概要
『銀魂』、『イクシオンサーガDT』などを手がけた高松信司によるオリジナルアニメ。
第1期は2015年1月より3月までテレビ東京、テレビ愛知、テレビ大阪、AT-Xで全12話が放送された。
全体的にやり過ぎなほどぶっ飛んだ作風に定評のある高松監督の作品だけあって、シュールな会話やメタネタ、突っ込みどころの多すぎる展開が連発されるのが最大の特徴。
そもそもの企画からして
『ポニーキャニオンになんか売れるアニメを作れと言われたので男子が裸で泳ぐ流行りのアニメみたいに裸でお風呂に入れたりしたらいいかな』
と思って作られたらしい。そりゃこんなんになりますわ。
とはいえ、ヒーローもののお約束にしっかり則った戦闘シーンや、前述の通りの見せ場である入浴シーンなどはなかなかどうしてきちんと作られている。
いわゆる「日常系」のフォーマットに変身ヒーローの要素を取り入れた新感覚のアニメといえよう。
2015年8月9日開催のイベント「美男高校地球防衛部LOVE!祭!」にて、第2期制作決定が発表された。
キャストらもTwitterで喜びを表していたがあの人は安定のテンションの低さである。(当時白井はTwitterをやっていない)
第2期のタイトルは『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!』。よく見ると第1期とLOVEの字体が違う。
2016年7月より9月まで、第1期をネットした各局に加えてBSジャパンでも放送された。
2017年3月18日開催のイベント「美男高校地球防衛部LOVE!LOVE! ALL STAR!」にて、劇場先行型のOVA制作決定が発表され、『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!LOVE!』のタイトルで同年8月26日より3週間限定で劇場上映された。DVD・BDは同年11月15日発売。
2018年には、キャラクターを一新した新シリーズとして『美男高校地球防衛部HAPPY KISS!』の制作が発表された。2018年春アニメとして放送されるが、第2期の放送局からBSジャパンが離脱している。
またメインキャラクターを演じる5人の声優は今でこそ人気アニメの主要キャラを務めるが当時、全員ほぼ無名に近い若手たちだった。反して、敵キャラやゲスト怪人などは主役級クラスを演じることの多い豪華声優であることも本作品の特徴の一つ。
物語
とある県の眉難(びなん)市にある男子高校、眉難高校に通う箱根有基ら五人の高校生の前に、突如として現れたピンクのウォンバット。
「愛に溢れたこの地球を守りたい」とか何とか言い出したウォンバットにより、五人は愛の力で戦う愛の王位継承者・バトルラヴァーズに(無理矢理)任命されてしまう。
こうして地球を守るハメになった地球防衛部、もといバトルラヴァーズは、緑のハリネズミ・ズンダー率いる生徒会もといカエルラ・アダマスが送り込む怪人と戦うのであった。
登場人物
前述の企画経緯からか、主要登場人物の苗字は日本の有名温泉地から取られている。
地球防衛部(何もしない部)
箱根有基 / バトラヴァ・スカーレット CV:山本和臣 / 演:赤澤燈
由布院煙 / バトラヴァ・セルリアン CV:梅原裕一郎 / 演:五十嵐麻朝
鬼怒川熱史 / バトラヴァ・エピナール CV:西山宏太朗 / 演:越智友己
鳴子硫黄 / バトラヴァ・サルファー CV:白井悠介 / 演:高崎翔太
蔵王立 / バトラヴァ・ヴェスタ CV:増田俊樹 / 演:荒牧慶彦
ウォンバット CV:麦人
防衛部の面々をバトルラヴァーズにした張本人。
見かけはピンクのウォンバットだが、実は地球外生命体であるらしく、母星及び本名は地球の言葉では発音できないため便宜上『ウォンバット』と呼ばれる。
語尾に『マッチョ』をはじめとしたよくわからない言葉をつけるのが癖だが、これらは全て演じる麦人氏のアドリブ(事実、小説版では独特の語尾を一度も使用しない)。第2期では比較的控えめになった。
征服部(生徒会)
草津錦史郎 / オーアイト CV:神谷浩史 / 演:前山剛久
下呂阿古哉 / ペルライト CV:寺島拓篤 / 演:柏木湊太
ズンダー CV:安元洋貴
緑のハリネズミの姿をした地球外生命体。
生徒会にカエルラ・アダマスのシュヴァリエとしての力を与え、地球征服を狙う。カタツムリが好物。
