血通う鋼鉄に宿るは、神か悪魔か
諸元
タイトル | DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ) |
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プラットフォーム | ニンテンドースイッチ、Windows(Steam、EpicGames) |
発売日 | 2019年9月14日(Switch) / 2020年2月14日(Steam) / 2022年1月28日(EpicGames) |
制作 | マーベラス・1st Studio |
ジャンル | ハイスピードメカアクション |
エンジン | UnrealEngine4 |
購入形態 | カートリッジ(Switch)/ダウンロード(全ハード)+外見変更要素のみ追加DLC購入 |
概要
マーベラスの1stスタジオが開発したメカアクションゲーム。『アーマード・コア』シリーズを製作したスタッフを中心メンバーとしつつも若手スタッフが主体となって開発が行われた。
プレイヤーは戦闘用外部装甲・アーセナルに搭乗する傭兵となり、月の落ちた地・オーヴァルで攻性AI・イモータルとの戦闘や権力者達の代理戦争、そしてその裏で密かに進む世界の真実に迫る戦いへと巻き込まれていく。
本作の特徴として、倒した敵の武器やパーツをその場で装備し、使用する事が可能。部位破壊によって破損したとしても、敵のパーツを装備すれば戦闘を継続する事ができる。
また、機体から降りて生身の状態でフィールドを探索する事も可能で、一部のオーダー(ミッション)はこの状態を利用しないと攻略出来ないようになっている。
ローカル通信とオンラインの両方でマルチプレイに対応しており、協力プレイ(イモータル討伐・探査)や対戦プレイ(ランクマッチ・カスタムマッチ)が可能である。
スタッフ
- プロデューサー:佃健一郎(『アーマード・コア』シリーズ)
- メカニカルコンセプトデザイン:河森正治(『アーマード・コア』『マクロス』シリーズ)
- キャラクターデザイン:コザキユースケ(『ファイアーエムブレム(覚醒・if)』『ノーモア★ヒーローズ』)
- サウンド:中鶴潤一、濱本理央(バンダイナムコゲームス/『鉄拳』『リッジレーサー』『エースコンバット』)
用語
目覚めの日/THE FIRST DAY
月が崩壊し、その半分が地球へと落下した大災害。
後にこの名で呼ばれるようになる。
フェムト
月の欠片と共に地球へ齎された粒子物質。
その希少性と利用価値から、新たな戦争を生むことになる。
アウター
フェムト粒子の影響によって特殊な力に目覚めた者。力を制御できず命を落とす者も少なくない。
力をモノにできたとしてもその特異性を恐れた一般社会からの差別は根深く、
アーセナル操縦への適性も持つ事から、多くはオーヴァルの中で傭兵として生きている。
フェムト粒子によって稼働し神経接続で操縦する、戦闘用外部装甲(アウターギア)の総称。
アウターの持つ特殊な力によってのみ、その性能を引き出す事ができる。
普通の人間やAI接続でも操縦自体は可能だが、ほとんどの場合アウター操縦機には到底敵わない。
共同体
ネイション。目覚めの日に国家と統制を失った世界をまとめる巨大組織。
作中では「ホライゾン」「スカイユニオン」「ゼン」の3つの組織が登場し、
オーヴァルとそこに眠る資源を奪い合い、傭兵たちにオーダー(依頼)を発行する。
オーヴァル
月の欠片による環境変化を防ぐために高い壁で外界と隔離された、月の落着地点付近の領域。
フェムトを巡る戦争から世界の崩壊を避けるため軍事行動が許可されている場所でもあり、
この領域内では権力者達の代理戦争として、アーセナルによる戦闘が繰り広げられている。
オービタル
オーヴァル内の秩序(共同体のパワーバランスとも言える)を保つ目的で設立された中立組織。
全ての傭兵はオービタルに登録されており、共同体も原則としてオービタルを通してオーダーを発行する。
AIの操る自己進化した攻性兵器。
かつては世界の復興に使われていたが、ある時を境に人間を攻撃する様になった。
中には「ギガントクラス」と呼ばれる大型の個体も存在する。
キャラクター
キャラクターはそれぞれ解放旅団と呼ばれる傭兵組織に所属している。
目的や意志は様々で、時に背中を預け、時に銃口を向け合う事となる。
傭兵になって間もないため、他のキャラクター達からはルーキーと呼ばれる事が多い。
その存在の登場によって、オーヴァル内は急速に変化を始めてゆく。
フォー(CV:甲斐田裕子)
アウター達を支援するAI。ミッションの受注と詳細の確認、戦闘中の通信など非常に高いレベルで完成されており、ジョークが通じない点を除けば人間と遜色ない程である。
バレットワークス
歴戦の猛者である准将率いる旅団。
