概要
ファンタジー世界観における性風俗を描いたR-18作品に定評のある天原氏の短編作品『異種風俗クロスレビュー』(リンク先R-18)を原作とする作品。
『神や魔王、人間をはじめとしたあらゆる種族が生活する世界』を題材に、
『てことはいろんな種族の風俗嬢がいるのである!』
という方向にシフトするトンデモファンタジー漫画。
第一話が読切としてドラゴンエイジに掲載された際、その題材的に『少年誌でやっていいのか』と方々から困惑の声が上がった(編集部からしてもそう思ったのか、扉絵の見出しに『内角ギリギリ』と評されている)。
だが、『発想の常勝無敗』でおなじみ天原氏のコミカルだが独特の発想で作られたストーリーと、獣人や人外娘に定評のあるmasha氏の可愛らしいキャラが絶妙にマッチした本作は多くの読者の心を掴み、モンスター娘に定評のあるオカヤド氏を始め業界関係者にも好評。
2021年12月時点で既刊は、コミックス7巻と小説版2冊、公式アンソロジー2冊が刊行中。
小説版とアンソロジーの方は普通に性描写ありなので要注意。また、アンソロジー執筆者が発表された際は、その道のガチ勢揃いに読者が戦いたという。
また「下品だが多様性に理解のある作品」「下品だがLGBTにも理解のある作品」など、コンセプトの時点で品が無い点を除けば、海外からの評価も高い。
物語・世界観
人間、エルフ、天族、魔族などあらゆる種族が共存共栄するとある異世界。色街巡りを趣味とする人間の冒険者スタンクは美人のエルフ嬢と遊んだ直後、パーティ仲間のエルフ・ゼルと嬢についての論議を交わす。
種族や年齢の相違からぶつかり合う二人は、最終的に周囲の知り合いを巻き込んで点数付きレビューの形で決着を付けることとなる。やがてそれは、男達の果てしない冒険(レビュー)の始まりとなるのであった。
基本的な原作は前出の通り「異種風俗クロスレビュー」であるが、実際には天原作品のスターシステム作品であり、原案となるプロットは(「貞操逆転世界」などの明らかに世界観の違う作品を除いた)天原作品全体から広く取り入れられている。
一方でほとんどがR-18作品となる天原作品に対し連載誌は一般誌であるドラゴンエイジであり、このため性風俗をテーマにした作品でありながら、「風俗」その他風俗に関連する文言は基本的に作中には一切出ず、「風俗店」や「風俗嬢」はそれぞれ「サキュバス店」「サキュバス嬢」のように言い換えられている。
舞台となる世界は一見よくあるライトファンタジー風の世界だが、ありとあらゆる種族が(個々の好き嫌いはあれど)共存しており、異種間での恋愛や結婚なども普通に行われている(作中では10世代も遡ればサキュバスの血が混じってないものはまずいないと言われており、むしろ完全な純血の方が稀らしい)。
また異種族とは別に異形の姿をした怪物などもおり、それらを飯の種にする冒険者もまた数多く存在している。
その一方できちんと選挙による政治体制が確立されている。
各種族の生態や感性の違いだけでなく、異種族たちがどのように共存しているか、教会や政府、神といった上層部がなぜ性風俗に寛大なのかまで自然に納得できる理由付けがなされており、作品のノリに反して世界観の設定は非常に濃密かつとても練られたものとなっている。
いわば性を通した、多種族世界のシミュレーションと言うべき作品でもある。えっちに興味がなくとも、抵抗感が無いなら一読の価値はあるといえる。
登場人物
※一話限りのキャラクターも多い為、それらは記載しない。
主要人物
人間族・男・剣士。一応の主人公。凄腕の冒険者だがスケベなおっさんで、あらゆる種族とのエッチを目的に様々な店へ果敢にチャレンジしていく。
エルフ族・男。長命種でありながら短命種と同等のライフサイクルで生きている変わり者で、(冒険もエロも) 超ベテランの人生経験を積んでいる。
通称クリム。トラブルで力を失い地上に落ちてきた天使族。
