悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される
あくやくれいじょうはりんごくのおうたいしにできあいされる
婚約破棄を言い渡され、国外追放されるはずだったティアラローズ。
「ここって、私がプレイしていた乙女ゲームだ!」
そう思い出したのは、物語エンディングの前日だった――……。
断罪されるのを待つしかない?
でも、そんなに酷いことをしていないのだけれど……。
そうは思うけれど、エンディングは進む。
しかし、断罪イベント中に――ゲームではありえなかった出来事が起こる。
隣国の王太子が、悪役令嬢であるティアラローズに求婚をしたのだ。
小説家になろうで連載されているウェブ小説。著者はぷにちゃん氏。
B's-LOG COMICSより書籍化及びコミック化されている。
既刊はそれぞれ、書籍版が9巻、漫画版が5巻。
元の乙女ゲームの設定などが歴史や文化といった形で存在する中世ヨーロッパ風の魔法や妖精が存在する世界が舞台。「アイテム」「攻撃魔法・防御魔法」といった「ゲーム世界を舞台にした異世界転生もの」の要素も取り入れた作風で、主人公と婚約者は様々な出来事を乗り越え、愛を深めていくストーリーとなっている。
ラピスラズリ王国の侯爵令嬢ティアラローズは、王立ラピスラズリ学園の卒業パーティの最中、婚約者であるラピスラズリ王国第一王子ハルトナイツより婚約の破棄と国外追放を宣言される。ゲームのエンディング通りの展開に途方に暮れていたところ、ゲームには登場しなかったはずのマリンフォレスト王国第一王子アクアスティードが突然乱入し、ティアラローズにプロポーズをしたのだった。
ネタバレ防止のため小説家になろう版第2章までのキャラクターを紹介する。
ラピスラズリ王国
アレクサンダー・ラピスラズリ・ラクトムート国王が治める国家。乙女ゲーム『ラピスラズリの指輪』の舞台。
- ティアラローズ・ラピス・クラメンティール
本作の主人公。有力貴族である”ラピス”の称号を持つクラメンティール侯爵家の令嬢。ラピスラズリ王国第一王子ハルトナイツの婚約者で、次期王妃とされていた。愛称は「ティアラ」。
王立ラピスラズリ学園の卒業式前日に、この世界が自身が生前にプレイしていた乙女ゲーム『ラピスラズリの指輪』であること、自身がハルトナイツに婚約破棄と国外追放を言い渡される悪役令嬢であることに気が付く。
転生の影響で、記憶を取り戻す以前のティアラローズはゲームのような酷い言動をしておらず、むしろ次期王妃に相応しい教養や礼儀を備えた人望が厚い人物であったため、ハルトナイツに婚約破棄を言い渡されたときもティアラローズを気遣い擁護する人物がほとんどだった。
穏やかながら芯の強い性格。記憶を取り戻した後も人格は変わっていないが、ゲームの世界との共通点に興味を示すなどオタクな部分は再燃している。また前世の趣味であったお菓子作りも再開しており、侯爵令嬢であるにもかかわらず厨房に立つためしばしば周囲を驚かせるものの、出来上がる先進的なお菓子は非常に好評で、国の食文化のレベルを引き上げるのに役立っている。
ハルトナイツ以外の男性と付き合ったことがないため色恋沙汰に免疫がなく、アクアスティードの熱烈なアプローチには赤面してたじたじになってしまう。
- ハルトナイツ・ラピスラズリ・ラクトムート
ラピスラズリ王国第一王子。ティアラローズの元婚約者。
次期国王として期待されているが、勉学や社交経験など至らない点が数多くある人物であり、ティアラローズからは事あるごとに諌められていた。在学中にアカリと恋に落ち、アカリの言い分をろくに調べることもなくティアラローズを断罪、婚約破棄と国外追放を宣言してしまう。後にティアラローズが国や自分のためを思って行動していたことに気が付き後悔するが、もはや手遅れであり、国王から王位継承権の剥奪を宣言され、婚約は正式に破棄されることとなる。
- アカリ
ラピスラズリ王国の伯爵家の令嬢。ゲームではプレイヤーキャラクターである人物。貴族の令嬢としてはあまりに社交界のルールに疎く、見かねたティアラローズが注意していたのだが、それを脚色してハルトナイツに告げ口し、彼にティアラローズとの婚約を破棄させ、代わりに自身との婚約を宣言させた。
