概要
大阪市交通局(大阪市営地下鉄)の路線として1969年(昭和44年)に開業し、2018年(平成30年)の民営化に伴い現在はOsakaMetroが営業している。OsakaMetroの通常規格の鉄道路線のなかでは、唯一の架線方式の地下鉄路線である。
大阪市北区の天神橋筋六丁目駅(天六)と同市西成区の天下茶屋駅を結んでいる。1969年(昭和44年)にまず天六~動物園前の間が開業し、当初から天六を介して阪急電鉄千里線、京都線と相互直通運転をしている。1993年(平成5年)に天下茶屋まで延伸している。当初は天下茶屋を介して南海電気鉄道と相互乗り入れの計画があったが、レールの幅が阪急と違うため断念、接続だけにとどまっている。
ラインカラーは阪急を意識した茶色。ナンバリングは頭文字を取るとS(Sakaisuji)だが、先にできた千日前線と重複するのでK(SaKaisuji)としている。
2008年以降は僅かながら黒字経営である。
他のOsakaMetroの路線に比べて平日と休日では利用者に差がある路線である。
平日は混雑しているものの、休日は比較的開いている。
その為、定期比率の割合が最も高い路線となっている。
堺筋線が阪急にもたらした車両運用上の実害
路線開業の経緯の違いにより車両寸法が2種類に大別される阪急の車両規格の三線区規格統一の妨げとなっている路線。
車両規格の統一は京都線版2000系の2300系が神戸線を介して山陽電鉄須磨浦公園まで、宝塚線用の5100系(元々三線区規格統一で作られたが、全車宝塚線に集結した。現在は神戸線エリアの今津線でも運用)が京都線の河原町まで乗り入れといった風に、運用上のメリットがある。仮に大災害・大事故等の理由で神戸線で車両不足に陥っても京都線の車両で補充といった対応が可能。逆も然り。
しかし、大阪市のゴリ押しで堺筋線を全長18900mm・全幅2850mm前提で設計した為に、阪急神戸・宝塚線の車両寸法全長19000mm・全幅2750mmと噛み合わず、全長が抵触してしまう事態に陥った。
この為、三線区規格統一を断念させられ、堺筋線乗入れに対応する別形式(3300系・5300系)を仕立てる羽目になった。
また、妥協策として阪急側が一時期、全長のみを堺筋線に合わせ、神戸・宝塚・京都・堺筋の全線に対応するサイズ(全長18900mm・全幅2800mm)の車両(阪急7300系・9300系が該当)を作ったこともあった。
言うまでも無く大災害・大事故時に京都線と神戸・宝塚線との間で車両の融通が利かなくなるデメリットを大阪市から一方的に押し付けられたも同然である。
限界拡張で神宝線の全幅を2750mmから2800mmに拡幅する予定だったが、阪急中津駅付近の神戸・宝塚線部分で限界支障(車体全幅2800mmでは抵触する)が生じる事が判明し、規格統一は立ち消えとなった。それ以降に作られた阪急二代目1000系・1300系はそれぞれの線区に特化したサイズに戻っている。
ダイヤ面でも休日昼間の需要と供給の不一致が生じており、京都線準急の半数が堺筋準急となっている為に、ただでさえ梅田~高槻市間の混雑の一点集中が酷い特急の混雑を更に悪化させ、梅田方面の準急客に淡路での余計な乗換えを押し付けている。特に大阪マラソン開催日は全ての乗客が梅田発着列車に集中して積み残しが多発する一方、堺筋準急及び堺筋線直通各停は淡路から天神橋筋6丁目にかけて誰も乗っていない空気輸送であった。
サカイマッスル事件
2019年3月に大阪メトロ外国語版サイトでの誤訳が利用者からの指摘で発覚した珍事件。
多国語版サイト制作の際にマイクロソフト製の翻訳ツールを使用し、翻訳結果を鵜呑みにして確認を怠ったのが原因。
この為、3月18日から外国語版サイトは緊急メンテナンスの為閉鎖中。
- 堺筋線:サカイ・マッスル・ライン
- 天神橋筋六丁目(天六):テンジン・ブリッジ・マッスル
- 天下茶屋:ワールド・ティーハウス
- 御堂筋線:ミドウスジ・マッスル・ライン
- 太子橋今市:ブリンス・ブリッジ・イマイチ
- 3両目:スリーアイズ
- アイズは複数の目≠両目
上記の通り、腹筋崩壊レベルの有り得ない誤訳のオンパレードで、「このままでええじゃん」と概ね好意的に捉えられている。訪日客からすれば混乱の原因だが。
恵美須町駅の近くにある通天閣にはキン肉マン関連の展示が沢山ある為か、力強いイメージも相まって、サカイマッスルは違和感仕事しろ状態である。
余談だが、阪堺電気軌道501形と南海電気鉄道のラピートはキン肉マンのラッピングを施し、その状態で堺市を走行した。正真正銘のサカイマッスル電車である。
現在の使用車両
定期列車はいずれも8両編成で、こちら側は66系の1系列のみ。乗り入れる阪急からは3300系、5300系、7300系、8300系、1300系が使用されている。
運行ダイヤ
普通
堺筋線内の途中駅で折り返す列車は存在しない。地下鉄車両、阪急車両とも、天神橋筋六丁目折り返しの線内運用のほか、約半数の列車が阪急千里線北千里・阪急京都線高槻市まで普通列車として直通運転している。また平日の3本と土日祝日の1本は河原町まで乗り入れる。
準急
平日ラッシュ時や休日昼間には堺筋準急(堺筋線内は各駅停車)として、阪急京都線の高槻市・河原町まで乗り入れる運用がある。なお、堺筋準急には阪急の車両が使われる。
直通特急(臨時)
春・秋の行楽期に阪急嵐山線嵐山への直通特急「ほづ」が運行される。この臨時列車は6両編成で、堺筋線内は天神橋筋六丁目、日本橋、天下茶屋に停車する。
車両基地
都心部に用地がないため、乗り入れ先の阪急京都線相川~正雀間に東吹田検車場を設けた。
関東でも、東京メトロ日比谷線や半蔵門線も同様の理由で乗り入れ先に車両基地を設置している。
駅一覧
- 乗換路線で会社名が無いのはOsaka Metroの路線。
- 直通特急「ほづ」は◎の駅に停車。
駅番号 | 駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|
阪急千里線北千里駅、京都線高槻市駅まで直通運転 | |||
K11 | 天神橋筋六丁目◎ | 谷町線 | 谷町線建設の際に天六ガス爆発事故(死者79名)が起きている |
K12 | 扇町 | JR西日本大阪環状線(天満駅) | |
K13 | 南森町 | ||
K14 | 北浜 | 京阪電気鉄道本線 | 大阪の証券街 |
K15 | 堺筋本町(船場東) | 中央線 | |
K16 | 長堀橋 | 長堀鶴見緑地線 | |
K17 | 日本橋◎ | なんばウォーク直結 | |
K18 | 恵美須町(日本橋筋) | 阪堺電気軌道阪堺線 | 日本橋電気街(でんでんタウン)の最寄駅 |
K19 | 動物園前(新世界) | ||
K20 | 天下茶屋◎ | 南海電気鉄道本線・高野線 | 多くの客はここで乗り換える |
関連タグ
地下鉄 大阪市営地下鉄 大阪市交通局 OsakaMetro 御堂筋線 谷町線 四つ橋線 OsakaMetro中央線 千日前線 長堀鶴見緑地線 今里筋線