【警告】
本記事は『ヤマトよ永遠に REBEL3199』の重大なネタバレを含みます。
概要
『ヤマトよ永遠に REBEL3199』第三話「衝撃!デザリアム暗黒の千年史」にて謎多き星間国家「デザリアム」が地球人に対して開示した、彼らが歩んできた歴史の事を指す。
前作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』から登場するも、未だにその正体に不明な点が多いデザリアムの核心に迫る重要な手掛かりとなり得る。
詳細
暗黒の千年史年表
以下の年表は、劇中第3話Bパート、および第二章パンフレット16ページにて記載されたものをまとめたものとなる。
ちなみに2500年代の中国語で書かれている部分は、日本語年表が見切れていた部分であり、ここで書かれている日本語文は公式ではなく中国語から翻訳したものである。
西暦 | 出来事 |
---|---|
2203年 | ガトランティス戦役集結 |
2206年 | ガルマン・ガミラス帝国建国 |
2213年 | ガルマン・ガミラス帝国、ボラー連邦へ宣戦布告 |
2215年 | ボラー連邦、地球連邦へ宣戦布告(第一次銀河系大戦) |
2219年 | ガルマン・ガミラス帝国=地球とボラー連邦、休戦に合意 |
2225年 | デスラー・ドクトリン |
2232年 | 地球連邦、ガルマン・ガミラス帝国を中心としてサジタリウス条約機構結成 |
2237年 | ボラー連邦、ペルセウス条約機構を結成 |
2241年 | 第二次銀河系大戦勃発 |
2250年 | オリオン腕事件 |
2252年 | 地球連邦、ボラー連邦へ宣戦布告 |
2255年 | 恒星間弾道弾により南半球壊滅 |
2256年 | 地球連邦、北銀河方面へ波動砲艦隊派遣 |
2266年 | イスカンダルを仲介として停戦に合意 |
2268年 | アベルト・デスラー総統逝去 |
2274年 | バレラスで民主派によるクーデター(ガミラス人民共和国樹立) |
2301年 | ガルマン・ガミラス帝国分裂 |
2303年 | ガミラス人民共和国、ペルセウス条約機構加盟 |
2308年 | ザルツ解放機構、銀河=マゼラン同時テロ |
2309年 | 波動砲艦隊整備計画 |
2311年 | ガミラス臣民戦争(ガルマン・ガミラス内戦) |
2322年 | 積極的波動砲外交の推進 |
2352年 | サレザー危機 |
2357年 | ボラー連邦がガミラス星、イスカンダル星を破壊 |
2384年 | 無制限型戦略AI・DEZARIAM(Ver.1.0)完成 |
2409年 | 波動砲拡散防止条約調印 |
2430年 | ゼスパーゼ動乱(ボラーの春) |
2431年 | ボラー連邦崩壊(銀河系内戦時代) |
2435年 | ガトランティス資源活用解禁 |
2437年 | 第一回銀河平和会議 |
2441年 | 銀河恒久平和機構設立 |
2447年 | 正統ガミラス帝国、銀河恒久平和機構を離脱 |
2483年 | 第一次バラン紛争 |
2491年 | 地球連邦主導で銀河秩序維持軍を設立 |
2496年 | 地球政府在第十三届银河新秩序大会上担任会領(地球政府が第13回銀河新秩序大会で代表を務める) |
2517年 | G3計画に基づく兵員強化策最終案 |
2521年 | 使用相位装置组建下一代进攻舰队计划(位相デバイスを使用した次世代の攻撃艦隊の建造計画) |
2529年 | 合法加米拉斯帝国废除《次元波加农炮不扩散条约》(正統ガミラス帝国、波動砲拡散防止条約を破棄) |
2535年 | 第二次加米拉斯战争(第二次ガミラス戦争) |
2541年 | 無制限自律型総合管理AI・Mother DEZARIAM完成 |
2798年 | 旧土星宙域にて空間裂傷発生 |
2799年 | 太陽系全域にMother DEZARIAMが緊急事態を宣言 |
3001年 | 全地球人類、ホモ・デザリアムへの進化を承認 |
以上の年表を大まかにまとめると...