語尾に『ダー』をつけて話すがこれは意図的につけているもので、ヒレアシと話す時は敬語を使う。
その他
有基の兄。有基からは『強羅あんちゃん』と呼ばれている。
寡黙で考えが読みづらい人相だが、有基のことを誰よりも気遣う優しい兄。
銭湯『黒玉湯』の主人であり、常に薪を割っている。しかし、黒玉湯は源泉掛け流しの銭湯なので、ぶっちゃけ薪は必要ない。
俵山満願(たわらやま まんがん) CV:麦人
ウォンバットに寄生されている、防衛部の顧問の先生。
有基に追いかけられていたウォンバットに衝突されたせいで階段から落ち、瀕死の重傷を負う。
体内の高度な医療機械によって治療が進んでいるらしいが未だ意識は回復しておらず、ウォンバットから一定距離以上離れると生命活動が停止してしまう。7話で意識が回復するもバトルラヴァーズの誤解でまた仮死状態に。
話数が進むごとに体の変色が進んでしまっていたが、最終話でウォンバットらから生命を与えられて見事復活した。
しかし、第2期では命を取られて再び仮死状態に陥るが、最終話で再び命を与えられて復活を果たした。
城崎コウ(きのさき こう) CV:森久保祥太郎
マスコミ研究会(マス研)代表。
バトルラヴァーズの正体を暴くために、防衛部の面々を執拗に追い回す。そのしつこさは普段温厚なウォンバットもキレるほど。
田沢益也 CV:井口祐一
マスコミ研究会カメラマン。非常に寡黙だが、撮影になると饒舌になりいつもよりテンションが上がる。
ヒレアシ CV:大竹宏
マスコミ研究会で飼われている金魚型の地球外生命体。ズンダーの上司でもある。
一度、地球に来訪して番組の制作の為に怪人を生み出すも、先代のバトルラヴァーズによって滅茶苦茶にされて打ち切りを喰らう。今回は2度目の挑戦。
ハシビロ先輩CV:野島昭生
二期10話の回想から登場。一期の最終話でも少し出ている。
名前からわかるように見た目はハシビロコウ。
高校生時代の強羅の前に突如現れ、強羅を先代バトルラヴァーズにスカウトする。
ポロポロして食べにくいものは嫌いらしい。
怪人(無駄に豪華なゲスト)
知久和武(ちく かずたけ)/ちくわぶ怪人 CV:石田彰
第1話に登場。
何もかもが普通レベルの影の薄い高校生。
おでんの中でも一際目立たず存在意義すら疑われるちくわぶに己を重ね合わせ、センチメンタルな気分に浸っていたところを征服部に狙われ、ちくわぶ怪人と化した。ちくわぶの穴からだし汁を噴射する。ヤンキーみたいにやさぐれている。
橋田割男(はしだ わりお)/割り箸怪人 CV:小西克幸
第2話に登場。
何事もきっちり割り切れないと気が済まない高校生。
食堂の割り箸が何度割ってもきちんと割れず、怒りを露わにしていたところを征服部に狙われ、割り箸怪人と化した。謎の波動で割り箸が上手く割れなくして生徒の争いを起こさせた。また、体をバラバラにすることで相手の攻撃のダメージを無効化することが可能。
黒取持手男(くろとり もてお)/ブラックスワン怪人 CV:遊佐浩二
第3話に登場。
一人も部員がいない眉難高校バレエ部の顧問で、モテる自分が大好きな極度のナルシスト。
美男子コンテスト1位を狙っているが全く支持を得られず、誰かに愛されたいという強い願望を征服部に利用され、ブラックスワン怪人と化した。この怪人が放つラブフェザーが刺さると彼を愛さずにいられなくなる。
五十顔親治(いがらお おやじ)/美少年怪人 CV:鳥海浩輔
第4話に登場。
人呼んで「五十の顔を持つ男」。
貫禄的な雰囲気を醸し出すオッサン顔だが、実際は多感なお年頃のピッチピチの18歳。
高校生らしく青春を謳歌したいという悲痛な願いを征服部に利用され、美少年怪人と化した。怪人の作り出す空間では歳が若返ってしまい子供の姿にされてしまう。
宗佐円覚(そうさ えんかく)/リモコン怪人 CV:江口拓也
第5話に登場。
父親の言いなりになっていることへの不満を征服部に利用され、リモコン怪人と化した。
しかし、非常にあっさりと倒される。怪人態ではリモコンで様々なものを操るが、リモコンが手元になくなると一気に弱体化するため戦闘力は低い。
逸茂一番(いつも いちばん)/ネジ怪人 CV:鈴村健一
第6話に登場。
学年成績トップの優等生だが、語尾に「ダナ」をつけて喋るためか、周囲の評価は微妙。
成績は次点でありながらデキる男として持て囃されている鳴子に対し、強い嫉妬心を抱く。
