概要
『Gダライアス』から実に12年ぶりとなる完全新作。
家庭用オリジナル作品としては、スーパーファミコンの『ダライアスフォース』以来となる。
メカニックデザインは海老川兼武、柳瀬敬之、キャラクターデザインは島田フミカネ。
時系列としては『ダライアスⅡ』の後である、ダライアス暦1904年が舞台となっている。
2010年にはこの作品を発展させたアーケードゲーム『ダライアスバースト アナザークロニクル』が稼働を開始。
初代『ダライアス』と同様に3画面+ボディソニックサウンドを採用した筐体となり、最大4人での同時プレイや、ベルサーによって侵略された各星系ごとに存在するエリアを定められた条件に従って解放していく「クロニクルモード」等が追加された。
また、2012年にはiOS用アプリ『ダライアスバースト セカンドプロローグ』が配信を開始している。
さらに2016年1月14日にはDBACのコンシューマ機移植作となる『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』が発売された。対応ハードはPS4とPSVita、そしてWindowsのマルチとなっている。
本作においてはただの移植に留まらず、CSオリジナルの新ステージ、新自機、そして新ボスなど様々な独自要素が追加されている。
ゲームシステム
各ゾーン(ステージ)の最後に待ち受ける巨大戦艦を撃破し、次に進むゾーンを選択しながらクリアを目指すというルールは従来と同様だが、容量の都合によりゾーンの総数はこれまでのアーケード作品よりも減っており(A~Kまでの全11ゾーン)、ゾーンA→Bは一方通行となっている。
また、画面上には新たにスコアの倍率の表示が加わり、敵を撃破する事で最大16倍にまで増加。
アーム装備時に敵の攻撃を受けると倍率は減少し、ミスすると倍率は元の1倍に戻ってしまう。
機体選択
プレイ時に一定の条件を満たす事で使用可能なシルバーホーク(自機)が追加され、最終的には『ダライアスフォース』と同様に3機のシルバーホークの中から1機を選んでプレイ可能となる。(ただし、『フォース』とは違いコンティニュー時に自機を選び直す事は不可能)
ちなみに本作ではウェーブ以外のショットで同色の敵弾を相殺する事が可能で、この為にあえてパワーアップをさせずに進行するといった戦略も生まれる(条件を満たす事でプレイ可能となる「バーストモード」では常時3種のショットを切り替え可能)。
敵の攻撃から機体を防御するアーム(バリア)は、近年のシリーズのような耐久値の上限はなくなり、アームアイテムを取得した分だけ耐久値が追加される初代『ダライアス』の方式に戻されている。
また、従来のシリーズではミスをするとそれまでに溜めてきたパワーアップアイテムのストックが全て失われたが、本作ではミスをしてもパワーアップのストックが失われる事は無くなった(難易度HARDのみ、各ストックが1ポイント減少)。
またミス後にEASYの場合1回分のアームを持って復帰するようになったので、少しばかりの復活の余地もあたえられた。
ただしHARDやアーケード版の大半の場面ではそれがないので捨てゲーに繋がるようなケースも多い。
レジェンドシルバーホークバースト
初期状態から使用可能。
外見、ショット、ボム…いずれも初代や『Gダライアス』などのものに準じるおなじみのスタイル。
バーストユニットは設置発射時に自機の上下の移動とは逆方向に角度を変える。
搭乗者はTi2。設定上人間の手に負える機体ではないらしい。
ネクストシルバーホークバースト
アーケードモードをいずれかのルートで一度クリアする事で使用可能となる機体。
外見は『ダライアスⅡ』の敵キャラ・ミカタデカや『ダライアス外伝』のコンティニュー時にアイテムをバラ撒く支援機に酷似している。
ショットはレジェンドよりも幅が狭いが、ボムは『ダライアス外伝』のホーミングボムのように敵を追尾する誘導弾となっている。
バーストユニットは設置発射時に自機の移動に追従して角度を変える。
搭乗者はリーガ・プラティカ。こちらは人間の搭乗を前提においた性能だとか。
オリジンシルバーホーク
バーストモードをクリアするかミッションモードのLevel4を出現させると使用可能となる機体。
