概要
CV:一龍斎貞友
マサオくん(本名:佐藤マサオ、読み:さとうマサオ、誕生日:2月4日、血液型:A型)は、クレヨンしんちゃんのキャラクター。かすかべ防衛隊の隊員。フルネームは元々アニメオリジナルの設定であったが、原作において『新クレヨンしんちゃん』以降正式に逆輸入された。原作で初めて苗字で呼ばれた際、しんのすけからは「マサオくんって苗字あったんだ」と言っており、少なくともしんのすけは彼の苗字を知らなかった。
以後はアニメでも少しずつネタにする事が増え、「手編みのぼうしだゾ」(2020年2月22日放送)でしんのすけに「佐藤さん」と言われた際、風間が「佐藤さんって誰だよ」とツッコんだり(本当にマサオの苗字を知らなかったのか、聞き慣れていないから困惑したのか不明だが)、「座椅子はいいっスねだゾ」(2020年11月7日放送)ではしんのすけから「これはこれは、佐藤さん」といきなり苗字で呼ばれた。当然ながら「何で苗字で呼ぶの?」とマサオは困惑したが、しんのすけから「たまに呼ばないと(苗字を)忘れるから」と訳の分からない返答をされた。
呼ばれ方
他の園児にしても苗字で呼ばれるのは風間ぐらいで、ネネ・あい・チーターもそれぞれの苗字である桜田・酢乙女・河村で呼ばれる事はほぼ無く、精々まつざか先生・風間が「河村くん」と言う程度である。しんのすけに関しても苗字で呼ばれる事はほぼ無く、精々エンピツしんちゃんでマサオ・ボーちゃん以外から「野原」・「野原くん」と呼ばれる程度で、ボーちゃんに至っては本名が不明である。
性格
風間と並ぶしんのすけを初めとする人物のツッコミ役であり、そのしんのすけにはしょっちゅう家の場所を間違えられる。坊主頭がトレードマークであるが、2歳の頃は話によって見た目が違い、現在のような坊主頭・茶髪だったりする。この外見故によく「おにぎり(頭)」と呼ばれ、マサオ自身がおにぎりとして扱われる事もある。
個性派揃いな防衛隊員の中では良くも悪くも一番年相応な常識人で、高い女子力を有する。しかしそれが原因で「坊主頭以外これといった特徴の無い普通の5歳児」というキャラクター付けをされやすく(番外編などでもしかり)、音痴で体力は貧弱なので役立たずという印象が強いが特定の分野では強い拘りや優れた資質を見せる事もある。ただししんのすけ達がマサオの得意分野には殆ど興味がなさそう(下手すればしんのすけやネネがやりたくない事)なのがネックである。
映画「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード」でお菓子につられて、しんのすけを裏切ったことがあり、しんのすけ本人や視聴者に「裏切りおにぎり」という不名誉な呼び名が付いた事もあるが、ボーちゃんは「優しい」性格と評している事もある。
不遇な扱い
心優しい性格であるものの怖がりで気が弱く非常に泣き虫で、特にネネから泣き虫オニギリと言われた事もある。もっぱら強調されるのは後者であり、仲間たちからはそちらばかり認識されている模様である。他の隊員が危険な事に首を突っ込もうとする際、1人だけそれに対して消極姿勢を示した結果見捨てられ、1人になりたくない一心で泣き縋る形で同調する羽目になるパターンが半ばお約束となっている。その為隊内では損な役回りが多く、貧乏くじを引かされる率が群を抜いて高い。アニメでは空気扱い・無視される回も目立つ。
他の防衛隊員がばら組の天才児をはじめとする他の子供達との対決に挑む際には、基本的に相手方の主戦力(該当回のメインゲストである天才児)の格好の引き立て役にされる事も定番となっている。
2018年以降のアニメ放送ではネネちゃんの家を訪れた時、そこで出されたイチゴに不満を溢して怒り泣きしながら拘りを語った姿は、普段は自分を困らせているネネちゃんすら一方的に困惑される程である。