期末テストでまさかの転落を味わい、絶望していたところを征服部に発見され、ネジ怪人と化した。怪人の体は半分がタンクで出来ておりタンクから砲弾を放ったりアームを使って攻撃する。
古見翔(こみ しょう)/ひきこもり怪人 CV:松岡禎丞
第8話に登場。
一日の大半を自室で過ごす典型的なひきこもり。ネットの世界を己の居場所としている。
ネットの掲示板で何気なく書き込んだ発言を散々いじられ、涙目になっていたところを征服部に狙われ、ひきこもり怪人と化した。この怪人の放つ波動は、仲の良い人間を仲違いさせる効果がある。
真桑ウリヤ(まくわ うりや)/メロン怪人 CV:緑川光
第9話に登場。
周囲の目が気になりつつも、気にすることが敗北だと感じる自意識過剰な高校生。
己の存在価値について哲学的に自問自答しているところを征服部に狙われ、メロン怪人と化した。怪人になっても前の姿の自己中心的な性格は変わらず、メロンの豆知識を教えようとわざわざ遠征に行かせようとする(蔵王のスマホで全部分かってしまったので来ても意味がない)。戦闘能力は皆無。
芽川類(めがわ るい)/メガネ怪人 CV:代永翼
第10話に登場。
気立てが良く爽やかなメガネ男子だが、実は腹黒であざとい性格。
突然のキャラチェンジで周りの生徒にちやほやされるようになった有基に嫉妬していたところを征服部に狙われ、メガネ怪人と化した。目から強力な怪光線を放ち、自分だけ可愛がれと強要してくる。
最終話に登場。
彼に捕らえられたヒレアシを救出するためにズンダーが放ったズンダーニードルによって、薪割り怪人と化した。巨大な斧を振り回して闘い、ラブアタックを無効化する程の圧倒的な戦闘力を誇る。特撮における最終回以前に登場する強敵の怪人ポジション。ダークヒーロー風な姿をしている。
ハリセンボン
最終話に登場。
防衛部と生徒会に番組の内容をめちゃくちゃにされたヒレアシとズンダーが用意した戦闘用ロボット。
ハリセンボン型のアニマルモードから人型のロボットモードの変形が可能で、ミサイルによる攻撃を行う。ただしミサイルの数は限りがある(ロケットパンチとか破壊光線とか、そんなもんは無い)。
上記以外にも最終話ではかつてヒレアシが生み出した怪人として、電球怪人、サボテン怪人、かき氷怪人が確認されている。
余談だが、ゲスト声優の一部は本物の特撮で出演経験がある声優が起用されている。また、レギュラーや準レギュラー陣にも少なくとも1人は参加している。(征服部に至っては全員出演)。
第2期では1期でゲスト出演した声優が起用されているが、本物の特撮でもよくあること。
スタッフ
音楽
- 『絶対無敵☆Fallin'LOVE☆』
歌…地球防衛部 作詞…hotaru 作曲・編曲…奥井康介
オープニングテーマ。第1話、最終話ではエンディングテーマとして使用された。
- 『I miss youの3メートル』
歌…地球征服部 作詞…hotaru 作曲・編曲…eba
エンディングテーマ。第2話から使用開始。また、第11話では2番が使用された。
- 『Just going now!!』
歌…地球防衛部、作詞…hotaru、作曲・編曲…eba
オープニングテーマのカップリング曲。第8話、10話、最終話で挿入歌として使用された。
他媒体展開
美男高校地球征服部LOVE!
無料コミックサイト『ぽにマガ』で連載された漫画。原作・馬谷くらり、作画・杜乃ミズ。
草津ら生徒会=征服部を主人公に、彼らの日常生活を描く。
美男高校地球防衛部LOVE!GAME!
2015年2月26日から2017年5月10日まで配信されたアプリゲーム。
ゲームでしか聞けない甘い台詞をウリに、オリジナルのストーリーが展開される。
美男高校地球防衛部LOVE!NOVEL!
2015年1月7日に発売された小説。著者は高橋ナツコ。
本作オリジナルの怪人や、媒体を活かして本編よりも深く掘り下げられた心情描写が見所。
美男高校地球防衛部LOVE!活劇!
2016年3月10日から13日まで、Zeppブルーシアター六本木で上演された2.5次元舞台。
DVD・BDは2016年7月20日に発売された。
関連動画
関連タグ
アイドリッシュセブン:本作の声優が何人もいる。
男版
同監督のアニメ作品
users入りタグ
美男高校100users入り 美男高校500users入り 美男高校1000users入り 美男高校5000users入り