スレ虐
すれったいじめ
この記事には『機動戦士ガンダム水星の魔女』のネタバレ、特に第17話、第18話のネタバレが含まれます。
『進めば二つ』って、今は…思えない……
機動戦士ガンダム水星の魔女の主人公、スレッタ・マーキュリーに対する曇らせシチュエーションタグ。
人見知りは激しいが、それでもミオリネの為に奮闘するスレッタだが、第一期最終回での衝撃的な行動によって、ミオリネは当然視聴者にすら精神的なダメージを与えてしまい、その人物像・印象が大きく変化する事に。
そして第二期に移行すると主体性の無さ、母親の傀儡同然な言動が酷く目立つ様になっており、彼女がよく口にする逃げたら一つ、進めば二つを悪い方向に体現したキャラクターとなっていた。
更に自分や母親の言動に疑問を抱く機会があっても、水星という過酷な環境でプロスペラに教育され続けた影響か、『お母さんは正しい』と信じて疑わない展開となる。
当然そんなスレッタの現状を良く思わないミオリネは、紆余曲折の末スレッタを突き放す選択をとる。
当初より周りから蚊帳の外にされてきたスレッタだが、突如として婚約者、自分を好きと言ってくれた人、そしてかけがえのない家族を一度に失い、悲痛な叫びで17話が終わる。
更に次の18話では、記事冒頭のセリフを言う程精神面で打ちのめされた上に、衝撃の真実を明かされ、初めて受けるデータストームの苦痛と共にプロスペラからも突き放され、ただ一人宇宙空間で号泣する形で終了した。
問題点が浮き彫りになるにつれ、スレッタに対する賛否はあったものの、毒親の被害者という見方をする視聴者は多かった。
しかし18話で、プロスペラは歪ながらも親としての愛情がある様な言動を見せており、皮肉にもスレ虐展開を生み出した人物達は皆、スレッタを案じての善意で行動している事になり、容赦無い展開に心を痛める視聴者が多かった模様。
歴代作品でも酷い目に遇うキャラクターは少なく無い。
しかし、スレッタの場合は簡潔にまとめても、
- ヒロインから(スレッタ視点で)切り捨てられる。
- 家族同然のエアリアルはハッキリ「いらない」宣言。
- データストームの苦痛を強制的に受け、『ガンダム』が呪われた機体である事実を身をもって分からされる。
- 自分という存在が誰かの模造品であるという、アイデンティティ崩壊案件。
- すがりついた母親は、愛情があると言っても身勝手な行動で突き放す。
……等々、たった二話で大切な人も信条も全て奪われ・打ち砕かれており、短期間でここまで追い詰められるのは珍しい。
また、『逃げたら一つ、進めば二つ』を実践し続けたスレッタだが、スレッタ自身を追い込んだ最大の要因の一つがこの言葉でもあり、ミオリネやグエルとの対比にもなっている。
ガンダムスタンプ:全ての始まり。
結果のみが真実:周りは善意でも、当人から見れば………
まるで成長していない:この現状を招いたスレッタ自身の問題点。
ミオ虐 グエ虐:同作品の「●虐」つながり。結局この2人がスレッタの現状に対する危機感からやむなく実行することになってしまう...
そして第19話。
前話でのショックで寝込むも空腹には抗えず、冷蔵庫を漁ってハムを食べようとしたところをチュチュに捕縛される。
地球寮のメンバーに心を救われ、自然に笑える様になったスレッタだったが、地球で起きた惨劇にエアリアル、そして母が関わっている事実を目の当たりにする。
それによってエアリアルの行動の真意を知り、ついに再起するのであった。
しかし、第20話で再び容赦ない展開がスレッタを襲う。
思わぬ誤算から計画が綻び始めたシャディクは、あろうことかノレアを解放し、それによってスペーシアンへの憎悪から暴走したノレアは学園を襲撃する。
ランブルリングでの礼から一緒に行動していたペトラと逃げるスレッタだが、ガンダム・ルブリス・ソーンの砲撃で建物が崩壊。
スレッタは軽症で済んだのだが、目の前には瓦礫に押し潰されたペトラが…。
幸いペトラは瀕死の重傷を負うも、予断を許さない状況ではあるが救助された。