pixivのタグとしてはシリーズ第8作「ハリー・ポッターと呪いの子」の略称として用いられることがほとんどである。
呪いの子とは一体誰を指すのか?
副題である「呪いの子」とは、原作の表紙に描かれた子供は一体誰を指すのかは人により解釈が分かれる。
複数存在すると言う説が有力だが英語の題は『the Cursed Child(呪われた子供)』であり『the Cursed Children(呪われた子供たち)』ではない。
アルバス説
闇の帝王ヴォルデモートを倒した英雄、ハリー・ポッターがジニー・ウィーズリーとの間に儲けた三人の子供の第二子、次男として生まれたアルバス・セブルス・ポッターは父に強烈なコンプレックスを抱いていた。
ホグワーツ魔法魔術学校では兄のジェームズ・シリウス・ポッターと妹のリリー・ルーナ・ポッターは両親と同じグリフィンドール寮へ組み分けされたが、アルバスのみ闇の魔法使いを多く輩出したスリザリン寮へ組み分けされてしまう。
更にホグワーツのクィディッチ最年少選手に選ばれた父と、プロのクィディッチ選手であった母の子供でありながら飛行訓練で十分な力量を発揮し切れず、『スリザリンのスクイブ』と揶揄われてしまう。
父の名声と栄誉に常に苦しめられ、彼は父親との差異故にクラスメイトから虐められることもあったアルバスは『英雄である父の子』という呪縛、呪いに苦しめられる。
スコーピウス説
第二次魔法大戦時、死喰い人見習いとして戦いつつも、紆余曲折を経てハリー陣営の勝利に貢献することとなり、アズカバン収容を免れたドラコ・マルフォイの一人息子、スコーピウス・ヒュペリオン・マルフォイは両親の愛情を一身に受けて育つ。
しかし、ドラコは闇の魔術により子供を作ることができない呪いがかけられているにもかかわらずスコーピウスが生まれた。
そのことからスコーピウスの父方の祖父で死喰い人であったルシウス・マルフォイがドラコの妻であるアストリアを逆転時計で過去へ遡らせてヴォルデモートの子供を妊娠させたのではないかという噂が立っていた。
この悪意ある噂の翻弄されたスコーピウスは周囲から疎外され、『闇の帝王の息子』という呪いに苦しめられる。
アルバスと形は違えども、先の第二次魔法大戦時の負の遺産を背負うこととなった。
ネタバレ注意
デルフィーニ説
闇の帝王ヴォルデモートとその側近、死喰い人の魔女ベラトリックス・レストレンジとの間に生まれた娘、デルフィーニ。
生まれて間もなく両親はハリーの陣営によって倒され、母の夫である養父ロドルファス・レストレンジはアズカバン送りとなり、ユーフェミア・ロウルが多額の金と引き換えに養育するがロウルはデルフィーニに愛を教えてはくれなかった。
孤児であったデルフィーニはアズカバンから脱獄した養父から自分の出自と予言を教えられ、父親に会いたい、そして愛されたいと一心からヴォルデモート卿復活を目論みる。
先の第二次魔法大戦時の負の遺産そのものである彼女にとって呪いとは、孤児であった父と同様、愛情を知らずに育った一族の負の連鎖であろう。
ハリー・ポッター説
ヴォルデモートを倒した英雄、ハリー・ポッター。
彼自身もヴォルデモートに翻弄された呪われた子供であった。
逆転時計を使ってヴォルデモートのポッター家襲撃を阻止し、歴史を改変しようとするデルフィーニを捕え、本来の歴史通りヴォルデモートが両親を惨殺するのを妻のジニー、息子のアルバスと共に見届けることとなる。
ヴォルデモートを倒した第二次魔法大戦時から時を経て家庭を持ち、父親となっても尚、ヴォルデモートの因子によって苦しめられたハリーこそが呪われた子と言っても良いのかもしれない。