国立準一郎
くにたちじゅんいちろう
「ビーロボカブタック」の主人公・カブタックのパートナーである少年・高円寺譲が通う朝日小学校。その朝日小学校で音楽教師をしている男性。
音楽教師を務めるだけあって歌が上手く、それもあって自身が参加した『のど自慢大会』で優勝するのだが、それが後述の出来事のきっかけとなった……
作中での行動
譲は自分の通ってる朝日小学校で、もうすぐ合唱コンクールがあるのだが憂鬱であった。それというのも譲の祖父である高円寺博士の影響(強いて言えば隔世遺伝であろうか?)もあって譲自身も歌が苦手だからである。
そのまま譲は帰宅すると、母の円から「アンタの所の学校の先生がテレビに出てるわよ~」と教えられ、テレビを見るとなんと自分の学校の音楽の先生である国立先生がのど自慢大会で優勝し、それにより近日歌手デビューすることが決まったのだ。
翌日、譲は国立先生に会ってそれが本当か確かめようとするのだが、その国立先生が校長室から出てきた所を見かけ、声をかけると本人の口から『教師として学校にいられるのは今日が最後』という事実を教えられてしまう。
譲自身も朝日町に引っ越してから1年も経っていないとはいえ、『大好きな国立先生がいなくなってしまう』ということに落ち込むが、国立先生はそんな譲を励まそうと音楽室にて『手のひらを太陽に』を弾き語りするのだが、譲の落ち込んだ気持ちはそのままであった。そんな譲に国立先生は『歌は技術だけで上手く歌うものじゃなく、心で歌うもの』という教えを説く。
そして『教師として最後の思い出作り』ということで国立先生と譲は校内を散策するのだが、その過程で体育館に入り、のだがその中では合唱コンクールの準備を行っていた蔵之介達がいた。その中にはカブタックもあり、声が似ているという事もあって国立先生とカブタックはすぐに仲良くなり意気投合する。
だが、そこへスターピースが『カブタックのドジで開いてしまった合唱コンクールで優勝者発表の時に使うくす玉』に宿って巨大化してしまい、国立先生はその中に閉じ込められてしまう。
そのままくす玉は体育館から転がり出てしまい、カブタック達が急いで追いかけ、その中でコブランダーが轢かれてぺしゃんこになったりするアクシデントもあったが、クワジーロやゲロタンの助力もあってなんとか止める事には成功する。
だが、肝心のくす玉はどうやっても開くことができず、くす玉を壊して開けようとしてもドリルットパーツを装備したカブタックですら傷をつけるのが精いっぱいであった。
そこにキャプテントンボーグが(バイオリンを奏でながら)表れ、彼がオヤジギャグを言うと、くす玉は怒ったように跳ねる。
そこから国立先生は『このくす玉は合唱コンクールのために作られたものだから、素晴らしい歌を聞かせれば開くはず』と推理し、それを聞いたキャプテントンボーグによって、歌合戦によるスターピース争奪戦が開催される。そこへシャークラーが表れ飛び入り参加し、キャプテントンボーグはシャークラーに「好きな歌を歌うといい」と声をかけるのだが、その『歌』という言葉でシャークラーは本編開始前の時系列の時に高円寺博士から極端に下手くそな歌(具体的には『清く正しくカブタック』の音程が滅茶苦茶なもの)を聞かされ、電子回路がショートしてしまったことを思い出しそのトラウマを思い足したシャークラーは
「嫌ッス!! 自分は歌は嫌いッス!! 嫌いッス~~~~~~~!!」
と逃げるように会場を去っていったのだった。
そして改めて歌合戦が開催され、トップバッターの譲とは逆に歌うのが得意なカブタックは『カブタック音頭』を歌おうとするが、「今は秋で季節外れだから」という理由で失格にされてしまう。
二番手のクワジーロが『ビーロボはぼくらの仲間』を歌おうとするが、自分の口癖である『男は黙って』に従ってしまい、出だしの部分が歌えないという凡ミスをしてかしカブタック同様に失格となる。
三番手は蔵之助と小百合の二人で、双子ルックでPUFFYの『渚にまつわるエクストラ』を熱唱する。この歌も『カブタック音頭』同様夏の歌だが、『自分が好きな歌だから』という理由で失格にはならず鐘二つの判定になる。
四番手はゲロタン。カエルのビーロボなだけあって「かえるのうた」を歌うが、こちらは鐘三つの判定。
五番手はコブランダー達(コブランダーがメインで歌い、ガニランとスパイドンはバックコーラス担当)により「ああ、スターピース」を歌い上げる。
今までと違って『野生のプロ』と言わんばかりの歌声にカブタック達は聞き惚れるのだが、途中でカブタックはそれに違和感と疑問を感じてしまう。
実はコブランダー達は口パクをして歌っているように見せているだけで、本当に歌っていたのは背後のカーテンに隠れていた宮内タカユキ氏だったのである。
ゲロタンによってそれを暴かれてしまったコブランダー達は反則のペナルティでそれぞれキャプテントンボーグに鐘を叩く木槌で殴られ、失格退場となってしまう。そして残るは譲のみだったのだが、そこへ
