「おのれ…」
概要
第31話「切り裂け災魔空間(ゾーン)」に登場。
龍皇子サラマンデスの所有するカードから召喚された火のサイマ獣であり、サラマンデス曰く「最強のサイマ獣」。
緑色のコブラそのものと言って良い爬虫類然とした姿を持つが、長い尻尾は持っていない。襟に当たる部分にある炎の模様が特徴。
吸引サイマ獣の名の通り、口から発射する青い光線で相手をミクロ化した上で自身の体内に吸い込む能力を持ち、吸い込まれた相手は極寒の氷の空間に幽閉されてしまう。戦闘では更に口から吹雪を吐いて攻撃する他、巨大化時には砲弾を発射して来る。「火のサイマ獣なのに能力が思いっ切り氷属性」なのだがツッコんだら負けである。
活躍
前回のグランデ衝突作戦に失敗し、コボルダとディーナスからボロクソに扱き下ろされたサラマンデスから、「本当の初陣」として召喚される。
買い出しに出た帰りのマツリをサラマンデスと友に襲撃すると、口から出す青い光線で小さくして吸い込み、自身の体内の氷の空間へと幽閉する。
更にマトイ以外の3人も吸い込むと、サラマンデスは呼び出したレッドと交戦。同じ様にレッドを餌食にしようとするも、避けられて仕損じる。
コマンドアタッカーで突撃するレッドの前に立ちはだかり、吹雪を吐いて吹き飛ばすと、今度はサラマンデスとの波状攻撃で苦戦させる。
サラマンデス「自分の命を懸けてまで、弟や妹を助けたいのか?愚かな……兄弟などという下らぬものにそんな価値など無い!」
勝ち誇ったようにそう兄弟を侮辱する暴言を吐くサラマンデス。その様子を見ていたコボルダとディーナスが彼の本音に怒りを露にする中、マトイは士気を高め、毅然とこう言い返す。
「へっ、まるで分かってねぇようだな。お坊っちゃんよ!」
その言葉に動揺するサラマンデスに、マトイは尚も言葉を迸らせる。
「兄弟だから助けたいんじゃ、命を懸けるんじゃねぇ。それだけじゃねぇんだ。平和を護るために一緒に戦って来た仲間だからだ!それが分からねぇサラマンデス、お前には兄弟はいても、仲間はいねぇっつーことだ!!」
救命のプロである手前、兄弟だからと言う私情だけではマトイは決して戦わない。彼が4人を助けるのは、共に平和を守るために戦う仲間だからだったのだ。対するサラマンデスには、兄弟や部下はいても、仲間と呼べる存在などいない。それこそが2人の決定的な違いだった。
「ほざけ負け犬が!」と叫ぶサラマンデスにけしかけられる形でレッドを襲うバキューマだったが、ブイランサーを腹に刺される。負けじと冷気でレッドを氷漬けにするも、自身もダメージが大きく、その場に倒れた。
相打ちかと思われたが、兄弟を助けたいという思いで目を覚ましたレッドにブイランサーを引き抜かれ、体内から4人を解放させられてしまう(この際にダメージを負ったためか、4人のミクロ化も解除された)。
かくして5人揃った兄弟の波状攻撃の前に圧倒され、為す術も無く止めのハイパーファイブを受けて倒される。
直後にピエールの放った再生カードにより巨大な死霊として復活。
巨大戦では、サラマンデスが展開した災摩空間(サイマゾーン)の中、4体の巨大インプスを召喚して差し向けるも、ライナーボーイによって駆けつけたビクトリーマーズと戦った末、マーズフレアを喰らい爆散した。
余談
モチーフはコブラで、名前の由来は掃除機の英訳である「バキューム(vacuum)」から。
声を演じた千田氏は昨年の『星獣戦隊ギンガマン』にてゲルトゲルトの人形の声を演じていたが、今作を境にスーパー戦隊シリーズへの出演はパッタリ途切れてしまった。代わりに翌年の『仮面ライダークウガ』にてホームレス役で出演して以降、『仮面ライダーアギト』に登場するロード怪人や『仮面ライダー龍騎』のミラーモンスターを多く演じる事となる。