ストーリー
人と恐竜をかたどった土偶が、南米の遺跡から発見されている。このことから、太古、人と恐竜は共存していた、とする説がある。
B.C.2500-AMAZONIA-
そこに戦場があった…
そこはアマゾネスの世界…この地では男達が年に一度、女王をめぐって争ったという…
最強の恐竜を操る者だけが、女王を手に入れる事ができた。
その王の名はこう呼ばれた…ダイノレックスと…
(ダイノレックス、アトラクトデモより)
概要
1992年にタイトーから販売された、恐竜を操作する業務用対戦格闘ゲーム。
企画者は『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』のメカ作画監督を務め、後にタイトーに移籍し「ガンフロンティア」、「メタルブラック」を企画・プロデュースした仙波隆綱氏。
恐竜はラテックス製と思われるフィギュアを実写取り込みしたもので、操作は8方向レバーとパンチ(噛み付き)ボタン、キック(尻尾攻撃)ボタンを使用。通常の対戦格闘同様、2本先取で勝利となる。全7ステージ+1。
本作だけの特徴として、
- 相手の恐竜の背後に回ると、仕切り直しとばかり立ち位置が元に戻される。
- 3ゲージ分のパワーメーターが存在し、ボタン同時押しでゲージの数に合わせた連続攻撃が繰り出せる。メーターはレバーを上、または斜め後ろ上に上げ続けると、恐竜が雄たけびを上げつつ貯まっていく。
- しばらくレバーを後ろに入力してから前進+パンチボタン連打で突進攻撃する。
- 噛み付かれたり、倒された場合、レバガチャ・ボタン連打で回復。
- 櫓を壊すと木材が散乱し、それを噛み付きボタンで咥えると武器攻撃が可能。地面を這っているアンキロサウルスや骨なども武器として咥えることが可能。
- 対戦中、プテラノドンが卵を落としていく。その卵に噛み付ければ(判定がかなりシビア…)赤い卵は炎が吐け、白い卵は体力回復、黄色い卵は対戦相手の動きを一定時間鈍らせる、などの効果がある。
- 一人プレイの場合、ステージ2、4、6のクリア後に、20世紀アメリカの都市を舞台に「Mr.ホーリー(メイン画像の人物)」の所有するビルや、車やヘリなどを破壊しまくるというボーナスステージがある。
- 相手とdraw決着になった場合とステージ7をクリアした後は、恐竜ではなく恐竜を操っていたキャラ(ウォリアーブレード版のラスタン似)を操作する。drawの場合は相手の恐竜使いと直接戦って決着をつけ、ステージ7終わりは現在の王と直接的に対戦し勝利するとエンディング。
などがある。
登場恐竜
移植
単独移植は2023年11月のアーケードアーカイブスのみ。
オムニバス収録としては、2007年1月発売の「タイトーメモリーズⅡ 上巻」と、2023年8月の「タイトーマイルストーン2」がある。
余談
- かつては「ガンフロンティア」、「メタルブラック」、そして本作をまとめて「プロジェクトガンフロンティア三部作」と呼ばれる事が多かったが、2012年にCD3枚組のサントラである「『GUN FRONTIER/METAL BLACK/DINO REX』Sound Tracks for Digital Generation」(Sweep Record)が発売された際、「『ダイノレックス』はプロジェクトガンフロンティアには含まれていない」旨の公式見解が出されており、現在はシリーズから外れた単独作品という位置付けになっている。
- 仙波氏の回想では本作を「3ヶ月で完成させろ」という専務命令によりかなり切羽詰まった開発期間の中で作らなければならず、更に言うと「メタルブラック」の企画と同時進行であったことが本人のブログで語られている。
- 上記の如く開発期間があまりに短く、またグラフィッカーも他のプロジェクトに取られている状況だったため、恐竜はフィギュアを造りそれを写真取り込みにする方法にしたという。そこで千葉の造型士に依頼したのであるが、最初に造られたものこそ問題なかったものの、次に出来上がってきたイグアノドンはほぼ怪獣ともいうデキであり(結果ボツになりゲームに出せなかった)、それを指摘したが相手は職人とも言うべき人物で、そっちの発注の仕方が悪いと非を認めなかったという。それから事細かに指示するようにしたものの、その後に出来上がってきたプテラノドンは顔以外をドット絵にするより無かったとか。
関連動画
アーケードアーカイブス版 プロモーション動画