作品解説
副題を付けるならば『東方遊星龍 ~ Everlasting Stardust Evolution』
遊星龍の名も、原作の東方シリーズの主題である『東方○○○』の中にある6面ボスのアナグラム(神霊廟なら神子(神)、輝針城なら針妙丸(針)の様に)と同様、主人公の不動遊星とそのエースモンスターであるスターダスト・ドラゴン(星龍)の二つが入ったタイトルとなっている。
そして副題のEverlasting Stardust Evolutionもそれぞれ
Everlasting:果てしない
Stardust:星屑
Evolution:進化
と言う意味があり、直訳すれば「果て無き星屑の進化」となり、遊星がこれまでスターダスト・ドラゴンと共に歩んで来た進化の軌跡をそのまま表現した物である。
2008年から2011年にかけて放送された遊戯王シリーズ第三弾「遊戯王5D's」の主人公・不動遊星の幻想入りクロスオーバー小説。作者である天道氏は元々5D'sが大のお気に入りであり、本作品を書く以前にもIS5D's(IS《インフィニット・ストラトス》〜絆を紡ぎ、運命を変える決闘者〜)なるインフィニット・ストラトスとこの遊戯王5D'sとのコラボ作品を書いており、当作品において遊星はISの世界で超人的な活躍を見せているが、第1話の説明でも天道氏は不動遊星の事を「私の大好きな主人公」と称している辺りからもその思い入れは尋常ではない。(因みに時系列は神霊廟前後)
今回この作品を書いたのも、2014年12月6日に遊星デッキの強化版とも言うべき「シンクロン・エクストリーム」の発売がきっかけである。残念ながらジャックやアキ達他の5D'sメンバーや、原作の彼らの敵である地縛神やイリアステル達は登場しないが、その分作者の補正によって遊星が幻想郷の猛者達をも凌ぐ程の超人振りを発揮して大活躍するので、天道氏の作品を知る者で興味のある方は是非ともご一読しては如何だろうか?
(尚、天道氏は本格的な異変との戦いが幕を開ける17話からタイトルを東方5D'sより、本タグと同名の物に改題している。)
主な登場人物
二つ名 サテライトの流れ星、チーム5D'sリーダー、絆の決闘者
能力 進化の力を操る程度の能力、絆を結ぶ程度の能力、運命を変える程度の能力、赤き竜の力を操る程度の能力
言わずと知れた遊戯王5D'sの主人公にして本小説の主役。因みにDホイールは最終決戦仕様で空を飛べる為、空での弾幕ごっこも出来なくもないだろう。詳しい説明は本編第4話を参照されたし。
ストーリー概要
第一章 遊星の幻想入り
ゾーンとの戦いの最中、突如現れたスキマに飲まれた遊星。気が付くと其処は幻想郷と呼ばれる見慣れぬ異世界だった。現れた紫と博麗神社の巫女である博麗霊夢から幻想郷について、そして2人に自身についてそれぞれ情報交換をする遊星。そしてシグナーに力を与える伝説の赤き龍の力で自身のスペルカードを生み出すと、やって来た魔理沙と弾幕ごっこを行い己の実力を異変解決の主役達と、幻想郷の管理者に誇示する。星の龍を操る彼を同じ星の魔法使いとして気に入る魔理沙……突如幻想郷に現れた彼を取材せんと乱入する射命丸……。
一癖も二癖もある灰汁の強い幻想少女達に囲まれながら、絆のデュエリストの波乱な幻想ライフが此処にスタートするのだった。
第二章 幻想なる者達との邂逅
魔理沙に案内されて人里へやって来た遊星。寺子屋の教師にして半獣の上白沢慧音、香霖堂の店主にして半妖の森近霖之助と、人と掛け離れた存在にあって人間と比較的友好的な人物との出会いから物語は動き出す。中でも香霖堂で売られていたデュエルモンスターズのカードを注目すると、其処には作者である天道氏が本作品を書くきっかけとなったデッキ「シンクロン・エクストリーム」が売られていた。当然これに目を付けて手に入れる遊星だが、受難は直ぐ其処まで迫っていた…。
後日、射命丸の新聞である「文々。新聞」で自身を早苗に次ぐ「新たな現人神」と大々的に報じられてしまう遊星。幻想郷からの洗礼と言わんばかりに彼を試す為に現れる紫の式神・八雲藍。
彼女との戦いで負傷した遊星は、永遠亭の月の頭脳・八意永琳から治療を受ける。
自分達月の民に近い体質として興味を抱く永琳…、スターダスト・ドラゴンへの惚れ込みから遊星に求婚する蓬莱山輝夜…、永遠の時を罪の意識と共に生きる者と、儚き命を絆と未来の為に生きる者との魂の交流が此処では描かれる。
