概要
タルトとふたりでフランスを救うべく立ち上がった、中世のイタリア出身のクールな魔法少女。
“影”を操る魔法でタルトを支えつつ、百年戦争のさなか、フランス軍の前線で戦っている。
当人はあまり口にしたがらないがとある有名な軍人の子孫であるらしい。
(『マギアレコード』内アーカイブ「魔法少女」より)
プロフィール
出演作品 | 魔法少女たると☆マギカ |
---|---|
性別 | 女性 |
出身地 | イタリア(14世紀) |
年齢 | 18歳(1429年)※注1 |
肩書き | 魔法少女 |
願い事 | 自らの手で真の英雄を誕生させる |
固有魔法 | 影の操作 |
キャラクターデザイン | 枡狐/蛙空 |
声優 | 小清水亜美 |
※注1:作中では、タルトの1歳上だと説明されている。『マギアレコード』では、さらにメリッサの3歳上であることが判明した。
人物像
タルトと共に戦う魔法少女で、イタリア人の傭兵。周囲にはリズで通しているが、本名はリズ・ヴィスコンティである(作中では「ヴィスコンティ」姓を名乗る前に一瞬考え込むような様子を見せている)。「偉大なる白き傭兵」と呼ばれる人物の子孫であるらしい事以外、当初出自は不明。
普段はシスターのような服を着用する。過去編では男装の様な衣装にマントを羽織っていた。タルトとの付き合いは一番長い。
基本的に表情は乏しく、物事には大抵無表情でクールな印象を受けるが、人をからかって面白がったり、タルトの妹・カトリーヌ等の可愛いものには弱かったりする。
またマギアレコードでは、甘党としての一面が明かされ、彼女を知る者は、甘いものを食べる時はいつもうれしそうに見えたとのこと。
(さらに彼女はいつも蜂蜜を携帯している。
糖度の高い蜂蜜は、保存食、エネルギー源として優秀で、これについては何ら不思議な事ではないなのだが、彼女の場合は度を越えている。
キューブ曰く「リズのかけるハチミツの量は常軌を逸しているね」)
少女らしく実年齢より年上に見られることを気にしていて、デリカシーの無いキュゥべえが「年上は敬われるのだから喜ばしい事じゃないか」と言い放たれ、キュゥべえを睨みつけながら投げ捨てたりしていた。カトリーヌを殺した落伍兵たちにマジギレし皆殺しにした辺り、本編の中で一番怒らせてはいけない人なのかもしれない。
タルトが作ったキューブをかたどった旗に対し「ひどい柄ね」と言い放っていることから、キューブに対してはあまり良い印象は抱いていない模様。
魔法少女として
イメージカラーは黒。ソウルジェムの位置は袖ピンで、長方形を象っている。変身中の姿は、身を覆う程の広いマントと格闘の邪魔にならないようにスポーティでスッキリした服装だった。
単行本第1巻カバー裏のパラメーター表によると、防御力を除けば基本的にバランスが取れた能力を持っている。
彼女の願いは「自らの手で真の英雄を誕生させること。自分は英雄の影になるというその願いからか、固有魔法は影を自在に操作する能力である。汎用性に優れた能力で、自分の影を他の影と接続して武器を貫通させたり、影縫い(影から影へと移動すること)ができる。前述の通り防御力が低い点も、影の空間に潜り込むことでカバーしている。
使用する武器は前後につり下げた苦無のような4本の短剣で、普段は専用のホルダーに収納されている。影を通して遠くの敵を攻撃するなど主に暗器として使用し、固有魔法との重ね技で槍やムチ、大鎌など様々な武器に変化させて使用する他、鎖状にして相手を拘束することもできる。
この他にも、手首に暗器のような剣を仕込んでいるなど、服装も相まって暗殺者かその類を連想させるものとなっている。
経歴
リズの祖父ジョン・ホークウッド(フィレンツェ読みではジョヴァンニ・アクート)は、「白の団」という隊を率いる傭兵であった。戦乱続くイタリアの各国家間で、有名領主や都市国家、果ては教皇など、様々な雇い主の間を渡り続け、報酬さえ釣り合えば時には元の雇い主でさえ滅ぼしてしまうような男であった彼は、「裏切りの英雄」として知られていた。(※1)
そのホークウッドに自分の娘を妻として与えてまで「白の団」を召し抱えていたヴィスコンティ家も、後に裏切ったホークウッドの手によって完膚なきまでに敗北させられている。(※2)
そんな男の孫としてイタリアのヴィスコンティ家に生まれたリズが、幼少期からどんな思いを抱いて生きてきたのかは本人のみが知るところである。(※3)
「自らの手で真の英雄を誕生させる」という願いでキューブと契約したリズは、キューブと共に英雄を探す旅に出かける。その道中で数々の才能ある少女達に出会っていったが、彼女達が真の英雄になることは決してなかった。
