概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する古代遺物(アーティファクト)の一つ。
義足の形状をした攻撃型の遺物(アイテム)。名称は「走刃脚」と表記し「ブレードランナー」と読む。
主な使用者はリップ=トリスタン。
形状
精巧(アンティーク)な装飾が施された金色の義足。まるで騎士の鎧風な質感があり、膝上から足指まである緻密な構造をしている。
下記の性能を発揮するための溝と穴が脛(すね)・脹脛(ふくらはぎ)・足裏と、脚の至る所に細工されている。
性能
走刃脚(ブレードランナー)の脛(すね)・脹脛(ふくらはぎ)・足裏などに空いた溝と穴から高出力の空気を噴射もしくは光線(エネルギー)を発射できる。
足裏からの出力は、一瞬で視界から消えるほどの瞬発力・容易く2階分の高さを跳べる跳躍力・常時噴射する事で滞空力と空を駆ける高速飛行、といった高い機動力を発揮する。
脛(すね)の溝からは空気を噴射し鎌鼬もしくは刃状の光線(エネルギー)を発射する鋭い斬撃が出来る。この刃物は発射口に留めて-または刀身を生成してるような描写で-近接攻撃も可能。
更に局面へ合わせて、脛(すね)・脹脛(ふくらはぎ)に空いた溝と穴からの出力で浮遊も可能。
上記の性能から3次元・飛行(ホバリング)の活用が特徴的。そして現在の使用者・リップはUNREPAIR-不治-の否定者(ひていしゃ:世界の理を否定する業の器になった者)。彼がつけた傷はいかなる治癒を否定する。これと組み合わせる事で近接戦の素早い動きで対象を殺傷・走刃脚(ブレードランナー)の凶刃による中~遠距離戦・さらに空中戦も応対して獲物を追い詰めて必殺できたりなど、反則的にリップの否定能力と相性が良い。 |
着用する代償 / リップの場合
所有者・リップ=トリスタンの身に付けた姿から察せられるように、大概の使用者は走刃脚(ブレードランナー)を装備するため自身の下肢(かし)を切断する代償がある。正確には膝上から下部を全て喪失させて使用する…。
リップも敢えて自分の両足を切り落として走刃脚(ブレードランナー)を装着している。
彼が否定者となる前の時期を回想した場面では、普通に歩くなどの日常生活を過ごしていた健常者だった。
「アイツの為なら俺は全てをかけられる 両足だろーが 寿命だろーが 他人の… 命だってな…」
初登場から暫くは、リップの素性は不鮮明-元々が足に障害のある障がい者だったのか不明慮だった-で、上記の台詞や後の動向から、彼は目的を達成するため自分の足を犠牲にする覚悟を決め、自他の命を傷つける凶刃となって走り続けているのだった。
余談
現実世界で"ブレードランナー"といえば、両足義足の走者(スプリンター)「オスカー・ピストリウス」の異名としても知られる。
英語表記「Blade Runner(ブレードランナー)」としてみると、直訳で「Blade(刃物)」を持って「Runner(走る人)」という意味になる。漢字表記「走刃脚」は単語の意味・義足の性能をよく表した要約である。
関連項目
多くはSF作品の金字塔と評される作品名で有名。原作はフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」で、人造人間「レプリカント」を焦点(キーパーソン)に卓越した世界観が魅力。余談だが、1982年公開映画では劇中におかしな?日本語、日本文化が多数登場する。
アンデラビフォアフ
⚠以下、漫画『アンデッドアンラック』のネタバレを含みます。これから単行本・アニメを楽しみにしている方は閲覧注意。⚠
本作『アンデッドアンラック』では、特異な理「ループ」によって人知れず、幾度も世界規模な「破壊と創造の循環(ループ)」が繰り返される不条理な真実があった。
なお本編第一話時点の世界は99回目の周廻(ループ)、100回目の世界が舞台である。
やがて物語は加速し、全ての悲劇を否定するため主人公達は次の世界 / 周廻(ループ)へ渡る。
101回目の世界 / ループ100、これを最後に神との決着、最高の物語を迎えるために。
走刃脚(ブレードランナー)の外観から想像できるように、西洋圏で出現/使用されていた代物である模様。
今世界 / 101回目の世界では、中世で使用されていた文献が残されている。これを頼りに組織(ユニオン)が探索を行い、地中深く埋まっていた所を組織の女性科学者が発見する経緯で入手された。また、この調査で使われた探知機(レーダー)から、素材はヒヒイロカネに近い代物が使われている事も判明した。
追・性能
自身の下肢(あし)を失う代償によって走刃脚(ブレードランナー)を着用すると、使用者の状態に合った大きさへ変化する。この超常技術から、装着前は体型に合わずとも、脚を切断して身に付けた瞬間から着用対象へ対応した採寸(サイズ)に自動調節されるようだ。
加速・飛行・飛ぶ刃を発射する機能、特に攻撃力は使用者の身体能力/精神力の強さに比例して出力される。
着用する選択
今世界/101回目の世界でも、最愛の女性を守るためリップ=トリスタンは走刃脚(ブレードランナー)にある代償「足を切る」へ動く。世界の絶対的一役を担う存在と闘う、進むために失う選択を・・・
「だったら…!! 私も…進む!!」
リップにとってもう一人の最愛な女性・ラトラも、彼の隣を進む覚悟に動く。どんな世界の壁でも進んで行く姿を隣でみてきたから分かる、バカ真面目な最愛(リップ)が選ぶ重荷を一緒に背負う道に。
右脚をリップ、左脚をラトラ。男女の精神力(心の強さ)を糧に、二人一脚となった走刃脚(ブレードランナー)は前世界よりも強力な実現力を発揮するのだった。
この為、本作『アンデッドアンラック』の関連作品を検索した際、リップの両脚や、リップとラトラの片脚ずつに走刃脚(ブレードランナー)が着用された創作もされている。