湿気の森の人形師
しっきのもりのにんぎょうし
紅い霧に包まれた世界のアリス・マーガトロイド。
ご存知の通り本来のアリスは終わらない冬の異変から現れるはずの存在……なのだが、このアリスは紅い霧の異変が発生している最中に表立って活動している。これは本人も「異常事態」としている。元々「もう少し大人なボディで目覚めるつもりだった」らしいが、紅い霧の異変が終わる前に目覚めてしまったため昔と同じ子供の姿となっている。
紅霧異変をいつまでも解決できない霊夢と魔理沙に何か思うところがあるらしく……
魔界時代から用いている小さな人形には『ベリア』と『ネビラ』の名前が与えられていたらしく、描写から今は別の名前で呼ぼうとしている様子。
容姿は『怪綺談』のアリスをベースに、『妖々夢』のアリス・マーガトロイドの衣装のようにケープのようなものを羽織っていて、青・赤・白のトリコロールカラーを成立させている。
「全力を出してしまうと後がなくなる」と考えている点は本来のアリスと同じだが、性格は本来のアリスよりやや好戦的な傾向にある。
実装形態 | フェス限定 |
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式 | 妨害式 |
気質 | 霰 |
拡散 | [紅]上海人形 |
集中 | [紅]レインボーワイヤー |
スペカ1 | 人形『呪術人形』 |
スペカ2 | 騎士『円形劇場夢想』 |
ラスワ | 『グランギニョル・コクリコ』 |
予定より早く目覚めたアリスのテーマ曲は、Melodic Tasteの「Alice of Alice」。原曲は「ブクレシュティの人形師」と「人形裁判 ~ 人の形弄びし少女」。
台詞は東方紅魔郷……にはアリスは登場しないので、主に東方怪綺談のものがオマージュされている。このほかにも、昔とは違うスペルカードルールでの決闘を楽しむような台詞も見受けられる。
- 「そこまでよ!全員今すぐおとなしくさせてやる!」「やりすぎじゃない?」→「そこまでよ!」(3面・自機:共通)、「あなた、少しやりすぎよ。もう少しおとなしく出来ないの?」(3面・自機:博麗靈夢・霧雨魔理沙)
- 「邪魔するなら、覚悟はできてるんでしょうね!」→「人間がここにきたってことは、覚悟はできてるんでしょうね!!」(3面・自機:博麗靈夢)
- 「私に挑む自信は何処から出てきたのかしらね?まぁいいけど。」→「その自信は何処から来るのかしら? とにかくいくわよ!!」(3面・自機:博麗靈夢)
- 「究極の魔法が通用しないなんて……くっ、何者なのよあなたは。」→「究極の魔法を記した本を手にいれたのよ。/究極の魔法で、あなたをやっつけてあげるわ!!/遊んであげるわよ! 究極の魔法でね!!」(Extra・自機:霧雨魔理沙・魅魔・幽香)、「なにものよ、あなた……。」(3面・自機:博麗靈夢)
- 「負けないわ!」→「今度こそ負けないわ!!」(Extra・自機:霧雨魔理沙)
- 「私はやる気よ。」「静かにしなさい!」→「もちろん、やる気よ!もっと、静かにして貰いたいわ!!」(3面・自機:魅魔)、「なにしに来たのよ!もっと、静かにして貰いたいわ!!」(3面・自機:幽香)
- 「味わさせてあげる!」→「いやでも、味わさせてあげるわ!!」(Extra・自機:霧雨魔理沙)
- 「しくしくしく、泣いています〜」→「しくしくしく。」(3面・自機:霧雨魔理沙・魅魔・幽香)
アリス「……その姿!まるで私の真似をしたらどこかの誰か……。」
「ああ、そう。もう分かったわ!私の運命とか、立ち向かうべき私自身とか!そういうことが言いたいんでしょう!」
メインストーリー第2章EXの「紅魔塔ガイ伝 完結編」でこのアリスの『複霊』が登場。片方は本物ではないものの、別世界のアリス同士で戦いを繰り広げることになる。
ちなみに[紅]アリスの複霊が登場したストーリーは、何故か二人の記憶に食い違いが発生することがわかる回で、
