概要
聖剣伝説3のホークアイのクラスの一つで、光闇ルートのクラス3。「悪運のサイコロ」でチェンジ可能。トラップ攻撃の発展版と改造武器という特技を習得、必殺技は『千枚斬り』。
ファンタジー作品のローグはファンタジー職業シーフ系の亜型の様な位置付けが多いが、翻訳すると「悪党」「ゴロツキ」といった意味合い。またローグライクゲーム(日本では主に『不思議のダンジョン』系として知られるタイプ)の語源でもある。こういったテイストを意識したのか、リメイク版ではいかにもなビジュアルにアイテム収集アビリティを有しており、ダンジョンで宝探しするファンタジーの盗賊っぽいフレーバーが強く出たクラスになっている。
一方で『ロケットランチャー』や『グレネードボム』という特技があるのは軍隊特殊部隊としてのレンジャーの要素も意識されたのかもしれない。
後発品聖剣伝説VISIONSofMANAのプレアブルキャラクターモートレアの火のクラスの称号としても登場している。
ビジュアル・装備品
リメイク版で公式ビジュアルが公開となったクラスの一つで、ホークアイの髪色に準じたジャケットに黒いパンツ、メンズコルセットはじめ革製らしきベルトや靴を服に重ねている。ジャケット下端や靴の履き口などに白いファーがあり、左肩からかかるファーは特に目立って大きく高級感が漂っていて、これが専用装備「銀狼の毛皮」の名前の由来とみられる。この他に頭飾りや首飾りに多数の宝石などアクセサリーが散りばめられている。
ベースは探検家の衣装でありつつ、高級毛皮と宝石が相まってマフィアの若頭のような雰囲気も纏っており、「ファンタジー職業の探検家的シーフの亜型みたいなローグ」と「悪党と訳されるローグ」との折衷のようなデザインになっている。専用武器「マンスローター(『傷害致死』の意味に相当」の曲がりくねった禍々しいデザインも相まって、全体的にあまり光クラスに見えない。ナバールの面々ともあまり似てないが、盗賊団の若手エースという原点回帰とも言え、最も盗賊らしいデザインなクラス3である。
カラーリングと盗賊スキル、テンプレ的女泣かせキャラ(しかも青髪と金髪に挟まれるところまで共通…何故かDQ5も同様だが)も相まって、スクエニ内だとFF6のロックに雰囲気が似通っている。
なおリメイク版のデザインでは専用頭防具「銀狼のガレア」がどれなのか不明だが、公式ビジュアルの無かった原作当時はこの装備の名称からかウールヴヘジンをベースにローグを描いた絵師も複数居る。
お互い毛皮装備のため原作の頃からフェンリルナイトとの共演ファンアートもあったりする。
この他、専用防具が「銀狼の毛皮+銀狼のガレア(兜)」だが、『銀狼の魂』でクラスチェンジするウォーリアモンクと共通項は少ない(専用装備は「玄武の道着」だったりするし)。敵モンスターのシルバーウルフから剥ぎ取ったということも無いと思いたいが…関連は不明。
原作での性能
攻撃力はニンジャマスターとほぼ同等、ウォーリアモンクともほぼ横並びで、2連撃であるためダメージ効率は上位である。
一方で特技はクラス2レンジャー習得のスリープフラワー・ボディチェンジを除いて敵に直接ダメージを与えるものばかり。「トラップ」計4種と「改造武器」計6種に大別されるが、カテゴリにほぼ意味はなく『シルバーダーツ』『グレネードボム』『その他』で良いくらいのスペックである。
必殺技『千枚斬り』
単体対象のナイフ連撃。モーションは『バラの舞』『影潜り』と大差ない筈だが、画面が激しくフラッシュするエフェクトで目に悪いのが特徴。
特技
ワンダラー同様にスリープフラワーとボディチェンジは全体化する。無駄な戦闘の回避に引き続き有用。
トラップも改造武器もダメージ計算は全て素早さ依存で単体攻撃のみ、他クラスの忍術やポイズンバブルの様な知性依存ダメージは一つもない。マインドアップetcで火力強化は出来ない点に注意(敵にプロテクトダウンすればダメージアップできるが、敵の種類によりカウンターを誘発)。
トラップ
いわゆる敵がドロップする宝箱からのトラップそのもので、クラス2習得の弓矢・スパイクに加え『岩石落下』『地雷』が追加。字面の割には全て無属性で、最強威力(素早さ最大)まで伸ばした『地雷』が効果値229程度でしかないのに詠唱に3秒かかるという凄まじいポンコツ性能となっている。敵(宝箱)から喰らうとやたら痛いのに、いざプレイヤーが使うと全く使えないというRPGのお約束を見事に踏襲している。
改造武器