リアルおままごとの台本を執筆する事になって演技した時、同じくネネから執拗にダメ出しされると「いちいちうっせえな。」と呟きながら憎悪の表情を露にした。2009年10月23日放送の「おイモをもらったゾ」では、しんのすけのイモとおにぎりの交換要求を拒否し、「共食いは良くないゾ。」とイジられるも「じゃがいも小僧はおとなしくサツマイモ食べてなさい!」と反論するも、その言動に反発したしんのすけから、顔面に放屁攻撃をモロに被弾した。
このように他のキャラクター同様に初期の原作・アニメから性格が変化している部分もあり、しんのすけ・ネネに訳の分からない事を言われる若しくは一方的に振り回されても反発できる対等な関係になっている事を窺わせる場面(しかも行動パターンも多少なりとも読めるようになっている)や、逆にしんのすけ・ネネさえも配慮せざるを得なくさせる程にいじけるなど、逆にトラブルを起こす場面も増えつつある。しかし大々的に性格を転換したネネと違ってあくまでも多少であり、『被害者』・『苦労人』・『常識人』の地位は不変である。
良識的なキャラクター故に視聴者からは共感を得やすいが、根は捻くれ者・図々しい・頑固・しんのすけとネネ並みに軽薄且つ空気の読まない一面を見せている(ただ彼の年齢や周囲が何を考えているのかわからない面々ばかりで意思疎通が難しいのを考慮すると当然だが)。後述のように自分の価値観を他者に押し付ける独善的な態度も窺え、几帳面ではあるが飽くまで自分のルールに従順なだけで、風間やボーちゃんほど意志の強い規律や道徳を重んじる真面目な性分では無い。
ふとしたきっかけで自信をつけると野性味と男気あふれる熱血漢に反転し、そうする事で、ワル・自信家・さらには毒舌家のように振る舞う事があるなど、やや多重人格の節がある。一方でそうした一面を見せると決まって調子に乗り過ぎてしまう悪癖があり、その天罰あるいは天性の不運からは避けられないのか、大概は最終的に空回りに終わる・手酷いしっぺ返しを受けて更に悲惨な目に遭うのがお約束である。特に前者はネネちゃんに反撃を仕掛けるなど、身の丈に合わない行動に走った場合は確実にそうなる。
2001年4月に公開された「オトナ帝国の逆襲」では、バスを運転する事になるが、年齢的に無理とは言え自動車の運転経験が無いにもかかわらず、逃走を妨害しようとする敵勢力を回避しつつ衝突させるという天才的な才能を発揮しており、その際に上記のような人格に変貌していた。
もっともクレヨンしんちゃんという作品がギャグ漫画な為、キャラがブレるのはよくある事である。変人や問題の有る人物の多い作中では、相対的に人畜無害か無実の被害者である機会が多い人物である事に変わりは無い。
原因
殆どが物事を甘く見すぎる不真面目さ・日頃の不遇な扱いへの腹いせで、しんのすけ・ネネが非常識故にトラブルを起こすのに対して、マサオの場合は自分が悪いと言う自覚があった上でのわざとらしい言動である。その為一様に一方的な被害者とも言い切れず、問題児の一面を晒す事も少なくない。先祖はオオマサというガキ大将で、これらのマイナス面は隔世遺伝によるものなのかもしれない。
趣味・嗜好
しんのすけ同様「アクション仮面」ファンで、「少年忍者吹雪丸」も同様である。将来の夢は漫画家になる事で、既に本格的な画材を揃えて自作のマンガ・紙芝居を執筆する程である。肝心の内容は明らかに自分を格好良く美化しまくったキャラクターを主人公にして活躍させる・明らかに普段自分を散々振り回してくる人をモデル(むしろほぼそのまま)にした悪役を登場させるなど自己投影が強すぎる為、自作マンガについてはしんのすけ達からの評判は今ひとつである(まぁ幼稚園児の描いた漫画だから自己投影が強すぎたりするのは致し方ない部分はあるが…)。
結局のところ、漫画の才力に関しては、原作では本職の出版社員に自作マンガを読んでもらった際に「(子供の描いた作品にしては)なかなかよくできてる。」と好意的な評価をもらった事もある一方、(映画「爆睡!ユメミーワールド大突撃」等)アニメでは、自己投影抜きで単純に皆にウケないといった様に、コンテンツによってまちまちとなっている。
