帰ってきた獣電戦隊キョウリュウジャー
かえってきたじゅうでんせんたいきょうりゅうじゃー
概要
スーパー戦隊シリーズ恒例となっている、TVシリーズ終了後の番外編を描いた『獣電戦隊キョウリュウジャー』のVシネマ作品。
2014年から100年後の2114年を舞台に、かつてのキョウリュウジャーの子孫達の活躍を描く。
DVDおよびBD単品の通常版の他、獣電戦隊キョウリュウジャーの超全集と作中で登場するスペシャル獣電池がセットになった初回生産限定のスペシャル版が販売された。
ストーリー
キョウリュウジャーが戦隊を組み、力を合わせてデーボス軍を退けた時から100年が経過した2114年。かつてデーボス軍の一員であったキャンデリラは改心し、賢神キャンデリラとして、その部下であったラッキューロも賢神見習いとして人々のために働いていた。
来たるべき時に備えて獣電戦隊の子孫を探し出し、彼らにガブリボルバーと獣電池を託したキャンデリラ達だったが、持ち前の適当さと曖昧な記憶のせいで新生・獣電戦隊は違和感だらけの地味なチームとなってしまった。
かくして誕生した新たなキョウリュウジャーであったが、戦いにおいては散々でデーボス軍にまで説教される始末。果たして新生キョウリュウジャーは新生デーボス軍から地球を守ることができるのか!?
2114年のキョウリュウジャー
キャンデリラとラッキューロが招集した、2014年に活躍したキョウリュウジャーのひ孫達。
当初は全員がガブリボルバーで変身していたが、ウッピーのみ自分の色を取り戻した後はガブリチェンジャーを使っている。
アームドオンと同時に出現していた右腕の装甲が変身直後から装備されおり、獣電池を消費せずに獣電アームズを召喚できるなど、100年のうちにアップデートが施されている。
また、変身者の持つブレイブと適合しない獣電竜の獣電池を使ったり、獣電池をブレイブインせずに装填しても変身自体はできるようになってはいるが、力が大幅に抑えられた状態になる。
劇中で獣電池にブレイブインして変身したのは最終決戦での変身のみで、その為それまでの戦いでは全力を出す事ができず、元々戦闘訓練なども受けていない一般人達で構成されている事もあり敵に押されている描写が多い。
ちなみにガブリカリバーは使用しない(そもそもキャンデリラとラッキューロが渡していない)。
演:竜星涼
ダイゴとは正反対に気弱な性格をした青年で、かつてダイゴが所持していたアロメラスの牙が入ったペンダントを受け継いでおり、キョウリュウジャーとして戦っていた曾祖父に憧れを抱いてる。
当初はトバスピノ獣電池でキョウリュウネイビーに変身するが、戦闘中は基本的に逃げ腰でほとんどまともに攻撃も出来ず、敵に説教までされた上で敗北した事によりキョウリュウジャーである事を投げ出してしまう。
挙げ句の果てには「キョウリュウジャーになった」という後悔の感情をアースレバンに吸収されてしまうが、仲間の危機を知った際にはダイゴにも負けない勇気を見せ、100年前の世界に向かおうとするアースレバンを追いかけてタイムスリップする最中で自分の色は赤であることに気付く。
タイムスリップした先で100年前の曾祖父達と交流して獣電池に込める「ブレイブ」を知り、これによりキョウリュウジャー達は真の力を発揮できるようになった。
自分の色を知った後はキョウリュウレッドに変身するが、名乗りや戦闘スタイルはダイゴのものと比較すると全体的にやや控えめになっている。
劇中ではキョウリュウレッド・カーニバルや、キョウリュウレッド・ウエスタンカーニバルへの変身も見せた他、TV本編では実現しなかったウエスタンカーニバルでの獣電カーニバルフィニッシュも披露した。
演者は本編主人公のダイゴと同じ竜星涼氏だが、性格や雰囲気があまりに異なる為か、竜星氏は「クランクイン当初はスタッフの1人に新顔扱いされた」と特撮情報紙で語っている。
演:斉藤秀翼
イアン・ヨークランドの子孫。
髪に銀のメッシュをいれたギターミュージシャンで、先祖と同じく女性にモテモテの男。
2114年のキョウリュウジャーは全体的に祖先とは違う性格のメンバーが多い中、彼は比較的曾祖父に近く、ウッピーとはキョウリュウジャーに選ばれる前からの仲が良い。
