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彼等の居場所

かれらのいばしょ

『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』第50話(最終話)のサブタイトル。
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次回予告編集

次回、機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ『彼等の居場所』

またブレスレット汚して、アトラさんに怒られますよ?

一緒に謝りますから、帰りましょう、私達の家に…


概要編集

2017年4月2日放送。


ギャラルホルンによって掃討作戦が展開され追い詰められる、鉄華団の最後の戦いが描かれる。第48話で鉄華団の首領であるオルガが死亡し、その後残された三日月達もまた追い詰められ散っていく。

エピローグではギャラルホルンが民主的な体制となり、火星の自治権が拡大するという結末にはなったものの、鉄華団は壊滅した上に歴史の徒花として忘れ去られてしまい、主人公達の名前も表向きには残らない、という末路には賛否が分かれた。


それまでもZガンダムカミーユ精神崩壊という形で退場したり、逆襲のシャアアムロが消息不明になってしまうことはあったが、明確に主人公の死亡シーンが描写されたのも極めて異例である。

(小説版を含めるなら、機動戦士ガンダムと閃光のハサウェイも該当する)

STORY編集

マクギリス・ファリドガエリオ・ボードウィンの一騎討ちが終わった後、火星の鉄華団基地では、三日月・オーガスら鉄華団のMSが他の団員達を脱出させるためにアリアンロッドのMS部隊と交戦していた、激しい戦いの中、エルガーが戦死してしまう。

大量のグレイズシルト、グレイズに押されていくユージン達だが、三日月から撤退命令を受けて離脱し、三日月は昭弘・アルトランドと共に2機でアリアンロッドに立ち向かうのであった…


雪之丞と合流するユージン達は、デインが鉄華団基地に爆弾を仕掛けたのを確認し、トンネルの中へ入って脱出。

三日月と昭弘はアリアンロッドのMS相手に大立ち回りを演じるが、三日月は辺りが弱くなったと戦場の違和感を感じ取る。その頃、イオク・クジャンは怪我を押して出撃しようとするが、部下やジュリエッタ・ジュリスに制止される。そして、グレイズ部隊もバルバトスルプスレクスから離れていき、脱出途中のデインも「戦場の音が止んだ」と感じた。


それもそのはず、ラスタル・エリオンは2機のガンダム・フレームに対し、ダインスレイヴを放つつもりでいたのだ。ラスタルの命令でダインスレイヴがバルバトス達に放たれ、鉄華団基地周辺は更に荒れていく…


ダインスレイヴを受けてボロボロのバルバトスとグシオン。しかし、三日月と昭弘は死んでいなかった。2人は最後の力を振り絞って立ち上がり、アリアンロッドのMS部隊に立ち向かっていく。

悪魔のごとく立ち上がる2機に慄くアリアンロッド兵だが、そこへイオクの乗るグレイズが先陣を切り兵士達を鼓舞しながら昭弘のグシオンに襲い掛かる。


イオク「おのれ死に損ない!この、イオク・クジャンの裁きを受けろ!」

昭弘「その名前…!ぐっ、ぬぅぅぅぅっ!お前かぁぁぁ!」


しかし、イオクが自分の名前を名乗った事により、死にかけた昭弘に最後の力を与える結果となり、シザーアームでコックピットを潰されて圧死してしまう。


イオク「ああっ…!私は、こんなところで!?」

昭弘「生きてりゃいいことあるもんだな、てめぇをこの手でやれるとは…」

イオク「あっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁ~…!!」


最後の力でタービンズの仇敵であるイオクを倒すことに成功した昭弘。

だが、イオクを潰す最中に現れたイオクの部下達によるアックス攻撃で沈黙してしまい、昭弘は命を落としてしまった…。


その頃、ボロボロになりながらも大暴れを続ける三日月のバルバトスは、ジュリエッタのレギンレイズ・ジュリアと交戦。ボロボロになりながらも立ち向かう三日月に、ジュリエッタは問う。


