概要
日本の福岡県太宰府市の東北に立つ霊山・宝満山に所在する神社で、祭神は主祭神に玉依姫命、相殿神に神功皇后と応神天皇が祀られ、このうち玉依姫命は元々の祭神で、神功皇后・応神天皇はのちに合祀された。
別名『宝満宮』『竈門宮』とも称され宝満山がかつての大宰府の鬼門(東北)の位置にあることから、鬼門封じの『大宰府鎮護の神』としても崇敬された。
社殿は宝満山の山頂にある上宮と、山麓の下宮で形成されており、かつては山腹に中宮もあったが、明治時代に入り廃絶にされている。
平安時代以降は神仏習合が進み、西国における天台宗の寺院で代表的な存在であった神宮寺(神社に附属して建てられる仏教寺院や仏堂)である『大山寺(竈門山寺・有智山寺とも)』と一体化し、更に修験道の有数の道場も形成されたていた。
明治期において、神仏分離令による神社・仏閣の明確化によりこれら仏教施設は廃されたが、山の開祖である心蓮上人の1300年忌を期に、宝満山の山伏の末裔たちが中心となって『宝満山修験会』が再び結成され、毎年5月には峰入りや採燈大護摩供など修験道の行事が厳修されるようになった。
『鬼滅の刃』ゆかりの地
実はこの神社は、週刊少年ジャンプで連載された吾峠呼世晴氏の人気漫画『鬼滅の刃』ゆかりの地である。
福岡は吾峠先生の地元で、主人公である竈門炭治郎とヒロインの竈門禰豆子の兄妹及び家族である竈門家の名字はここから取られたと思われる。また、炭治郎が鬼殺隊の隊服の上に着ている市松模様の羽織は、毎年行われる修験道の行事で修験者たちが着ている法衣がモチーフのようで、同じ模様をしている。
こうした経緯から、竈門神社は鬼滅ファンたちの聖地のようになっており、アニメ版の放送を機に人気が爆発してからは、多くの参拝者が訪れるようになったという。
神社側も受け入れており、社務所の中には様々な色のマッキーペンが置いてあり、絵馬に思い思いの鬼滅イラストを描けるようになっており、絵馬掛け所がほとんど鬼滅イラスト板と化している。