元兵隊など戦闘のプロが多数所属しており、団員それぞれに階級がある。
バレットワークス団長。
顎髭を蓄えた初老の男性で、部下や他の旅団からの信頼も厚い。
バレットワークス副団長で、階級は少佐。
真紅に染められたアーセナルに搭乗する。
バレットワークスのエースで、憧れる者も多い。
ディアブロ(CV:古谷徹)
マスクが特徴の男性で、階級は少尉。
殺したい程にクリムゾン・ロードへ執着している。
バレットワークスのもう一人のエース。
ジョニー・G(CV:武内駿輔)
ブルーのゴーグルが特徴の男性で、階級は上等兵。
コールサインが唯一本名となっている。
ルーキーとは何かと縁がある。
ビショップ(CV:吉野裕行)
両サイドにアイペイントが施されたヘルメットが特徴の男性。
情報戦に秀でており、参謀的ポジションをこなす。
ペインキラー(CV:三宅健太)
ボックスヘアーが特徴の男性。
子供の扱いが上手い。
ドレイク(CV:小林ゆう)
バレットワークス唯一の女性。階級は軍曹。
男顔負けの度胸と信念を持つ女傑。
ボーン・ボックス(CV:間宮康弘)
スキンヘッドが特徴の男性。
ファルコン(CV:松田健一郎)
ネイティブアメリカンの様な男性。
風や匂いで戦況の変化を感じ取るアウター能力を持つ。
アーティスト(CV:木村良平)
ドレッドヘアーが特徴の男性。
グラフティアートが趣味で、戦闘中でもお気に入りのナンバーを爆音で響かせる。
テラーズ
最高クラスの実力と最古参の活動実績を持つ、オービタルの親衛隊と呼ぶべき解放旅団。
グリーフ(CV:三上哲)
テラーズ団長。若く見えるが准将と同期だという男性。
あらゆる任務での独自判断権「自由」を許された"ランクEX"を唯一持つ伝説の傭兵。
リグレット(CV:上坂すみれ)
イエローの大型ゴーグルが特徴的な女性。
傭兵になる前からのグリーフの同僚で、複雑な計算を瞬時にこなす超頭脳を持つ。
グルーミー(CV:てらそままさき)
眼光鋭い老境の男。傭兵になる前はグリーフの教え子だった。
特別な能力は持たないが、肉体も頭脳も並のアウターを軽く凌駕する。
装甲の王冠(パンツァークラウン)
ガンズ・エンプレス率いる旅団。全員女性で構成されている。
パンツァークラウン団長。
アウターの中でも驚異的な身体能力と電子戦能力を持っている。
ローズ・クイーン(CV:根本圭子)
蝶を模したメイクが特徴的な女性。沸点が非常に低い。
過去の生き地獄の原因を作ったエンプレスへの復讐の機会を窺っているが、目下全敗中。
クラウン・プリンセス(CV:早見沙織)
ピンクのメッシュ入りの黒いストレートが特徴の少女。
記憶喪失で、エンプレスとクイーンの両名から溺愛されている。
西の七人(ウエストセブン)
リーパー率いる旅団。全員が受刑者という極めて危険な旅団。
リーパー(CV:小山力也)
西の七人団長。右目を塞ぐアイパッチと屈強な体が目印。
現メンバーになってから欠員を出していない実力者。入団の経緯は訳ありである模様。
ネームレス(CV:保村真)
西の七人副団長。一目で東洋人と分かる黒髪黒眼の男。
実家を陥れた商売敵と要人を殺し、入団する事になった。聡明で温和な人格者。
ルージュ・シンデレラ(CV:田中敦子)
紫のメッシュの入った黒い艶髪とそばかすが特徴の女性。
職業暗殺者でコードネームも「仕事」の結果に因む。面倒見が良く仲間に慕われている。
クロンダイク(CV:西村朋紘)
リーゼントと顔の刺青が特徴の男。レッドドッグの兄。
浮世に飽いており、入団前は犯罪を、入団後は任務を「ゲーム」として楽しむ。
レッドドック(CV:佐藤せつじ)
顔の赤い刺青とスキンヘッドが特徴の男。クロンダイクの弟。
兄を盲目的に慕っており、入団前から兄の「ゲーム」に喜んで加担していた。
ガルガンチュア(CV:かぬか光明)
顎髭を湛えゴーグルで目を隠した、刺青入りスキンヘッドの巨漢。この見た目で24歳。
入団する前は裏社会で生きることを余儀なくされており、クイーンとも因縁がある。
シヴ/アイル(CV:鷄冠井美智子)
どっしりした体格とモヒカンヘアーが特徴の女性。家庭環境が原因の二重人格者。
専用のアーセナルもそれぞれの特性にちなみ、至近と極遠の戦闘に特化している。
SHELL
セイヴィアー率いる旅団。貴族であるヴァランタイン家によって運営されている。
彼らが関わった任務は泥沼化しやすく「地獄の5人(5-hell)」とも称されている。
SHELL団長、兼ヴァランタイン家当主。褐色の肌と癖のある黒髪が特徴の男性。
貴族の責務と人命を重んじる、大義のためなら任務違反も厭わない正義の執行者。
ルーキーと何かと縁がある。
セイヴィアーの姉で、ヴァランタイン家の真の実力者。仮面と独特のヘッドギアが特徴。
ヴァランタイン家のためならセイヴィアーを殺す事をも躊躇わない要注意人物。
SHELLに所属する双子の姉妹。
