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UNLUCK-不運-

あんらっく

戸塚慶文の漫画「アンデッドアンラック」に登場する超能力の一つ。 UNLUCK-不運-は、他の「運」を否定する。
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概要編集

戸塚慶文の漫画アンデッドアンラックに登場する否定者(否定能力が移行した人間)、および否定能力(超能力)の一つ。


UNLUCK-不運-(アンラック)は、自己が触れた・触れられた相手の「」を否定する。


「不運」の理(ルール)編集


他対象 強制発動型


「運」の器(否定者:否定能力が移行した人間)に触れた・触れられた相手の「」を否定し「何か」の不運を与える能力。


到来する不運は『外部からのダメージ』という形で発生する。

不運の内容は『接触面積』『接触時間』『好感度』『接触の価値』によって強度が決定される。接触の価値とは【「運」の器がどれだけその接触に心を揺らしたか】であり、その好感触が大きいほど不運は強くなる。


不運の規模は好感度と接触の価値に大きく依存し、よく知らない/苦手な相手には軽傷のダメージ(天井の一部が相手の頭部に落下、親族だが苦手だった祖父(おじい)はキスで捻挫するだけなど)、理解が深い/接触の価値が場合は重傷~死傷のダメージ(好感を持った町人が爆発事故に巻き込まれる、助けられて触れ合ってくれた相手に対しては頬にキスしただけで隕石が降ってくるなど)が発生する。因みに、起きる不運は外的・肉体的なダメージに限定され、心臓麻痺の様な内的ダメージ、ダメージ以外の不運(財布を無くすなど)は発生しない様だったが…。


到来する不運は基本的に周囲の物を利用して発生する。だが強度に見合った不運の種が近くになければ、遠くの物を強引に引き寄せてでも不運が発生する。これを利用し、近くに大きな不運の種がある時に強度の高い接触を行えば、その不運を意図的に選択して発生させる事が可能となる。

更に呼び寄せる不運は必中であり、例えば触れた対象が強力なバリアで守られたとしてもそれを貫通できるような不運が発生するため基本的に回避は不可能である。


不運で引き寄せられる実例編集

また強度の高い不運は対象の周囲を巻き込む。好感度と接触の価値次第では、一瞬の接触で町ひとつを消し飛ばすレベルの災害を起こせる(つまり条件を満たすと、一個人で大災害を発生させる『人災』を引き起こせてしまう…)。

そして不運は連鎖する場合がある。作中初めて発動した不運も、足場が崩れて落下→電車に激突、と言う二段階の連鎖であった。前述のタンクローリーも吹っ飛ばされた先のビルで爆破解体に巻き込まれるという形で連鎖している。



発動条件編集


「運」の器が好感を抱いて直接的な接触があること


具体的には「運」の器の素肌頭髪に触れた・触れられた相手に不運をもたらす。そして他対象のため自己には発動せず他人が対象であり、強制発動型のため不意に触れられてしまった場合でも能力が発動してしまう。よって他者が「運」の器による不運を望んでいたとしても(つまり、それが当人にとって不運ではなく幸運であっても)、能力は不都合なく発動する。


だが布越しに触れるなどの直接でない接触だと不運は発動せず、また好感度が低い(嫌いな)相手に対しては「運」の器が自ら触れても不運は発動しない。



不運の世界編集

殺傷力に特化した非常に凶悪な否定能力で、他者を傷付ける・殺害する事に関しては〝接触〟という安易な方法で、周りを巻き込んでいともたやすく殺傷せしめる行為ができてしまう。

だがUNLUCK-不運-は一個人が背負うに大きすぎる力である。普通の一般社会では不便きわまり、かつ一人だけでは充分な理解も制御も不可能である力に翻弄される不幸な生活が訪れる…。

仮に非日常に身を置いて戦闘に使うとしても、「好感度の高い相手でないと大きな不運を起こせない」という大きな欠点があり、必然的に愛する相手を生贄に捧げなければならない。

作中では主に「他者との壁」「親愛なる者と死別」「生きづらい世界」という三つの不遇な人生があったと描写されている。


他者との壁編集

否定者など超常現象は知る由もない一般社会であり、だがそれらは人知れず横行している世界観。そんな日常の世界へ突然に発現するUNLUCK-不運-という不都合な異能。しかも「運」という不確定な性質を持つ超能力。それは「運」の器と関係なく、どの世界でも起きうる理(ルール)であり、そんなまさかと思うのは当然な心理もある性質。だが直感で理解してしまう。きっと「自分が原因で〝不運〟起きている」と、とても他者の理解は得られないであろう心理的問題(ストレス)を抱える生活へ一変してしまう。

作中では、いたって普通の日常から突然に「運」の器となってしまった少女(8才)は、後述の大きな悲劇こそあれど自身が超能力者になったと自覚はなく生活を続けていた。


だが不可解(おかしい)。

いつの間にか自分の周りにいる人、自分と関わった人が不運にも大小様々な怪我が訪れている。そして、特に子どもの親たちから確証のない、容赦ない言葉を受ける。そうして自覚していく。よく分からないが、きっと自分が原因で周囲の人たちへ不運が来ているのだと。それならば「私が極力関わりを持たなければ」と、そんな消極的な思考や心理に陥りやすくなっていた。

そして不運は更に畳み掛ける…。


親愛なる者と死別編集

センシティブな作品

「きっと私が原因で不運な事が起きている」と、自己理解を進めた先にある不幸な現実。それは「私のせいで亡くなった人がいる…。」という認知である。

作中で「運」の器となってしまった少女が、そんな考えの自己認識を深めた時に辿り着いてしまった真実。それは彼女が8才の頃、両親の海外出張を空港で見送った時のこと。一週間も留守にしてしまう話で、愛しさから家族は沢山の抱擁を交わした…


その数十分後…


光に照らされて呆然とあっけにとられるような表情の少女(8才)。幼子の目の前で豪炎に巻き込まれる飛行機。それは普通の人間は生き残れないと思えるような凄まじい光景だった…。


原因不明のエンジントラブル。機体は爆発炎上し両親含め二百七十人が死んだ。


これが自身の不運で引き起こされた事だと、今までの生活で起きた「不運」の理(ルール)と照らし合わせる事で理解してしまった非情な真実。


自分の大事な人は、私と関わる(接触する)と不運が訪れて、きっと死んでしまう……!!