その後、輝夜からの求婚を妹紅の協力もあって振り切った遊星の前に、彼と最も気の合う盟友・水棲のエンジニアこと「河城にとり」との出会いが訪れる。彼女の協力によって弾幕ごっこ用の新装備を開発する遊星。現れた自称最強の氷精チルノとの勝負でエンシェント・フェアリー・ドラゴンを召喚してこれを下すも、直後にドSと名高い花の妖怪に目を付けられてしまう……。
第三章 死闘…激闘…そして……目覚める龍の力
突如遊星の前に現れた幻想郷屈指の実力者にして花の妖怪・風見幽香。腕試しと称してルール無用のデスマッチを遊星に仕掛ける彼女は、その強大な花の力で遊星に襲い掛かる。ウォリアー達で応戦するも次第に追い詰められる遊星だが、此処で彼はあのドラゴンを呼び出す。そう、「遊戯王5D's」をご覧になった者なら皆ご存知のあのヒロインのエースモンスター・ブラック・ローズ・ドラゴンを召喚したのだ。これとウォリアー達の絆の力によって逆転勝利を掴んだ遊星だが、ブラック・ローズ・ドラゴンの事で元の世界の仲間で想い人の十六夜アキの話を聞いた幽香は彼に興味を抱き、何と仲間になってしまう。
遊星の気質ならと納得する魔理沙だが、受難はまだ終わっていなかった。
突如要石と共に上空から乱入して来た天人の比那名居天子。不良天人で人を怒らせる天才である彼女から事もあろうに遊星は勝負を挑まれてしまう。先の幽香との勝負で満身創痍の彼を守ろうとする魔理沙達だったが天子は事も無げに翻弄。遊星を仕留めようと襲い掛かるが、それを庇ってチルノが緋想の剣で刺殺されてしまった。(後でまた復活するが)
その光景に仲間を守れなかったと心を痛める遊星とそれを嗤う天子。だが、これが彼の中に眠る、幻想郷全体を揺るがす程の力を目覚めさせるきっかけになったと誰が予測しただろう。
シグナーの守り神である赤き竜の力を全開で開放した遊星は、何とチーム5D'sの操るシグナーの竜達を一斉召喚。幻想郷をも揺るがすその力で天子を粉砕してしまう。
解き放たれた遊星の力に引かれて霧の湖に幻想郷の猛者達が集結する中、遊星の身を案じて駆け付けて来た霊夢とアリス、紫と華扇。更に其処へ竜宮の使いである永江衣玖がやって来て、龍神の言葉が告げられた。何と「未知なる6つの闇の力」が蠢いており、それ等は幻想郷を滅ぼし得る程の脅威だと言う………。
第四章 紅魔館に蠢く闇
来るべき脅威へ向けて作戦会議を開く遊星と霊夢達幻想郷のバランサー達。其処へスターダスト・ドラゴンのカードを持って東風谷早苗が乱入して来る。アニメで彼の存在を知っているとメタな発言をかました後、宝物として持ち歩いているそのカードに遊星からのサインを求める早苗だが彼はこれを承諾。それに対する異変解決の協力要請に早苗は嬉々として同意する。
其処へ紅魔館のメイド長十六夜咲夜がやって来る。主であるレミリア・スカーレットの命を受け、霧の湖の一件に興味を抱いた彼女の為に、遊星を紅魔館での茶会に招待したいと言うのだ。
警戒する霊夢達だが、遊星は異変解決の為の協力者を増やすチャンスとばかりにこの招待を受諾。魔理沙と早苗の協力の下、翌日紅魔館へと足を運ぶ。門番の紅美鈴を始め、時を操るメイド長の十六夜咲夜、そしてスターダスト・ドラゴンに興味を抱いたレミリア、そして同じく遊星に興味を抱く大図書館の主パチュリー・ノーレッジ・・・・・・だが、異変は直ぐ其処まで迫って来ていた。幻想郷を滅ぼし得る6つの闇の力・・・その内の1つがレミリアの妹のフランドール・スカーレットの内に宿っていたのだ。6つの闇の内の1つである魔王龍 ベエルゼはフランを内に取り込むと、直ぐに咲夜に深手を負わせ、レミリア達にも牙を剥いた。遊星は場を魔理沙と早苗に預けると、速やかにスターダスト・ドラゴンの力で負傷した咲夜を永遠亭まで護送、博麗神社にもジャンク・ウォリアーを派遣して救援を求めると共に、ジャック・アトラスの魂とも言うべき龍・レッド・デーモンズ・ドラゴンを召喚し、スターダストと共にベエルゼと対峙する。
関連項目
シンクロン・エクストリーム - 作者が本作品を書くきっかけとなったデッキ
その他の天道作品
英霊の祠 - ミュウツーの逆襲から神速のゲノセクト_ミュウツー覚醒までの十六作品の映画でのサトシとピカチュウの活躍をアニポケのXYメンバーで見ると言う内容のポケモンSS小説。だがその醍醐味は主として、XYヒロインにしてサトシloveなセレナの暴走と、無印以降のシリーズを一緒に見るゲストのヒロイン(ハルカやヒカリ)との修羅場だろう。