概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する武器。鍛造者は《対未確認現象統制組織》に所属する不壊の否定者・一心。
否定能力「UNBREAKABLE-不壊-」により、何があっても壊れない日本刀。
現在の使用者は男性主人公・アンディ。
なお作中では「不壊刀(ふえとう)」と呼ばれ、刀剣名『倶利伽羅(クリカラ)』は原作漫画3巻で判明した。
外観・戦果
直刃(すぐは)の刀身、八角の鍔には「不」を並べたような意匠と一部に猪目(いのめ)があしらわれている。柄頭(つかがしら:刃の切っ先と正反対の位置、柄端に施す金属製の部品)には、心を込めて鍛刀した証明をするように二文字「不壊」が刻印されている。
否定能力「UNBREAKABLE-不壊-」により製造された物は「壊」に繋がる理(ルール)を否定された性質が付与され、半永久的に壊れない代物となる。
隕石に直撃しようが無傷。不壊の理屈から、付着した血飛沫で錆びる≒壊れるに繋がるもせず、切れ味は損なわれずの逸品。
不壊刀(ふえとう)『倶利伽羅(クリカラ)』ならば、折れず、刃毀れせず、たとえ始めは一心の部下、物語第一話に登場した調査員(糸目で顔に大きな縫跡がある男)が帯刀していた。彼が不運の否定者を調査する任務で日本へ赴いた先で、運悪く不死の否定者と対峙し、特大不運の道連れにされて命を落としてしまう。この時に、UNDEAD-不死-の否定能力で生還した不死者・アンディに不壊刀(ふえとう)『倶利伽羅(クリカラ)』が刺さり、不死身の男は其のまま日本刀を拝借して使い続けている。
製作者・一心からは、それも刀の運命であると意に介していない。
現使用者・アンディはUNDEAD-不死-の否定者、不死の再生力を多彩な応用技に昇華させている。
中には、片腕や背中などを鞘代わりとして刺した刃物を抜刀 + 再生力で押し出す最速の居合「再生抜刀(リペアブースト)」を習得している。普通の刀身なら血で錆びたり摩耗したりで劣化するだろうが、所持している不壊刀(ふえとう)『倶利伽羅(クリカラ)』ならば、これらの損壊はなく振るい続けられ相性が抜群に良い。
戦果として―
- 戦闘機の操縦席を最小限に斬り裂く繊細な力加減へ対応
- UNCHANGE-不変-の刃や古代遺物「走刃脚(ブレードランナー)」の凶刃と攻防へ十全に応戦
- アンディは進化させた不死能力技、自己の出血を凝固(硬化)させる技術を応用し、片腕や背中などを鞘代わりとして刺した刃物へ硬質化した血を纏わせ攻撃性を上げる斬撃「血刃纏(ブラッディエンチャント)」に活用
など、要所で多くの活躍を発揮している。
備考・余談
武器名として命名された『倶利伽羅(クリカラ)』とは、日本において神仏へ関わりがある言葉。元はサンスクリット語「kulika」を音写した名称であり、宝剣に巻き付く龍の伝説や、これに関わる不動明王の化身といった逸話がある。これに由来して、龍や不動明王の如き強さを象徴や願掛けといった心象を込めて鍛刀されたのかもしれない(否定能力「UNBREAKABLE-不壊-」は魂(こころ)を込めた製作物でないと不壊の付与が発揮されず、少しでも心が揺らぐと能力不発になってしまう)。
因みに「クリカラ」の文字変換で『倶利伽羅』や『倶利迦羅』といった表記ゆれがある。これは語源であるサンスクリット語「kulika」の当て字から始まり、昔の筆記者によって漢字表記が不統一で使われ続け、そして現代の縁ある土地や寺院などによってバラつきある名称が定着してしまったらしい(※諸説あり)。そのため用途の多い『倶利伽羅』と『倶利迦羅』を併記して情報発信するといった、関係者の工夫がされる場合もある。
よって、名称『倶利伽羅(クリカラ)』の関連文献を調べる際は、少し表記ゆれがあっても同一の事柄を指していると留意されたし。
参考
関連タグ
倶利伽羅剣:不壊刀(ふえとう)の名称由来になったと思われる刀剣