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必殺口上


近頃世間に流行るもの

押し込み強盗 高利貸 賄賂をもらう偉ぇ人

金、金、金の世の中で 泣くのは弱い者ばかり

涙を拭いておいでなせぇ

恨みを晴らす仕事人 陰膳据えて待っておりやす


(語り:四代目 中村梅之助)


概要編集

1983年10月から翌年8月にかけて放送された、必殺シリーズ第21作。全43話。

いわゆる中村主水シリーズの10作目に当たる。


必殺仕事人Ⅲ』最終回から半年後の江戸が舞台とされ、主水を始めとする同作に登場した主要登場人物が全員続投している。この「過去作のメインキャラクターたちの顔ぶれが全く変化することなく後続の作品に登場する」ケースは『必殺仕舞人』シリーズ以来であり、中村主水シリーズでは唯一となる。


『新仕事人』および『仕事人Ⅲ』から見られた世相や流行を多く取り入れた作風は本作でよりその傾向が強まっており、「マラソン」「受験戦争」「ラジオ体操」といった現代社会の要素が積極的に取り入れられた意欲的な回が多い。中には「未知との遭遇」をテーマに江戸の街に起こる奇怪な現象が物語に絡んだエピソード「主水 未知と遭遇する」などのような時代劇らしからぬ回も見られた。

また、レギュラーで登場するサブキャラクターとして、秀が旅先から連れ帰った少女・お民、そして順之助をストーカーのごとく追いかけ回す男・広目屋の玉助が新たに登場。前者は秀の人物像を掘り下げる大きな役割を果たしたほか、後者は田中様に並ぶ高い人気を獲得し続編『必殺仕事人Ⅴ』や劇場版にも登場する人気キャラクターとなった。


本作のサブタイトルは『新仕事人』のものに近く、『〇〇 ××する』(〇〇には人名が入る)という形が基本形(場合によっては句点や感嘆符・疑問符などが加わる場合もある)。


なお、連続ドラマである本編のほかに関連作品としてスペシャル版が1本制作されているほか、シリーズ600回を記念し、シリーズ初となる劇場作品『必殺!THE HISSATSU』が制作された。


登場人物編集

仕事人編集

南町奉行所の同心。

『仕事人Ⅲ』最終回での事件で奉行所に追われるリスクから仕事人チームを解散せざるを得なくなり裏稼業から退いていたが、とある大掛かりな裏稼業の依頼が舞い込んだ一件がもとで命の危機に瀕し、折しも江戸に戻ってきていた仲間たちに助けられる形で窮地を脱したことで、仕事人チームを再結成し、裏稼業へと復帰する。

殺し技は、相手を油断させた上で脇差などを用いて仕留める「剣術」。


長屋に住む飾り職人。

『仕事人Ⅲ』最終回で江戸を離れ旅に出ていたが、旅先で出会ったお民を連れて江戸に戻る。当初は裏稼業に戻る気はなかったが、程なくお民の出自にまつわる事件がもとで裏稼業に戻ることになった。

殺し技は、相手の首筋や眉間を突き刺す「簪(かんざし)」。


三味線屋。小唄の師匠として中村家にも出入りしている。

『仕事人Ⅲ』最終回後に江戸を去ったが、おりくとともに江戸に帰り、主水たちとの裏稼業を再開する。

殺し技は、相手を吊り上げ絞殺する「三味線の糸」。中盤から、背中に「南無阿彌陀佛」と刺繍の入った羽織を着用するようになった。


息子の勇次と同じく三味線屋。

『仕事人Ⅲ』終盤に登場して以降旅に出ていたようだが、旅先で勇次と再会したらしく、二人で江戸に戻る。当初は裏稼業から足を洗い始末した者達を弔う旅に出るつもりだったが、絶体絶命の主水を助けるべく馳せ参じ、そのまま裏稼業を再開した。