非常に純情な少年(両性)で、現在は酒場で給仕のアルバイトをしているが、スタンク達に様々な店へ引っ張り回され染まってきている。
有翼人の少女。スタンク達が拠点にしている冒険者の酒場「食酒亭」の給仕兼看板娘。
作中における一般人&常識人ポジションで、スタンク達の色街談義やセクハラ発言の連発には辟易している。
ハーフリング族・男・シーフ。呑気な顔つきに反し、以外としたたかな凝り性。
メイン三人以外では最も参加回数が多い。
犬獣人族・男・武道家。ずんぐりとした肉体派だが、趣味嗜好はかなり繊細。
参加回数はカンチャルに並び多い。
その他
その他レビューに参加する者達。所謂偏食または無嗜好のきらいがある為、参加数は少ない。
ラミア族・男。チャラ男っぽい見た目と言動の明るい人物。
蛇の本能が絡む店の場合、主に彼が同行する。
フェアリー族・男。いかにも妖精と言った羽ではなく、蝶タイプの羽を持つ。
地味な娘が好み。
悪魔族・男。少し格式張った話し方をする。
冒険者という身の上からか、悪魔族の中では融通が利く方。
サキュバス嬢
本作の肝である、多種多様な種族のサキュバス(風俗)嬢。
基本的に一話限りの登場だが、一部は再登場する事もある。
詳細はサキュ嬢を参照。
お偉いさん
世界最高位に位置する魔導士のお姉さん。数多くの研究論文を出し、様々なマジックアイテムを世にプロデュースしている天才。
魔法都市で自分にそっくりなデコイ達を派遣し、危険も承知で更なる真理の追求を図っている。
現魔王。数十メートルの体躯を持つ少女。
政権を取るべく悪魔族のイメージ向上を図っているが、あまり上手くいってない。
デフォルメチックな人相を持つ腹黒い天使。
神に仕える日々に不満を抱き、偶然そこから外れたクリムに目をつけて、彼やデミアに協力を要請したりと暗躍する。
ユウティ&アマート
神の加護を受け半神半人となった地上最強の個人戦闘力を誇る女勇者のユウテイと、地上最大の軍隊を束ねる総指揮官の神獣の獣人アマートのコンビ。
天使絡みの悪評が出たレビュアー達を粛清するためやってくるが、見つけたクリムが本物の天使だったため即撤退した。なお二人は有名人過ぎて、そっくりな人形を作れるサキュバス店で何十人もがお世話になっている。
テレビアニメ
2019年6月28日、まさかのアニメ化が発表された。2020年冬アニメとして、(深夜アニメながらも)地上波で放送予定とのこと(他にAT-XやBS11でも放送される)。
発表後はtwitterのトレンドに上がるほど反響があったが、ファンからは喜び以上に困惑の声が大きかったのか、『異種族レビュアーズ』と打った時点でサジェストに「正気」と続く(ある意味まっとうな)サジェスト汚染も発生した。なお、原作者の天原氏本人もTVアニメ化について「世間のみなさまと同じように最初は「正気ですか?」と思いました。」とインタビューで答えている。
そして2020年1月、中止されることなく無事放送が開始された…のだが、TOKYOMXでは同年2月1日に放送された第4話の放送を最後に終了した。製作委員会は「編成上の都合」としか発表していないが、理由は推して知るべしということだろう。
またサンテレビでもそれから約半月後の2月18日、こちらも「編成上の都合」で第5話限りで放送を終了することが決定した。
この二局での放送終了(繰り上げ)後の対応に関しては、TOKYOMXでは旅番組「洋上の楽園クルーズ」の再放送に差し替えられ(後に新型コロナウイルスの一件もあって、1回限りで「日本ふるさと百景」へと更に差し替えられた)、サンテレビでは前枠番組でもってその日の放送は終了、という措置を取っている。
そもそも、テレビ放送されたアニメ番組が「1ヶ月にも満たない短い期間」で打ち切りとなったケースは極めて稀であり(よく引き合いに出される「School Days」ですら、アニメ最終話の放送見合わせに至るまでに通常の1クール3ヶ月近く放送されていた)、本作が(サンテレビにおける放送終了)時点で『ドン・ドラキュラ』(制作局では4話で終了となったが、一部地域では8話まで放送。ソフト化もされている)『きょうふのキョーちゃん』(7話で放送終了。こちらはソフト化はされていない)を上回る速さで放送期間の最短記録を(一時的とはいえ)塗り替えてしまう事態となってしまった。