『シルバーダーツ(光属性)』『カッターミサイル』『円月輪(闇属性)』『ロケットランチャー(火属性)』『アックスボンバー』『グレネードボム(木属性・MP吸収あり)』の6種で、詠唱は全て0.5秒。『カッターミサイル』の時点で最強トラップ『地雷』とほぼ同ダメージ、なのに消費MPが少なく詠唱も爆速でトラップ攻撃の存在意義を揺るがしている。威力は概ねクラス3のアンジェラ中級魔法(エクスプロードetc)とほぼ一緒、『グレネードボム』ならメイガスのダークフォースと同程度と考えれば良い。
実際のところ消費MP2で光属性(クラスチェンジ時期以降に弱点の敵多数)の『シルバーダーツ』と、威力最強でMP吸収できる『グレネードボム』だけでほぼ事足りる。終盤だと火属性や闇属性が役立つ場面はほぼ無いため致し方無いが、これだけ多彩な特技を実装したならもう少し何とかならなかったものか…特技リングコマンド12個と最多タイなので、リングコマンド開閉の処理落ちによるカウンター封じなど一応役には立つのだが。
なお『グレネードボム』は、色違いで効果もほぼ一緒の投擲アイテム『パンプキンボム』よりちょっと威力が強い。聖剣伝説2で色違いモンスターだった名残とみられる。巨大ジャック・オ・ランタンである木の神獣ミスポルムは両方使用してくる。
リメイク版での性能
攻撃力はニンジャマスターが術師タイプになって相対的に腕力が下がった影響でローグはナイトブレードに次ぐ強さとなり、クラス3全体でも中の上くらいとなった。
一方でステータスの「素早さ」廃止に伴い「トラップ」と「改造武器」の威力は「運」依存となった。「運」が投擲アイテムのダメージ計算にも用いられることもあり、特技だけでなくアイテム使いなクラスというフレーバーが意識されたのか、「運」はホークアイの中でも突出した数値になっている。なお、諸説あるがこの「運」のステータスはドロップアイテム入手確率やクリティカル発生率には影響が無い模様…。
肝心の特技そのものだが『グレネードボム』が難易度ハード以下なら大概の雑魚を1-2発で吹き飛ばせる程度の威力になった。投擲アイテムの『パンプキンボム』も基礎攻撃力が一緒になり、ノーマル以下なら適正レベルの他キャラでも『パンプキンボム』で似たような破壊力を出せるが、運の高いホークアイ、特にローグでさらに威力を引き出せる仕様になっている。
必殺技『千枚斬り』
見た目28回Hit・ダメージ表示1回の約9秒の拘束技。バラの舞・影潜りより入力から拘束完了までが早く、空振りしにくい。
特技とアビリティ
新設されたアビリティ・育成ポイントシステムでは、習得特技が多すぎるためか専用アビリティ『スナッチャー』を除き、クラス3新規アビリティが5つと最少(ワンダラーとアンジェラのクラス3も同じく最少)。その中で出番が少ない防御系2種を除くと3つしか残らず、その全てが「トラップ」の強化アビリティである。「改造武器」専用の強化アビリティは一つも無い。正直「改造武器(というか『グレネードボム』)」の方が基礎攻撃力が高く、かなり弱い部類の「トラップ」しか強化されないのはいかがなものかという気がしないでもない。
なおワンダラー同様に『スリープフラワー』は広範囲化し『ボディチェンジ』は全体化される。
専用アビリティ『スナッチャー』
アイテム獲得時、20%の確率でアイテム数2倍となるアビリティ。ホークアイがモンスターにトドメを刺した場合にしか適用されないという問題があるが、実質期待値1.2倍になり、『ドロップアップ』『ドロップアップⅡ』と併用すると約1.38倍にまで上昇する。周回でアイテムを持ち越せる仕様なため高難易度に挑む前の種集めなどに有用。
クラス2レンジャーの『アイテムマスター』に引き続きアイテム関連であり、「アイテム活用の専門家」「ファンタジーの盗賊キャラ」という個性を出す役割もあるとみられる。
トラップとその強化アビリティ
当たり判定『岩石落下』『地雷』も小円範囲らしく、一応複数の敵を巻き込む可能性はあるが前提は原作と同じく単体対象扱いの様子。
アビリティは『強化トラップ(トラップのダメージ25%アップ)』『猛毒トラップ(トラップに30%の確率で猛毒+攻撃力ダウンの付与)』『トラップSP+(トラップHitでSPゲージ25%アップ』の3つを習得だが、『トラップSP+』以外は活用が難しい。せめて防御力ダウン効果でもあれば…。『トラップSP+』はトラップ1Hitあたり25%なので、2Hitする『弓矢』だと一気にSP50%も稼げる。消費MPも少ない上に安全にゲージを溜めやすく『飛燕投』と『千枚斬り』で一方的な展開にできなくはない水準。
ちなみに宝箱トラップのシステムが無くなりローグ意外では殆ど見かけない攻撃手段になったが、ジェノアは原作同様『トラップLv1(スパイク)』『トラップLv2(岩石落下)』を使用する。が、当たり判定がホークアイの特技と完全に別物で、リメイク版ジェノア戦の特殊性から致し方ないとは言えかなりの強ボスに仕上がっており、理不尽感の漂う仕様になっている。
