ナリア(ジュウオウジャー)
なりあ
データ
身長/192cm(ブーストコンティニュー時38.4m)
体重/164kg(ブーストコンティニュー時328.0t)
対応機種/ヌンチャクラッシャー
ジャンル/スミソナイト
概要
頭部をはじめ全身にスライムの様な形状のパーツがあしらわれた女性的なシルエットのボディを持つ。スマートで女性的な外見だが、自身に筋力強化改造を施しており身体能力は高い。
丁寧な口調が特徴で一人称は「私」。大抵相手に「様」をつけて呼んでいる。ただし、チームリーダーやプレイヤーには軽く見られているのか、呼び捨てにされる事が多い。
サジタリアークから一歩も動かないジニスの秘書として、収集した情報の報告や酒を運ぶのが主な仕事。酒はプレイヤーやチームリーダーにも差し出す事もある。
戦闘では持ち手の先から光弾を撃てるヌンチャク『ヌンチャクラッシャー』で戦う。またこの武器は、対象物をスキャンして解析する端末としても使える。
冷静な性格で、ジュウオウジャーの存在を危険視しており、ジニスに進言している。
しかし、あくまでゲーム感覚で生物を甚振り楽しむアザルドやクバルからすれば今までの星は歯ごたえがなさ過ぎた為、対抗勢力の存在は喜ばしいとして、彼女の危惧を全く意に介していない。
自らに危機が迫る状況であってもあくまでジニスの意思に沿って行動するだけと語り、クバルの独断行動を目にしながらもそのまま見逃す等、ジニスの意思に重んじる忠実な面を持つ。
反面、ジニスの為にならないと思った事にはかなり厳しい様で、いい加減なブラッドゲームを行ったドロボーズに対しては今までに無い強い口調と態度を見せている。
また、興味の大半がジニスに傾き、それ以外には無関心なために16話でナリアに好意を抱いていたマントールの断末魔に自分の名を叫んだ意味が理解できなかった。この、他人の気持ちへの鈍さは、最も大切な存在に寄り添えず、彼女の最期を最悪の形へと陥れてしまった。
先述の事から思慮深い性格であるが、16話で言いがかり同然で無実の人間を拉致したにも関わらず、無関係と判っても「価値の無い人間は殺していく」と殺そうとする等、他のデスガリアン同様に残忍な性格である。
倒されたプレイヤーを、ジニスが生み出す金のメダル・コンティニューメダルで巨大化させる役割も担っている。なおコンティニューには幾つか派生があり、メダルの複数投入で身体能力の一部を著しく強化するチェーンコンティニュー、全体的に能力を底上げして巨大化・等身大への可逆が可能なブーストコンティニューがある。
プレイヤーが倒されると地球に降り立ち、上記の言葉を放ちつつ、コンティニューメダルにキスしてから、プレイヤーの体の何処かにあるコインの投入口に投入して巨大化させる。
各話の動き
- 10話、11話
ジニス主催の特別ゲームの進行役を担当。
大和が一人でギフトに挑んだ際には「その無謀さ、嫌いではありません。花を添えてあげましょう」と称してメーバを差し向け、ギフトに甚振られる大和を嘲笑っていたが、ジュウオウジャーが5人揃ってワイルドジュウオウキングでギフトを倒した際には信じられない様子で動揺を見せた。
- 16話
ジニスからあるミッションを受け、プレイヤー・マントールを伴い地球に降り立つ。どうやら、ジューマンを探し出して捕らえ、サジタリアークに連行していたらしいが…。
後にワニ・オオカミ・サイのジューマン三人と、そのジューマンパワーを定着させられる人間の“適合者”、門藤操をすでに捕らえていた事が発覚。彼等を元にジニスは、エクストラプレイヤー・ザワールドを作り上げる事となる。
- 31話
巨獣ハンター・バングレイが探していた伝説の巨獣キューブホエールを捕獲する為自ら地球へ赴く。その時にアムたち3人に見つかりジュウオウタイガー、ライオン、エレファントと交戦。
その際ジニスより授けられた『ギフトカスタム』を操縦、止めに入ったワイルドトウサイキングを圧倒したが、現代のジュウオウホエール=風切大和を認めたキューブホエールの攻撃を受け、更にそれが変形したドデカイオーと交戦。結局、ドデカイオーを倒せずトドメの必殺技を喰らってしまう。
それでもナリアは食い下がり機体と運命を共にしようとするが、ジニスの命令により操縦席からメモリー回路を回収して脱出した。
- 40話~42話
バングレイの戦死を境に不審な行動が目立つクバルを訝しんでおり、チームアザルドのキルメンチをコンティニューするついでとして地球へ降り立ち、クバルを追跡。
そこでクバルがバングレイから奪い取った右腕の実験をしているのを目撃、問い詰めるが攻撃されたので交戦。互角の戦いを繰り広げるがトラップに引っかかった所を撃たれ気絶、記憶を読まれ拘束されてしまう。