- 魔法少女のアリスは(ロストワードの影響で)◾︎◾︎◾︎の名前だけ忘れているが「◾︎◾︎◾︎が魔界に冒険しに来た時」をよく覚えている。
- しかし紅夢の魔女はアリスのことを覚えてない上で「冒険は霊夢と一緒の子どもの遊び程度のものだけで、魔界になんて到底行けない」としている。
このことから紅夢の魔女は「星よりも遠い場所から送り届けられる運命に何かが起きているかもしれない」と憶測を立てているが……。
気質は「霰」。雲から降る氷塊のうち、雹よりも小さいもののこと。
原作の設定上で「怪綺談のアリスと妖々夢のアリスは同一人物」とされていることから、「その中間である『紅魔郷のアリス』が存在していたとしても時系列的におかしくはない」という発想から生まれた存在と思われる。
小ネタ
ショット・スペルカード
ショットは東方永夜抄と東方地霊殿からの採用。『上海人形』自体は通常のアリスも使用できる。
スペルカードは東方非想天則のストーリーモードCPUが使用したもののアレンジ。いずれも試験中のゴリアテ人形の前座として用意されたスペルカードである。
スペカ1の人形「呪術人形」は人形「セミオートマトン」のアレンジ。「セミオート」は「半自動式の〇〇」という意味、「オートマトン(オートマタ)」は自動人形のことで、セミオートマトンは『半自動式の人形』を意味することになる。「半自動→アリスが魔力で動かしている→呪術」という連想からこの名前になったと思われる。
スペカ2の騎士「円形劇場夢想」は騎士「ドールオブラウンドテーブル」のアレンジ。アレンジ元である騎士「ドールオブラウンドテーブル」は、「騎士」の符名とラウンドテーブル(円卓)の名前が『アーサー王物語』においてアーサー王に仕えたとされる騎士「円卓の騎士」を元ネタにしている。
このスペルカードの名前にある「円形劇場」は、演技空間を中心に円く取り囲むように観客席を配置した劇場、主にサーカスなどに使われる。
スペカ1の解説文に「まさにエニグマティック」という一文があったり、スペカ2のバレット名が何故か『鳥人間』となっていたりと、CD『蓬莱人形』のストーリーを意識したようなネタも詰め合わされている。
- 「ああ、あの人形、どうにかして早く捨てたいのに。だって、あの蒼い目。時折黒い鴉がくわえて持ってっちゃうのよ? あの目は本物の目よ。いつも、私が新しい目を入れるんだから。」
(『蓬莱人形』プレス版(C63配布)「エニグマティクドール」)
- 「さて、お次は鳥人間の登場だよ。この鳥人間、なんと人間と、遥か南の国にしかいない世にも珍しい、ゴクラクチョウとの間に生まれた子供だよ。親はとっくに死んじまって、可哀想な孤児だったのを、うちの劇団で助けてあげたって訳だ。えらいだろう?」
(『蓬莱人形』プレス版(C63配布)「サーカスレヴァリエ」より)
ラストワードの名前に使われた言葉『コクリコ』はヒナゲシのフランス語での名前。なおテキストでは「コクリコの赤は『マーガレットの白』『コーンフラワーの青』と合わせて『友愛、自由、平等』の三色とされている」と解説されている。
「ネビラ」と「ベリア」の改名
元々の人形に付けていた(と思わしき)「ネビラ」と「ベリア」の名前の元ネタは『真・女神転生』シリーズの堕天使ネビロスと魔王ベリアルと思われる。この2人は旧作のアリスのキャラクター像に大きな影響を与えた魔人アリスと大きく関係しているキャラクターでもある。
魔王ベリアルの方は「真・女神転生」において魔人アリスを守るための結界を張っていたが、このアリスが持つ人形のデザインモチーフとなった『怪綺談』の小さな使い魔(?)は、3面やExtraではアリスの体力が少なくなった時に二体でアリスを守るバリアを張る。
ホーム画面では2体の人形の名前をネビロスから上海人形、ベリアルから蓬莱人形に意地でも改名しようとしている。創造者の大きな力が働いているのか、それとも……。
斑にマーガレット、七色の人形使い(東方ロストワード)・・・同じく並行世界のアリス・マーガトロイド。