カード・玩具収集は石を収集しているボーちゃんに引けを取らない。また「お片付け症候群」と評されるほどの潔癖症で、無意識に物を片付ける癖がある。掃除中毒になって野原家に預けてもらった事があるが、結局野原家の怠惰な言動に呆然し、自分も怠惰な性格に変貌した。
怖がりな割に虫などは平気なようで、クワガタムシ・亀などの動物を飼育した事があるなど、幼稚園児ながらブリーダー気質な一面もある(ただし蜘蛛嫌いである)。モノマネが得意という意外な特技があり、1999年7月23日放送の「物まね上手のマサオくんだゾ」では、まつざか先生のモノマネを披露し、完全に役にのめり込んだ。そこでしんのすけとガチ喧嘩に発展する・よしなが先生が悪口を言われたと勘違いして教室に押しかけるアクシデントが発生した。
料理を含めた家事にも深い興味を示しており、特に「夕陽のカスカベボーイズ」では家事にかなり没頭し、妻を支える主夫となっていた。
好きな食べ物はグラタン・ハンバーグ・プリンで、嫌いな食べ物はナスとキャベツである。2013年4月に公開された「B級グルメサバイバル」では、キャビアが苦手という一面を見せた。
人間関係
意外にも同世代の女性との接点が多い。そもそも他の4人は極度の女性好きであるしんのすけ・しんのすけに振り回される風間・精神が老成しすぎているボーちゃん・自身をリアルおままごとに付き合わせるネネがいる為、どうしても平凡な存在に見えてしまう。
ネネ
特に頭が上がらず、自身の「リアルおままごと」の犠牲になる事が多い。アニメではネネやリアルおままごとに対する過度のストレスが原因で、急性胃炎で入院した事もある。「夕陽のカスカベボーイズ」ではまさかの夫婦になり、相変わらずの家庭的な言動を見せた。
あい
ふたば幼稚園に転入して以来、彼女の虜となって好意を抱いているものの、彼女はマサオに対する恋愛感情は無い。むしろしんのすけの事が好きで、彼女から好意を向けられるしんのすけに複雑な表情を見せたり、ヤキモチを焼く事もある。だがマサオ本人は「それでも(自分に気が無い上に奴隷扱いでも)いい」らしいので、彼女とさえ関われれば十分とのこと。上記の男気あふれる性格に反転するのも、あいへの恋心で動かされることも多い。
2006年に公開された「踊れ!アミーゴ!」では、普段はしんのすけにベタ惚れで自分には無関心なはずのあいが、急に優しく振る舞い始めたことに不信感を抱き、あいが偽者であると最初に気付いた(マサオ曰く「愛する者の直感」)。しかし一度は彼女の言葉に誘惑されて捕まりかけたが、風間の説得で涙ながらに思い留まった。
2020年3月7日放送の「あいちゃんのお弁当をいただくゾ」では、あいがしんのすけの為に作った弁当を急遽代わりに食べることになった。この時はしんのすけの嫌いなものが入っていた為、結局渡すのを断念した。その弁当箱を開けたら「大スキ」と海苔で書かれ、あいに告白されたと勘違いし、嬉しさのあまり失神した(実は「大スキ」の前に「しんサマ」の文字があったが、名前の部分が蓋の裏にくっついていた為に気付かなかった)。
翌日しんのすけに渡そうとした弁当が、事態によってまたマサオに渡されて箱を開けると、「しんサマ大スキ」と海苔で書かれていた時はショックで愕然としていた。それを「マサオくんスキ」と強引に付け替えて自己満足しており、その執念深さに風間・ボーちゃんは戦慄し、ネネからは「キモむなしい!」と本気でドン引かれていた。
同年8月29日放送の「夏の夜は天体観測だソ」では、あいが酢乙女家お抱えの花火職人に作らせた『しんさまLOVE』という特製のメッセージ花火を見て、「今マサオLOVEって花火が見えた。」と強引に解釈し、ネネから「アンタ幸せね…」と同情半分に呆れられていた。