」など無関係なカードばかりであり失格の上、警備員に退場させられる。「ルールを知らないメチャワルが相手で良かったぜ…」
続くユタカ、きょう子、リエもことごとく敗退、準決勝第1試合(ユウジVSあいこ)では自信満々のユウジが「プテラギア」のカードを出すが、あいこも同じカードを5枚出し、何なら軽トラック一台分も用意していた模様で、彼女の決勝進出となってしまう。
続いては準決勝第2試合(堀町タカシVS謎のカードファイター)。タカシはその響きに胸を躍らせるが、謎のカードファイターとはいつもの格好で現れた太郎でありズッコケる。そのバトルでも…
- ベストなカードが揃ってると余裕のタカシに対し、太郎は自分の手札を見て顔を引きつらせる。そして腕を伸ばして自分の手札をタカシに引かせる。案の定タカシはババを引いてしまい太郎はほくそ笑む。
- 攻撃力抜群の「ゴリコング」を出したタカシ。太郎は「ベチスライム」という弱そうなカードを出す。それに対しタカシは「闘気のカード」を出し、太郎側に50ダメージを与える。太郎はエネルギーカードを自分の額に張りマッチョ化した。タカシは「進化カード」「ボスザール」を出し、ゴリコングを進化させる。太郎も「進化カード」を出し、それを先生の額に張りモンスターに進化させる。
- 太郎は対戦モンスターを交代させるため「ラーメンカード」を出し、それを見た先生は目を潤ませて感心。何でも相手に50ダメージを与えるそうで、それからエネルギーカードとして「味噌」「豚骨」や、進化カードとして「大盛り」「チャーシュー」「キムチ」を出していく。先生は「大盛り味噌豚骨チャーシューキムチラーメン」に進化したと尚の事感心。タカシのボスザールは戦闘不能に。
- タカシは「ガイドッグ」のカードを引き、太郎側に防御不可能の100のダメージを与えるところで太郎は咄嗟にサラリーマンの格好でゴールドカードを出し分割払いにより10ダメージに半減させる。
- タカシはいちかばちか「総攻撃カード」を出し、3ターン耐えて片を付けようとするが太郎はレッドカードを出して相手ごと退場させ強引に勝利。準決勝通過で嬉しさのあまり頭から紙吹雪を出す。校長と教頭は太郎が出したカードに感心したのか、UFOラーメンに出前を注文する。
- そしてついに決勝戦(太郎VSあいこ)。あいこは早速幻の最強カード「ハイパースラッシュドラゴンゴールド」(以下長いのでHSDGと記す)を出す。それはあまりに強すぎて絶版になったカードであり、タカシ達は固唾を呑む。一方太郎は何も持っていないことをアピールし「ルールから勉強した方がよろしいですわね」と嘲笑される中、タカシの方を振り向き彼に目ビームを浴びせ吸収。次の瞬間口から「タカシ」というカードを出し山場に出す。そのまま実況席のマサミ、応援席のきょう子、ユタカ、リエ、客席の女の子も吸収しカード化し、きょう子のカードを発射台、マサミ、リエ、客席の女の子のカードをエネルギーとして出す。
- 一方吸収された本人は別空間に転送され、タカシはHSDGに追われたり女の子に囲まれたりしていた。この光景を見たエネルギーカードのきょう子は巨大ハンマーを食らわせ、それで吹っ飛んだタカシがHSDGの腹に突っ込んだ。
- 場面は会場に戻り、かくしてHSDGに90のダメージを食らわせ、あいこが出した「炎のエネルギー」カードに対して腕を伸ばして天井をぶち抜き、先程の敗退にムシャクシャしながら散歩中のメチャワルを会場に拉致し強制的にカード化…するも結局あっけなく戦闘不能になり、今度は先生をカード化し、挙句は対戦相手であるあいこ自身をもカード化する。
- 一方カード界では、先生が「みんなでどうしたらいいか考えようかん」という親父ギャグを言ってHSDGを凍らせるが、あいこが転送された時には復活していた。その時、みんなと逃げ出すきょう子がタカシの背中にファスナーがあるのを指摘し下ろす。そしてそのタカシの背中から太郎隊が登場、HSDGに太郎隊キックを食らわせ戦闘不能にさせる。だがHSDGの背中にもファスナーがあり、あいこが開けると中から全裸のタカシが現れ、同時にみんなは元の世界へ戻る(タカシは服まで元通りに)。
この瞬間太郎の優勝が決まり、いよいよカードキングへの挑戦権を得る…がボックスから現れたカードキングはその相手であるはずの太郎自身だった!「結局お前かーい!!」
訳の分からない状態になり対戦はなしに。タカシもきょう子も呆れるしかなかった…。
一方負けたあいこは、オリジナルカードを自分の体内で生成できる太郎に興味を示し、「きっと彼を手に入れて見せますわ」と宣言した。もっとも本人はまだカードの中だったのだが…。
「あ、皆さん、いずれまたきっとお会いしますわ。それまで、アデュー♡」
と言うあいこの投げキッスで本話は終わる。
登場カード
ギョロピー
攻撃力31000、守備力43000。
飛び出た目玉に鉤爪の手足を持つモンスター。命中率は90%。
ナメクジン
ナメクジがモチーフ。ネバネバ弾で相手の攻撃を1回休みにできる。
エネルギーカード
攻撃力2倍。モンスターの必殺技が出せる。絵柄は乾電池。
キバゴラス
攻撃力970000、守備力1200000。
トリケラトプスにキャタピラが付いたような外見のモンスター。
キャタピラの突進力を活かしたキバアタックは強力!
バイキング
セント・セイント
翼の生えたお地蔵様といった感じ。
ドンギラ、ブルキング、メカザウラ
タカシが当てた超レアカード10枚のうちの3枚。
プテラギア
デフォルメされたプテラノドン。
ゴリコング
ボスザール
ベチスライム
緑色のスライム。タカシの反応からして弱いらしい。
スライム大王
ベチスライムの進化系。
闘気のカード
モンスターカードに闘気を増加させる。
進化カード
モンスターカードを進化させる。
出すだけで相手に50ダメージを与える。
絵柄は何の変哲もないラーメンだが、先生曰く世界に数枚しかないとのこと。
ラーメンカード用のエネルギーカードで、1枚につき攻撃力2倍。
5つ全部出すと味噌豚骨大盛りキムチチャーシューメンに進化し、攻撃力は32倍になる。
ガイドッグ
ブルドッグの頭にサソリの尻尾を持つ。毒針攻撃で防御不能の100のダメージを与える。
スターライトアマゾネス、スノーマウンティン、スカルマスター
タカシのデッキにあったカード。
総攻撃カード
ハイパースラッシュドラゴンゴールド
黄金に輝くドラゴン。あまりの強さゆえ絶版になったという、いわゆる禁止カード。
炎のエネルギー
モンスターカードに炎属性を与える。
余談
- ポケコロカード大会会場である「戸成町公会堂」の外観は、日本武道館がモデルとされる。
- メチャワルが出した電車の定期券の行き先は戸成町⇔園戸成、氏名は大城勝(本作のキャラクターデザイン担当)とある。つまるところメチャワルの私物ではなく、他人からの盗品と思われる。現に敗退したメチャワルは警備員2人によって退場させられているが、これは他人の定期券を公の場で出したことに対する尋問のためである可能性が高い。
- 同じく名刺には戸成電気㈱戸成町支店長 西川守男とある。
関連タグ
ポケモンカードゲーム…本話に登場した『ポケコロカードゲーム』の元ネタと思われる。