武装はレジェンド機体に準ずるが、より初代『ダライアス』の機体そのものの姿をとっている。
バーストユニットを搭載しない代わりに、ショットの発射音やミス時の効果音が初代のものに切り替わる。
ミッションモードでは一部ミッションのBGMが初代のものに切り替わる要素も。
搭乗者は明らかにされていない。
ACでは火力の大幅な向上に加え、ウェーブが敵を貫通するようになるなどのアッパー調整がなされた。
AC~ACEXからの追加機体
フォーミュラシルバーホークバースト
通常のシルバーホークよりも未来的な独特のシルエットが特徴。
射程は短いが極めて高い火力のショットと迎撃機能に長けたボムを装備している。
クセこそ強いが、後述のDLC機体を除けば最も高い機動性能を誇っている。
アサルトシルバーホークバースト
ネクストの発展機という設定で、通常のショットやレーザー系攻撃には類似点が見られる。
バーストシステムはスパークバーストという巨大な雷球を発射するという独自のものが搭載されており、面での制圧力に長けている。
ホーミングボムは連射はできないが爆破範囲の広いものを使用。
セカンドシルバーホーク
『ダライアスII』のシルバーホークを再現したという機体。
バーストが使えない反面、強力なレーザー攻撃が可能だが、こちらもある程度機体をパワーアップさせないと発射できない。
しかし、フルパワーアップ時には巨大ナパーム弾&2Wayミサイルを合わせたショット、バーストビームをも相殺可能な8wayレーザー、さらに高性能のボムなどが備わり、非常に高い火力を叩き出せる。
ガイデンシルバーホーク
こちらは『ダライアス外伝』のシルバーホークを模した機体。
オリジナルと同じくパワーアップごとにショットの玉数や形状が変化していくのが特徴。
最大の武器はやはり「ブラックホールボンバー」で、威力が高く効果範囲も非常に広いがオリジナルのような画面全体への攻撃はできなくなっている。
反面、基本的な攻撃力はやや低いため、このブラックホールボンバーを積極的に活用しないと戦いが長引きがち。
ジェネシスシルバーホーク
『Gダライアス』のシルバーホークを復活させたもの。ただし、完全な技術の再現はできなかったとされる。
オリジナルは一部の敵機を鹵獲するキャプチャーシステムが搭載されていたが、こちらは特殊なサポートユニットを追加して擬似的にキャプチャーシステムを再現しており、さらにサポートユニットを消費してオリジナル機のαビームに似た「αバースト」を打ち放つことができる。
この機体の特性を引き出すにはこのサポートユニットの使い方が重要となる。
CSからの追加機体
ムラクモシルバーホークバースト
ダライアス星系の惑星トキオで開発されたという最新型シルバーホークで、ジェネシスとネクストの技術を融合させたハイブリッド機。
どこぞの超時空戦闘機のように最大4機の小型サポートユニットを展開し、その陣形によってショットパターンが変わるという独自の特徴を持っている。
さらに「コンプレッションバーストビーム」という発射終了時にバーストインパクトなる大爆発が起こる特殊なバーストも撃てる。
元ネタはかつてTAITOが出したACSTG『スクランブルフォーメーション』から。「惑星トキオ」の名称も、このゲームの海外版である『TOKIO(トキオ)』が由来。
バースト
前述のレジェンドとネクストの2機には画面左下のバーストゲージを消費して強力なレーザービームを発射するバーストユニットが装備されている。
消費したバーストゲージは敵を破壊したり、敵弾を相殺する事で回復する(バーストモードでは時間の経過によってもゲージが少しずつ回復する)。
攻撃パターンは自機の前方に固定して発射する方法と、任意の箇所に滞空させ、自機の移動に追従しながら角度を変更可能な方法の2つがある。
前者は威力の高いレーザーを撃てるもののゲージの消費が極めて速く、
後者は自機の死角に居る敵を攻撃出来る反面、威力は前方固定発射よりも低めとなっている。
また、このユニットから放たれるレーザービームは敵弾を相殺する効果があり、うまく活用すれば敵の攻撃を遮る障壁としても機能する。
