概要
公道でのレースを主軸とした、NFSシリーズの作品。警察とのカーチェイスなども含めて、のちの作品のイメージを決定づけた作品とも言える。舞台はロックポート。レースが昼間に行われることはなく、作品での時間も日の出から日の入りまでをサイクルする。
システム
ブラックリストランカー(ボス)とタイマンを行い、全てのランカーを撃破して最終ミッションをクリアすることで、ゲームクリアとなる。ランカーとの対戦には「レース」「マイルストン」「バウンティ」の全ての条件をクリアする必要がある。以下その概要。
レース
一人で走るタイムアタック(トールブースと表記)や、普通の周回路レースであるストリート、1周ごとに最下位が脱落していくラップKO、1本道のコースでレースをするスプリント、強制的にMT操作で、車線変更のみで戦うドラッグ、コース上のオービス前を通過し、記録された合計速度を競うスピードトラップがある。挑戦できるイベントが複数用意され、その中から規定数以上のイベントで勝利をすることで条件達成となる。また、賞金も設定されるのでマシンのアップグレードができる。
マイルストン
ランカーごとに設定。「パトカー○台以上と接触して逃走」や「○分以上追跡されて逃走」など、難易度、内容ともにさまざま。これも複数用意され、その中から規定数以上達成で条件達成となる。自信のあるものからクリアしてみてはどうだろうか。なお、達成するとバウンティが加算される。
バウンティ
違反回数や内容などで加算される、懸賞金のようなもの。この額を相手よりも高くすることで挑戦権を得られる。額を上げるにはマイルストンチャレンジ達成のほか、パトカーの破壊、長時間の逃走など。
これら全ての条件を満たすことで、ランカーへの挑戦が可能になる。
VSブラックリストランカー
ランカーとは、設定された2つ以上のレースを競い、全てに勝利することで撃破となる。撃破するとマーカーを貰える。マーカーの中身は開けなければ分からないものと、何が入っているか分かるものが用意される。分からない方の中には相手の車を奪えるマーカーもあり、引き当てた場合はランカーの車を貰える。可能性に賭けて車を狙っても良し、堅実にパーツの入手を図ってもよし。そこはプレイヤー次第である。
追跡システム
バウンティチャレンジ、マイルストンチャレンジでは警察とのカーチェイスが発生する。
ヒートレベル
乗っている車ごとに設定されている、いわば警戒レベル。違反の回数が多ければ多いほどレベルが上がり、警察がより手強くなる。ヒートレベルを下げるためには、その車をセーフハウスに放置して別の車を使用したり、バイナルやボディキット、カラー、ホイール等外見の変更を行うことで対策が可能。
パトカー
警察のパトカーは、ヒートレベルによって変化する。最初はセダン(おそらくフォード・クラウンビクトリアやシボレー・カプリスがモデル)だが、やがてポンティアック・GTOになり、最後はシボレー・コルベットまでランクアップする。また、ヒートレベル5以上になると、バイナル入りの特別仕様コルベットに乗った巡査部長、クロスが参戦。3人1組の連携プレーでプレイヤーに攻撃を仕掛けてくる。さらに、要請があった場合には突撃用SUV「ライノ」が出動する場合もあり、突撃されたら文字通り吹き飛ぶ。
警察側の戦術
普通に追いかけてくるだけならいいのだが、なかなかに厄介な攻撃を仕掛けてくる場合もある。例えば警察に包囲され身動きが取れなくなる「ボックス」や、横一列に並んでブレーキングで攻撃される、ロードブロックやスパイクベルトの設置、ヘリコプターやライノの出動。それぞれに対策は可能だが、それでも厄介なことに変わりはない。警察側の動向は無線で知ることができるので、聞き漏らさないように注意すべきである。
逮捕
警察の目の前で身動きが取れない状態のまま、表示されているゲージが逮捕側いっぱいに振り切れると、逮捕となる。逮捕された場合には罰金を支払わなければならない。支払うと逮捕マークがつけられ、上限(デフォルトは3。ランカーとの対戦で入手できるマーカーで最大5まで引き上げ可能)に達すると車を押収される。ランカーとの対戦で手に入る「逮捕マーカー」を使用すると、罰金の支払いは不要でマークもつかない。また、他のマーカーを使用すると一度押収された車を取り返すこともできる。
警察への攻撃
もちろんプレイヤー側もただ逃げるだけではない。工事現場の足場、スタジアムの看板、ドーナツ屋の軒先にある巨大なドーナツのオブジェ、果てはガソリンスタンドなどの「パースートブレイカー」に突っ込み足場を崩せば、追跡しているパトカーを無力化できたり、足止めできたりする。また、突然目の前にロードブロックやスパイクベルトが現れても、「スピードブレイカー」を発動すればスローモーションになるので落ち着いた回避が可能になる。スピードブレイカーは発動時間に限りがある。走行中にゲージは自動的に貯まっていく。
