麒麟(きりん)とは
- 中国の伝承に登場する幻獣の名前。本項1で解説。
- 『十二国記』に登場する神獣。本項2で解説。
- 『ファイナルファンタジーシリーズ』に登場する幻獣、或いはモンスター。本項3で解説。
- アフリカに棲息する大型の植物食動物の名。ジラフ。⇒キリン
- 『モンスターハンターシリーズ』に登場するモンスターの一種。⇒キリン
- 『サガシリーズ』のモンスターの一種。⇒麒麟(サガシリーズ)
- 『鬼灯の冷徹』の登場人物。⇒麒麟(鬼灯の冷徹)
- 日本のお笑いコンビ。ボケ:川島明、ツッコミ:田村裕。⇒麒麟(お笑い)
- 麒麟麦酒株式会社(キリンビール)
- 『妖怪ウォッチ』に登場する妖怪。→麒麟(妖怪ウォッチ)
- 『オレカバトル』に登場するモンスター。→聖獣キリン
- 『グランブルーファンタジー』に登場する星晶獣。→黒麒麟
伝承における麒麟
毛蟲(もうちゅう…哺乳類を示す古代中国語)360種の頂点に立つ幻獣。
外見については諸説あるが、一般には「鹿の胴体、牛の尾、馬の足、狼の頭部」を持ち、額に肉の鞘で覆われたツノを1本生やす。文献によっては全身に鱗が生えていたり焔の翼を持っていたり、或いは頭が龍に似ていたり、時代によってその姿は異なる。
「一日に千里も走る馬」という意味合いでも用いられ、この場合は騏驎とも表記される。
仁徳の高い生き物で、生きた草を食まず枯れ草だけを口にし、歩く時は生きた虫を踏まず、歩いた跡は正確な円になり、道を曲がる時は正確な直角を為す。鳴き声は音楽の音階に一致し、凶を払い吉を招くと言われる。平和を愛する一方で必要に迫られれば戦う事も厭わず、その際は鳴き声が焔となり、蹄とツノで果敢に攻撃を仕掛けると言う。
一説には麒麟には五行思想に基づく毛色の異なる幾つかの種があり、青い毛を持つ「聳孤」(しょうこ)赤い毛の「炎駒」(えんく)白い毛の「索冥」(さくめい)黒い毛の「角端獣」(かくたんじゅう)等が知られている。厳密な意味での「麒麟」はこれらの中でも黄色い毛の種を指す。
麒がオスで麟がメスであるとも説明されるが、後付け設定的なもので諸説あり、麟だけで普通に麒麟を意味する事もある。
しばしば鳳凰と対のように扱われ、共に四霊の一体にも挙げられている。
黄龍と同様、四神に加えられて五神(五獣)とされる事もあり、この場合は黄麟と呼ばれることもある。
十二国記の麒麟
一国に一の最高位の神獣。馬と鹿の間ような獣の姿と人の姿の両方を持ち、普通は金の鬣をしている。
「獣」の形で生まれ、成長するにしたがい「人」の形を取ることができるようになる。十二国世界では金の髪をしている者は麒麟しかいないが、ごくまれに黒い鬣をもつ「黒麒・麟」、赤い鬣をもつ「赤麒・麟」が生まれることもあり、いずれも瑞兆とされている。
「王」に会うために蓬山において「昇山の儀」を行うが、もし会うことができなければ30年ほどで寿命が尽き、蓬山に新たな麒麟の「胎果」が実り、麒麟が成長するのを待たねばならない。
いずれにしても「王」と会った時点で不老不死となる。容姿は美男美女が多いが、麒麟が「王」に会う時期によって異なっている。たとえば早くに「王」に会った「才麟」「延麒(六太)」は少年少女の姿をしているが、かなりの時期を経て「王」に会った「景麒」「宗麟(昭彰)」は青年の姿をしている。「供麒」に至っては頑健な男の姿をしている。
その国の民意が具現化した存在とされ、天帝の命として王を選び、王に仕えるために在る。自らの主である王以外の者には跪けず、相手がたとえ他国の王であっても跪くことはできない。逆にいえば、自らの主には否応無く跪いてしまう。主である王が道を外れると『失道の病』という精神的な病に倒れ、王が「禅譲」しないかぎり死んでしまい、王も遠からず死ぬこととなる。
どのような症状が出るか不明だがアニメでは黒斑が浮き出ている。また「禅譲」とは王がみずから王位を退いて死ぬことであり、このとき麒麟はようやく『失道の病』から解放され、新たな王を選ぶこととなる(景王・中嶋陽子、才王・黄姑は景麒、才麟が選んだ2人目の王である)。
