概要
カクヨムで投稿されてるWeb小説。正式タイトルは「ニチアサ好きのオタクが悪役生徒に転生した結果、破滅フラグが崩壊していく件について」。
『てれびくんSUPERHEROCOMIC』や『サンデーうぇぶり』等でコミカライズも掲載中。
コミカライズ版では掲載誌の関係からか、『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』シリーズのキャラクターの存在が伏せ字込みだが言及されている。
あらすじ
(カクヨムから引用)
呉井雄悟はどこにでもいる普通の高校生。ちょっと変わっているところを挙げるとしたら、日曜日の朝に放送されているヒーロー番組をこよなく愛していること。
そんな彼はある日、通り魔から親子連れを庇って命を落としてしまうのだが……気が付いたら【ルミナス・ヒストリー】というゲームに登場する自分と同名のキャラクター、ユーゴ・クレイとして異世界転生を果たしてしまっていた。
ユーゴは学園一の嫌われ者で、プレイヤーこと主人公との決闘に敗北して全てを失い、最終的には最後まで自分を慕ってくれた弟を生贄にして魔剣を召喚し、主人公との闘いの果てに無様に命を落とすキャラ。
そんな悪役キャラの中に明るく馬鹿なヒーローオタクこと、何も知らない呉井雄悟さん(十七歳)が入っちゃったんだから、さあ大変!
「うっひょ~っ! 変身ブレスじゃん! うわ、変身の掛け声、何にしよう!?」
「この鎧、カッコ良過ぎるんだが!? ありがとう弟よ!」
無自覚に、意図していないままに、ここがゲームの世界であることも知らないユーゴは、次々と襲い掛かる破滅フラグを粉砕していく。
主人公キャラに転生してきた他の人々が思惑通りに話が進まずに困惑する中、最愛の弟と一緒に異世界学園でヒーロー道を驀進する彼の未来はどっちだ!?
「なあ、最終的に合体ロボとか作れない? 無理? そう……じゃあ巨大化とか、あ、それも無理なんだ……うん、無茶言ってごめんね……」
……どっちだ!?
登場人物
- ユーゴ・クレイ(呉井雄吾)
ギャルゲー作品『ルミナス・ヒストリー』の世界で悪役として転生したニチアサ好きなオタク。
列車内に散乱していた油を蜘蛛のものと見抜くなど生物に対する知識もあるようだ。
本来のストーリーでは主人公との決闘後は何もかもを失いながら主人公と敵対し、最後には最愛の弟であるフィーを生贄に魔剣を召喚し、主人公たちとの戦いに敗れて無様に死ぬキャラ……のはずが、雄吾が善人であった(上に後述のアクシデントも加わった)のもあり、弟のフィーのためにも『異世界で最高のヒーローになる』のを目標にしている。
また、自身がこの世界がギャルゲー作品の世界とは知らない模様。
出身世界でのニチアサの構成はスーパー戦○、仮○ライダー、プ○キュアの3つであり、我々の世界とはそう変わらない模様。
使用する魔道具は旧式量産型の鎧「ブラスタ」。
ブレスレットに魔力を注ぐと装着され、手足にある魔力結晶に魔力を充填すればパンチやキックの威力が向上し、腕からビームを放てる。
ただし、能力が飛躍的に向上するわけではない上に、コストや効率の関係から量産には向かず、あまり重要視されていない武装である。
名前の元ネタは『クレイモア』とこの作品のこの人。性格はこの作品のこの人。
偶然だが、全てを失うもガムシャラに頑張り逆転していくその勇姿は、こちらの兄に似ている。
必殺技
右腕に魔力を集中して一気に解放するビーム技。
ボルグとの決闘で発射し、一発で戦闘不能にしたが、本人としてはそこまでの威力が出るとは思っていなかったらしい。
- ブラスタ・ダイナミックスラッシュ
右腕に魔力を込めて手刀を振り下ろす。
必殺技名は決めポーズの後に口にする。
右腕にエネルギーを込めた必殺パンチを放つ。
メルトのナイフを握りしめて帯電し、右足で飛び蹴りを放つ。
コミカライズ版では右足にスペードの紋章が浮かび上がっている。
- フィー・クレイ
ユーゴの異母弟。学園一の嫌われ者であり、家を勘当された彼を唯一見捨てなかった味方。
体の方は弱いらしく魔導騎士としての才能はないが、その頭脳はかなりのもの。
尚、第7話でのユーゴ=雄吾の活躍以降、実兄への思慕をより強固になった。
名前の元ネタはこの人。
こちらも偶然だが、異母の兄を慕うその姿はこちらの異母弟に似ている。
- メルト・エペ
『ルミナス・ヒストリー』のヒロインの1人。
本来は完全にユーゴへの好感度が下がった状態で登場する……のだが、ゼノンがそうなる前にユーゴを倒し、彼の中に雄悟が入って性格が180度変貌した結果、彼女はヒロイックな性格のユーゴしか知らない状態と化したため彼に興味を持った。
