概要
錬金術における万物の第一質量を意味する言葉で、WRGP編以降からの敵組織でダークシグナー編においても裏で糸を引いていた黒幕。
成り立ち
5D's劇中の時代から200年後の未来にてシンクロ召喚を発端としたエネルギー機関モーメントの暴走で機皇帝の襲撃に遭い、世界は破滅してしまう。荒廃した未来の世界を変えるため滅亡した世界の生き残りをZ-ONEが集め、破滅した世界と人類の再生を試みる。
その後の長きに渡る研究の中、同志達は老衰で死んでいき、ついに人類はZ-ONE一人だけになる。
発足
まず最後に老衰死したアポリアの精神を三分割したロボットを有史以前の時代に送って組織を立ち上げ、破滅の歴史を歩ませないために人類にその道を助言する方針をとる。しかし、どんなに歴史を修正してもモーメントによる破滅を回避できないことを悟り、滅亡の元凶であるモーメントを抹殺する方針に力を入れることになる。
まずはモーメントを直接破壊するためにゼロリバースを引き起こした。しかしそれでもシティは半壊、モーメントは健在で次はシグナーとダークシグナーの戦いを利用し、冥界の王の力で世界を滅ぼしてその後の世界を赤き竜の力で再生することで破滅を回避しようとするも遊星たちの手によってシティが崩壊から守られたため、モーメントもろともネオドミノシティを消滅させるためにアーククレイドルを落下させるという手段をとることになる。
劇中の現代において
世の安寧をもたらす「星の民」の力を受け継ぐ者で、遡ればおよそ3000年前の南米アンデス高地に、その発祥を見出すことができる。星護主と呼ばれる指導者の下で政治・経済・軍事、世を統べるあらゆるものは、イリアステルの名に忠誠を誓う者たちによって動かされている。
現代ではそう言い伝えられているが、実際は上述通り未来から訪れ、誤った歴史を正しい方向に導こうとする組織であるため、どこまで星の民とかかわりがあるのかは不明。
とはいえ、有史以前の時代に遡った事実が示すとおり、「星の民」とそれにまつわる赤き竜と冥界の王の戦いの伝説にも通じており、不動遊星らシグナーと敵対するダークシグナーの戦いを通じて世界の破滅と再生を試みたのも、それによってモーメントによる破滅を阻止するため。
以前のシリーズのどこまで関与していたかは不明だが、武藤遊戯と遊城十代の存在、名も無きファラオについては知っており、有史以前からルーツを持つという意味では遊戯が打倒したドーマに似通っている。
歴史の改竄
彼らは過去の歴史を改変することで未来を変えることがある。作中では以下のことが行われている。
モーメントエクスプレスという会社が存在しなかったことにされ、そこで働いていた人々が施設ごと消えている。
ルチアーノは一時期デュエルアカデミアに転校し、生徒の一人になっていたが、目的達成後はその事実が抹消され、生徒達はそのような生徒がいたことを知らない。
また、治安維持局長官の座に就任していたイリアステルの三皇帝が、歴史を変えたことで長官ではなくなり、チームニューワールドの選手になっている。
ただし、赤き竜の力に護られているシグナーと、ルーンの瞳と持つチームラグナロクのメンバーは歴史の改変に影響されず、改竄前の記憶もそのまま残る。
メンバー一覧
各キャラのコードネームについてはDVDの設定資料集で明かされたものであり、劇中では呼ばれていない。各キャラの詳細については個別項目を参照。
イリアステルの三皇帝
プラシド、ルチアーノ、ホセの3人の総称。
Z-ONEの指示でタイムスリップしてシティの治安維持局の長官を運営し、世界の趨勢を操作しサーキット完成を目論む。WRGP大会編以降は未来改変をしチームとして出場。シティ破壊をもくろんだ。
機皇帝と呼ばれる相手シンクロモンスターを吸収・装備する共通の能力を持つカードをそれぞれ所有する。
彼らは後述するアポリアの分身であり、彼が経験した絶望を元にしている。
プラシド
下っ端。
残念なイケメン。魔法を無効化する能力を持つ機皇帝ワイゼル∞の使い手。
ルチアーノ
サブリーダー。
第二の鬼柳京介。直接攻撃能力を持つ機皇帝スキエル∞を使用する。
ホセ
イリアステルのリーダー。
反抗期の二人に手を焼く超高性能爆走おじいちゃん。ライフポイントによって攻撃力が増減する機皇帝グランエル∞を使う。
イリアステル滅四星
Z-ONE、アポリア、アンチノミー、パラドックスの4人の総称。
Z-ONE
イリアステルの三皇帝を操る謎のアンモナイト。コードネームは無限界帝Z-ONE。組織の創設者であり人類最後の生き残り。英雄である不動遊星の外見、人格を自らに移植し自らが遊星となることで世界を救おうとするが失敗に終わる。破壊不能の10枚のチートカード「時械神」を操る。
アポリア
イリアステルの三皇帝が合体した姿。コードネームは絶望のアポリア。その正体はプラシド、ルチアーノ、ホセが人生で味わってきた三つの絶望をモデルとして作られたロボット。
アンチノミー
チーム5D'sの一員ブルーノの正体。コードネームは戦律のアンチノミー。
