羽生善治とは
友A:羽生はどれくらい凄いの?
友B:簡単に言うと日本の将棋には7つのタイトルがある
友A:うん
友B:過去10年間だと、延べ70人のタイトルホルダーがいるわけだ
友A:うんうん
友B:その70人のうち、半分の35人が羽生だ
友A:( ゚д゚ )
概要
稀代の天才棋士。1970年9月27日生。埼玉県所沢市出身。棋士番号175。二上達也九段門下。通算タイトル獲得数は99期。
棋歴
小学校1年生の時友人に教えてもらったのがきっかけで将棋にのめり込むようになり、2年生で「八王子将棋クラブ」という将棋道場に通うようになる。その後急速に腕を上げていき、小学生名人戦といった子供将棋大会を次々と制覇。小学五年生のとき奨励会に入会。1985年に加藤一二三九段、谷川浩司九段に続く史上三人目の中学生プロ棋士となる。
1996年、第45期王将戦で谷川から王将位を奪取したことによって、将棋界初の、当時存在した7つのタイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)を独占するという前人未到の偉業を達成したレジェンドというか神である。
そのうち6つでの永世称号(永世名人[十九世名人]・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世棋聖・永世王将)の資格を保持。2017年12月5日、七度目の竜王位獲得によりついに前人未到の永世七冠資格保持者となった(永世位を名乗れるのは還暦を迎えると名乗ることができる名誉王座を除いて原則引退後となる。ついでに言うとNHK杯4連覇・通算10回優勝により名誉NHK選手権者を保持しているため、これを加えて良いなら八冠)。
また、同世代の棋士にも強い棋士が集中し「羽生世代」と呼ばれる。永世称号資格保持者の森内俊之九段や佐藤康光九段、タイトル経験者の郷田真隆九段や藤井猛九段や丸山忠久九段、西の怪童と称された故・村山聖九段、A級在位経験者で3月のライオンの将棋監修をしてる先崎学九段などもこの世代に入る。
ちなみに趣味でやってるチェスも日本ランキング1位経験ありという鬼畜ぶりで知られる。
流石に全盛期を過ぎたか、タイトルの保持が難しくなってきた(タイトルホルダーになると、それなりの仕事が附帯するため、良い事ばかりではない)こともあり、近年はタイトル数を減らしているが、それでも日本トップクラスである事には変わりはない。
2016年~17年には、ライバルであった村山九段との物語を映画化『聖の青春』に登場、新星藤井四段との非公式戦での対戦(結果は羽生の負け)でも取り沙汰されている。
2018年2月13日に、功績をたたえ国民栄誉賞を授与された。
しかし2017年度は王位を菅井竜也七段、王座を中村太地六段に奪われ、一時棋聖のみの一冠に13年ぶりに後退(竜王獲得により55日で解消)するなど不調傾向の中、同じく不調気味だった渡辺竜王を破っての前述のとおり竜王奪取となった。
2018年には初のA級順位戦6者プロ―オフを制し名人戦挑戦者となるもの佐藤天彦名人に敗れ敗退、続いて棋聖も豊島将之八段に敗れ失冠。再び一冠となる。また、1992年の初挑戦以来26年間に渡って続いた王座戦の番勝負出場記録が途切れるなど特に後半の不調が続いた。
そして同年12月21日、7戦フルセットの激闘の末広瀬章人八段に敗れ竜王のタイトルを失冠。実に27年9ヶ月ぶりとなる無冠となった。
そのあまりの功績から、失冠後の呼称を単に「羽生九段」としていいものかどうか議論になった。
かつて将棋界の帝王であった故・大山康晴十五世名人や、その大山に代わって長くトップの座を築いた中原誠十六世名人の例に従えば、七つ持つ永世称号の何れかを名乗ることとなるが、先輩格で「羽生がいなかったら中原後のトップは間違いなくこの人だった」と言われる谷川浩司九段(十七世名人の資格保持者である)は「九段」の称号を使用しており、この辺対応が難しいものとされた。
ただし竜王と名人は失冠直後の前代の者に限って「前竜王」「前名人」を名乗れるため、新聞記者などは当初「羽生前竜王」と呼称している。しかしながら当人の意向により、無冠の間は「羽生九段」を名乗ることに決定。平成元年以来30年ぶり(前回無冠だった際は前竜王を名乗った)に段位を名乗ることとなった。
この象徴的な1年に加え、羽生の初タイトル奪取が平成元年であること、翌31年を以て今上天皇(当時)の譲位により平成が終了することと併せて「羽生と共に平成(の将棋)が始まり、平成が終わった」などとも言われた。