そして、彼女の記憶を読んだクバルはそこからジニスの弱点を分析、更に手駒としてジニスや操にアザルド、チームクバルのプレイヤーを再現してジニスへの反逆を決行した。
その後、コピーのジニスに誘拐された操を探していたレオと
この時も自身よりもジニスの安否を気にしていた。
“女には本気を出さない”レオのポリシーによりそのまま解放されるが、
当然、感謝する筈が無く彼に攻撃を加えるがナリアを逃がした事を不満に思うセラはナリアごと彼を蹴飛ばす。
ちなみに彼女は何事もなく逃げ去った。その後サジタリアークへ帰還し、クバルの反逆に気付きながら止められなかった事をジニスに詫びるも、全てお見通しのジニスは余裕の笑み。
結局クバルは命乞いの為のブラッドゲームを開始した末にジュウオウジャーに敗北するが、もう少しクバルの足掻く様を楽しみたいジニスはコンティニューを要請する。動揺しつつも承諾したナリアは「ジニス様のご慈悲に感謝なさい！」と言いながら、戦闘不能のクバルを甚振った後にコンティニューメダルを複数投入してクバルを巨大化させた。
- 46話
記憶と真の姿を取り戻したアザルド・レガシーがサジタリアークへ戻って来た所を咎めるが、軽く殴り飛ばされる。そして横暴な態度で“対等宣言”をしたアザルドは、ジニスの不興を買った。
そのアザルドはジュウオウジャーとの戦いで弱点のコアを露出、必殺技を撃ち込まれる直前で、すかさずナリアはコアに複数のコンティニューメダルを投入。知性も記憶を失って巨大化するアザルドに対し「ブラッドゲームからは絶対に逃れられません」と、ジニスを侮辱した報いの言葉を投げ掛けた。
程無くアザルドもジュウオウジャーに敗北。これでチームリーダーが全滅したので今回のブラッドゲームは『ドロー』扱いとし、地球から離れようとジニスへ進言。しかしそれは却下され、遂に自ら行うブラッドゲームへも付き合う事となった。
- 47話
遂にジニスがサジタリアークから放つ矢で地球を破壊する最後のゲームを開始し、
それを見届ける。しかし思ったよりジュウオウジャーが
大人しい事に疑問を感じた為に量産型ギフトを複数引き連れて様子見の為、地上に降り立った所でジュウオウジャーと遭遇する。
「やっと来ましたね…ジュウオウジャー。尻尾を巻いて逃げ出したかと思いました…」
上記のセリフでナリアは挑発するがそれを聞いたアムとセラは、
「残念…！尻尾を巻くのはオシャレだけって決めてるの！」
「そっちこそ逃げ出すなら今のうちよ」と煽る。
地上に打ち込まれた矢に繋がる管を壊そうとするワイルドトウサイドデカキングを阻止すべくギフト達を巨大化させ、自身もコンティニューメダルを噛み巨大化する。
「相変わらず一途な女だ」とレオに言わしめる物の、ギフトはあっさり全滅した上、
ナリア自身もサジタリアークを地上に引きずり落そうとするドデカキングに飛び掛かった所に
必殺技を受けて敗北。「ジニス様は、この私が…!」と言い残して爆散した。
- 最終話
だが辛うじて等身大に戻って生き延びており、ジュウオウジャーとジニスの決戦の場に駆けつける。ジニスの正体がメーバの集合体と知るが、それでも「ジニス様を侮辱する者はこの私が許しません！」と彼を庇う様に立ちはだかり、さらに彼の心情を思いやる言葉をかけて忠誠心を見せる。
「どんなにお辛かったでしょう…。けれど、貴方がどの様な姿でも構いません。貴方は、このナリアがお守り致します」
しかし、その背中をジニスのブレードが貫く。「ジニス様、どうして…!」悲痛な叫びと共に爆死するナリアにジニスは「私に対する最大の侮辱は『同情』だ」と吐き捨てる。同情の言葉が却ってジニスの怒りを買ったのだ。
その行動原理は崇拝か、愛だったのか明かされる事はなかったが、
彼女は最後までジニスへの一途な忠誠を貫き、そして何一つ報われぬまま死んだ。
ジニスの為に仲間さえ切り捨てる冷酷な彼女が唯一「同情」と言う「優しさ」を見せた相手であるジニスが「同情」を「憐み」、つまり自分を見下す感情の様に受け取り彼女を拒んだ、と言うのはなんとも皮肉な話である。
「私はただ、貴方を…!!」
「おいジニス…！てめえ、ふざけんなよ！！」(レオ)
「お前は…そうやって寄り添ってくれる人も、全部踏みにじってきたんだな！」(大和)
彼女の悲惨な最期は、敵である大和とレオもジニスに怒りを露にしたのであった。
ジュウオウジャーVSニンニンジャーにおける行動(※ネタバレあり)
サジタリアーク内の遊戯室にジニスが姿を見せなかったので、自らの独断で抹殺専門エージェント・ギルマーダを招聘。兼ねてより危険視していたジュウオウジャー抹殺に乗り出す。