そんな失望の中で訪れたドンレミ村で、偶然魔女に襲われていたタルトを救出したことで、彼女達の運命の歯車が回り始める。
本来、多少魔力が強いだけの魔法少女でしかなかったはずのタルトが、その願いで力を望んだとはいえ、奇跡とも言うべきことを次々と実現させていく。
キューブはこれについて「リズの願いや、人々の希望を求める心が強い因果となって不自然なまでにタルトの力を増幅させていたのであろう」と考えている。
ラピヌとの戦いで、「何度倒しても魔女化と魔法少女化を繰り返す」という魔法を持つ彼女を倒すため、共に影の世界へと消える。その後、タルトとイザボーの最後の戦いにソウルジェムのみの状態で現れ(キューブ曰く「本来あり得ないこと」)、タルトの籠手へと変化して、ともにイザボーを倒す。その後、残ったソウルジェムは消滅した。
彼女の祖父、ホークウッドについて
(本編では記述のみでの説明で終わる為、ここである程度の史実情報を記載する)
元々はイングランドはエセックス出身。皮なめし職人の次男坊という記述があるが、青年期に至るまでの彼の経歴はほとんど信憑性が乏しい(一部伝承ではエドワード黒太子が騎士の位を授けたという記述もあるらしいが、後付けの可能性が高い)。
百年戦争の途中から傭兵として(当時は季節労働者の毛色が強かった)ブルゴーニュへ移る。やがて「白衣団」を率いる傭兵隊長となったホークウッドは、その後アルプスでの戦いで指揮を執ったのを契機にイタリアに渡る。
イタリアでは都市国家間での戦争において頭角を現し、レ・アクート(切れ者)の異名で呼ばれ、恐れられるようになる。ホークウッドはどこか一つの勢力につくことはなく、自分と白衣団の利益だけを考えて次々に雇用主を変え、ときには虐殺さえ行った。やがてミラノのヴィスコンティ家と婚姻を結ぶが、ほどなくミラノを離反して対立勢力のフィレンツェと契約を結ぶ。
やがてフィレンツェの総司令官となったホークウッドは、フィレンツェ侵略を目論むヴィスコンティ家と激しく戦い、この侵攻を食い止めたことで英雄として讃えられる。その後この功績からフィレンツェの市民権を得たホークウッドは郊外で穏やかな余生を過ごし、ほどなく死去した。
※1 敵味方両陣営に根回しをして、旗色が悪くなった際には所属陣営を乗り換えて、確実に勝つ側に回るなど、一般的な物の見方ではあくどいやり口を常套としていた。しかしこのようなやり方は戦国時代真っ青な当時のヨーロッパではごく当たり前な傭兵団の運営方針であり、彼が最後に骨を埋めたフィレンツェでは未だに救国の英雄として称えられている(遺体は死後イングランドに返還され、記念の教会も建てられた)。
※2 傭兵として名をあげ、権力者との繋がりを重視したホークウッドは、自分の娘や親類の女性を積極的に領主や貴族や商人と政略結婚させた。ところがこういった血縁関係の拡張は時に身内同士での血の争いにも発展し、敵味方両陣営に分かれて殺し合いに及ぶことも少なくなかった。このように裏切りを常套手段として用いて、ひょっとしたら敵陣営との繋がりを持っていたかもしれない彼を(血縁を持ったヴィスコンティ含めて)最終的に受け入れる者が現れる事はなかった。事実、彼自身は死ぬまで領主になれず、長年尽くしたフィレンツェ政府に至っては市民権を与えたのが最晩年の70過ぎという有様である(年金を納めず、専属契約を嫌ったホークウッドにも問題があったのかと思うが)。
※3 彼は当時珍しくない文盲であり、契約書等のやりとりは使いの者に任せていたが、それゆえ契約内容については人一倍注意を払っていた。リズがやたらと奴を毛嫌いしているのにはこの件が絡んでいるのかもしれない。
なおこうして列挙すると乱世で好き勝手に暴れた無法者といった雰囲気が強いが、当時の傭兵たちは大なり小なりこういった傾向があったため、事さらにホークウッドが悪辣であったわけではない。
マギアレコード
期間限定イベント『時を超えて鳴らす鐘〜魔法少女たると☆マギカ〜』(2018年2月15日〜2月28日)の限定キャラクターとしてタルト、メリッサ・ド・ヴィニョル、コルボーと共に参戦。時系列的には1429年当時(18歳)の彼女である。
リズは期間限定ガチャ『時を超えて鳴らす鐘〜魔法少女たると☆マギカ〜第2弾』(2018年2月21日〜3月2日)の限定魔法少女として実装されており、通常のガチャでは入手不可能。
ゲーム上の性能
基本データ
ディスク構成
Accele | Blast(縦方向) | Blast(横方向) | Charge |
---|---|---|---|
×2 | ×0 | ×2 | ×1 |