「ちょっと~肝心な誰かを忘れてなーい?」
という声が聞こえるや否や、アイドル衣装に身を包んだテントリーナが現れ、『Do UP!カブタック』を熱唱する。
先程のコブランダー達の時と同じく見事な歌唱に譲たちもノリノリでトンボーグも合格点を叩き出す。
これでくす玉に閉じ込められた国立先生を助けることができて、めでたしめでたし……とはならずくす玉は開かなかったのだ。
更にゲロタンの分析によるとくす玉の内側は外に出られないどころか空気の出入りすらできない程の密閉空間になっていることが判明し、このままでは国立先生が酸欠で取り返しのつかない事になってしまう。
そしてそれを救えるのはまだ歌っていない譲だけだが、それでも自身の歌が下手というコンプレックスもあり歌う勇気が出てこない。
そこでカブタックはドデカブタックで学校校舎に向かうと音楽室からピアノをはじめとする楽器を運んで戻ってきて、倉之助たちに楽器を渡したカブタックはスーパーチェンジしてピアノ演奏を担当することになるが。それでも気持ちに思い切りがつかない譲だった。だが
「譲…忘れたのかい?歌は心だよ! 心のこもった歌なら、このくす玉だって感動させられる筈だ…!」
「譲、君は先生が好きなんだろう?その想いを込めるんだ!」
という国立先生とカブタックの激励を受けて、譲はついに歌う決心をする。
譲が歌うのは国立先生が自分の為に弾き語りをしてくれた『手の平を太陽に』。
それをカブタック達の楽器演奏をバックに、国立先生との思い出を振り返りながら気持ちを込めて譲は一生懸命歌う。
譲が歌い終わると、キャプテントンボーグは『満点』と言うテントリーナの時を上回る結果を鐘でならし、
「なんという歌だ……心に沁み渡ってくるぞ……優勝は譲くんだ!」
そう宣言するとくす玉が割れて中の国立先生が落ちてくるが、カブタックに抱きかかえられてキャッチされたことで無事に救出される。
そして国立先生は「ありがとう、譲、心のこもったいい歌声だったよ……!」と感謝の気持ちを伝える。
そして譲の優勝と言う形で今回のスターピース争奪戦が終わると、キャプテントンボーグは
「素晴らしい歌は人の心を豊かにする……そしてその豊かな心が素晴らしい歌を生む……このトンボーグ、久々に感動したぞ!」
とコメントすると、譲にスターピースを渡していつものように高笑いしながらキャプテントンボーグは走り去っていく。しかもそのスターピースは双子座を司る本物のスターピースだったのだ。
なので譲は国立先生への今までの感謝の気持ちとお礼も兼ねて『国立先生が超ビッグな有名歌手になれるように』という願いで使おうとするが、国立先生は
「いや、その必要はない……夢は自分の力で叶えるものだからね」
と辞退し、「それはキミが使うと良い」と譲にスターピース渡してくれる。
それにテントリーナも賛成して「無理に今お願いすることはないわ、大切に取っておくといいわよ」と助言してくれたので、譲はスターピースを今すぐに使わず保管する事に決めた。ちなみにその光景をコブランダー達は物陰から見ていたが、
ということで、譲のスターピースを奪うのは次回以降にお流れとなった。
そしてカブタックは国立先生に「記念に、一曲歌って欲しいカブ!」とお願いし、それを聞き入れた国立先生は「スーパーチェンジ!カブタック」を熱唱。
譲たちはそれに合わせて歌って踊り(コブランダーもスターピース争奪戦の如く口パクで熱唱し)最後には
「「「「「「「「イエーーーーーーーイ!!!」」」」」」」」
と皆の心がこもった歌声が外に響くのであった……。
- 36話の最後で熱唱した「スーパーチェンジ!カブタック」は、草尾氏本人が作詞、渡辺宙明氏が作曲を手掛けている。
- 演者が同じだけあって当然ながらスーパーモードに近い地声で話していたが、作中では国立先生がノーマルモードのカブタックの声真似をすることもあった。
- 国立先生の出場したのど自慢大会の司会者を演じたのは、グリーンレーサーこと上杉実を務めてた福田佳弘氏である。
- サブタイトルに『全員集合』とついてはいるが、デンデンローラーとトビマスカイとダンゴロンは出番が一切なく、一種のタイトル詐欺になっており、全員集合になってるのはその一つ前の35話『秋のビーロボ運動会』である。
- 特撮作品において『声優が作中で登場人物として顔出し出演する』という例はいくつかあるが、いずれも最終回でのチョイ役程度に過ぎず、国立先生のように『登場したエピソードで主役並みに目立っている』というケースになると、該当例が殆どなく他に例を挙げるなら『獣電戦隊キョウリュウジャー』におけるキャンデリラの人間態を演じた戸松遥氏、賢神トリンの人間態こと鳥居さんを演じた森川智之氏、そしてキョウリュウジャーの使うアイテムの音声等及びドクター・ウルシェードを演じた千葉繁氏ぐらいである。