逃走成功まで
警察の視界から消えると「クールダウン」に入る。クールダウンゲージが満タンになるまでの間警察に見つからなければ、逃走成功となる。屋内駐車場や建物の影になるスペースの中には「セーフポイント」と呼ばれる場所があり、マップに白丸で印がつけられている。ここに入ることでゲージの貯まりを早くして、時間短縮もできる。セーフポイントだからといって警察が来ないわけではないので、注意が必要。また、プレイヤーの拠点であるセーフハウスに飛び込めば、クールダウンゲージを無視して逃走を終わらせることも可能である。
ストーリー
NFSCの舞台、パルモントシティ。主人公はチームメンバーのダリウスの乗るA80スープラを借り、その他の様々なチームとバトルをしていたが、あるバトルの際に警察に待ち伏せをされる。他のレーサーは逮捕され、主人公だけは辛うじて逃げることができたが、パルモントシティを離れることとなってしまった(このエピソードは続編NFSCの冒頭にて語られる)。その後ロックポートにやってきた主人公は、愛車のBMW・M3GTRに乗ってストリートレースに勝ち、名声をあげてゆく。そんな中でこの町にやってきた新顔に敵対的な集団と出会う。そのリーダーはレーザーという男で、当時はロックポートの指名手配リストのナンバー15だった。主人公は自身のM3を賭けてレーザーと戦うことになるが、レーザーはレース前に主人公の車が壊れる(オイル漏れを起こすように細工したとみられる)よう卑怯な手を使い、レースに負けた主人公は愛車を奪われた挙句警察に身柄を拘束されてしまう。しかし、ミア(演:ジョジー・マラン)という謎の女性の助けによって主人公は釈放される。そして、主人公はロックポートに来てからM3で稼いだ僅かばかりの金で新車を購入。ミアや主人公と友好的なストリートレーサーであるローグの助けを借りながら、レーザーに奪われたM3を取り返すことを決めた。
全てが終わり、警察の猛追を振り切って彼が向かった先は…………
登場人物
主人公とその仲間
主人公
搭乗車種:プレイヤーの車
プレイヤーが操作する人物。もともとはM3に乗っていたが、レーザーに敗れて奪われてしまい、取り返すためにブラックリストランカーとの戦いに身を投じることになる。
ミア
主人公に協力してくれる謎の女性。このゲームのヒロインである。
ローグ
搭乗車種:ポンティアック・GTO
主人公に様々なアドバイスをくれる男性。姿は映らず、声のみの出演。
ブラックリストランカー(カギカッコ内は通り名)
クレランス・キャラハン「レーザー」
搭乗車種:フォード・マスタング→BMW・M3GTR
ゲーム開始時はナンバー15だったが、主人公のM3を奪いブラックリストのナンバー1になる。主人公がブラックリストを勝ち上がっていくとたびたび脅しをかけるようになる(が、怖がってるようにしか見えないし、やたらと小物感が漂うだけなのだが)。ツンデレなのか、負けず嫌いなのか…
トオル・サトウ「ブル」
主人公がプロローグで2番目に戦うことになる男。のちのナンバー2。キザ野郎とのこと。SLRの外見はフルノーマルだが、中身に関しては相当なチューンがされているという。
ロナルド・マクリー「ロニー」
搭乗車種:トヨタ・スープラ(A80)→アストンマーチン・DB9
主人公が最初に戦う男。その時には80スープラに乗っていたが、のちにDB9に乗り換え、ブラックリストランカーのナンバー3となる。DB9は卒業祝いに貰ったものだが、そこそこの運転技術は持っている模様。
ジョー・ベガ「JV」
夜はクラブで昼間はバトル、いつ休んでいるのかと疑われているナンバー4。仲間内では尊敬されており、ファンも多い。
ウェス・アレン「ウェブスター」
搭乗車種:シボレー・コルベット(C6)
ウンチク王のナンバー5。恐らく「ウェブスター」の名前はウェブスター辞典からと思われる。こう見えても公式レースに参加していたりするらしい。
ヘクター・ドミンゴ「ミング」
スピードトラップが大好きなナンバー6。現在の愛車のガヤルドも、スピードトラップの対決で勝ち取ったものらしい。あえて純正のルックスにしてある。
キラ・ナカザト「カゼ(カミカゼ)」
搭乗車種:メルセデス・ベンツ・CLK500
テクニックはなくともスピードで全て賄えると思い込んでいるナンバー7。スピードの出しすぎで別のナカザトになる場合も……?