ジュリエッタ「何故だ!?何故まだ抗う!?無駄な足掻きだ!こんな無意味な戦いに、どんな大義があるというのだ!」

三日月「大義?何それ?無意味?そうだな、俺には意味なんてない。けど…けど今は…俺にはオルガがくれた意味がある。何にも持っていなかった俺のこの手の中に、こんなにも多くのものが溢れてる。そうだ、俺達はもう辿り着いてた…」


ジュリアの攻撃を受けながらも肉薄するバルバトス。しかし、パイロットの三日月は既に意識はなかった。それを見たジュリエッタは、苦い表情を見せながらソードでバルバトスの首を突き刺し、掲げた。


ジュリエッタ「今ここに!アリアンロッド艦隊司令・ラスタル・エリオンの威光のもとに悪魔は討ち取られた!」


ジュリエッタによって鉄華団の悪魔・バルバトスは討ち取られ、アリアンロッド兵たちの歓喜の声が上がる。

しかし、仲間であるイオクを失い、バルバトスのパイロットである三日月が幼い子供という事実を知ったジュリエッタには勝利の喜びなどなく、複雑な心境のまま戦いが終わった。


この一連の騒動は「マクギリス・ファリド事件」と呼ばれ、マクギリスの死によって幕を下ろした。


戦いが終わって時は流れ…


一時は社会的信用を失いかけたギャラルホルンだが、その抗争を早期に解決したことで改めてその力を世界に示す。またイシュー家、クジャン家、ファリド家の3つのセブンスターズの家系を失ったギャラルホルンは、セブンスターズによる合議制を廃止し、より民主的な組織として再編されその初代代表にラスタルが就任した。


ラスタルは先のマクギリス・ファリド事件を契機にギャラルホルン火星支部を縮小、これを受け実質的に間接統治を任せていた各地球経済圏は火星の経営を断念せざるを得なくなり、経済圏の支配から脱した火星の各都市は火星連合を設立、連合議長としてクーデリア・藍那・バーンスタインが就任。これにはクーデリア自身の知名度の他にタービンズの一件でラスタルと密約を交わし、更に勢力を拡大したテイワズの後押しが大きかったといわれる。


誰にも等しく権利を与えられる世界、マクギリスの目指した理想の一端はくしくもラスタルの手によって成し遂げられようとしている。


そして、人々は忘れていく。マクギリス・ファリド事件の1ページには鉄華団という戦いしか知らぬ子供たちが存在していたことを。


マクギリスが搭乗したガンダム・バエルは、コックピットブロックを外され、駆動系に歯止めを噛ませて再びヴィーンゴールヴの祭壇に再封印された、


蒔苗記念講堂では、クーデリアとラスタルがヒューマン・デブリ廃止条約の調印式が行われていた。そこには、戸籍を改竄し、付き人になっていたユージンの姿が。

クーデリアは、私にはかつてヒューマン・デブリの家族がいたという事をラスタルに告げて、去っていった。

ガエリオは阿頼耶識システムTYPE-Eを取り外され、半身不随となって車椅子生活を送っていた。「鉄華団は悪魔ではない、誰よりも人間らしく、彼等の居場所は戦場にしか存在しない。野望や目的のためではなく、ただ生きるために戦う人達だ」と、ガエリオに語るジュリエッタ。


その頃、鉄華団の生き残りと別れて、別行動をとるライド・マッスは、オルガの仇をとるべく、トイレで用を足しているノブリス・ゴルドンを射殺。ライドの手には、オルガが使っていた拳銃が握りしめられていた…。


雪之丞はメリビットと結婚し子供を設け、ヤマギとザック、デインはカッサパ・ファクトリーに就き、デルマとダンテは孤児院で働いていた。。


そして、火星のとある家では、成長し一児の母になったアトラ・ミクスタと、アトラと三日月の子供暁・オーガスが平和に暮らしていた。そこへ帰ってくるクーデリア。

暁の手は、三日月のように大きくなっていた。


クーデリア「私は愛しています。たとえ歴史の流れに忘れられようとも、鉄華団のみんなが作ってくれたこの世界を…あなたが残してくれた、この…世界を」


暁は、父親が写っている鉄華団の写真を見つめていた。

そして、アトラに呼ばれた暁は、写真を置いて部屋から出る。



こうして、鉄血のオルフェンズの物語は、幕を閉じるのであった…。



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