解説
火炎放射戦車(Flame tank)は、火炎放射器を搭載する戦車。
陣地やトーチカ、建築物や森などに潜む敵歩兵・対戦車砲の排除を主任務とするが、敵に対して灼熱の炎に焼かれることへの恐怖を煽るような効果も発揮し、白旗の掲揚を促進させた。
一方、敵の兵士から向けられる敵愾心・ヘイトが非常に大きかったことから、火炎放射戦車に搭乗する戦車兵が捕虜となった場合、非常に残虐な措置が執られる場合も多かったという。
戦前の戦間期から第二次世界大戦期に多くが開発・運用されたが、戦後の冷戦期には対戦車ロケットの性能向上や対戦車ミサイルの実用化などにより歩兵の携行可能な対戦車兵器が長射程化。
火炎放射攻撃は元来射程が短いためこれに対抗できず、結果として火炎放射戦車の新規開発も低調となっていった。
代表的な火炎放射戦車
イタリア
ドイツ
- II号火炎放射戦車(Flammpanzer II):原型はII号戦車。約150輌が生産された。
ソ連
アメリカ
イギリス
- チャーチル・クロコダイル:チャーチル歩兵戦車の火炎放射戦車型。火炎放射用燃料積載の専用トレーラーを牽引する。