かつてのキョウリュウジャーの事は認知している程度の知識しかなく、あまり興味がなかったというのもあり、最初に敗北した際にはウッピーと共に早々に抜け出した。
弾き語りの最中、自分の歌の一部が偶然「パラサガン ブラック」に聞こえたことから自分の色が黒である事に気付く。
当初はブラギガス獣電池でキョウリュウシルバーに変身していたが、何故か銃の扱いが下手で落としまくっている(ギガガブリボルバーでなくともキョウリュウシルバーに変身できているが、これが100年間のうちに行われたアップデートの為なのか、元々の仕様なのかは不明)。
自分の色を知った後はキョウリュウブラックに変身。パラサショットを用いた銃撃戦が得意などはイアンと同じだが、名乗りの際にはギターを弾く動作が入る。
演:金城大和
有働ノブハルの子孫…ではなく姪の福井理香の孫(ノブハル自身は生涯独身だった模様)。
田舎から越してきた為にかなり訛りの強い東北弁で喋る腰の低い青年で、赤い眼鏡をかけている。
また、ノブハルと同様にしばしば親父ギャグを言うなど、理香の孫であるにも関わらず彼女よりもむしろノブハルに似ている。
当初からステゴッチ獣電池で先祖(の兄弟)と同じキョウリュウブルーに変身しており、ブレイブインしていなかった為に全力こそ出せなかったものの、ステゴシールドの召喚には成功。
戦闘ではガブリボルバーの持ち方を間違えてしまうなど一見すると頼りないように見えるが、メンバー達が次々とキョウリュウジャーを辞めていく中で1人スピリットベースに残るなど、キョウリュウジャーとしての使命感や信念は人一倍強い(キャンデリラからも「何故か確信が持てる」と言われている。アミねえさんはダイくんを探して行ってしまった)。
戦闘スタイルはノブハルと同じく怪力を駆使して立ち向かうが、動作などはノブハルよりも抑えめで、名乗りのポーズも一本立ちという力強く足を開いていた先代とは対照的なものになっている。
番外編ではあるものの、ジェットマンの大石雷太/イエローオウル、トッキュウジャーのトカッチ/トッキュウ2号に次ぐ3人目のメガネをかけた戦士である。戦闘時には外している弥生を含めれば4人目。
演じる金城大和は、特撮系情報誌のインタビューにて「福井理香が東北地方に嫁入りした後にできた孫」と言うキャラ作りをしていると話している。
演:塩野瑛久
立風館ソウジの子孫。
ソウジを更に粗暴面にしたような性格の「未来型ゆとり世代」。
かつてのソウジと同じく剣術家の家系を嫌い、稽古もサボっているが、厳しい曾祖父であるソウジの事は畏怖している。
当初はブンパッキー獣電池でキョウリュウグレーに変身していたが、最初に敗北した際には(家系に縛られるのを嫌っているのもあって)真っ先にキョウリュウジャーから脱退。
その後は同じく脱退したウッピーとイッちゃんと共に居るところをソウジに見つかり、強制的に家へ連行される。
嫌々ながらソウジと手合わせするが、その中で自分の色が緑である事を知り、ソウジから今後の期待を込めてフェザーエッジを託された。
自分の色を知った後はキョウリュウグリーンに変身。名乗りのポーズが全体的に荒々しいものになっており、フェザーエッジとザクトルスラッシャーの二刀流で戦うが、ソウジのように逆手持ちはしない。
なお、2114年に2014年のソウジが召喚された際には、他メンバーが感激する中で彼だけは本人が存命だった為、「ひい爺ちゃん若っ!」と驚愕していた。
演:今野鮎莉
気弱なダイくんや若干がさつな面があったアミィとは対照的なしっかり者で、いつもダイくんの世話を焼いている。
周囲の事を気にかけている点は曾祖母譲りだが、ダイくんに対して「男の子らしくない」と言うなど、発言にはやや容赦がない面も。
ダイくんと同様キョウリュウジャーの事は前々から知っていたらしく、キャンデリラ達から召集された際には他のメンバー達があまり乗る気でない中でダイくんと共に変身できる事を喜んでおり、敗北してメンバーが散り散りになった際もノブ太さんと彼女だけはキョウリュウジャーを辞めなかった。
当初はアンキドン獣電池でキョウリュウシアンに変身していたが、自分の色を知ってからはキョウリュウピンクに変身する。
アミィと同じく威力の高いハイキックの使い手で、戦闘スタイルも基本的にはアミィのそれと変わりないが、名乗りのポーズがやや抑えめになっている。
演:丸山敦史
