データ
身長 | 44メートル |
---|---|
体重 | 4万4千トン |
出身地 | 宇宙 |
デザイン | 板野一郎 |
概要
宇宙怪獣の一種。全身に蒼いウロコを纏い、長大な尾と魔物のような鋭い爪と長い角を持つ攻撃的な見た目が特徴。
GUYSでは既にレジストコード(データ)が記録されていたことから、過去に出現もしくは遭遇記録があると推測される。
遠距離の相手に対しては口から大気との摩擦で摂氏3千℃に上昇している火球弾道エクスクルーシブスピットを吐き、中・近距離の相手に対しては先端部分のコブにモーニングスターの様な鋭利な棘を生やした長大な尾超音速クラッシャーテイルを相手に打ち付け、さらに至近距離では両腕の爪や頭の鋭い角裂岩マチェットホーンと、攻撃面では戦況や相手を選ばないオールレンジぶりをみせる。
体に翼は無いが体をピンと伸ばす事で飛行できる(地味に『Z』において時速720kmで飛行することも判明している)ほか、水中でも難なく活動可能であり、陸空海全てのフィールドに適応した優秀な能力を持っていると言えるだろう。
また、驚いたり火球を吐く際は耳をパタパタと動かす場面も見られるが、この耳から音波を出して卵の孵化などに使用するケルビムの器官の中でも重要な部位であり、これらを破壊されると大きなダメージを受けてしまう弱点でもある。
地味に卵生であることや明確に孵化する描写など、ウルトラシリーズでも生態の大部分が解明されている珍しい例である。
ウルトラマンメビウス
ボガールに呼び寄せられ地球に飛来、市街地を蹂躙し駆け付けたGUYSや、マケット怪獣の実験テストが終了したばかりのミクラスに対してその能力を活かして翻弄するが、謎の声に怯え日本海に逃亡する。
その後何者かに呼び寄せられる形で再び市街地に飛来し再び破壊活動を行うが、奮起したミクラスにより劣勢に立たされる。ミクラスの後を受け登場したメビウスに対してはその初見殺しな能力で苦戦させるも、コノミ隊員のトライガーショットにより角を破壊されて形勢が逆転、メビウスのメビュームブレードで一刀両断され倒された。
第20話
日本海に沈んでいた卵から孵化した別個体が登場。GUYSのクゼ・テッペイ隊員はこの卵について「以前飛来した個体が潜伏中に生んだもの」と推測しており、だとすれば4話の個体はメスという事になる。
対怪獣研究所が立案した、怪獣を特殊な音波でコントロールする計画ハーメルン・プロジェクトの実験中に使用された音響反射装置から出る特殊音波の影響で卵から孵ったらしい。ベビーゴジラかお前は。
そのせいか、音響放射装置の特殊音波を耳で増幅して他の怪獣を支配下に置く能力を持ち、それを利用してアーストロンを操りながら戦うことでメビウスを追い詰めるが、ガンブースターの攻撃で音響反射装置を破壊されためアーストロンを操れなくなり、怪獣同士で喧嘩を始めてしまった直後にメビウスブレイブとなったメビウスのメビュームナイトブレードによってアーストロンを倒されてしまい、火球による反撃も虚しく自身もブレードシュートを受けて倒された。
なお、4話の個体と異なりこの個体は飛行しておらず、海底からメビウスと戦った場所である対怪獣研究所まで歩いて移動している。
また、劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』では、その道中、愛犬と遊んでいたジングウジ・タカト(GUYSの最高総議長:タケナカの孫で、海洋学者:ジングウジ・アヤの弟)と遭遇し、彼の心に深いトラウマを植え付けていたことが判明した。
後の『Z』での設定を考えると、恐らく初代ケルビムはボガールの生命エネルギー、2代目はアーストロンの生命エネルギーまたは特殊音波に引きつけられたものと思われる。音波で怪獣を操っていたのも、強い生命力を持つ怪獣を支配して自身や次世代を担う幼体の餌にしようとしていたと考えると納得ではある。(流石にボガール相手には逆に飯が自分からやって来たと思われていそうだが…)
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル
第8話「水中の王者」、NEO第10話「新たな戦いの地平で」に登場。
惑星ボリスでアーストロンと戦っており、死んだふりで騙されて奇襲を受けて耳を引き千切られ、熱線を受け爆死した。
仮に『メビウス』本編でもメビウスが止めなかったらこんな目に遭っていたのだろうか?