殺し技は、接近して相手の急所を斬りつける「三味線の撥」。


蘭学所に通う医学生。

『仕事人Ⅲ』最終回後も江戸に残っており、ひょんなことから主水の危機を知ったことで、結果的に仕事人チーム再結成のきっかけを作った。

学生生活では諸事情により親元を離れての日々を過ごすこととなり、成り行きで加代を世話役として付けられる羽目になる。

以前用いていたライデン瓶を親に取り上げられてしまったことから、本作では新たに投石機を開発し、加代とともにサポート役や揺動を担う。


  • 加代(演:鮎川いずみ)

何でも屋。

『仕事人Ⅲ』最終回後、こちらも旅に出ていた。江戸に戻って住むようになった長屋の部屋がよりによって順之助の隣だったことから、彼の親代わりとして面倒を見るようになる。

がめつさには前作以上に磨きがかかっており、怪しげな商売をやろうとして順之助に呆れられたり失敗して災難に遭ったりする様子も見られている。

密偵や依頼引受人・揺動の他、本作では順之助の投石機の操作も担当するようになっている。


その他編集

  • お民(演:林佳子)

秀が旅先から連れ帰った少女。実は旅先で秀により始末された悪人の子である。ちなみに母方の叔父(演:村上弘明)も裏稼業者であるが、彼や秀が裏稼業者であることは知らない。


  • 広目屋の玉助(演:梅津栄)

いわゆる広告業をしている中年の男性。

…なのだが、どういういきさつか順之助に惚れ込んでしまっており、彼をストーカー気味に追い回している。


奉行所における主水の上司。本作で「田中熊五郎」の本名が明かされた。

相変わらず中性的に口うるさく喋る。ある事件で八丈島に左遷されかけたが、仕事人による裏稼業の現場にたまたま居合わせたことで棚ぼたで左遷が取り消しになるという、ある種の「死ぬ死ぬ詐欺」をやらかした。


中村家編集

  • 中村せん(演:菅井きん)

主水の姑。

主水をいびるのは相変わらず。一度養子を貰ってきたことがあったが、主水へのあからさまないびりを見られたことで程無く逃げられる事態になった。


  • 中村りつ(演:白木万理)

主水の妻。

せんとともに主水をいびりつつも、姑の見ていないところでは主水と仲睦まじい様子が見られた。


スペシャル版編集

年忘れ必殺スペシャル 仕事人アヘン戦争へ行く 翔べ!熱気球よ香港へ編集

1983年12月30日に放送されたスペシャル版。

シリーズ初となる出陣する先が海外である作品。

かのナポレオン平賀源内、さらには遠山金四郎といった歴史上の偉人が複数登場するなど、かなりスケールの大きい作品になっている。

また、同年に死去した沖雅也を悼み、彼が演じた棺桶の錠(『必殺仕置人』、およびスペシャル作品『仕事人大集合』に登場した)がライブラリ映像の形で登場している。


劇場作品『必殺!THE HISSATSU』編集

シリーズ600回を記念して1984年6月に公開された劇場作品で、必殺シリーズとしては『必殺仕掛人 春節仕掛針』以来の映画となる。

主水たち仕事人、および彼らに力を貸した裏稼業者たちと外道裏稼業組織「六文銭一味」との戦いを描く。

ゲストとして『必殺からくり人』シリーズに登場した芦屋雁之助、『新必殺仕置人』などに登場した火野正平のほか、研ナオコ橋爪功朝丘雪路柳沢慎吾赤塚不二夫などが出演した。

ちなみに一部のゲストは『必殺仕事人Ⅴ』やその劇場版『ブラウン館の怪物たち』にも登場している。


余談編集

本作の「必殺口上」は前作からその一部を使いまわしており、映像は前作までのものから一新されている一方、ナレーションの配役やBGMは前作から引き継がれている。


主題歌は加代役の鮎川いずみが歌う「花の涙」。前作『仕事人Ⅲ』の主題歌に続くヒットを記録した。

この他、劇中の挿入歌として秀役の三田村邦彦が歌う「自惚れ」、および勇次役の中条きよしが歌う「風が泣くとき」も使用されており、主に出陣前のBGMとして用いられている。


関連項目編集

時代劇

必殺シリーズ

必殺渡し人 ← 本作 → 必殺仕切人


中村主水シリーズ

必殺仕事人Ⅲ ← 本作 → 必殺仕事人Ⅴ

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