正体は転生者で、アカリもまた前世の記憶を持ち、『ラピスラズリの指輪』の世界に生まれ変わったことに気が付いている。その知識をもってハルトナイツを篭絡しティアラローズを追放しようとするが、ゲームに登場しなかったはずのアクアスティードの乱入などで計画が狂い、自身も今回の騒動を起こした厄介者として幽閉されてしまう。
後に改心し「親友」としてティアラローズと交際を続けている。元は相当なオタクであったためゲームのイベントやアイテムには詳しく、そういった知識をティアラローズに伝え、危機や事件を解決するための手助けをしている。
- フィリーネ
ティアラローズ専属の侍女。幼い頃から姉妹の様に育った間柄で、気心の知れた仲。ティアラローズの命令には絶対的に従うが、彼女の危機や窮地にはたとえ命令に背いてでも献身する覚悟を持った忠臣。婚約の破棄を宣言したハルツナイトやアカリを非常に嫌っており、ティアラローズが許しても彼女は許してくれない。
マリンフォレスト王国
ラピスラズリ王国の隣国にある、ソティリス・マリンフォレスト国王が治める国。乙女ゲーム『ラピスラズリの指輪』の続編の舞台。海と森に恵まれた地でラピスラズリ王国ではほとんど姿を見せない「妖精」が多数住まう国でもある。
- アクアスティード・マリンフォレスト
マリンフォレスト王国第一王子。愛称は「アクア」。王立ラピスラズリ学園には1年間だけ留学にきており偶然にティアラローズを見初めていた。ハルトナイツの婚約者であるためその恋は半ば諦めていたが、彼が婚約破棄を宣言したため、咄嗟に割って入りティアラローズに婚約を申し込んだ。
政治や王族としての執務をこなしつつ剣術や魔法も騎士以上の実力を持つ文武両道の天才であり、内外の評判も高い英傑。ティアラローズのことを非常に愛しており、彼女のことになると頭に血が上りやすくなるなど強い独占欲を見せる一方で、彼女の嫉妬など心の機微には鈍感なところがある。
- エリオット
アクアスティードの側近の執事。元は諜報員で、執事としての腕前もさることながら、情報収集や護衛としての能力も高い。が「アクアスティード王子ほどではない」と自己評価している。
- アイシラ・パールラント
マリンフォレスト王国の令嬢。『ラピスラズリの指輪』続編の主人公に該当する人物。マリンフォレスト王国内で最も海の妖精に愛されている人物として重用されており、アクアスティードとも親しい。普段は浜辺の管理や、アクアスティードの執務の補佐をしている。天真爛漫な性格で、ティアラローズとも仲良くなることを望んでいる。
妖精
マリンフォレスト王国に住まう超自然的な存在。蝶ほどの大きさで、子供のような姿と言葉遣いをしている。「森」「海」「空」の3種類の妖精が存在し、気に入った人間には様々な恩恵が得られる「祝福」を与えるため、マリンフォレスト王国においては生活や文化に妖精の存在が根付いている。妖精を束ねる存在として「妖精王」がおり、それぞれが人間のような姿を持ち、大自然の力を行使する絶大な権能を有する。人知を超越した存在でありながらも人間のような人格を持つ。
- キース
森の妖精王。気まぐれで俺様気質な性格の持ち主。豪胆だが意外と面倒見の良い性格で、事あるごとに王宮に顔をだしている。ティアラローズのことを気にいり、彼女に祝福を与える。
- パール
海の妖精王。幼い少女の姿をしている。人間を好んでいない。
- クレイル
空の妖精王。美女の姿をしているが本当は男性。アクアスティードに祝福を与えている。
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました :なろう出身の「悪役令嬢」作品。元のゲームの設定の通りに事件が発生し主人公たちがその解決に奔走する点や、本ヒロインが転生者で、当初は敵対するものの最終的に協力関係になるところなど類似点がある。
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