OP映像ではバンピーラと戦っていた。
NEOではガッツ星人に操られレイのミクラスと戦い火炎や尻尾攻撃で追い詰めたが、レイの励ましで立ち直ったミクラスの反撃を受け、突進攻撃で敗北。倒れた際にガッツ星人を下敷きにしてしまった。
ウルトラ銀河伝説においてはウルトラマンベリアルの怪獣軍団の一体として登場。グロマイト、アングロス、ロベルガーⅡ世、ジャシュラインらと共にメビウスと戦うが、ウルトラマンゼロのワイドゼロショットで粉砕された。
ウルトラマンオーブ
第9話「ニセモノのブルース」に登場。
惑星侵略連合を離反したババルウ星人ババリューを抹殺するべく、ジャグラーが召喚。
ババリューを一方的に攻めたて火球でトドメを刺そうとするが、そこへウルトラマンオーブが登場。オーブの猛攻を前に逆に圧倒され、最後はハリケーンスラッシュのトライデントスラッシュを喰らい空中で爆発・消滅した。
ウルトラジャーニー
第8話でミクの父親とその仲間たちが追い払おうとしていた猛獣として登場。
怪獣ではなく、ミクの住む世界に元から住んでいる原住生物のようだ。
ウルトラマンZ
第21話「D4」に登場。
今作では複数体のケルビムが出現する他、卵から孵化するシーンが明確に描かれており、親(マザー)である身長303m、体重99万9千tという超巨大な「マザーケルビム」という個体が登場した。
強いエネルギー波を辿って星を襲い、寄生するという生態が判明が判明する。
『メビウス』などの個体と比べてもスケールや卵の量が桁違いであり、これがマザーケルビムが余程栄養が豊富な環境に恵まれたが故の突出した発育の良さなのか、それとも従来の個体も時間をかけてマザーにまで成長するポテンシャルを秘めていたのかは謎であるが、実験中の音波によって偶発的に孵化した『メビウス』の個体と比べると明らかに繁殖の効率が良くなっている。
マザーは安全な場所で卵を産むことを優先させ、子供は卵の孵化の手伝いor外敵の排除を担うというアリやハチなどのような社会性昆虫にも近い行動を取っており、海底に隠れて1個の卵を産み落としていた『メビウス』の個体とは大きく性質が異なることが分かる。また、マザーの登場で今まで出てきたケルビムは全て幼体だったのでは?という考察もされ、仮にその説が正しければ『メビウス』の初代ケルビムはヤングマザーザンドリアスと同じく、ケルビム種としては早期に卵を産んでいた個体だったのかもしれない。
バラバの遺した剣をもとにヤプールの異次元を破る能力を応用した超兵器「D4」のエネルギーを感じとったマザーが大気圏外のスペースデブリに潜伏し、その爆破実験が行われた東太平洋・中ノ鳥島に最初の卵が隕石として送りこまれた。孵化した個体はストレイジ基地に保管されるD4のエネルギーに引き寄せられ首都圏へ飛行して移動、基地周辺に大量の卵を降り注がせ、耳の第二発声器官でマザーからの孵化を促す微弱な重力波を増幅し発信することで、他の卵を次々と孵化させる。
防衛軍総司令部の命令により(半径1kmを空間ごと消失させる威力を持つ)D4を搭載したキングジョーとヘビクラ隊長の命令で援護に来たウインダムが出撃するも、いくら倒しても次々と孵化してくるケルビムに苦戦させられる。
その後、大気圏外に潜伏していたマザーの存在が発覚し、ゼットはその撃破へ向かう。マザーは尻尾の先から大量の卵を隕石のように発射し攻撃するが、ベリアロクのデスシウムスラッシュをくらい倒された。
一方、地上にまだ孵化したケルビムが大量に残存していたが、こちらもクリヤマ長官の命令により強行発射されたD4により生じた次元崩壊に巻き込まれ全滅した(街やキングジョーも次元崩壊に呑み込まれかけたが、ゼットの光線によって押し返されて食い止められた。ただ、それを見た地球防衛軍日本支部作戦部長ユウキ・マイは異次元の力をも超える「ウルトラマンの力」に目をつけており…)。
なお、今回の件で作戦班と整備班が「D4の使用」という総司令部命令に従わなかったことを理由にストレイジの解散が決定されてしまった。その意味では『Z』の物語のターニングポイントにおいて大きな役割を担った怪獣とも言える。
『オーブ』で使役していたこともあってか、ヘビクラことジャグラーはケルビムについて知っていたが、それをユカにツッコまれ誤魔化している。
なお、新世代ヒーローズ以前の平成ウルトラ怪獣が『Z』に登場するのはケルビムが初めてである(ただしメダルだけなら前例がある)。
余談
デザインイメージはバラゴン。また、劇場版への登場を前提としていたため、尻尾は長めに設定されている。
スクリーン映えするようにイボや鱗などデザイン画にない細かなディテールが加えられ、イボは、『マグマ大使』のアロンをオマージュしている。