- ガルマン=ガミラス帝国建国後、地球・ガルマン=ガミラス同盟とボラー連邦の対立が激化。その後、各陣営に多くの星間国家を巻き込んだ大規模戦争「銀河系大戦」に発展。
- デスラーの死後、民主化運動やガミラス時代の非征服民族だったザルツ人(※)などを中心とした反乱組織によりガミラス陣営は内乱状態に。分裂の果てに、「人民共和国」を名乗る一派が敵だったはずのボラー率いる「ペルセウス条約機構」に走るなど混迷を極める。
- そしてついに、2357年にボラー連邦の攻撃でガミラス本星が破壊されてしまう。『3199』劇中ではアルフォンもこの出来事について雪に語っていた。
- ガルマン・ガミラス帝国は内戦状態になり、ボラー連邦はボラー連邦で崩壊が加速し、グダグダに。銀河系は終わりの見えない泥沼状態となり、ここにきて地球は事態収拾と生存戦略のため、ガトランティス戦役で封印した戦闘AIの開発を再開。第十一番惑星沖に漂流する膨大な数のカラクルム級戦闘艦をほぼ無尽蔵の資源として、「生きるために強靭であること」を求める、
- 最終的に、波動砲艦隊を整備した地球の圧倒的な軍事力に支えられた銀河秩序維持軍が結成され、銀河の治安維持に乗り出した。
- しかしその矢先、ガトランティス戦役時代の波動砲の過度の使用がここにきて牙を剥き、土星沖に空間裂傷が発生。この大事件により地球は無惨な姿に変貌し、人類はこのままでは生きていけない事態に直面。そのため、AIであるマザー・デザリアム主導で、ホモ・デザリアムに自ら進化。最低限の「人間らしさ」を維持しつつ、生存の道を探っていくのであった。そしてこの空間裂傷が調査の結果、約1000年前の時空と繋がったことが判明したことにより、大きく物語が動き出す...
- この空間裂傷、『3199』で初登場した設定...とも言い切れない。実は『2199』で百合亜に憑依したユリーシャが真田に対して波動砲のメカニズムについて質問した際、「宇宙が引き裂かれてしまう」と発言している。この「引き『裂』く」力の結果が空間『裂』傷なのではないかと考察するファンもいる。
- 一方で、波動エネルギー文明としては大先輩なはずのイスカンダルも「儀式」の際に波動砲を使用していたが、イスカンダルの使用した波動砲により空間裂傷が発生したかは不明。これについてファンの間では、「もし発生していたのであれば、しっかり記録に残るはずだし、スターシャだって明確に警告するはず」として、「『波動砲使用による空間裂傷』事態がフェイク」とする考察と、「イスカンダルは波動エネルギーを使いこなしていた」として、「空間裂傷を回避できる『限度』をわきまえていたから起きてない」とする考察に二分されている。
※シュルツ親子などの民族で、『2205』時点で故郷を滅ぼされていることが明言されている)
もっと簡潔にいうと、
- 戦いに次ぐ戦いの銀河を生き抜くため、人類は再び戦闘AIと波動砲艦隊構想を解禁
- だが、波動エネルギーの濫用により人類自体が滅亡の危機に瀕している
ということになる。
そしてデザリアムはそのことを後悔しており、故郷の修復と歴史の修正のため2205年時空へ進出。
グランドリバースは故郷復興のためのデザリアム版コスモリバースシステムである...
と、スカルダートは語っているが...?
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更なるネタバレ
この年表、細かいところを見ると結構矛盾点や、矛盾とまでは行かずとも無理があるんじゃないかと思える部分が多い。
デスラー総統がやたら長生き(地球暦で100歳以上の大往生)だとか、映像内で200年以上現役のアルデバランが出ているとか、その時点でヒアデス級が存在しているとかがよく挙げられている。
特に最たるものがガミラス星の存在で、2205年時点で持って後50年(下手すれば5か月)で破滅的な崩壊が始まるとされていたガミラス星がそこから150年近くも健在だったという点に疑惑の目が向けられている(2274年にバレラスでクーデターがあったことから、少なくとも70年は人が住める環境だったことになる)。
実はこの年表の作ったのは総監督・脚本の福井晴敏氏でも、ともに脚本を担当している岡秀樹氏でもなく、文芸設定管理を行っている皆川ゆか氏。
つまりはそういうことである。具体的な年代や事件とかを考えたのは脚本陣ではない以上、この年表のほとんどはストーリーの添え物に過ぎないのだろう。
さらに、12月17日開催のヤマトークおよび第二章の4週目上映特典として、「デザリアムが語る真・地球暗黒史」が配布されており、一部分は公式Xで閲覧可能となっている。
この真・地球暗黒史は総監督・脚本の福井晴敏が書いたものであり、これによると劇中の年表は「デザリアムが修復できた範囲の歴史」、特典の内容は「大雑把な真相」とされている。
デザリアムは空間裂傷による「大喪失」で過去の記録の大半が失われており、残された断片的な情報から年表を作成した。そのため年表は一部真相とは矛盾する点もあり(実際上記のガミラス星破壊の時期も、真・地球暗黒史ではガルマン・ガミラス帝国建国より前となっている)、今後もデザリアムが2207年の地球から記録を得ることで年表は刻々と修正されるだろうとしている。
つまり、第3話でスカルダートが見せた詳細な年表はデザリアム人自身も正しいのか分かってないものであることが判明した。
余談だが、上記の年表は40行くらいだが、本人曰く「200行くらい書いた」らしく、未公開の部分がまだ大量にある模様。