注意!
この記事には多数のネタバレが含まれまる上、ショッキングなシーンも含まれます。お読みになる際は注意してください。
概要
『機動戦士ガンダム水星の魔女』の第12話のサブタイトルであり、第1クール最終話に当たる。
また、第1クールOPテーマ『祝福』の一節にも用いられている。
今までの歪ながら営まれていた「学園生活」から、それらが完全崩壊した「戦争」に舞台が移り変わる重要な回であり、本作でも多くの死者が出ている。
視聴者の反応
この回は、改修されたエアリアルの初陣である回でもあるのだが、それ以上の衝撃の数々により視聴者にとっても印象に残る回となった。
この回は地上波のTBSにおいては本来クリスマス前に放送される予定だったらしく、別の特番が入り込んだ影響で年明け後まで延期されていた事情がある。
結果視聴者からは、
- そういえばこれガンダムだった
- この状態で3ヶ月待たせるとか鬼か?
- 予定通りの放送だったらこの状態でクリスマス&年越しだったのか?
- お願いだから救いをくれ
と言った声が続出する地獄絵図が形成されてしまった。
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ALERT
警告! 直ちにスクロールを中止しなさい。
※以降から『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第10話~第12話での登場人物の生死などの詳細なネタバレが記されます! ネタバレが嫌なユーザーはブラウザバックを強く推奨します!
繰り返す、直ちにスクロールを中止しなさい!
ALERT
前文
ラグランジュ4はX010、Y030、Z099に所在するベネリットグループ所有の開発プラント「クエタ」。
そこに総裁「デリング・レンブラン」が訪れる事となったのだが、権謀術数が渦巻いていた。
動向(※ネタバレ注意!!)
時系列はデリングがプラント・クエタを来訪する以前に遡る。
グラスレー寮はGUND-ARM Inc.(株式会社ガンダム)を起業しようとした地球寮に対して阻止するべく〈決闘〉を行うが、グラスレーの敗北に終わる。
◇グラスレー
グラスレー敗北の一因となったガンダム・エアリアルがGUND-ARMであると同社CEOサリウス・ゼネリは監査組織「カテドラル」に訴え、デリングが『株式会社ガンダムの運営を認めた意図』を尋ねるも事実上の門前払いを受け不服に思う中で同席していたジェターク・ヘビー・マシーナリーCEOヴィム・ジェタークからデリングの暗殺を持ち掛けられる。
サリウスの養子シャディク・ゼネリに対しヴィムの提案を話すと、息子が「現状でデリングが死亡すれば、各株主の持ち株のバランス等でミオリネがグループのトップになれない(要約)」として後押しした為、彼は決闘に興じるようにと息子を諌めた。
シャディクは『ベネリットグループの解体』を目論んでいた為か、義父から黙認されたのもあり刻限を繰り上げて襲撃を実行。
後述する通り、結果として事実上は一人勝ちに近い形だが、今後は以下の事態が起こりうる可能性が否定出来ない。
- 社内や寮内で彼のシンパの関係者を中心にシャディク派が形成され、サリウス派との権力争いが勃発
- あるいはシャディクがサリウスを「勇退」の体裁で幽閉、彼の地位の簒奪
- 逆にサリウスがシャディクを「支部のトップとして栄転」の体裁で流刑に処しつつ、養子縁組の解消
更にフォルドの夜明けとの繋がりが暴露されれば、その時点でグラスレー社の崩壊さえ有り得るのもあり、現状は砂上の楼閣に過ぎないやも知れない。
◇フォルドの夜明け
日本を拠点としているアーシアンの武装勢力「フォルドの夜明け」にシャディクが連絡し、代表のナジ・ゲオル・ヒジャにデリングの暗殺を依頼。彼らは保有していたGUND-ARM二機を含めたMS部隊で(シャディクから与えられた航路情報を基に)クエタに向かう輸送船「カシュタンカ」を発見・ハイジャックし、乗船する。
クエタに到着すると、先行して出撃したオルコット率いるコンジャムポッド「ベルタ・ブラード」を装備したデスルター隊が宙域のジャミングと破壊工作を行った。デミギャリソンやベギルペンデで構成された守備隊を殲滅するが、エアリアルおよびドミニコス隊の出現によって撤退する。
カシュタンカにはボブという偽名を名乗り消息を絶ったグエル・ジェタークが居合わせていたのだが、船員を救うべく整備中の機体を強奪しクエタの迎撃部隊のディランザ・ソルに苦戦しながらも撃墜。しかし撃墜機にはシャディクに切り捨てられ立腹した父ヴィムが搭乗しており、同族殺しを行った息子は放心状態となってしまう。撤退時にメンバーの一人オルコットが彼の搭乗機を発見しており同組織に回収された可能性が高いが……。