第7話を契機にユーゴ=雄吾の仲間(=攻略中or攻略済みヒロイン?)となったためか、他の転生者達の攻略ルートから除外された。
名前の元ネタはメルト(溶ける)とエペ(剣)。モデルとしてはこの作品のこの人とこの作品のこの人。
上記の通り、ユーゴ=雄吾の第一印象も「変身ヒロインでいったら主人公タイプ」だったが、その後この作品のこの人へと印象が変化している。
- ゼノン・アッシュ(灰野瀬人)
『ルミナス・ヒストリー』におけるプレイアブルキャラクター……だが、現在の中身は転生者である。
灰野瀬人はかなりのゲームマニアであると同時に、異世界転生モノの知識も(悪い意味で)嗜んでいる。
上記の状態もあってか、自身の推しキャラを「~~たん」と呼ぶ、異世界転生モノのテンプレに(悪い意味で)乗るべく、推しだけを集めたハーレムを作りつつ英雄になろうと目論むなどと、典型的な近寄りたくない人種の模様。
『ルミナス・ヒストリー』の世界に転生後は似たようなろくでなしの転生者数名とつるみ、ヒロインを取り合いつつ時に共謀・利用し合う暗躍に終始しているが、雄吾の転生と自身の凡ミスが重なったのを契機に、挫折を繰り返し多くのものを失ってからは、他の転生者とは違い少しずつ変化を見せており……。
- クレア・ルージュ
『ルミナス・ヒストリー』おける看板ヒロイン。
金髪蒼眼の貞淑な巨乳の容姿に加え、性格はおっとりで優しいと、王道のヒロインっぷりで多くのプレイヤーを魅了している。
自分を辛い境遇から救ってくれたゼノンに感謝しているが、彼の言動に何か違和感を覚えてもいる様子。
- マルコス・ボルグ
『ルミナス・ヒストリー』の登場人物の1人で、扱う魔道具は【ギガシザース】。
灰野瀬人曰く「序盤でゼノンと決闘し敗北後に仲間になるが、最終的に二軍落ちするキャラクター(要約)」。
原作でゼノンと決闘した理由は「ユーゴに不満を持つも最強の魔道具【ガランディル】を持つ彼に絶対に勝てないため、腹いせにユーゴより弱いゼノンに八つ当たりしようとした」、雄吾転生後のユーゴに決闘をしかけた理由は「【ガランディル】を持たないユーゴならば絶対に勝てる」と踏む等々、良くて身の丈を弁えたリアリスト、身も蓋もなければ猿知恵を振るう小者。
しかし、第7話にてユーゴの活躍と雄吾の驕りのない真っ直ぐな言動に感化され、「鍛練を積み今度こそ倒してみせる(要約)」と改心した。
【ギガシザース】の名称や褒められた人間性ではないなどの要素から、元ネタは十中八九コレと思われる。
- ラッシュ・ウィンヘルム
『ルミナス・ヒストリー』の登場人物の1人で、扱う魔道具は剣型の【ウィンドルム】。
やや独善的な性格をしている男子生徒で、ユーゴとはメルトが彼と関わって出会うのだが、最低最悪のクズである彼に「メルトが騙されている」と考えたラッシュは、ユーゴに「彼女から離れる」よう要求し決闘を挑むが敗北。
そして、その後は……
- その他の転生者
ユーゴとゼノン以外の転生者たち。複数の人間が転生させられているようで特典などを与えられており、非常時には転生者同士が集まって今後の方針を話し合ったりしている。
全員が共通して「自分が主人公だと思い込んでいる」または「推しキャラのみでハーレムを作る」など自分の欲望に忠実で第二の人生を歩むことには非常に積極的。しかし転生先が彼らにとって憧れたゲームの世界だったということもあり、自分が満足するためなら他人を蹴落とすことも躊躇しないどころか、推しのキャラ以外を単なるモブと見なすどの歪さを抱えており、傍迷惑な集団と化している。
ストーリーが進むにつれ、似たような思考回路を持つ転生者が集まったのは何者かの意図がある様子。
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第7話終盤で登場。
改心したマルコスを見て「アイツの心の闇が消えた」と意味深長な言葉を漏らしており、黒幕自身かその側近と思われるが……?
魔鎧獣
死んだ魔物の魂が他の魔物に取り憑く事で誕生する本作の怪人枠。間違っても魔怪獣ではない。
原作では敵キャラクターに該当する存在でそれ以上でもそれ以下でもないのだが、ユーゴの転生を切っ掛けに人間が魔鎧獣に変異するなどの異常事態が発生している。
名称は『“魔”物を“鎧”として纏う害“獣”』の略語。
アラクロ
最序盤の敵。ゴブリンと蜘蛛のキメラ。
魔力でしか切れない糸を吐き、魔道具の弱点を見抜くほどの知能の高さを有する。
ボス格の個体と複数隊の部下からなる軍団で列車を襲撃するが、ユーゴによって全滅させられ、誘拐された乗客も助け出された。