シェード・バレット「ジュエル」
搭乗車種:フォード・マスタングGT
パワー重視のナンバー8。相当なパワーを捻りだすマスタングを駆り、バトル経験も豊富。
ユジーン・ジェームズ「アール」
搭乗車種:三菱・ランサーエボリューションⅧ
輸入車好きのナンバー9。馬力のある車に勝負を挑むのも好き。
カール・スミット「バロン」
ブランド大好き、大金持ちのナンバー10。チューニングは貧乏人のやることだ、などと言っているらしい。
ルー・パーク「ビッグ・ルー」
搭乗車種:三菱・エクリプス
自分のことを紳士と思い込んでるマッチョなナンバー11。見掛け倒しで、警察を見るとすぐに逃げてしまうんだとか。
イザベル・ディアス「イジー」
搭乗車種:マツダ・RX-8
やたら車に詳しいナンバー12。チューンは抜かりないため、甘く見てはいけない。
ヴィクター・バスケス「ヴィック」
搭乗車種:トヨタ・スープラ(A80)
順位を上げることに苦戦し、半永久的にこの座に居座り続けているナンバー13。順位は上がらないが、挑戦者はすべて倒しているあたり技術自体はある程度はある模様。
ビンス・キリック「タズ」
警察との争いが絶えないナンバー14。ローズウッドにて新入りばかりを狙っている。
ホー・セウン「サニー」
小遣いをほとんど愛車のゴルフにつぎ込んだ、金遣いの荒いナンバー15。プレイヤーは、まず彼と対戦することになる。
その他
クロス/ジョナサン・クロス(演:ディーン・マッケンジー)
搭乗車種:シボレー・コルベット(C6)
ロックポートでのストリートレースの根絶に全生涯をかける警察官。階級は巡査部長。Xのバイナルの入ったコルベットのパトカーが愛車。もちろん運転テクニックも相当なものである。出てきたときにしばしば自滅しているのはご愛敬。また、のちの作品である「カーボン」や「ペイバック」にも登場している。その他、のちの作品である「アンダーカバー」に登場する「Gマック」グレゴリー・マクドナルドとは旧知の仲である模様である。
収録車種
アストンマーティン
DB9
アウディ
A3 3.2 クアトロ
A4 3.2 FSI クアトロ
TT 3.2 クアトロ
BMW
M3 GTR(E46)
※購入不可。シナリオの冒頭と最後でのみ使用可能。
キャデラック
CTS
シボレー
コバルト SS
コルベット(C6)
ダッジ
フィアット
プント HGT
フォード
マスタング GT
ランボルギーニ
ガヤルド
トヨタ/レクサス
IS300
スープラ(A80)
ロータス
マツダ
RX-8
メルセデス・ベンツ
CLK500
SL500
SLRマクラーレン
三菱
エクリプス
ランサーエボリューションⅧ
ポンティアック
GTO
ヴォクスホール
モナーロ VXR
ポルシェ
911 ターボS(996)
カレラGT
ケイマンS
ルノー
クリオ V6(フェーズ2)
スバル
インプレッサ WRX STI(GDB-C)
フォルクスワーゲン
ゴルフ GTI
このほか、ブラックエディションのみ使用可能な車種も存在する。一般車両や警察車両の一部は、架空のオリジナルカーとなっている。
リブート
2012年、同名のゲームがEAより発売された。ゲームシステムはブラックリストシステムの踏襲を除けばほとんど別物と言ってもよい。なお、本作でカギとなるM3GTRは、DLCの導入により使用が可能になる。
詳しくは「Need_for_Speed:Most_Wanted(2012)」を参照。
関連項目
NFS シリーズの大元。
NFSUG2:ともに本作の前編にあたる。
NFSC:本作の続編。主人公がロックポートを脱出したところからシナリオが始まる。
NFSMW2012:リブート。