概要
『遊戯王R』で天馬月行が使用したレベル4・闇属性・魔法使い族の効果モンスター。
イラストには銀髪もしくは白髪で、青肌の老人が描かれている。オフィシャルカードゲームでは、かつて凶悪コンボに利用されたことで知られる。
カード性能
カードテキスト
(1):このカードが召喚・反転召喚した場合に発動する。このカードを守備表示にする。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードはリリースできない。
(3):1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
登場当初の評判
レベル4ならば大抵のモンスターを特殊召喚できる効果を持つが、特殊召喚されたモンスターはそのターン攻撃できない。また、このカード自身は低い攻撃力もさることながら、召喚時に守備表示となる効果からアタッカーには不向きである。
しかもこのモンスターはリリースできないため、アドバンス召喚のためのリリースを揃えるにも不向きであり、このカードが登場した当初は一部のコンボを揃えるための補助に使われるだけであった。
だが、シンクロモンスターの登場によりその評価は覆ることとなる。
シンクロ召喚による大躍進
このカードでレベル4のチューナーモンスターを出すことで《スターダスト・ドラゴン》や《レッド・デーモンズ・ドラゴン》といったレベル8の強力なシンクロモンスターを素早く場に出すことができるからである。
また、このカードから《レスキューキャット》を出すことで間接的にレベル3以下の獣族モンスター2体と並べることも可能であり、手札にこのカード1枚と魔法カード2枚があれば1枚目の召喚僧サモンプリースト(以下サモプリ)→2枚目サモプリ→レスキューキャット→獣族のチューナーと特殊召喚していくことでレベル7以下のシンクロモンスターを即座に2体場に並べたりすることも可能であった。
しかも当時レベル7以下のシンクロモンスターといえば高い攻撃力と強力なバーン効果を併せ持つ《ダーク・ダイブ・ボンバー》(エラッタ前)や、相手の場にあるカードを除去して反撃を封じつつダーク・ダイブ・ボンバーで射出することができる《アーカナイト・マジシャン》や《氷結界の龍ブリューナク》(同じくエラッタ前)など強力なカード揃いであった。
同じ手札の組み合わせからレベル8のシンクロモンスターを出すこともでき、レスキューキャットで特殊召喚するモンスター次第ではレベル9の《ミスト・ウォーム》なども出せた。
つまり手札にサモンプリースト1枚と、コストになる魔法カードさえあれば、そのデュエルは勝ったも同然であり、「サモプリサモプリキャットベルンベルン」と呼ばれた流れは当時多くのデュエリストにトラウマを植え付けた。
そのためこのカードは一時期制限カードとなったが、レスキューキャットが禁止カードとなったため上記の戦術は瓦解し、その1年後にこのカードも準制限カードに制限が緩和された。
エクシーズ召喚登場
シンクロ登場時でこの有様だったが、サモプリの時代はこれで終わりでは無かった。
同じレベルのモンスターを複数体並べることで特殊召喚できるエクシーズモンスターが登場したのである。
このカード自身もレベル4であるため特殊召喚したモンスターがチューナーモンスターでなくとも強力なアタッカーへと即座に繋げる事が出来るようになった。
同様に1体のモンスターからランク4のエクシーズ召喚に繋げる事が出来るモンスターにはレスキューラビットがおり、あちらは手札コストが不要な上にエフェクト・ヴェーラーにエクシーズ素材の特殊召喚を妨害される事もなく、エヴォルカイザー・ラギア等のように素材に属性・種族の制限があるエクシーズモンスターの召喚にも利用できる。
一方でこちらは効果モンスターでも呼べるためエクシーズモンスターを召喚する前にライトロード・マジシャンライラやトリオンの蟲惑魔で相手の伏せカードを破壊する、終末の騎士やダーク・グレファー、E・HEROプリズマー等で墓地肥やしをする、ガジェットやE・HEROエアーマンを特殊召喚して後続のモンスターを手札に呼び込むなどただ単にエクシーズモンスター1体の素材を揃える以上の働きを同時にこなす事が出来る。
また、1体目のこのモンスターから2体目のサモプリを経由する事で一気に3体のレベル4のモンスターを揃える事も出来、ヴェルズ・ウロボロス等に繋げる事が出来るのもレスキューラビットには不可能な芸当である。その多様性とエクシーズとの相性の良さ、汎用ランク4の急増により、2014年に再び制限カードとなった。また、上記のレスキューキャットもエラッタにより以前の悪用を難しくした形で無制限カードに復帰している。
今後もレベル4やランク4のモンスターが増えれば増えるほどこのカードの可能性も大きく広がっていくことだろう。
……と、思われていたが新たに施行された新マスタールールによりエクストラデッキからのモンスターの特殊召喚が大幅に制限されることとなり、このカードは再び無制限カードへと逆戻りすることになった。
関連タグ
ぎっくり腰:とあるデュエル動画にて、召喚時に守備表示にする効果が発動した時この単語が発され、以降そう呼ばれることがある。