プロフィール
概要
『魔人探偵脳噛ネウロ』の登場人物の1人。
「怪盗X」は日本国内における略称であり、海外では「怪物強盗X.I(monster robber X・I)」と呼ばれている。
自分の体細胞を変化させて、遺伝子レベルで他人になりかわることができるが、同じく変化する脳細胞によって記憶が安定せず、定期的に過去の記憶を失うという。
そのために本当の「自分」がわからず、他人を箱詰めにしたり 「作った者の正体(中身)が詰まった」美術品を盗み観察することで、本来の「自分」にまつわる手掛かりを探している。
想像を超える存在である魔人の脳噛ネウロに深く興味を持ち、純粋な関心と自身の中身の所在の可能性を見て、彼の中身を見ることに執着している。
性格
性格は極めて無邪気で残酷だが、内面には「自分の中身がわからない」故の苦悩と不安を抱え込んでおり、純粋な関心と自身の中身の所在の可能性を見て、彼の中身を見ることに執着している。
自身や弥子は正体を魔人かもしれないと疑っているが、魔人ネウロからは「間違いなく人間」と断言される。
能力
人間の突然変異とも言うべき存在で、細胞を操作し、子供から老婆、果ては犬(ドーベルマン)にまで姿を変えることが可能。しかし金属質に変身することは苦手なのか、刃物などが必要な場合は別途調達する事も。
殺した人間に化けることで、一般人から著名人まで多くの人間に「なって」人間社会に潜伏しているが、普段は青みがかった白髪の少年の様な姿を取っている。
人間を一撃で叩き潰すほどの怪力と不死身に近い生命力を持ち、傷の治りも非常に速い。
また、ショットガンなどを埋め込む事も可能であり、素手のパワーだけでなく、武装の幅も人知を超えている。
「関節を砕くと動きが止まる」「電流を受けると麻痺する」など一応の弱点はあるが、せいぜい数秒の時間が稼げる程度。
「赤い箱」
怪盗Xを怪盗Xと至らしめるその手口は犯行現場から最低一人以上誘拐し、後日、犯行現場に赤黒い何かが詰まったガラス製の立方体の箱を送り届けるというもの。
箱は(ガラスの重量を除いた)重さが攫われた人間の体重とほぼ一致する。なお箱は誘拐された人数と同じ数だけ届けられる。
つまりは誘拐した人間を殺害し、死体をドロドロの液体になるまで粉々に破壊してからガラスの箱に詰めて送り付けるという、とんでもない猟奇殺人の証である。
この殺人の証は「赤い箱」と呼ばれ、作中の市民から警官に至るまで全世界で恐怖の対象として恐れられていた。
Xとしては「自分の中身を知るために、観察しやすくなるよう箱状に加工しているだけ」で、快楽殺人などの他意はないのだが、そんな狂った真意を知る術は絶無。
この行動はXの目的を知らない者に(知っていても恐ろしい事に変わりは無いが)この上ない恐怖を抱かせる事となる。
なお中身を観察するという目的上、塊や繊維が残ってたり、気泡が入ってたり、箱の繋ぎ目を接着剤で止めていたりするのは減点対象(マイナス)らしい。
作中で確認出来る最大の被害は『最後の自分像』を狙った時の犯行予告。
その犯行予告とは子供達の平和への祈りや、大人達の欲望渦巻く平和の壁を自身の予告状を貼付けた40個もの「赤い箱」にすり替えるという常識はずれっぷり。
「箱」にされた人物は、ネウロの正体を探るために利用した右森米太郎内閣総理大臣をはじめとする日本国政府の高官、官僚達とされている。
表記ゆれ
非常に表記ゆれが多い上に、他キャラとの競合も多い。
余談
ドラマCD第1弾では可愛いメイドさんに化けている。また、自らの変化能力を使って遊ぶお茶目な一面を見せている。
関連イラスト
関連タグ
その中身(正体)
この先は『魔人探偵脳噛ネウロ』の重大なネタバレがあります、閲覧する際はご注意ください |
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彼(彼女)の正体は、原作版およびアニメ版ともに、それぞれの物語の終盤で明かされる。