アンチノミーとしての記憶はゾーンにより消され(さらにプラシドのせいでニ重記憶喪失になっ)ていたがアーククレイドルにおいて全ての記憶を取り戻す。使用デッキは【TG】。詳しくは「ブルーノ(遊戯王)」の記事を参照。
パラドックス
モーメントではなくデュエルモンスターズの抹消というアプローチで遊星たちの時代に派遣された人物。コードネームは逆刹のパラドックス。使用デッキは【Sin】。元々は劇場版のゲストキャラクターだったが、映画内では完全に伏線が回収されず、映画公開から一年後の本編でようやくその実態が明かされた。
その他のメンバー
レクス・ゴドウィン、ルドガー・ゴドウィン
本編開始時のネオドミノシティ治安維持局長官とその兄。二人はモーメント開発チームMIDSのメンバーで、弟レクスは兄ルドガーから赤き竜と邪神の戦いに備えたシグナーの痣を託され、同時に遊星の父である不動博士からエンシェント・フェアリー・ドラゴンを除く3枚のカードを託される。後にレクス自身もシグナーとダークシグナーの力で5000年周期の戦いに終止符を打つべく行動に出ると共に第360代星護主として現代におけるイリアステルの指導者として君臨する。
二人の行動はイリアステルの三皇帝によって仕組まれたことでもあったが、モーメント開発チームであると共にシグナー、ダークシグナーであったことから相当深いところまで食い込んでいたと思われる。
シェリー・ルブラン
遊星ギアの護り手の一人。パラドックスが抜けた穴に新たに補充されたメンバー。コードネームは無限騎士シェリー・ルブラン。ライダースーツのデザインがパラドックスの仮面に似ている。Z-ONEに歴史を改変することでシェリーが両親を失うことなく過ごせるようにすると持ちかけられ、イリアステルに加担することを選ぶ。
クラーク
モーメントエクスプレスの所長で、三皇帝の協力者。遊星、ブルーノ、シェリーを抹消しようとしたが彼らを利用しようとした三皇帝の歴史改変により施設ごと存在を抹消された。
実はシェリーの両親を殺害した犯人である。
ミサキ
WCS2011のゲームオリジナルキャラクター。彼女も未来から来た存在でロボットだと思われるが、ゲーム内で詳しく語られことはなかった。
レイン恵
タッグフォースシリーズに登場するモブヒロインの一人だが、6のシナリオでは滅四星が作ったデュエルロイドであることが示唆されている。
注目人物
チーム5Ds
不動遊星をリーダーとして終始に渡る敵対者であると共に最も未来を変える可能性を持った者達として注目していた。創設メンバーが破滅した未来で出会った仲間であること、遊星達がダークシグナーによる滅亡が迫った世界で出会った仲間という共通点もある。
最終的にそれぞれの形で彼らに新たなる未来の可能性を託す。
武藤遊戯、遊城十代
劇場版でパラドックスが戦った二人の伝説のデュエリスト。遊星に匹敵する最強のデュエリストで、パラドックスは遊星諸共始末するべく、彼らのライバルと親友のドラゴンで襲いかかる。
海馬瀬人、城之内克也、丸藤亮、ヨハン・アンデルセン
パラドックスが使用したカードの本来の所有者。奪われたのを明言されたのはヨハン一人だが、デッキに投入されたところを見ると遊戯や十代が知らないところでパラドックスに奪われたと思われる。
いずれにせよ、遊戯や十代と並びイリアステルからも注目されていた。
ペガサス・J・クロフォード
言わずと知れたデュエルモンスターズの生みの親。モーメントと並び世界が滅びた直接の要因となったシンクロ召喚、ひいては根源であるデュエルモンスターズの消滅させる最も確実な方法として彼の殺害も未来を救う計画に入っていた。
チームラグナロク
赤き竜に匹敵する星界の三極神をもつデュエリスト達。5D'sほどではないが、強大な力を持つデュエリストとしてイリアステルの三皇帝が注目し、彼らでも十分にアーククレイドルを出現させるためのサーキットを完成させる力を持つ。シグナー同様にイリアステルの歴史改竄を認知し、北欧神話のフィンブルの冬と最終戦争ラグナロクを引き起こす存在として、イリアステルを阻止する使命を持つ。
余談
彼らは敵組織ではあるのだがメンバー内の絆は深く、気の遠くなる時間の果てに苦渋の決断を繰り返しながら、一見非道ではあるがその行動は自分達の未来とは違う破滅の未来を回避し人類を救うためであったこと、ありがちな「手軽で暴力的な手段に短絡的に頼った」のではなく「他のありとあらゆる穏健な手段はとっくの昔に全部試しており他に試していない方法がない」上でZ-ONE本人の寿命が近くなって焦った(彼が死んだ瞬間人類の滅亡が確定してしまうため)結果であること、物語の中で彼ら自身も大きく変化や成長しつつも、最初から最後まで人類の破滅の回避という目的がブレなかった、等の様々な要素が視聴者の涙腺を突き、非常に魅力的なキャラクター達となっている。
明言されていないが、ネットワークの暴走によって滅亡した未来から、世界を救うために過去へやってきたという意味ではターミネーターシリーズのスカイネットによる審判の日に近い。