概要 🚝🚟
モノレールは、鉄道の一種。軌道に使うレールが(2本ではなく)1本のため、「モノレール」と呼ばれる。(広義の)新交通システムに分類される。
レール自体は一般の鉄道のレールより大型で構造も複雑なものが多く、また、レールだけで車両の全重量を支えずに別途走行面を持つ、新交通システムに近いものもある。
なお、広義ではモノレールは新交通システムに分類されるが、鉄道趣味的な狭義においては「ゆりかもめ」や「ポートライナー」などのモノレールでない新交通システムの鉄道とは、分けられることが多い。
大別して、レールに車体がぶら下がる「懸垂式」と、車体がレールに跨る「跨座式」がある。
- 懸垂式モノレール
大きなレールの上に台車を乗せて、湾曲した腕でレールの下に車体をぶら下げているもの(上野動物園など)と、下にスリットが入った箱状のレールの中に台車を収めて、台車の下に車体が付いているもの(湘南モノレールなど)がある。
- 跨座式モノレール
大きなレールの上に車体があり、台車が「レールの中央部を側面から挟む部分」と「レールの上部または両側の平面に乗って、車体の重量を支えるとともに推進力を台車からレールに伝える部分」からできている。東京モノレールなど。
細分するともっと様々な方式があり、中にはかなり奇妙に見える方式、構造が新交通システムと紛らわしい方式、発想だけで実現例がない方式などもある。
概ね、輸送量や速度は路面電車より上だが一般の鉄道よりは下で、占有面積は高架橋を使えば小さくなり、ゴムタイヤを使えば急勾配にも強くなる。ただし、輸送量も速度も微妙に中途半端になりがち、走行部分の仕組みが複雑、跨座式だと踏切を作れない、軌道の分岐機が極めて大掛かりで複雑になるといった弱点もある。
とはいえ、東京モノレールのような速度と輸送量が高いものもあり、降雪に強いメリットもある。特に懸垂式は悪天候に強い。首都圏の鉄道が降雪でマヒした時も千葉モノレールだけ平常だったこともある。類似の交通機関で狭義の新交通システムにあたるAGTなどは建設費は多少モノレールより安いが、降雪には非常に弱い。
また、同じ懸垂式/跨座式であっても、会社が違えば走行方式はそれぞれ独自のシステムでまったく共通性がなく、JRや大手私鉄・地下鉄などの普通鉄道や路面電車などと違い、JR・大手私鉄などの中古車両を地方私鉄が使用するような使い回しは不可能に近く、車両を入れ替える際は必ず新車とならざるえなくなり(これまで日本において中古のモノレール車両が他社に譲渡された例は、皆無である)、これが重い財政負担になる場合もある(小田急向ヶ丘遊園モノレール線、名鉄モンキーパークモノレール線などは乗客の減少に加えて、これらの理由で廃止になっている。上野モノレールも車両が特殊なため莫大なコストがかかるとして運転休止が発表されている)。
農業、林業、土木工事用の簡易モノレール
大がかりなものだけでなく、農業(果樹園、特に柑橘類)、林業、土木工事に使うための簡易な跨座式モノレールもある。急勾配に強く、自動車道よりもはるかに狭い幅で足り、小さな沢なら越えることができ、重機を使わず設置・撤去ができる、といった長所がある。停止させたい地点に事前にストッパーを取り付けて、資材や収穫物を無人運搬することも可能。むしろ運搬専用に設計される車両もあり、そうした車両へ乗車するのは危険である。
東京都檜原村で村役場が高齢の地元住民のために整備した「モノレール」は、みかん農家等用の農業モノレールが原型である。
アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」では訳あって農業用モノレールにAqoursのメンバーたちが乗車したところ、松浦果南がレバーを壊してしまい車両が暴走する場面がある。実際にはレバーを壊しただけで制御不能になり暴走するようなことはなく、あくまで物語上の演出である(別の整備不良や故障が絡めば起こるかもしれないが)。
現存する日本のモノレール路線一覧
懸垂式
跨座式
廃止されたモノレール
名古屋市交通局協力会東山公園モノレール
外部リンク
株式会社ニッカリ…産業用モノレール(モノラック)を販売