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概要編集

初出は「てれびくん」1979年6月号。てんとう虫コミックス第18巻収録。


あらすじ編集

去年カブトムシを飼っていたガラスのケースの中に、タンポポが生えているのをドラえもんは見つけるが、のび太はそれを捨てようとする。そこでドラえもんは、のび太に動物や植物を愛する心を持つようにするために、「ファンタグラス」を出す。このファンタグラスをかけると、動物や植物が人間のように話しているように見えるようになるのだ。のび太がファンタグラスをかけると、捨てられそうになったタンポポが泣いていたため、のび太はタンポポを庭の日当たりのいいところに植えかえる。


のび太がタンポポに水をやったり、嵐の日にはちぎれそうなタンポポを植木鉢で守ったりした結果、タンポポはきれいな花を咲かせる。しかしのび太はタンポポと心を通い合わせるあまり、ジャイアンスネ夫からの野球の誘いにも乗らなくなる。ママもそのようなのび太の様子を心配し始め、見かねたドラえもんが「たまには、みんなと野球でもやったらどうだい」と言っても、「ぼくは、自身のないことには手を出さないんだ」と答え、ドラえもんから自信のあることについてきかれても「なんにもない」と答えるのみだった。


やがてタンポポから綿毛が飛び立っていったが、その中に一つだけ、母親のタンポポから飛び立つのをいやがる綿毛があった。気になったのび太がファンタグラスをかけてみると、母親のタンポポは自分も遠くの山奥の駅のそばから飛び立って、旅をした末にのび太の部屋にたどりついたことを綿毛に話していた。その翌日に綿毛が飛び立つと、のび太はタケコプターでその後を追うが、綿毛はどこかできっときれいな花を咲かせるから、母親に心配しないように伝えてほしいとのび太に言った。


そしてのび太は、ドラえもんが自分の代わりに野球をしているのを見て、自分も野球に入れてもらおうと思うようになる。


テレビアニメ版編集

アニメ化された際は大山版が2001年に、水田版が2021年にそれぞれ放送された。また、前者に関しては作中、以下の劇場版の曲がBGMとして使用されている。



余談編集

ファンタグラスは実際に動物や植物が思っていることがわかる道具ではなく、「こう思ってるんだろうな」「こうなんだろうな」という深層心理を動植物に反映して見聞きできるようになる道具である。

故に自分でも「らしくない」と思う事をやっていると近くにいる動物に「うわ、いつもやらないことやってるよ珍しい、雨でも降るんじゃないか」と言われているように感じるし、「このままではいけない」と思っているようなことをしていると「僕らはあんな風にならないようにしよう」と陰口を叩かれているように感じる。

そのため母親タンポポの来歴は完全にのび太の想像であり、そう考えるとのび太の感受性が如何に優れているのかが非常にわかりやすい道具及びエピソードであると言える。


関連タグ編集

ドラえもん


羽アリのゆくえ:こちらもファンタグラスが登場するエピソード。

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