◇デリングおよびラジャン
クエタを訪れたデリングは待ち受けていたプロスペラ・マーキュリーと共に「クワイエット・ゼロ」の開発進展を確認後、フォルドの夜明けのプラント攻撃により負傷。彼の娘ミオリネ・レンブランによって搬送される。
ラジャンはプロスペラがエアリアルのネットワーク構築パターンデータの記録装置を取り出そうとした際に警戒し、彼女の側近ゴドイが間に入り一触即発の事態となっている。その後デリングと別れた後襲撃に巻き込まれ、彼との合流を急ぐが……。
◇地球寮
地球寮改め株式会社ガンダムはCEOのミオリネが彼女の父デリングから経営を学び、社としては義足の運用試験を行い合格。決闘で損傷したエアリアルの修復が完了したため、クエタまで購入した宇宙船の航海訓練を兼ねて回収に赴く事となるのだが同プラントの攻撃に巻き込まれてしまう。所属するニカ・ナナウラが決死の行動としてフォルドの夜明けに信号を送り危機を脱したが、彼女が退艦しない事を不審に思った地球寮長および事実上の艦長マルタン・アップモントに一部始終を目撃されていた。
クエタ来訪前にはミオリネとスレッタの関係に不和があったが紆余曲折の末対話により解決していたものの、スレッタがミオリネの生命の危機の際に敵兵をエアリアルの手で叩き潰しその事に良心の呵責もなく自身を英雄視する様に戦慄していた。
◇その他
ジェターク・ヘビー・マシーナリー(≒ヴィム)は上述した通り立ち位置が二転三転しているが、クエタにフォルドの夜明けを招き入れた事実は否定出来ない。デリングにグラスレーの謀反を伝え制裁への協力を持ちかけるが、エアリアル及び株式会社ガンダムへの起訴取り下げはカテドラルの判断と回答しCEOの長男が消息を絶った事を指摘されると逆上し追放された。
更にフォルドの夜明けは、戦力として自社のデスルターを用いており、今後は報道各社からの『テロリストに兵器供給している』疑惑を向けられる事態は避けられない。
当然その余波は系列の子会社は勿論、同社が管理している寮の運営にも大きく影響する可能性が高く、場合によっては同寮生徒達の未来が危ぶまれてしまう事態もあり得る。
既にグエルの〈決闘〉の連敗でグループ内の地位が揺らいでいる中、現社長の死に加えテロリストとの繋がりを疑われる現状も併せると、もはや社の命運は風前の灯と酷評しても仕方ないだろう。
ペイル・テクノロジーズは当事変に静観の姿勢を見せた(それ以前にインキュベーション・パーティ以降行動を起こしていない)が、事変直前にエアリアルのパイロットであるスレッタに接触し引き抜きを掛けたが失敗に終わっている。
だが、逆説的に事変で損失を受けずにやり過ごせた為、長期的に見れば(強化人士に絡む暗部が暴露されない限り)上記の件の事実上の黒幕となったグラスレー社以上の一人勝ちでもある(事変の真相が露見されれば、グラスレー社はペイル社以上の損失は免れない状態となっている)。
シン・セー開発公社は修復を兼ねて強化したエアリアルの実戦データを得る事が出来、クエタへの攻撃に巻き込まれたものの関係者への被害もなく結果は上々といえる。
ドミニコス隊はジェターク艦隊の不審な行動を補足し、クエタに急行するも到着時にはプラントは甚大な被害を出しており守備隊も壊滅していたが襲撃者であるフォルドの夜明けを撤退させる事には成功する。
宇宙議会連合もペイル同様、静観の姿勢を見せミオリネとエージェント二名が接触したのみである。
余談
- デリングはPROLOGUEでガンダムを否定する演説を行いアスティカシア高等専門学園の理事長に就任(≒学園ものとして展開)したが、この事変での『ガンダム』らしいと評される展開および彼がたおれた事によりメタ的にも否定の否定、つまり『ガンダム』が肯定されたという暗示とも取れる。
- スレッタよりも主人公らしいと一部で評されるグエルだが、肯定的にみる層からはどの勢力に付くにしても事変に葛藤、成長していく見方が強い反面、客観的にみる層からはスレッタの対比としてフォルドの夜明けに回収された後洗脳され彼女に執着する存在になり果てるのではないかとの見方がある。
- 上述の『ガンダム』否定を踏まえると彼はこれまでの『ガンダム』として否定される存在、これからの『ガンダム』を担う彼女のアンチテーゼである可能性が高い。
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