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金田一少年の殺人

きんだいちしょうねんのさつじん

『金田一少年の事件簿』の長編エピソードの一つ。週刊少年マガジン1994年47号〜1995年11号掲載。
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概要編集

 『金田一少年の事件簿』File:10。単行本12~14巻に収録。長編では初めて「○○殺人事件」以外のタイトル方式になっており、以降の作品も「×××(人名)の殺人」というサブタイの場合にはたいがい冤罪である。

 アニメ版では1997年の秋に24~27話目として放送された。ドラマ化も複数回されており、初代こと堂本版では第2シーズン第4話として、五代目の道枝版では時代背景を2022年に再構築して第5話と第6話に分けて放送。

 『異人館ホテル殺人事件』以来、金田一への2回目の誤認逮捕であり、このエピソードでのプロ顔負けの行動力、そして美雪との約束を果たす粋さなどから特に人気が高く、公式ガイドブックによれば、これ以降も金田一がやたら危ない目に遭うのは本エピソードの冒険を反映してとのことらしい。

 また、この事件で初登場した佐木竜二、メイン格として再登場を果たしたいつき陽介明智警視(明智は一度再登場していたが)はこの後シリーズの準レギュラーとして度々登場する事になるという点でも重要な事件である。


あらすじ編集

 いつきの頼みで大物作家の橘五柳が開催した誕生日パーティに訪れた金田一一七瀬美雪。橘は社会悪を糾弾するノンフィクションを出版することを計画しており、その原稿をどこの出版社に載せるかで謎解きバトルが開始される。

 しかしその日の夜、突如として橘は殺害される。その現場に残されていたのは、金田一一の足跡のみ。このことから警察は、一を犯人と断定し逮捕する。


 だが一は自らの潔白を証明するために脱走し、たった一人で捜査を開始。

 ここまで窮地に一を陥れた真犯人「見えざる敵」とは、いったい何者なのか。


登場人物編集

橘五柳と関係者編集


パーティ参加者編集

  • 鴨下あきら(声:柏倉つとむ):「音羽出版」編集者。28歳。いつき陽介の知り合いで、一をパーティに呼んだ人。
  • 大村紺(声:水内清光):「飛躍社」社長。40歳。メガネに七三分けの関西人。金儲けに目がなく、針生とは険悪な間柄。ドラマ版では「赤帆紺」が相当する。
  • 時任亘(声:鈴木琢磨):「神田川出版社」編集者。24歳。腰の低い営業マン。
  • 野中ともみ(声:沢海陽子):フリーの編集者。26歳。一曰く「AV女優みたい」なお色気ムンムンの女性。スケベ橘にお色気攻撃を仕掛けた。
  • 都築哲雄(声:堀勝之祐):極東テレビのディレクター。52歳。ドキュメンタリー番組の雄と名高い。
  • 針生聖典(声:立木文彦):カメラマン。40歳。大柄で無精ひげを生やしている眼鏡の男性。過去に写真を流用された怒りで大村とは犬猿の仲。最近手術をした。
  • 桂横平(声:桜井敏治):橘から呼ばれて司会を任された落語家。30歳。あまり有名な方ではないとのこと。それぞれのドラマ版では女性タレントの「物部真理(堂本版)」、グラビアアイドルの「桂木優里柰(道枝版)」に差し替えられる。
  • 佐木竜二:かつて痛ましい事件で若い命を散らした佐木竜太の弟。外見は全く同じ。アニメやドラマでは(死ぬことのなかった)竜太がそのまま続投。後にレギュラーとして登場する。

その他編集

  • 長島滋長野県警捜査一課の警部。45歳。真犯人の罠にマンマとはまり、金田一を容疑者にしてしまった(某外伝では「ノーフューチャー! 日本の治安…ノーフューチャー!!」と真犯人から断言されていた始末)
  • 栗田:長島の部下。

怪人「見えざる敵」編集

 橘を殴り殺し、たまたまイタズラ謝罪に橘の部屋を訪れていた一に罪を被せ足跡一つ残さずに消えうせた謎の怪人。橘の残した暗号をもとに、カギとなる人物を次々に抹殺し、その罪を一に被せて行く。

 原作とアニメではマスクと帽子で顔を隠したコートの人物だが、ドラマ(道枝版)では何処にでも出入り出来て誰の印象にも残らない宅配業者に成り済ましている。うち堂本版では、この怪人名と姿は登場せず、「真犯人」としか呼ばれない。

 実はトリックを実行する際に危うく落ちかけたことが金田一外伝で明らかになった。


余談編集

この作品に登場する出版社のモデルは実在する出版社である。

・音羽出版…講談社(本社が東京都文京区音羽)

・飛躍社…集英社(週刊少年ジャンプジャンプを訳したもの)

・神田川出版…小学館(主に東京都の神田に拠点がある)

それなりに捻られているが、所在地をもとにした音羽と神田川はともかく、飛躍社は勘のいい読者からはバレるモノである。


関連タグ編集

金田一少年の事件簿

金田一少年の事件簿外伝犯人たちの事件簿

KINDAICHI:『水曜日のダウンタウン』内の企画。今回の真犯人の無茶なトリックを実際に検証している。

空想法律読本:『空想法律読本3』にて、明智警視の捜査方法の法的解釈を行っている。

絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜:道枝版で剣持を演じた沢村一樹主演のドラマ。このドラマの第5話に金田一を演じた道枝駿佑がゲスト出演している。本エピソードのドラマ版では金田一が剣持に銃を構えるシーンがあるが、『絶対零度』でも道枝氏演じる犯人が沢村氏演じる主人公に銃を構えるシーンがある(偶然にもこの時に道枝氏が演じた人物も金田一と同じく高校2年生である)。

 

飛騨からくり屋敷殺人事件 → 金田一少年の殺人 → タロット山荘殺人事件

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