しかし、特段特別性の無い九段を名乗ること、また奇しくも同年末を以て閉鎖される少年時代の学びの地「八王子将棋クラブ」にて再起を誓ったことなどから、羽生自身の将棋人生は終了したわけではなく、気持ちを新たに再スタートを切ったと言うべきであろう。
かつて大山十五世名人は50歳を前にして無冠となり、その後50歳を越えて再びタイトルを戴いた例を持つ。各界の人々も、羽生の再起と、今度こそのタイトル100期を信じて疑っていない。
夫人は元アイドルの畠田理恵で二人の娘の父。
2019年3月17日に放送された『第68回NHK杯テレビ将棋トーナメント 決勝』にて、郷田真隆九段に勝利、7年ぶり11度目のNHK杯獲得、大山康晴十五世名人とならんでいた一般将棋戦史上最多優勝記録44を45に塗りかえる偉業を成し遂げた。ちなみに、の今回のNHK杯は羽生を除くベスト4すべてが前述した羽生世代の棋士であった(郷田九段・森内九段・丸山九段)。
また、平成元年のNHK杯も当時五段の羽生が優勝しており、「羽生に始まり羽生に終わる」NHK杯になった。
2019年5月23日、王位戦挑戦者リーグ白組第5局において谷川浩司九段(十七世名人)と対戦し通算1433勝を48歳7ヶ月で達成、大山康晴十五世名人の通算勝利数とならび、同年6月4日には永瀬拓矢叡王にも勝利、歴代勝利数を更新する偉業を成し遂げた。
獲得タイトル数一覧
タイトル名 | 獲得期数 | 連覇期数 | 永世称号獲得年 | 備考 |
---|---|---|---|---|
竜王 | 7期 | 連続2期 | 2017年 | 永世竜王獲得で永世七冠となった。 |
名人 | 9期 | 連続3期×2 | 2008年 | |
王位 | 18期 | 連続9期 | 1997年 | |
王座 | 24期 | 連続19期 | 1996年 | 歴代最多獲得・連覇 |
棋王 | 13期 | 連続12期 | 1995年 | |
王将 | 12期 | 連続6期 | 2006年 | |
棋聖 | 16期 | 連続10期 | 1995年 |
合計99期(歴代1位)
「はぶ」か「はにゅう」か
苗字は「はにゅう」とも読めるため、ラテ欄の見出しなど、ニュースのタイトルによっては「フィギュアスケートの羽生結弦(はにゅう・ゆずる)とどっちの事だ?」となるケースは多い。
ちなみにどっちの羽生もNHK杯で優勝しているうえ、どっちの羽生も三冠を達成している。
さらに善治の嫁の理恵、というか一家揃って結弦のファンであることも手伝って、場合によっては「わざとか?」と突っ込みたいくらいややこしいことになる。
…だがまあスケートは春~秋にかけてはシーズンオフとなるため、冬は概ねスケートのほうを指していた‥のだが、2017年末のNHK杯フィギュアスケートの練習で結弦が負傷して2ヶ月にわたって欠場する一方、羽生棋聖が渡辺明竜王を破ったことにより竜王奪取→通算七期の条件を満たして永世竜王資格取得し「永世七冠」を達成したため、結果国民栄誉賞授与が決定、朝日杯準決勝で藤井聡太五段と戦うことになり話題をさらうことになった。
…が、その結弦も怪我明けの五輪大会で金メダルを取ってしまい、善治も同じ日に行われた朝日杯準決勝で藤井五段に敗れるのだからもうわけが分からない。
さらに羽生善治が2018年2月13日に国民栄誉賞を授与されたことから「国民栄誉賞を受賞したほうの羽生」という呼び分けが可能かとも思われたが、結弦も五ヶ月後の7月2日に同賞を受賞したため、どっちも「国民栄誉賞を受賞した羽生」になってしまった。
ややこしや。
ネットでは「#羽生くんの画像をアップすると近い構図の羽生さんの画像が送られてくる」ハッシュタグも人気である。
余談
2018年5月31日放送のNHK「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ」によれば、「羽生(はぶ)」も「羽生(はにゅう)」も埴輪などを作る赤い土のとれるところに多い苗字とされているが、「羽生(はぶ)」が鹿児島県種子島に多いのに対し、「羽生(はにゅう)」は宮城県登米市に多いとされ、双方に直接のつながりはなく同じ一族でもないとされている。
関連タグ
- 宗谷冬司:羽生と谷川浩司をモデルにしたキャラクター。
- ゲド:同じく若くして、生きながら「竜王」の称号を得、世界で唯一の立場になった人間。
- りゅうおうのおしごと!:名前は登場しない上、台詞もほとんどないが彼をモチーフにしたと思われていた「名人」という最強の棋士が登場する作品。アニメ版にあたって顔は起こされたが、どう見ても羽生のコピーである。絵師いわく「羽生みには勝てなかった」とか。そしてその後案の定、作者も羽生がモデルと認めるに至っている。