しかし、「TVアニメ放送時は、まだ原作版で怪盗Xの正体が描かれていなかったため、オリジナル展開で締めるしかなかった」という大人の事情があるため、原作版とアニメ版で正体が異なるという結果になった。
原作版
彼(彼女)が知りたがった自らの正体、それはこの作品で最大の悪『シックス』が自身の細胞をもとに遺伝子操作を施したクローンとして生み出した彼の子供、いや作り出した生物兵器『XI(イレヴン)』。
過去の記憶を失ったはずのXの脳裏に時折浮かんでいた影の正体はシックスの物であった。
実年齢は17歳。誕生時の性別は雌、つまり女性。
実験体としての名称は『検体11』で、出産した母親(代理母)は誕生時に即処分されている。
自身は生後5年間を強化ガラスの中で実験されながら育っており、誕生前から薬品などで改良を施し、その結果として作中で何度も見せた人間以上の能力を持っており、様々な刺激を与え成長を促すため社会に放たれ、5~6年ほど経過してから回収する予定だったが、その中で出会ったアイの手助けにより、シックスが送り込んだ監視の目から約10年もの間逃れて来た。
家庭などあるはずもなく、知人などいるはずもない。探す自分の正体(中身)など、元々存在しなかったのだ。
しかし、アンドリュー・シクソンに変装して回収に来たシックスによりアイは射殺され、自らも上記の正体を語られ呆然自失になる。その直後にシックスに肉体的にも痛めつけられた上で連れ去られ、再びモルモットとしての生活に戻る事となり、シックスの忠実な駒『XI』として再教育と言う名の洗脳を受ける(由来は『怪物強盗X.I』と、実験名の『検体11』、そして『VI(シックス)の合わせ鏡(「VI」と「ΛI」を上下に組み合わせると「XI」になる)』のトリプルミーニング)。これ以降はシックスを女性にし、若くしたような姿を取るが、これは奇しくも作中から10~12年前にアイと初めて出会った時に見せた少女の姿(当時5~7歳)を実年齢相応に成長させたような姿でもあった。
その結果、Xだった頃には無かった、他人の脳波から記憶を読み取り、その記憶にある人間の姿へ変身する能力を得る。それを使い、シックスへの復讐に燃える笹塚を罠に嵌め致命傷を負わせ、しかもシックスによって惨殺された家族の姿に化けて精神的に甚振った。
その後、シックスとの最後の戦いに現れたネウロと弥子をシックスと共に全力で叩き潰そうとするが、ネウロの策で弥子と一対一で対峙し、そこで弥子の口車に乗って彼女の脳内からXだった頃の記憶を読み取り、アイとの日々を見た事によってシックスの駒XIから怪盗Xに戻る。
一芝居打ってシックスの金属細胞(武器鍛冶として編み出された金属と細胞の結合技術と、Xから培養した強化細胞のハイブリッド)の制御を司る心臓を抉り取り重傷を負わせるが、躾と称して体内に仕掛けられた爆弾(自爆装置)を爆発させられた上に反撃の袈裟斬りを受け、致命傷を負う。
自分を取り戻す切っ掛けを作った弥子を泣かせるためと自身の感謝の気持ちとして、『最期の変身』として笹塚の姿になり、彼を殺した際に読み取った思考と感情から、「笹塚としての言葉」と「Xとしての言葉」、二人分の感謝の気持ちを伝え死亡。遺体は弥子と吾代の手でその場に埋葬された。
「ざまぁ…見ろ…泣かせて……やったぜ」
「最後の…変身…最後の……顔……」
「…これが…これが…『俺』だ…」
アニメ版
シックスが登場しないため、こちらでの正体は南米のシャラート村で惨殺された女性セレンの子であり出生は20年前。母のセレンもXと同じように顔を自在に変化させることが出来たらしい。アニメでの彼の人格を占める憎悪の正体は、母親を惨たらしく殺した村人たちへの物であり、弥子の推理曰く無意識に復讐を行っていたとされる。
Xは自身の正体が自分がネウロと同じ魔人なのではと考えていたが、それはネウロから否定されている。またアニメ版においてのみ、明言はされてはいないものの弥子の父・誠一との親子関係、及び弥子との異母兄妹又は姉妹関係が示唆される。
最後は南米での遺跡にてネウロとの戦いに敗れ一度は笹塚達警察に確保されるも翌日には姿を消し、その後の行方は不明。