概要
その発症がにわかに注目されるようになった感染症に対する総称。
通常は新興感染症例は局地的あるいは、人物の移動による国際的な感染拡大が公衆衛生上の問題となるような感染症について取り上げられる。
一説では、現在30種類が存在するといわれている。
病原体としてはウイルス、細菌、スピロヘータ、寄生虫など様々で、ウイルスによるものとしてはエイズ、エボラ出血熱、ラッサ熱などがある。
世界保健機関(WHO)の定義によると、新興感染症は「かつては知られていなかった、この20年間に新しく認識された感染症で、局地的に、あるいは国際的に公衆衛生上の問題となる感染症」とされている。この定義は1990年に初めて発表されたものであり、1970年以降に発生したものが新興感染症として扱われている。
なお、類似した概念として再興感染症がある。
新興感染症とされる主な感染症
細菌
ウイルス
- 鳥インフルエンザ
- 2009年に流行したH1N1型新型インフルエンザ
- 新型コロナウイルス感染症 : SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、COVID-19(2019年新型コロナウイルス)
- ノロウイルス胃腸炎
- ロタウイルス胃腸炎
- A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎などのウイルス性肝炎
- ハンタウイルス感染症(腎症候性出血熱)
- エボラ出血熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱などの出血熱
- 後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)
寄生虫
- クリプトスポリジウム感染症