ジニスが不在の為、ギルマーダの企てが失敗してジュウオウホエールと直接対決になった状況へ応じ、抹殺計画に興味を示したアザルドとクバルを引き連れて自ら地球へ降り立つ。
(※ジュウオウジャーすらブラッドゲームの駒としてしか見ない、デスガリアンからしてかなり異例)
そのままギルマーダへ加勢しようとした所をバドに見付かるが、そこにジュウオウジャー達がスーパー戦隊の歴史を守った事で誕生した宇宙戦隊キュウレンジャーが現れ自身はカメレオンと鷲の戦士2名と交戦。しかし多勢に無勢な彼女たちに押され、遂には必殺技を受けたのでクバルと共にアザルドを盾にして回避。捨て台詞を残し撤退した。
なお、脳筋と知性派のチームリーダー二人を引き連れるナリアの姿は、どう見ても所謂三悪その物である(※退場時の捨て台詞の他、EDダンスで3人一緒で踊っていたりする)。
その後、ナリア達の援護を受けられなかったギルマーダはジュウオウジャーとニンニンジャーに敗北するが、直後にナリアから与えられたコンティニューメダルを複数枚摂取、時系列上(※)最初の“チェーンコンティニュー”を果たす。
(※クバルが存命している上バドがジュウオウチェンジャーファイナルを持っている事から、38話と39話の間でVSニンニンジャーの出来事があったと推測出来る)
しかし、巨大後のギルマーダは『巨大化前と同じ状態で戦闘(＝こちらと違いチェーンコンティニューの悪影響が無い)』『本編では負け無しのワイルドトウサイドデカキングをキングシュリケンジン諸共合体解除へ追い込んで撃破』と言うとんでもない戦績を出してしまう。
前述の様に異常な劣等感を持つジニスにとって、こうしたギルマーダの強さは無視出来ない可能性が高く、下手すればギルマーダは勿論、彼を呼び寄せたナリアにも制裁が下る可能性があった。
幸いにも、スーパー戦隊の“繋がり”の力を借りたジュウオウジャーとニンニンジャーにギルマーダは倒されたが。
最もスーパー戦隊VSシリーズは両戦隊が力を合わせる事が前提なので、VSの敵がTV本編のラスボスより上回る戦闘力を持つのはよくある事である。
Vシネマの続編では復活し、それでもなお、自身を殺した事よりジニスの仇討ちで涙を拭って戦いに臨み、タイガーと女同士正々堂々、1体1で激戦を繰り広げ 彼女に敗れた。
余談
名前の由来は天底（nadir）。天文学用語で観測者の真下の空の1点、正確には地平座標で高度が+90度の極をなす点。
天球上で天底の正反対にある点は天頂 (zenith) であり、ジニスの名前の由来と通じている。
声を演じる寿氏は本作が特撮初参加であり、ニチアサ関連では『ドキドキ！プリキュア』のキュアダイヤモンド/菱川六花の声を演じていた。→キュアナリア
ジャンル名と無機物モチーフは菱亜鉛鉱。こちらもアザルドのモチーフ同様ジャンル名と同じ名義でパワーストーンとして扱われており、好感や信頼の象徴にして不安やトラウマを払拭する効果があるとされる。
また色違いで複数種あるのだが、この内緑は“心の落ち着き”を齎すとされる。
無論、ナリアに相応しいモチーフだが、最終的に自身への強い劣等感を露にしたジニスに取っては最早『お守り』所か『玩具』ですら無くなっており、ジュウオウジャーを引き付けた所を相手諸共斬り捨てられてしまった。
また、名前に“亜鉛”と書いてある様に菱亜鉛鉱は亜鉛の精製元となる鉱物の一つである。そしてこの亜鉛は携帯ゲーム機の液晶画面へ用いられる(透明)薄膜トランジスタの材料に使われている。
そもそも、かつて供給過多だった電卓の液晶パネルの新たな応用先として開発された物がかの任天堂最古の携帯ゲーム“ゲーム&ウォッチ”であり、これを契機として液晶の技術は現在まで存続・発展してきたのである。
そう考えると菱亜鉛鉱は、“ゲーム”目的で行動するジニスの秘書、引いてはデスガリアンの裏方であるナリアを象徴するモチーフとも言える。
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フラム・ナラ：同じ声の女幹部繋がり。彼女も最終的に慕っていた上司に敵もろとも討たれたものの、ナリアとは違い、上司の性格を理解した上で望んで戦死した。
ゴーシュ・ル・メドゥ：次々作における、何か一言つけながら怪人を巨大化させる女幹部繋がり。体色も寒色系であり、組織の紅一点でもあり、中の人も某学園バンドアニメの共演者であり、スーツアクターも同じで、敵対する戦隊ヒロインのスーツアクトレスも2人とも同じで奇跡的な共通点がたくさんある。
デストラ・マッジョ：こちらも次々作に登場した組織のボスの秘書である緑色の敵幹部繋がり。ナリアとは逆に本当の意味でボスとの上下関係が良好で、戦死後はボスから悲しまれた。