その不条理な現実から逃げ、他者を巻き込まないように接触を避けて不便引きこもり生活を送ってしまうのも致し方無い真実があった…。


生きづらい世界編集


他者が私に関わる(接触する)と不運が訪れてしまう。


私が好感を抱いた人は、不運が訪れて、きっと死んでしまう……!!


そんな不運体質を自覚して一般社会を無事に過ごせるのか。


答え(Answer / アンサーは―

否(No / ノー



他者と不意にでも接触すれば不運が来てしまう。年齢を重ねていく毎に増えて複雑になる人との関わりは、どんなに気を付けていても必ず起こりえる〝他者との触れ合い(コミュニケーション)〟は避けられない運命がある。


「不運体質」を抱いたままで、思いのままに気のままに誰かと触れ合う事など出来るわけがない。


作中で「運」の器となってしまった少女は、まともに学校生活を続けることが出来ず中退。そして10代の殆どを引きこもりするインドアな生活が余儀なくされた。一般的な少女時代を送る乙女なら抱くであろう「女の子らしいオシャレや恋」が「不運体質」で叶わない事を考えれば、当時の心情や生活模様は容易に想像つくだろう…。


だが生きたい。

どんなに生きづらい生活だろうと。やがて唯一の肉親だった祖父(おじい)が亡くなろうと。不運の少女は生きることを諦めなかった。他者からみれば他愛のない事でも、彼女には強く〝まだ死ねない〟と思える微かな希望があった。


第14話の扉画は、この時期の彼女が年相応に〝生き甲斐〟を楽しむ乙女な様子で描かれており、当時の数少ない幸福の一時があったと窺える。



「運」の器編集

途轍もない悪質(ジレンマ)を宿す「不運」の能力で、本作「アンデッドアンラック」の第一話冒頭は「不運」に選ばれてしまった少女が電車に向かって投身自殺する不景気(アンハッピー)な登場場面だった。だが〝ある不良(ヤンキー)のと出会った事で死と運が飛び交う運命へ進んでいく。また便宜に、作中で「不運」の理と不均衡する器も解説する。



風子

アイコン@アンデラ×3

本作「アンデッドアンラック」に登場する主人公の一人。8才で「不運」となってから10年、不便で不遇な少女時代・青春時代を過ごした。

もう一人の主人公である男と出会うまで引きこもりな生活や自分を押し殺し、世界へ背を向けて否定するように生きてきた。そして彼を通して世界にある真実を目の当たりにしていき、男はこれまで彼女が悩んでいた事を否定するかのように非日常の世界へ風子を連れまわすのだった。

現在は紆余曲折を経て風子は彼と共に組織(ユニオン)へ所属し、世界の命運を左右する闘いに身を投じている。そして「運(ラック)」の器として否定者の生き方や「不運」の理(ルール)への理解を進め、人間的な成長と共に否定能力を進化させるなど躍進をみせている。

その他、詳細は【出雲風子】を参照。


不均衡する器編集

アンディ

アンデラ Twitterまとめ3(作品内で不敵な笑みをしている男)

本作「アンデッドアンラック」に登場する主人公の一人。UNDEAD-不死-否定者なため、風子へ触れ「不運」の理(ルール)から〝必死〟の何かが来ても、これは死に近付く理(ルール)として否定され、死傷した状態から体が再生し生存する。

この不均衡な状態を肯定的に捉え、上記にある発動条件を【不運の充填(チャージ)】として風子と積極的な触れ合いをし、敵対者へアンディ特攻するという連携技を編み出している。後に効率性を上げた合体技・不運弾(アンラックバレット)へ昇華させている。

そして【不運の充填(チャージ)】で高度な不運を来させるため、条件の一つ【好感度】を上げる関係から、風子アンディは相棒(タッグ)・相方(カップル)の良好関係を築いている。


関連項目編集

アンデッドアンラック アンデラ

否定者 超能力


ラック(アンデラ・UMA):「運」の理(ルール)を司るUMA


くるよ…不運が…!!

不運 不幸 不幸体質


ミスフォーチュン(misfortune)・・・英語で不幸を意味する単語


ラキラキの実・・・触れた相手の運勢を吸い取れる能力および異能が宿っている特殊な果実。他の運を奪取(ドレイン)する理屈で、相手へ不運を来させるなどの効力をもつ。
































この先単行本未収録のネタバレ



不運の前任者達

最後のループ世界での上位十理ビースト戦にて、窮地に立たされた風子は謎の声と共にでの攻撃を繰り出す。


風子はこの時に魂こそ最初のと確信し、同時に謎の声が不運の前任者達と判明。


性別や年齢もバラバラで、全身にタトゥーを入れた男、割烹着を着た女性、小学生程度の少年等様々。

そして、否定能力は前任者が次の能力者を選ぶ法則も判明し、シルクハットの男性が「キミを選んでよかった」と発言しており、風子が魂を理解して不運を使いこなした姿に、全員が喜んでいた。


他者に不運を押し付ける理不尽な能力を、神に抗う為に使い続ける風子は、前任者達にとっても希望の存在であった。

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