その性は仁にして争いを厭い、血や怨みに弱い。血肉や脂を口にすることも出来ない。仮に口にした場合、肉体は穢れによる病に冒され、それらの穢れを祓う必要がある。
自ら武器を振るえない代わりに使令を従えており、この世のどんな生物よりも速く宙を駆けるといわれている。その気になれば蝕を起こして蓬莱・崑崙に渡る事も出来る。これらを可能にする甚大な呪力の源は角にあるとされ、額に触れられることを極端に嫌う。
角を封じられるとどちらか1つの姿に限定されることになると思われる。たとえば、景麒は角を呪術で封じられたことにより「人」の姿に戻ることができずに「獣」の姿にされ、角を斬られた泰麒は記憶と麒麟としての力を失ったうえ「獣」の姿になることはできなくなったようである。
まだ主を選んだことが無い麒麟や、私的な会話では男の場合は「麒」、女の場合は「麟」といい、その頭に国氏を付けて呼ばれる。
また、蓬山にいる間は蓬山の主と言う意味の『蓬山公』とも呼ばれる。主を選定して生国に下った後は宰輔(首都州の州侯を兼任)として王の下で働く。但し、国では王の次に偉い存在だが、その本性故に事実上名誉職である。宰輔を麒麟の代名詞に使うとあまりにも直接的過ぎるので、宰輔を呼ぶ時は宰輔の敬称である『台輔』の前に国氏を付けて呼ばれる。
麒麟の誕生については、蓬山の捨身木(しゃしんぼく)という木に卵果(胎果)が実り、同じ木の根に卵果が実り生まれる女怪が乳母となって世話をする。卵果から誕生した後は女仙たちが女怪とともに世話をするが、やがて黄海にて妖魔を折伏し、使令として従えるようになる。妖魔たちを従えるのは麒麟にとっても命がけであり敗れることも少なくないが、いったん契約が成立すると妖魔は使令として麒麟を支え、麒麟が死ぬことによってその遺体を喰って己の力にすることができるという契約になっている。
FFシリーズの麒麟
ファイナルファンタジー6の召喚獣として初登場。その後の作品ではモンスターという設定でそれぞれ登場している。
モンスターとしての麒麟。
月の民編の第一のチャレンジダンジョンのボスとして登場。
キマイラの色違いというどこから見ても原典の姿が微塵も感じられない姿をしている。
ファイガ、ブリザガ、サンダガなどの魔法攻撃をメインとしており、時々クエイクまで使用してくる上に炎、氷、雷属性以外の魔法にホーリーで反撃し、聖属性は吸収してしまう難敵。
「朕は四神を束ねし麒麟なり。愚かなる人間よ。分を越えた神殺しの所業の数々。その報いを受けるがよかろう。」
ル・アビタウ神殿に出現するマンティコア族のHNMにして四神を束ねし存在………。
なのだが、実際の姿は極彩色のマンティコア(ちなみに初期は本当にマンティコアのグラフィックの使い回しだったらしい)という伝承の原形をとどめていない容姿をしている。
“四神”(玄武、青龍、白虎、朱雀)と呼ばれるノートリアスモンスターを全て撃破して彼らが落とすトリガーアイテムをすべて集めないと対決できないが、その強さはトップるラスを誇るという。
召喚獣としての麒麟
※イラスト左の幻獣
FF6
ゾゾの町でラムウと共に入手できる幻獣の一体。ラムウによれば共にガストラ帝国から逃げ出す途中で命を落としてしまったらしい。
召喚すると味方全員にリジェネの効果がある「ホーリーブライトン」を施してくれる。
なお、イベントで封魔壁から飛び出してくる姿が確認できるが、この時は既に彼(?)の魔石を持っている為、こちらは別個体の可能性が高い。
召喚士が“癒しの杖”で習得することの出来る幻獣の一体。
効果範囲にリジェネの効果を授けてくれる。ちなみに属性は無属性。
一作目と同じく召喚士が“癒しの杖”で習得することの出来る幻獣の一体で、効果範囲にリジェネの効果を授けてくれる。
ユニコーンと違って無属性なのだが、何故かアンデッドに対して使用するとダメージを与える事が出来る。