概要
『アンデッドアンラック』世界において各地で出土する特殊な道具。読み仮名は「こだいいぶつ」または「アーティファクト」と呼ばれる。作中では、〝古代遺物■■(固有名詞)〟とも称される。
武器から乗り物までその形状・性質は様々であり、組織(ユニオン)のみならず裏社会の人間や否定者狩りからも収集の対象となっている。
組織(ユニオン)が挑む黙示録(アポカリプス)の報酬と深い関わりを持ち、課題(クエスト)の成功時には古代遺物の所在を開示される。組織においては回収した古代遺物は保管され場合に応じて戦力として運用される。
否定者とのバトルスタイル次第で組織の開発する武具よりも高い戦果を上げるが、その運用に際しリスクが無いわけではない。
古代遺物の複数同時所持は精神に負担をかけ、場合によっては発狂する可能性が示唆されている。
また、組織の技術力をもっても解析が完璧ではないと思われる描写があり、不運の事態とはいえそれがジーナの命を奪う決め手となっている。
一覧
世界で初めて発見された古代遺物。普段は本の形をしているが、円卓の全ての席に否定者が座る事で表紙側から口と眼が現れ喋り始める。円卓メンバーに課題(クエスト)を突きつけ、その成否で報酬または罰を与えてくる。人の手首を容易に噛みちぎる程には力があり、円卓メンバーからも警戒される存在。性格はかなり悪辣で、罰(ペナルティ)を始めとして否定者が苦境に立たされている時でも常に笑っている。
ループ後は風子に主導権を握られた挙げ句、神聖視している円卓の扱いや、クエストに思わぬ横槍を入れられる等、周りに振り回される苦労人になっている。
ディスク
ジーナがUMA調査に運用していたUFO。明言はされていないが古代遺物と思われる。ステルス機能を持ち、部下が乗り込んで湖のスキャンを行った。しかし実態は超兵器であり、変形することで巨大な主砲が顔を覗かせる。
実はビリー達が否定者に覚醒した紛争の原因でもある。
託す者(エントラスター)
フィルの四肢に装着された古代遺物。関節ごとに細かく分離し、強力なビームを発射する事が出来る。また換装して全く別の腕を運用できる模様。定期的にニコによるメンテナンスが行われている。
中国から出土したと言われる西遊記の如意棒その物。中国語に反応して動き、掌サイズから大気圏外まで自在に長さを変化できる。更に持ち主の呼び出しに応じて、ひとりでに遠くにある如意金箍を手元に戻せる性能もある。ただし大きな操作は使用者への負担も大きい。
シェンが使用した雲状の乗り物。初出は扉絵だが、後に本編にも登場する。雲に乗る際、元ネタのように「心の清い人」が乗れるらしいが、何をもって「心が清い」とされるかは議論中。2020年7月の検証で円卓のメンバーは全員乗れる事が確認されている。
ループ後のショーンは、雲に下半身が埋まるぐらいはギリ善人。
扇子(名称不明)
リップが闇競売からくすねた古代遺物の一つ。こちらはその後の所持者も含めて詳細不明。
リップの足に装備された義足型の古代遺物。足裏から空気を噴き出し文字通り空を駆ける能力を持つ。更に脛からは斬撃を飛ばす事が出来、リップの能力と反則的に相性が良い。
銃(名称不明)
リップが闇競売からくすねたリボルバー銃。その後プレゼントと称して風子に投げ渡された。その後は彼女の武器として使用されている模様で、威力は申し分ない。
ループ後は不運を付与した弾丸、凶弾(バッドバレット)を使う為に重宝している。
アーク
世界をループさせる存在。
Gライナー
Gペンの形をした古代遺物。描いたものを使用者一人につき一つだけ具現化させる事が可能。また、最初に手にした者に、世界で起きる現行の周回(ループ)の過去と未来を全て見せる力を持つ。後者の能力に関しては嘗ての課題「UMAインフォメーション捕獲」の報酬である可能性が高い。
■■■が所持していたが、諸事情により砕けてしまうものの、ループ後は風子が回収・使用している。
魂の口径(ソウルキャリバー)
安野雲の胸に埋め込まれた水晶玉のような古代遺物。人から魂を抜き取り物に移し替える力を持つ。
風子いわく、「使用者の負担が大きい」らしい。
ライフ イズ ストレンジ
デジタル時計や動画の再生・早送り・巻き戻し・一時停止ボタンの付いた球体装置で、対象の肉体の時間経過を操作する。巻き戻しも早送りも可能だが、使用者は操作した時間操作の10倍の変化を被り、寿命や人生を超過した場合は消えてなくなるデメリットをもつ。そして操作した時間の10倍の期間は使用できなくなる。リップの致命傷を治すために使用された。安野雲はGライナーでこの古代遺物を複製した。
数珠型の古代遺物。所有者が殺害した人間を珠に入れ、キョンシーとして使役することが可能。使役された人間は"所有者を守る""所有者の命令には絶対に従う"という2つのルールを課せられる。