空蝉丸の子孫で、本名は「岩泉馬ノ介」(本編終了後、空蝉丸が親方様の姓を名乗るようになったためという裏設定がある)。
2114年に再び大流行していたボウリングのプロで、イッちゃんとはキョウリュウジャーに選ばれる前からの仲が良いが、その性格は彼とは対照的に曾祖父とは全くの別物で、空蝉丸を「グレートグランパ」と呼ぶなど英語を交えて喋ったり、時折ウインクや白い歯が眩しい笑顔を見せたりと、やたらとキメたがる癖がある。
当初はプレズオン獣電池でキョウリュウバイオレットに変身していたが、敗北を機にソウジロウ、イッちゃんと共に脱退。
その後はスランプに陥ってしまうが、たまたま手にした金色のボーリングボールを使用したところストライクになった為、自分の色がゴールドであることに気づく。
キャンデリラから獣電池を受け取った際にはガブリボルバーで変身しようとしていたが、どことなく違和感を感じた瞬間に腕にガブリチェンジャーが装着され、以降はそれを使用してキョウリュウゴールドに変身している。
変身や名乗りの際の動作にはボーリングの要素が取り入れられており、戦闘中も攻撃を決めた時に毎回のようにポーズを取るなど、戦闘スタイルも先代とは全く異なる。
右腕には金色の装甲が追加されているが、獣電アームズは使用していない(なおゴルードのアームドオン自体は『でたぁ〜ッ! まなつのアームド・オンまつり!!』で登場している)。
雷電残光も使いこなすが、技名の発声が「雷電残KOOOOOooooo!!」とかなり独特。
演じる丸山敦史は、特撮系情報誌のインタビューにて「周りからキモいと言われ続けながら演じた」事を話している。
実際、前述のノブ太さんとウッピーのおかげで、キャストは撮影中に笑いをこらえる大変だったとの事。
賢神
賢神キャンデリラ
声・演(人間態):戸松遥
元・デーボス軍の喜びの戦騎。
戦騎だった頃にはなかった長いもみあげがあり、デーボスの出現を察知するとトリンのそれと同様、なびくようになっている。
その性格やテンションの高さは相変わらずだが、人のために働こうと一生懸命に頑張っている。
何故か獣電池の保管場所を知らなかったり、キョウリュウジャーに関する記憶が曖昧だったりしているが…?
記憶を取り戻した後の最終決戦では、人間態に変身してキョウリュウジャーへの応援歌(TV主題歌の『VAMOLA! キョウリュウジャー』)を披露する。
人間態も若干見た目が変化しており、髪型が金髪のボブカットに変わっている。
作中では何度かトリンの真似をしてフィンガースナップをしようとしているが、あまり上手くないのか一度も成功していない。
賢神見習いラッキューロ
声:折笠愛
元デーボス軍の楽しみの密偵。
楽観的で面倒くさがりな性格は100年経っても治らなかったようで、キャンデリラから頼まれた仕事もサボっている始末である(未だに見習いなのもろくに仕事をしない為だと思われる)。
簡単な罠にかかり復元水を奪われたり、せっかく倒した敵を昔の癖で巨大化させようとしたりと、やや抜けている点も相変わらず。
『らぶタッチ!』のファンである事も変わっていないが、7回目のアニメ映画が公開が決定した際には「らぶタッチの映画は無印が最高で、どうせ原作は超えられない」と否定的な意見を述べており、所謂懐古厨的な存在になりつつる。
2014年のキョウリュウジャーを導いた賢神。
かつての戦いで肉体は失われたが魂は未だ健在で、スピリットとなってダイくんの前に現れてアドバイスをしたり、キャンデリラに獣電池の所在を教えたりと今作でもキョウリュウジャーを導く。
また、2014年にタイムスリップしてきたアースレバンに対しギガントブラギオーで応戦、他メンバーと共にギガントキョウリュウジンの「超獣電オールギガントエクスプロージョン」で2114年に送り返した。
2014年のキョウリュウジャー
ダイくんたちの先祖でキョウリュウジャー史上初の戦隊を組んだキョウリュウジャー達。
スピリットベースには彼らとトリン、弥生、ドクター・ウルシェードが一緒に写った写真が飾られている。
2114年においては、後述のソウジを除いて全員故人である。
・桐生ダイゴ/キョウリュウレッド
・イアン・ヨークランド/キョウリュウブラック
・有働ノブハル/キョウリュウブルー
・アミィ結月/キョウリュウピンク