改造武器
『アックスボンバー』が基礎威力300の無属性ダメージ、『グレネードボム』は335でダメージの1/250のMPを吸収する木属性ダメージになり、消費MPを吸収MPでカバー出来れば破壊力抜群の永久機関として無双できる程度になった。
エフェクトと当たり判定はトラップや忍術や魔法と異なりホークアイから何か発射される形式になる。『アックスボンバー』なら1発、『シルバーダーツ(光属性)』なら3発、『ロケットランチャー(火属性)』なら5発の直線上で目標の途中で敵に当たればダメージを与えて消滅する。『カッターミサイル』は直線貫通の1Hit斬撃、『円月輪(闇属性)』は蛇行する貫通性ありの1Hit斬撃と独特な当たり判定で、『グレネードボム』は山なりの放物線で着弾し小円範囲1Hit爆発となり、これらは複数部位を持つボスに同時Hitするケースがある。正直『トラップSP+』が多段Hitできる円月輪やロケットランチャーに適用されれば…という気になってしまう。
- グレネードボムの永久機関
消費MP24の『グレネードボム』を永久機関にするには、「ボディチェンジ」で雑魚を「かいがらハンター」にした後に大ダメージで爆破する方法と、アビリティで消費MPを抑える2通りに大別される(『アブソーブ』『イグニッション』など別手段でのMP回収は別として)。
かいがらハンターへのカボチャ投げは10万以上のオーバーキルすらあり得るため莫大なMP回収ができる。ただし取り巻きの居ないボスやシェイプシフター・シャドウゼロには通用しない点に注意。
消費MPを抑えるにはクラス2習得の『特技MPセーブ』+リンクアビリティ『コンバート』併用なら9までは減るため1発2250のダメージを与えればとんとん、『特技MPセーブ』+アークメイジのリンク『特技MPセーブII』併用なら消費7なので1発1750で間に合う。『ブレッシングII』あたりも考慮か。
そもそもベリーハード以下ならリンクアビリティを自重しなければ(『漆黒の力』『愛の奇跡』『大魔術師の奇跡』など)MPは使い放題に近いので、無理せずとも殆どのボスは爆殺できる。ノーフューチャーだとボス撃破の制限時間やボスの攻撃の激しさもあり、火力自体を上げないとこれ一本では苦しい局面も出てくる。
- 改造武器を強化するには
ダメージ計算が運依存で攻撃力とも魔法攻撃力とも別であり、パワーアップといったバフや『強気』系などのアビリティの恩恵を得られないという問題点がある。敵へのプロテクトダウンは有効だが、アビリティだと『ダメージをアップする』系統のものに限られる。
ホークアイ自身のアビリティだと無さそうに思えるが、実はクラス2習得の『不意打ちII』は特技にも効果がある。アビリティのカテゴリも『運』なので改造武器習得までに必然的に習得できる点でありがたい。
リンクアビリティだと『獣の咆哮』やアンジェラの各クラス3での『強者』『裁定者』『アンフェア』などが該当だが、パーティ内に他に火力担当が居ると配分が悩ましい。『ファーストショット』系もボス戦だと他のアビリティなどで一発火力をさらに上昇できるキャラの方が効果的、『フィニッシュブロー』系なら一考の余地があるかもしれない。
他の手段としては実は投擲アイテムも同様なのだがクリティカルは発生するため、リンクアビリティ『クリティカルアップ』『一閃』と魔法「エナジーボール」系の恩恵は得られる。尤も『一閃』も自ら『クリティカルアップII』などを習得するキャラの方が効果的だったりするので悩ましい。クラス4スプリガンには『クリティカルダメージII』があるので、エナジーボールが使える環境なら導入もアリかもしれない。
総評
高めの攻撃力、トラップによるSP回収と『飛燕投』・『千枚斬り』、『グレネードボム』の破壊力と継戦力を発揮できる強力なクラス。
だが魔法ダメージの強化手段が豊富なアンジェラや、全体忍術でSPも回収できるニンジャマスターと比較すると特技だけで戦うには苦しい部分もある。ノーフューチャーならワンダラーの方が普通は安定するだろう。MP吸収をどう扱うか、次第で活躍の度合いも変わるかもしれない…というか原作の様にMPが枯渇するボスが居れば面白い運用もありそうだが。
最終的にはパーティ編成と好みにもよるが、どちらかと言えばベリーハード以下でアイテム収集しながらストーリーを進めるのに向いている。アビリティに頼らずとも火力を発揮はできるため、金欠になりやすい上にまだリンクアビリティも充実していない初周には心強いクラスである。
関連項目
レンジャー(聖剣伝説3) ワンダラー(聖剣伝説3) スプリガン(聖剣伝説3)