また、北米ではファニメーションというサイトが配信していたものの、これも2月1日までに削除されており、サイトの運営会社は海外ニュースサイトの取材に対し「自分達の配信基準から外れたため」と削除理由を説明、同時に「クリエイターに対し最大限の敬意を払う」という同社のスタンスから「大幅に内容を変更するよりも削除することが最良の選択であると判断した」としている。
もっとも、放送終了(繰り上げ)に関しては、元々内容のひどさから放送中止チキンレースとさえ言われていたため、ファンや視聴者からは「忠実にアニメ化してもエロアニメにしかならないだろうから地上波は無理だろう」との前評判から、実際に終了しても「やっぱりな」とか、「むしろ英断」とか、放送中止にしたテレビ局を褒める声が結構上がっている一方、放送終了(繰り上げ)を表明していないKBS京都(やBS11)に対する賛辞も少なからずある。そしていずれも無事完走を果たした。
そんな中、岐阜放送が2020年2月28日に1話から放送開始、2話から7話までの3日連続・2話連続1時間枠の変則放送を挟みつつ完走、さらにびわ湖放送も同年3月7日から4月11日にかけて第1話から2話連続放送形式で放送、奈良テレビも同年3月9日から29日までの間、ゲリラ的な放送スタイルで放送していたため、現在では「序盤こそ『短期間で打ち切る局』も見られたが、最終的には『集中放送で完走した局』が上回った」という認識になっている(まあ、後から放送を始めた局は勝算があってやったのだろうから、当たり前ではある)。
放送及び配信には複数のバージョンがあり、地上波・BS11・全ての配信サイト用の「通常ver.」、一部の配信サイト(dアニメストア・ニコニコ動画)用の「裏オプver.」、AT-Xの放送とBD・DVDの円盤に収録予定の「無修正ver.」が公式に発表されていて、通常<裏オプ<無修正の順に修正が薄くなっている(例として、性行為時の効果音が「無修正ver.」でははっきりと聞こえるが、「裏オプver.」「通常ver.」ではそれらが目立たないように調整されている)。
一般的なアニメにおけるソフト化の際には先の順番でリテイク(本放送からいわゆる「湯気取り」や作画修正等を行いクオリティを向上させる)されるのが慣例だが、本作は「効率的に制作を進行させたい」という意向から無修正<裏オプ<通常へと「抑えていく」事で稼働率をコントロールしている(平たく言えば「OVAを地上波で放送するために再編集する」とも表現出来る)。
なお、EDには結構ヤバイカットもある為か、2話になって地上波・BS11版は更に修正されている(サキュ嬢のプレイシーンに顔を除いてバリケードテープ状の修正が貼り付けられた)。
その為放送が1話では一週間遅れで修正の間に合った「裏オプver.」よりも最初に放送され間に合わなかった「通常ver.」の方がEDの内容がより過激になっている(乳首に薔薇の修正があるのみ)。
6話では特殊EDが放送されたが、別の意味でヤバイ事態になっていた。
関連動画
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ガールズクリーチャーズ:コラボを行ったソーシャルゲーム作品。
アウト 作者は命知らず 作者は手遅れ 公式がやっちゃいました
終末のハーレム:倫理規定審査等で放送が第1話放送直前で延期(第1話は放送された)、内容に関してもある意味でチキンレースをやっていたことで類似するだろうか。
外部リンク
ニコニコ静画連載ページ(ドラドラしゃーぷ#公式、第1~4話、最新2話、企画もの無料公開中)