・空蝉丸/キョウリュウゴールド
終盤では2014年にタイムスリップしてきたダイくんを助けた他、最終決戦ではトリンがダイくんに託したスペシャル獣電池によって一時的に100年後に召喚され、新生キョウリュウジャーと力を合わせた放った『十二獣電レジェンドブレイブフィニッシュ』でアースレバンを撃破した。
立風館ソウジ/キョウリュウグリーン
2114年で唯一存命の元2014年のキョウリュウジャー。年齢は何と116歳。
父である源流のような厳格な性格になっており、両親譲りの「代金はお支払いする!」もしっかり行う。
普段は杖をついているが、その気になれば剣を振るう事が出来る程度には未だに元気な肉体をしており、ソウジロウに稽古をつけてトリンから受け継いだフェザーエッジを託した。
また、キョウリュウジャーとしてあまり乗る気でなかったイッちゃんとウッピーに対しては、喝を入れて2人が自分の色を見つけるきっかけを与えている。
結果的に(最初から合っていたノブ太さんを除く)5人中3人の自分の色を見つける為の手がかりを作っており、はっきり言って彼が存命でなければ100年後のキョウリュウジャー達は二度と再結成しなかった可能性が高く、出番は少ないながらもかなり重要な役割を担っている。
なお、妻である勝山りんは既に死別している模様。
ちなみに前述の通り、終盤では一時的に100年前のソウジも2114年の世界に召喚されている、たった数十秒とはいえ同じ時代に同じ人物が2人存在していたことになる。
2014年にタイムスリップしてきたアースレバンに対し、プレズオーで応戦した。
その後、エピローグのTIGER BOYのシーンに登場。
タイムスリップしてきた時のダイくんの映像からダイゴの結婚相手を割り出していた。
2114年のデーボス軍
※詳細は各々の記事を参照。
声:菅生隆之
百面神官カオスに似た姿をした神官で復活したデーボス軍の暫定的な司令官。カオスに比べるといくらかノリの良い性格をしている。
カオスと違い兜に感情を表す石膏の顔がなく、代わりに1000の形をした飾りを付け、額に「千」の字が書かれている。炎を模った飾りも両肩にある(カオスにもあるにはあったがトリンに切られ片側を失っていた)
声:鶴岡聡
怒りの戦騎ドゴルドに似た戦騎で司る感情は「卑屈」。「どうせ俺は・・・」が口癖でいつもヤケ酒をあおっている。「イラだたしいぜ!」と叫ぶ短気な一面もある。
ドゴルドと違い太い眉があり垂れ目。感情を表す石膏の顔もいじけた表情をしている。
声:水島裕
哀しみの戦騎アイガロンに似た戦騎で司る感情は「嫉妬」。おネエ系で人の物を欲しがってばかりいる。「欲しいわ~」が口癖。
アイガロンと違いまつ毛を生やして頭に大きな白いリボンを着けており、感情を表す石膏の顔も羨ましそうな表情をしている。
声:森久保祥太郎
陶器を思わせる白い体をした戦騎。司る感情は「後悔」。感情を表す石膏の顔も悔やんだ表情をしている。小さなことでも後悔しがちで自分を責めてばかりいる。
ガオスの指示にはない行動するなど、時折不穏な行動が見られるが…。
派手な色をしたデーボモンスター4体による怪人チーム。名称の由来は「攻撃」+「劇団四季」。声優は元になったデーボモンスターと同じ声優が担当。
デーボ・ハルダモンネ
声:杉山紀彰
ブレイブ12に登場したデーボ・タンゴセックの色違い。
デーボ・ナツダモンネ
声:高戸靖広
ブレイブ31に登場したデーボ・バーカンスの色違い。
デーボ・アキダモンネ
声:室園丈裕
ブレイブ33に登場したものの別個体。
デーボ・フユダモンネ
声:チョー
ブレイブ41~42に登場したデーボ・ヤナサンタの色違い。
余談
作中での100年後の街の描写は「建物がちょっと大きくなってモバイルが便利になったくらい(作中ナレーションより)」で、基本的には2014年の現代と変わらない風景という、ハチャメチャな展開も少なくないキョウリュウジャーにしては珍しく割と現実的な描写がされてる。
メタ的には所謂「近未来的」と聞いてイメージされるような空飛ぶ車が飛び交うようなものにしてしまうと、街の全てをフルCGで描かなければいけなくなるという予算な問題が発生してしまうのを避ける為のものだが、それを逆手に取った上手い演出と言える。
関連映像
2014年2月28日公開の予告編。