因みに敵側も同様の攻撃を行う場合があり、双方の発射のタイミングを合わせるようにぶつけると自機のレーザーが敵のバーストビームを吸収して長時間の発射が出来、撃破時のスコアも6倍(PSP版は4倍)になる「バーストカウンター」が発動する。
上記の通りACおよびCSのアサルト、ジェネシス、ムラクモにはそれぞれ独自のバーストシステムが導入されている。
登場戦艦
無印から登場
シーラカンス型 | |
---|---|
アイアンフォスル | - |
オウムガイ型 | |
マッドホイール | - |
ノコギリエイ型 | |
ライトニングフランベルジュ | - |
ハリセンボン型 | |
ミラージュキャッスル | - |
ピラニア型 | |
ハングリーグラトンズ | - |
ミノカサゴ型 | |
サウザンドナイブス | - |
リュウグウノツカイ型 | |
ダークヘリオス(サイバリオン) | - |
マッコウクジラ型 | |
グレートシング | - |
ACおよびACEXから登場
(シーラカンス型からマッコウクジラ型まで無印に登場した原型艦には本作で亜種機が追加された)
シーラカンス型 | |
---|---|
ナイトフォスル / キングフォスル | - |
オウムガイ型 | |
ハードホイール / ソーンホイール | - |
ノコギリエイ型 | |
ライトニングクロウ / ライトニングプリズン | - |
ハリセンボン型 | |
ファントムキャッスル / デュアルスピン | - |
ピラニア型 | |
ブルートグラトンズ / ヘビーグラトンズ | - |
ミノカサゴ型 | |
サウザンドエッジ / サウザンドバレッツ | - |
リュウグウノツカイ型 | |
ダークフレイム / ダークフレア | - |
マッコウクジラ型 | |
G・T・V / G・T・B | - |
ウミガメ型 | |
エンシェントバラージ / スラッシュシェル | - |
ミツクリザメ型 | |
ハイパージョー / アサルトジョー / ヘビージョー / ディザスタージョー / トライデントジョー | - |
デメニギス型 | |
ブライトリーステア / グラッシーステア / インセインステア | - |
ダイオウグソクムシ型 | |
バイオレントルーラー / ゴールデンルーラー / サベージルーラー | - |
イカ型 | |
マッシブウィップ / ブレイズウィップ / ドレッドフルウィップ | - |
CSから登場
余談
実は企画提出の際にスクウェア・エニックスとタイトーの当時社長を務めていた和田洋一氏がタイトーの企画は全て自分のところへ直接持ってくるようにと指示を出していた。ほとんどの企画は通る形となり、アーケード版のダライアスバースト・アナザークロニクル等、タイトーの現在のコンテンツの多くに関して日の目を見たのは彼の数少ない実績の一つである。何かと悪い評判のついている和田氏ではあるが、新生FF14の開発時にも心配した様子で現場に「大丈夫?」声をかけており、その頃にはかなり態度は軟化していた。
(※筆者が元タイトーの社員から聞いた話。話してくれた方も和田氏の意外な行動に驚いていた様子)
コラボレーション
2016年発売の『CS』ではDLCとして旧TAITOだけでなく、他のゲーム会社が過去に出したSTGの登場機体(キャラクター)が使えるようになるというコラボレーション企画が行われている。
現在参加しているのはTAITO以外ではSEGA、CAVE、エイティング、カプコンの4社。
- TAITOシリーズ
- SEGAシリーズ
- TRY-Z(『ギャラクシーフォース』)
- ハリアー(『スペースハリアーII』)
- オパオパ(『ファンタジーゾーン』)
- CAVEシリーズ
- エイティングシリーズ
- カプコンシリーズ
- ALPHA(『サイドアーム』)
- SABER(『VARTH』)
- ギャンブラー(『プロギアの嵐』)
使用する機体ごとに攻撃エフェクトやステージに出現するアイテム、さらに流れるBGMなども原典となったゲームのものを可能な限り再現している。そのため選択機体によっては画面の状況が途轍もなくシュールでカオスなものになったりするが(特にハリアーとかオパオパ)。