人体実験時の事故が原因でアビスは感情の幾つかを失い、ヘヴンは精神年齢が10歳で止まっている。
ナイト(CV:秋元羊介)
ヴァランタイン家筆頭執事。老執事を絵に描いたようなオールバックと口髭が特徴。
非アウターでありながら肉体強化と鋼の精神でアウター以上にアーセナルを操る剛の者。
鋼鉄の騎士(スティールナイツ)
デヴァとゾアの二人組の旅団。
正義の味方を公言し、弱者が泣くなら利益も任務も度外視して駆けつける。
デヴァ(CV:東地宏樹)
鋼鉄の騎士団長で近接戦闘担当の茶髪の男。ゾアの兄。自信過剰で女好き。
ある目的のために「正義の味方」を率先して実践している。
ゾア(CV:内田夕夜)
遠距離戦闘担当。デヴァの弟。兄の目的に協力すべく傭兵に身を投じる。
実戦以外はあらゆる意味でだらしない兄のフォローに常々回る「超できる弟」。
不死隊(イノセンス)
ジャック率いる旅団。腕前は並だがいかなる任務でも100%の生還率を誇る。
ジャック(CV:内田雄馬)
不死隊団長の少年で、兄妹の三男。熱さと優しさと覚悟を併せ持つ、愛すべき熱血バカ。
クロウ(CV:安元洋貴)
不死隊最年長の青年で、兄妹の長男。前・団長であり、今でも実質的なリーダー。
家族以外の全てに対して斜に構えた態度を取っている。
リジット(CV:井上麻里奈)
不死隊の姉役にして母役の女性で、兄弟の長女。家族の幸せのために全てを敵に回せる。
何かとストレスを溜めており、家族には小言を、戦場では弾丸を撒き散らしている。
ノーツ(CV:河西健吾)
不死隊のブレインかつ対外交渉役で、兄妹の次男。
自分の記録を徹底的に残す事を習慣にしており、コールサインもそこから。
チル(CV:洲崎綾)
不死隊の遠距離攻撃担当の少女で、兄妹の末っ子。
現状の生活に不満はなく、それ故に誰か、何かを失う事を恐れている。
余談
- システムも難易度も「ロボゲーの入り口」にするにはもってこいで、ロボゲー未経験者でも乗り回す爽快感をお手軽に味わえるという意味では良作なのだが、ストーリーなどの細かな部分で調整が足りていない部分が見受けられるため、昨今のユーザーフレンドリーなゲームに慣れたプレイヤー向けとは言い難く、逆にそれらを問題なく受け入れられるようなコアゲーマーにはシステムや難易度が物足りないという、「ロボゲーにのめりこむ意欲がある初心者~中級者」くらいにしか刺さらない構造になってしまったのが原因になってか、当初switch版の売上はそこまで芳しくなかった。
- とはいえ既プレイヤーも「そこにさえ目を瞑れば名作」と言う程度には総合的な出来そのものは良かったため、2021年9月のSwitchでのいっせいトライアルや2022年1月のEpicgames配信開始時の限定無料配信などを行ったことで、「ロボゲーに適性・素質はあるが今まではそもそも存在を知らなかったか見向きもしなかった」層の興味を一気に引き付けることになり、その後もお得なセールを各所で繰り返す事で今までの不調を一気に取り返すような売り上げを叩き出しているとか。
- 開発陣も続編の計画を進めていた模様で、2023年5月に続編と思しき「DAEMON X MACHINA TITANIC SCION」のコンセプトムービーが発表された。
- 低スペックのSwitchでスムーズな動作とロボゲーらしい動きと見栄えを両立するためにエフェクト一つに至るまで徹底的な軽量化が図られており、これが功を奏してWindows版ではノートPCでもある程度のスペックがあればカクつかない快適なプレイが可能となっている(Core-i5以上が推奨スペックとされているが、グラボなしのCore-i3搭載機でもSwitch版以上にヌルヌル動く)。
- ちなみにSwitch版では軽量化してなおハード性能を限界まで使ってしまうらしく、長時間プレイするとBGMが消える。そうなった時はおとなしく適当なところでセーブして再起動しよう。
- 異なるプラットフォーム間でのクロスプレイは不可能だが、Switch版とSteam版の間ではクロスセーブが可能。さらにSteamのクラウドデータに保存されたセーブデータを無理やり移植することでEpic版にセーブデータを移動することも出来る。
- 公式サイトではノベル「星の解放者」が連載中。ゲームの物語と分岐した(というか、ゲームでは下手に描けない表現をゴリゴリに使った)ルーキーと傭兵たちの物語が描かれる。
- タイトルはDEMON(悪魔)ではなくDAEMONである。この言葉は神霊、守護霊、神の代行者、そこから転じて管理用プログラム、などのさまざまな意味を持つのだが、そのいずれの、あるいはいずれもの意味を抱いているのかは、ルーキーが最後の戦いに赴く時に明らかになるだろう。
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