黒斗雲
ファンが使用した黒い金斗雲。古代遺物と思われるが金斗雲との機能的な差異は不明。
随心鉄桿
リップが闇競売からくすねた古代遺物の一つ。大きさが変わるだけでなくヌンチャクに変形する、高熱を帯びるなど多彩な機能を持つ。西遊記において如意金箍と互角とされる武器の名前が由来。
青龍刀(名称不明)
刀型の古代遺物。切れ味は良いがそれ以外は詳細不明。ムイが課題(クエスト)中に取り寄せたものの、すぐファンに叩き壊されてしまった。
丸薬(名称不明)
丸薬の入った巾着。所有者の命を糧にすることで回復アイテムとなる。飲んで消化することで効果が発揮される模様。
芭蕉扇
扇の古代遺物。一振りで強い風を吹き起こす。
リメンバー
黙示録が提示した課題(クエスト)報酬の一つ。長らく詳細不明だったが…?。
猿翁十種其ノ五 独楽
否定者の魂を封じ込めて勝負させる。独楽には封じられた否定者の能力が反映される。プレイヤーは独楽の動きをプレイヤーの意思通りに強制するか自由にするかを選べる。独楽が壊れた場合、封じられている否定者は死ぬ。
光不賽
互いに自分の命と同価値かそれ以上のものを賭けると合意すると使用できる。二つのサイを振り、出目の合計値が丁か半かを当てる。当てると相手の賭けたものが手に入る。実は一人でも使用可能であるが、そのときは出目の数まで当てる必要がある。
D2100
読みは「ダイバー2100」。アンダーが所有している潜水艦型の古代遺物。強固な装甲に対水中UMA用魚雷と近辺の海中に存在するUMAと古代遺物を探知できるレーダーを搭載している。魚雷を打ち切った場合、使用者の寿命を10年差し出せばリロードが可能。
余談
否定者やUMAのように理(ルール)に関わるほどの力を持つわけではない古代遺物だが、明確な自我を持ちUMAを口から生み出すなど、黙示録だけはかなり特殊な存在である。
黙示録に関連する遺物アイテムとして、円卓や罰(ペナルティ)をカウントする石板などが存在し、それらもまた古代遺物の括りに属するのかもしれない。
関連タグ
古代遺物の記憶
古代遺物は、アンデッドアンラック世界が滅亡し、ループを起こす前から今に至るまで現存するアイテムであることが示唆されている。
古代遺物達はループ前の「世界の記憶」を宿しており、遺物に触れた際にその記憶を「映像」として触れた者の脳に流し込む性質を持つ。流れ込む映像は遺物によって異なる。
所持者の精神に負荷をかけるのはこの性質の為であり、黙示録に触れた風子はその記憶の量によって発狂寸前に陥っていた。
風子が見た記憶の中では、神が出現した地獄絵図の他、かつて敵対した人物や縁のある人物達・見覚えのある人物達も映っており・・・
正体
実際は神が神を殺すために作成したアイテム。アークを用いなければ知りえない情報であるため、ジュイス以外の者は超古代文明の遺産程度の認識だった。
三種の心器
神によって作られた中でも最上位の古代遺物。通常手段では見つけることができず、特定の条件下で発生する課題の報酬として取得が可能。
イージス
神の攻撃すら防ぐ(攻撃を受け続ければ破損してしまう)盾の古代遺物。発動時は縦の表面からバリアが発生する。2020年まで罰を回避し地球を保たせた場合取得可能。
リベリオン
使用者の武器、もしくは使用者そのものに憑依し、使用者の憎しみに応じて威力を倍増させる古代遺物。使用時は憑依物に目や口が浮かびリベリオンそのものに意志が存在している。発動中は使用者の生命力を消費し、最終的に死亡する。その為【不死】ならデメリットを帳消しにできるが、力の源となる憎しみの捻出がネックとなる。
ジハート
形状、能力、ともに一切不明の古代遺物。100周のループの中で一度も発見されておらず過去と未来を全て見せるGライナーでも情報が取得できなかったことから風子に101回目のループでしか出現しない課題報酬であると推測されている。アークのエネルギーを使い切ったやり直しの利かない最後に出現する神の悪意に満ちた条件といえる。
※以下、14巻以降のネタバレを含みます。閲覧注意。
リメンバーの真相
実は、アンディの額に刺さっているカードこそがリメンバーである。
ジュイス曰く用途は表裏の2つあり、表はループによって失われた記憶を取り戻し仲間を増やすコンティニュー。裏は記憶を封じ仲間を失うリセット。
表裏の選択は1ループにつき1度であり、ジュイスは100回目の世界でリセットを選択、ヴィクトルに刺した。
それによりヴィクトルの否定能力不死が作用し、自身の再生の為にリメンバーの対象外となる人格を生成、現状を打破しようとした。
その際に生まれた別人格こそがアンディである。
アンディの不死による悲劇は、ジュイスが作り出してしまったということである。