最大ステータス
レアリティ | レベル | HP | ATK | DEF |
---|---|---|---|---|
★4 | Lv.80 | 17,989 | 7,387 | 5,799 |
★5 | Lv.100 | 23,324 | 9,580 | 7,524 |
コネクト「それにしても危なっかしいわね」
レアリティ | 効果 |
---|---|
★4 | 防御無視 & 確率でクリティカル[Ⅶ] |
★5 | 防御無視 & 確率でクリティカル[Ⅸ] |
マギア「ロンブル」
レアリティ | 効果 |
---|---|
★4 | 敵全体に属性強化ダメージ[Ⅴ] & MP回復(自) & 確率で回避(自/1T) |
★5 | 敵全体に属性強化ダメージ[Ⅶ] & MP回復(自) & 確率で回避(自/1T) |
技名の「ロンブル(L'Ombre)」はフランス語で「影」を意味する。
レアリティ | 効果 |
---|---|
★5 | 敵全体に属性強化ダメージ[Ⅸ] & MP回復(自) & 必ず回避(自/1T) |
専用メモリア「」
劇中における動向
魔法少女ストーリー
- タルト
- 1話「放っておきません」
- 2話「光をもたらす力」
- 3話「聖女の理由」
- リズ
- 1話「」
- これは、光をもたらすための戦いのさなかに、偉大なる白き傭兵の子孫、あるいは“リズ”と呼ばれた少女が出会った”夢のフランス”での物語……
- 今日もタルトと魔女を狩り終わり、結界が解けるが、そこは元居た場所ではなく、別の場所に飛ばされたリズとタルト。とりあえず人里を求めて歩き続けるが一向に着かない。すると魔力反応が現れる。警戒するリズだったが、光が収まるとそこはタルトが生まれ育ったドンレミ村であった。
- かつて暮らした村で、タルトの妹のカトリーヌのことを思い出すリズ。しかしカトリーヌの墓に来た途端、不思議な感覚がリズとタルトを襲う。まるで頭の中を探られているような……
- すると、リズは英雄の卵を求めてキューブと旅をしていた頃の記憶が蘇る。そしてタルトと出会い、彼女の妹のカトリーヌとも親しくなる。だが、そんな平穏な時間は長くは続かなかった……。村が襲撃され、カトリーヌがタルトをかばって死んでしまう。そしてタルトは魔法少女になって「フランスに光をもたらす力を」望んだ。彼女の力はすさまじく、まさに黒雲を払いのける「光」そのもの。リズは光に寄り添う影となり、タルトを守り助けることを誓った。しかし、なんの悔いもないといえば嘘になる気持ちもあった。
- 私がいない間を狙われるなんて……
- 2話
- 何者かに過去の記憶を見せられていたリズ。タルトは気を失ったまま。リズはこのドンレミ村を調べてみることにした。しかし村の外に出ることは叶わない。リズは確信する。これは魔女の結界であると。
- 魔女の攻撃で昔の記憶が蘇るリズ。タルトと出会う前、真の英雄を探しに行くとキューブに告げた日、それから旅に出て数々の魔法少女との別れ、悲しみと後悔に彩られた記憶が次々とフラッシュバックしていく。それは最悪の記憶の連続であった。
- 見届けたいの……真の英雄の誕生を
- 3話
- 魔女の干渉が終わり、心を抉られるような記憶を追体験させられたリズに、キューブは言う。「旅のさなかでキミが彼女たちと紡いだ因果、そのすべてが君を通してタルトという最強の魔法少女を生み出した」のではないかと。だから彼女たちの犠牲も無駄ではなかったと。だがそんなのは散っていった仲間たちにとって何の慰めにならないとリズは言う。
- 魔女の攻撃方法はおそらく「後悔」の記憶を思い出させること。そしてリズは気付く。この魔女の正体を。それはかつてリズと組んで魔女になった魔法少女であると。そしてタルトを、希望の光を守るためリズは戦う。
- 魔女を撃退したリズ達は元居た森に戻っていた。メリッサの呼び声に従い本隊と無事合流できたリズ達。リズは思う。「この”夢のフランス”では経験した過去から敵が生み出されている」と。
- 目覚めたタルトは言う。「カトリーヌの誓いを無にしないためにも、必ずこの国に光をもたらすため、後悔はしない」と。その言葉を聞いたリズは、この強い決意があるからこそ、タルトは最後の希望の光だと改めて思うのだった。
- タルトは私の……私たちの最後の光
仮面生徒会の逆襲
あくで今回の話はIF設定で書かれている。『聖乙女学園』に通う生徒でタルトの先輩(あくまで自身の年齢準拠)だが帰宅部となっている。
そして胸元が大胆に開いている。
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